ワークライフバランスの実現に必要なこととは?取り組みについて詳しく解説

ワークライフバランスの実現には個人としての取り組みが重要!企業の取り組みも合わせて解説していきます。

  

はじめに

近年注目されているワークライフバランスですが、誰でも一度は耳にしたことがあるでしょう。

一言でいうと、”仕事とプライベートとの調和”を意味するものですが、実際に意識して生活している方はどれくらいいるでしょうか?

  • 仕事に追われていてプライベートの時間が確保できない
  • 寝る間も惜しんで仕事をしている
  • 休みの日は疲れ切った体を癒やすことしかできない

上記のように、仕事>プライベートの関係性が大きくなっている方が多いと思われます。

仕事とプライベートの調和は、健康で満足度の高い生活を送る上で非常に重要な要素ですが、個人だけの問題でもないため中々実現が難しい問題でもあります。

ただ、取り組み方次第でバランスを整えることは可能ですので、自分の置かれている状況下で何ができるかを考え、実行することが重要です。

そこで今回は、以下の内容について解説していきます。

  • ワークライフバランスとは
  • ワークライフバランスの実現に向けて個人ができること
  • ワークライフバランスの実現に向けて企業ができること
  • ワークライフバランスの企業の取り組み事例
  • ワークライフバランスの実現に向けた今後の課題

本記事を読み終えれば、ワークライフバランスの実現に向けて何をすべきかが明確になり、実行した結果、より満足度の高い生活へと変わっていくでしょう。

個人と企業に分けてできることを詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

ワークライフバランスとは

ここでは、ワークライフバランスがなぜ注目されているのか?充実させるメリットは何か?について詳しく解説していきます。

 

ワークライフバランスが注目されている背景

ワークライフバランスが注目されている背景として、以下の6つが考えられます。

  1. 女性の社会参加
  2. 少子高齢化
  3. 共働きの増加
  4. 長時間労働の是正
  5. 優秀な人材の流出
  6. 働き方改革

これらには、「個人」と「企業」の両方の背景が含まれますが、簡単にまとめると以下のように表すことができます。

  • 個人:子育てや介護、共働きをするために生活に使う時間が必要
  • 企業:働き方の改善や人材を確保するために労働環境の改善が必要

個人と企業では背景がそれぞれ異なりますが、より良い生活を送るため、そしてより良い労働環境にするために、ワークライフバランスが注目されています。

 

ワークライフバランスの実現に向けて取り組むメリット

ワークライフバランスの実現に向けて個人が取り組むメリットとしては、以下の4つが挙げられます。

  1. 育児や介護との両立が可能になる
  2. 健康維持
  3. プライベートの充実
  4. 生産性の向上

前述した通り、仕事以外に使える時間が確保できるため、生活の質向上に繋がると言えます。

また、自身が健康でより良い状態でいられれば、高いパフォーマンスを発揮することもできるため、仕事の生産性向上も期待できます。

そして、企業のメリットとしては以下の5つが挙げられます。

  1. 離職率の低下
  2. 人材の確保
  3. コスト削減
  4. 生産性向上
  5. 優良企業としてのイメージUP

働きやすい環境作りは、離職率を低下させるとともに、採用にかけるコスト削減にも繋がります。

また、優良企業としてのイメージが広まれば自然と人も集まるため、好循環を生み出すと言えます。

 

ワークライフバランスの実現に向けて個人ができること

個人ができる取り組みとしては以下の5つが挙げられます。

  1. 仕事の場所や時間を変える
  2. 勤務形態を見直す
  3. 仕事効率を上げる工夫をする
  4. メンタルヘルスケアを実施する
  5. 自分のスキルを磨く

ワークライフバランスを実現するためには、仕事の「場所」「時間」「効率」を見直すことが必要です。

それでは、詳しく解説していきます。

 

①仕事の場所を変える

今までは決められた時間に出社して仕事をするというのが一般的でしたが、最近では仕事環境を自由に決められる所が増えています。

具体的には、以下のように変えていけるとよいでしょう。

  • 通勤に時間がかかる→テレワークに切り替える
  • 自宅では集中できない→コワーキングスペースやカフェを利用する

「通勤時間がもったいない」「残業が多いと帰る時間が遅くなる」などの理由でプライベートの時間が削られてしまう人は、テレワークやコワーキングスペース、カフェの利用がおすすめです。

時間が確保できるだけでなく、満員電車や長時間移動による疲労やストレス軽減にもなるため、健康維持にも繋がります。

 

②勤務形態を見直す

フレックスタイム制や時短勤務の活用など、勤務形態を見直すのも効果的です。

具体的には、以下のような人におすすめです。

  • 家事・育児のために朝の時間を確保したい
  • 送り迎えの時間を確保したい
  • 就業開始時間を遅くしたい

制度があるかどうかは企業によって異なりますが、コントロール可能であれば生活を優先した就業時間に設定するのがよいでしょう。

仕事に生活を合わせるのではなく、生活に仕事を合わせる働き方も重要です。

 

