意識の「高い人」と「低い人」
皆様こんにちは。
意識低い系WEBライター、島田です。
この「意識が高い」「意識が低い」という言葉、私の身近なところでは以前に比べるとあまり聞かなくなったと感じるのですが、皆様の周りではいかがでしょうか。
これらの言葉を最も聞いていたのは、やはり就職活動に励んでいた10数年前。
友人から大手企業の話を聞いては、
「うわあ、なんか意識高くないとやっていけなそう…」と僻んでみたり、
就職活動での自己アピールに使えるエピソードが何もないと豪語する同級生に、
「いや、意識低すぎだろ!」と言って笑いあったりなど、当時はかなり日常的に使用されていた言葉であったと思います。
言葉そのものが廃れたというよりは、自分にとって身近な話題では無くなったということなのでしょう。
しかし、今になってもやはり人の意識の高さ・低さを感じる場面は時折あります。
例えば、
「朝は出勤前にジムで軽い運動!その後出勤!ランチミーティングをして外回り!退勤後は自己研鑽と資格勉強!」
…というような方のお話を聞いたときなどは、やはりその意識の高さに感嘆するとともに、それと比べた自分の意識の低さを自嘲してしまうのです。
これは想像に過ぎませんが、意識の高い人と意識の低い人、どちらが好ましいかと聞かれると、きっと多くの人が前者と答えるのではないでしょうか。
ポジティブな人とネガティブな人、陽キャと陰キャ、神経質な人と大雑把な人…などといった言葉と同様に、本来は人の性格や特徴を揶揄しているはずなのですが、人間性の良さや能力の高さを量られているかのように感じたことがある方もいるかもしれません。
意識が低いというと、
- 無気力
- モチベーションが低い
- 上昇志向に欠ける
等といったイメージが先行しているでしょう。
しかし、意識が低い者にも(決してカッコイイものではありませんが)それなりの考えや理想があるのです…!
というわけで、今回はそのような意識低い系の皆様と一緒に転職やキャリアアップについて考えてみたいと思い、このようなテーマを掲げました。
キャリアアップという言葉から既に、「意識高そう…」「なんだか眩しい…」といった感想を抱く方もいるかもしれませんが、どうぞあまり身構えずにお目通しいただけますと幸いです。
20歳女性の忘れられない言葉
さて、始めに1つご紹介したいエピソードがあります。
これは私が以前勤めていた、とあるブラック企業でのお話です。
当時、私は既に仕事を辞めることが決まっており、退職日を目指してあくせくと働く日々を過ごしていました。
退職を申し出てから実際に会社を辞めるまでは実に半年間。
その間に、新卒で入社してから1年余りで退職を決めた一人の女性がいました。
私にとっては可愛い後輩の一人でしたが、会社の労働環境を思えば退職は仕方のないこと。
「だって島田さんが居なくなった後だと、簡単に辞めれないじゃないですか。」
と言い切る彼女のリアリストな一面に眩しさを感じていました。
そんな彼女に、
「次は何の仕事をするのかな?やりたいことはあるの?」
と聞いてみたのです。
私としては、あんな仕事が良いね、こんな職場が良いよねという想像の話で能天気に盛り上がろうと思って振った話題だったのですが、彼女は、
「いやー、もう同じ仕事しかできないと思うので、今と似たような仕事をするんじゃないですかね。」
と言いました。
正直、かなりショックでした。
社会人になったばかりの20歳の子がそんなことを言うのか、と。
「そんなことはないよ、やりたいと思ったことにはどんどん挑戦して良いんだよ。」
とは伝えたものの、このことは私の心に非常にモヤッとした何かを残しました。
周囲の様々な年齢の方にこの件について話を聞いてみましたが、
「まだ若いのにそんなこと言うの!?」
と、私のように驚く方もいれば、
「だって、商業高校出た人はだいたい事務とかやるんじゃないの?それと一緒だよ。」
という方もいます。
そういった経験から、私はビジネスライフやキャリアについて考えるようになりました。
キャリアの維持と変化
意識の低い皆様は、彼女の言葉を聞いてどのように思われたでしょうか?
「キャリアアップ」「自己研鑽」「リスキリング」という言葉は自分にとってハードルが高いと感じていた私にとって、自分自身が彼女の発言に対してショックを受けていることは、大変な驚きでした。
彼女の発言が「今の自分の実力では難しい」「お金や経験が不足している」という意味でなく、「どうせ自分自身はこうだろう」と諦め、決めつけてしまっているような言い方に聞こえたことに引っかかりを感じたのかもしれません。
もちろん、キャリアの形成の仕方は人それぞれですから、個々で異なる形になるでしょう。
あなたは、今のキャリアをそのまま継続して維持していきたいと思われますか?
それとも、自分の身を置く環境を変化させたり、自身が成長したりすることを望むでしょうか。
「初志貫徹か飽き性かの違いだ」と言われてしまいそうな気もしますが、性格の他の部分やそれぞれの生活における事情、業界や職場の空気感などにも大いに影響される部分であるように思います。
私自身はというと、好奇心に任せて変化を求めて生きたいタイプです。
しかし、例によって意識は低いままですから、自分なりのやり方やこだわりがあります。
私が転職やキャリアチェンジにおいて重視しているのは、
- 可能な限り少ない労力で
- 現在よりも労働環境が良いところを見つけ
- 自分が楽しめる仕事をする
この3点でした。
意識が高い人が具体的な目標を掲げているのに対し、意識が低い私の理想は、手の届く範囲でちょっといい感じだと思えるところを目指すというざっくりとしたもの。
高望みをしていないと言えば聞こえは良いですが、正直に申しますと、出来るだけ努力をしたくないという体たらくな理由です。
実際に仕事として与えられた場合はいくらでも頑張れるのですが、いざ自分自身のため。将来のためとなると、面倒くさく感じてしまいあまり積極的になれないのです…。
しかし、この3つの条件に当てはまる働き方をするためにはそれなりのスキルが求められることがあります。
これを叶えるために、給与や労働時間などの部分で妥協が必要な場合もあります。
つまり、これらは意識が低い私なりに決めた、転職活動の方法と新しい仕事に対する絶対条件です。
自分自身が転職活動をどのように進めていくかという展望であり、かつ、新しい仕事にどういったことを求めているかという指標ということになるでしょう…少々格好つけた表現をし過ぎてしまいました。
要するに、人によってここに当てはまるものは資格の取得であったり、金銭的なことであったり、実際の労働条件であったりなど、様々な選択肢と可能性があるということです。
転職をしたい人、したくない人、それぞれいらっしゃると思います。
「今後もし転職やキャリアアップを目指すとしたら」という仮定で、ご自分がどのように動くかを想像してみてください。
あなたが本当に求めているものは何なのかが見えてくるかもしれません。
自分自身のビジネスライフの現状について、現状維持を望む方と、変化を求める方がいます。
これは、先述したようにどちらが良い悪いという話ではなく、個人の考え方の違いによるものです。
私はどちらかというと、意識が低いながらも最小限の労力で変化や理想を目指したいタイプですが、反対に意識が高い方の中にも、現状を維持したままより良い自分を目指したい、またはビジネス以外の部分で成長したいという方もいるでしょう。
それぞれの望む形でキャリアを積み重ねていけたらベストですよね。
仕事が人生のすべてではない!でも…
近年、「ワークライフバランス」という言葉がよく聞かれるようになりました。
仕事と生活とを調和させることで、プライベートを充実させることを意味します。
働きすぎだと言われていた日本人ですが、最近は少しずつ変化してきている気がしますね。
特に、意識の低い皆さんはこれを重視されている方も多いかもしれません。
キャリアアップよりも、家庭や趣味、休養の方が重要だと考える方もいますよね。
「働きたくない」という本音を抱えながら日々しっかり働いている皆さん、偉いです。
しかし、ワークライフバランスとはよく言ったもので、もしプライベートの方のみを優先させてしまった場合、どうしても生活は上手く成り立たなくなってしまいます。