③仕事効率を上げる工夫をする

仕事効率を上げることができれば、プライベートの時間確保に繋がります。

具体的には、以下のような工夫をするとよいでしょう。

  1. 業務の優先順位付け
  2. 日々のタスク管理
  3. スケジューリング
  4. 資料の整理
  5. ツールの活用

「仕事量が多くて残業してしまう」「休む時間がなくて疲弊してしまう」という声も聞きますが、多くの場合、仕事の効率化を図ることで時間を生み出すことが可能です。

  • 納期を把握していない
  • 何から手をつけるべきか分からない
  • 今日やるべきことが明確でない
  • タスクを翌日に持ち越すクセがある
  • 整理整頓ができていない

特に、上記のような方は要注意です。

プライベートの時間を確保できないのは、業務遂行が非効率だからかもしれません。

ワークライフバランスの実現においては、肉体的にも精神的にも余裕を持つことが重要ですので、仕事効率化はどの職種であっても意識しておくべき要素です。

 

④メンタルヘルスケアを実施する

心身ともに健康な状態でなければワークライフバランスの実現は難しいため、メンタルヘルスケアで予防・早期対策することが重要です。

具体的には、厚生労働省が推奨している以下の4つが当てはまります。

  1. セルフケア
  2. ラインケア
  3. 事業場内産業保健スタッフ等によるケア
  4. 事業場外資源によるケア

そもそもメンタルヘルスケアの重要性を低く考えていると対策が疎かになってしまうので、年に1回行うストレスチェックの結果をもとに、働き方や生活習慣を見直すクセをつけましょう。

セルフケアとしては、日々の生活でストレスが溜まっていないかチェックし、自分に合ったストレス解消法を実践することがおすすめです。

 

⑤自分のスキルを磨く

自分のスキルを磨くことでキャリアアップに繋がりますし、副業や兼業の道に進むこともできます。

スキルアップがおすすめな人の特徴は以下の通りです。

  • 仕事にやりがいを感じない
  • 仕事の割合を増やしたい
  • プライベートの時間を有効活用したい
  • 自己投資したい
  • 将来のためにキャリア形成したい

生活や健康を重要視している方は、前述した「仕事の場所」「勤務形態」「仕事効率」「メンタルヘルスケア」を意識して取り組むとよいでしょう。

反対に、仕事に重きを置いている方はスキルアップを図るのがおすすめです。

近年では、終身雇用が形骸化し、労働市場の流動性が高まっているため社会人のリスキリングも注目されています。

 

ワークライフバランスの実現に向けて企業ができること

ワークライフバランスの実現に向けて企業ができることは以下の通りです。

  • 休暇制度(育児休暇・介護休暇・看護休暇・配偶者出産休暇)
  • 年次有給休暇の積立制度
  • 有給を利用した連続休暇
  • 勤務時間のフレキシビリティ(フレックスタイム制度・就業時間の繰り上げなど)
  • 時短勤務
  • 変形労働時間(一定の期間内での労働時間を柔軟に調整する)
  • 残業の見直し(ノー残業デー、残業の事前申告制など)
  • 勤務場所のフレキシビリティ(在宅勤務制度・サテライトオフィス制度・リモートワークなど)
  • 転勤の限定
  • 経済的支援(業務に関わる資格の受講料・受験料を会社が全額または一部負担する、出産や子どもの成長に合わせた祝い金の支給など)
  • 事業所内保育施設
  • 再雇用制度
  • 育児・介護・家事代行・食事手配の情報提供・相談窓口の設置

ワークライフバランスの実現において鍵を握っているのは、”ワーク(仕事)”の部分、つまり「企業がどのような取り組みをしているか」です。

社員は社内規定の中でしか動くことができないため、ワークライフバランスの実現を図るには企業の協力が欠かせません。

例えば、

  • 休暇が少ない
  • 休みたい時に休めない
  • 勤務時間に融通が利かない
  • 残業が多い
  • 必ず出勤しなけれなならない

このような柔軟性のない企業の場合、個人として何か取り組もうとしても、できることはほとんどないと言えます。

これからワークライフバランスを実現させたいと思うのならば、企業の取り組みを見ておくことが必要ですし、もし動きがないのであればキャリアチェンジも検討すべきでしょう。

 

ワークライフバランスの企業の取り組み事例

ここでは、企業の取り組み事例をいくつかご紹介していきます。

 

株式会社東急コミュニティー

株式会社東急コミュニティーでは、働き方に合わせた人事で業務効率化の促進に成功しています。

具体的な施策と結果は以下の通りです。

  1. 働き方に合わせて始業時間を30分単位で変更可能→1ヶ月あたりの残業時間4時間短縮
  2. 男性の育児休暇取得率向上→4年間で5倍以上に増加

従業員の要望に合わせた制度改革はすべてがうまくいく訳ではありませんが、柔軟な働き方が可能になることで作業効率が上がるのであれば、積極的に採用していくのがよいと言えます。

 