仕事が充実していない状況で、より良いプライベートを送ろうとすることはかなり難しいでしょう。
もちろん、その逆もしかり。
「仕事を充実させたければプライベートを犠牲に」という考えはもう古いものですが、「プライベートを充実させたければ仕事を犠牲に」というスタイルもおそらく成り立たないでしょう。
人生という広いくくりで考えると、仕事が生活においてかなり大きな部分を占めているという方も多いですから、やはりそのバランス感覚は非常に重要です
もしあなたが現状の生活に満足していない場合、その原因が仕事にある可能性は大いにあり得ます。
そういった原因を知るためにも、自分の理想や求める将来像について思案することは、有意義なことであると言えるでしょう。
仕事と生活、どちらかのみを重視するのではなく、全体を見ながら考えてみてください。
あなたが求めている「何か」は、少しだけ頑張って行動を起こしてみるだけで意外とあっさり手に入るものかもしれません。
ワークライフバランスについてきちんと知っておきたいという方は、是非当メディアにて荒井卓巳さんが執筆された記事をご覧ください。
ワークライフバランスの実現に必要なこととは?取り組みについて詳しく解説
キャリアアップには遅すぎる?そんなこと誰が決めたのか
キャリアアップについて検索すると、「いつまで」「何歳まで」というサジェストが出てくることをご存じでしょうか。
一般的に、転職は30歳〜35歳までにしておくべきという風潮が強いようです。
一昔前までは28歳までだった、という話もあります。
おそらく、転職やキャリアアップについて悩んでいる方々へ向けて、参考になるよう目安として提示されている数字なのでしょう。
しかし、実際にそのような線引きは必要なのでしょうか。
高齢ながらスキルや経験を生かした活動をしたり、新しいことにチャレンジしたりして世間で称賛される方々はごまんといます。
そのような世の中において、転職やキャリアアップの期限は「特にない」と言ってもいいのではないでしょうか。
もし、あなた自身が変化を求めているにもかかわらず、自分自身でその可能性を否定してしまうのだとしたら、それはとてももったいないことです。
ただ、年齢が若い方が転職活動が有利であるというのは間違いありません。
若さを一つのメリットとして捉える業界や企業も存在しています。
若い人には無いものを持ってそこへ挑む、となると、やはりスキルや経験、能力が大きなポイントとなりますよね。
意識が高い方が取り組むイメージの強い「自己研鑽」や「スキルアップ」「リスキリング」は、こういった時に大いに役立つことになるのでしょう。
しかし、例によって私のような意識の低い人はそのようなものに積極的に取り組んだことがありませんから、自分の持っているスキルや経験、能力が何なのかを具体的に知っておく必要があります。
履歴書や職務経歴書を作成する要領で、自分の職歴や資格、特技などのアピールポイントを整理しておくことで、転職やキャリアアップについてのヒントが得られるでしょう。
人生経験さえあれば「それらがまったく何もない」ということはそうありませんから、こういった角度から自分にできることや得意なことを洗い出しておくと、次のステップが見えやすくなるかもしれません。
これまでの経験がどうであれ、自分自身が今まで積み重ねてきたものは、キャリアアップにおいて決して無駄にはならないはずです。
これまで何の取り組みをしてこなかったという方でも、自分の経験を評価し、認めてあげても良いのではないでしょうか。
そしてそこからステップアップのための自己研鑽に取り組むことができれば一番良いのですが…「やっぱり面倒くさい」と思ってしまう方もいるでしょう。
お気持ちはよく分かります。
それもまた人生の一つの選択肢であると思います。
ただ、この後の人生においてあなたにどのようなことが起こるか、あなたがどのような選択を迫られるのか、自分自身に対する考え方がどう変わっていくのかはまだ分かりません。
そのような岐路に立たされた際、今回の話を少しだけでも思い出していただけたら嬉しく思います。