株式会社富山富士通

株式会社富山富士通は、様々な取り組みで労働環境の改善に成功しています。

具体的な施策は以下の通りです。

  1. 育児休職制度
  2. 介護休職制度
  3. 短時間勤務
  4. フレックス勤務
  5. テレワーク
  6. 週2回のノー残業デー
  7. 時間外勤務の事前申請をしなければパソコンが自動的にシャットダウンするシステム

これらの取り組みを実施した結果、多くの社員に浸透し、育児休職取得率は100%・フレックスタイム勤務者は9割・月間平均残業時間は約4時間削減したそうです。

残業が当たり前になっている企業は、株式会社富山富士通が導入している「自動シャットダウンシステム」を採用するのも一つの手でしょう。

 

第一生命保険株式会社

第一生命保険株式会社では、従業員がいきいきと快適に働ける職場づくりを目指して様々な取り組みを行っており、男性従業員の育休取得率向上に成功しています。

具体的な施策は以下の通りです。

  1. 社内周知用のポスターを貼り出す
  2. イクメン応援宣言と銘打たれたポスターの配布
  3. 男性従業員が育児休業を取得する場合、最大20日間の有休を付与する制度

こうした取り組みにより、男性従業員の育休取得率は79.8%→92.3%にまで上昇しました。

女性の社会参加・共働き・少子高齢化などの様々な影響により、男性の育休取得の重要性はより一層増しています。

経済的・金銭的な理由で子育てが難しい環境にある方も多いので、会社が支援を充実させるだけでもワークライフバランスが整うと言えます。

 

サイボウズ株式会社

サイボウズ株式会社では、ユニークな独自の制度で自由な働き方を促進し、離職率の改善に成功しています。

具体的な施策は以下の通りです。

  1. 在宅勤務
  2. 時差出勤
  3. 子連れ出勤制度
  4. 出勤時間や在宅勤務日を自分で自由に決められる制度

こうした制度の導入により、離職率が28%→4%に低下しています。

自由な働き方の選択により、生産性が向上することはサイボウズ株式会社が証明しているため、育児や介護といった家庭の事情を抱えている社員が多い企業は、上記のような制度の導入が推奨されます。

 

TRIPORT株式会社

TRIPORT株式会社では、テレワークを活用することで多様なライフスタイルを実現しています。

具体的な施策は以下の通りです。

  1. 社内全体でテレワークを導入
  2. 1日4~6時間の勤務を週5日で行う短時間正社員の採用
  3. データ共有や勤怠管理のクラウド化など、IT設備を整備
  4. 1週間の労働時間を日単位で調整できる短時間勤務を導入

これらの取り組みにより社員の満足度が向上し、離職率は0%を維持しているそうです。

テレワークの導入だけでは残業時間が増加したり、業務が滞る傾向がありますが、IT設備の整備や勤務時間の調節も同時に行うことで、ワークライフバランスを重視した働き方を可能にしています。

育児や介護といった時間的制約のある社員がいる場合は、短時間正社員として雇用するのも一つの手でしょう。

 

ワークライフバランスの実現に向けた今後の課題

ワークライフバランスの実現に向けた今後の課題は以下の3つです。

  1. 企業文化を変える
  2. 生産性低下のリスクがある
  3. 導入に必要な人材の確保

 

企業文化を変える

前述した通り、企業が変わらなければ真にワークライフバランスを充実させることは困難です。

  • 効率よくタスクをこなしている
  • 残業しないようにしている
  • 健康管理を徹底している

このように、個人として取り組んでいても、キャパを超える業務量や半強制的な残業があっては限界があります。

そこで必要なのが、企業自体が変わることです。

身の回りの企業で、「上層部の意向によりリモートワークが禁止されている」「人材不足なのに業務が増え続けている」なんて所もあるのではないでしょうか?

生活とのバランスをコントロールするのは社員の役目ですが、仕事量や仕事環境をコントロールするのは企業の役目でもあるので、ワークライフバランスの実現には企業文化の変化が必要です。

 

生産性低下のリスクがある

ワークライフバランスの実現を図ろうとすると、生産性が低下する人や企業が出てきます。

なぜ、このようなことが起こるのか?というと、以下のような理由が考えられます。

  • 長時間労働を行っていた
  • 有給取得ができていなかった
  • チームや職員間の連携がとれていない
  • デジタルツールの導入がうまくいっていない

休みなく働いていた人の勤務時間が短縮すれば生産性が低下するのは必然ですので、「残業が多い」「勤務時間が長い」という場合は要注意です。

また、リモートワークやデジタルツールの導入により業務効率化や柔軟な働き方が可能になっても、仕組みとして成り立っていなければ意味がありません。

  • リモートワークになってコミュニケーションが取りづらくなった
  • 上手く連携がとれず仕事効率が下がった

このようなことが起こると生産性低下に繋がりますので、新たな仕組みや制度を導入する際は機能するように準備しなければなりません。

 

導入に必要な人材の確保

ワークライフバランスを実現するにあたり見直すべき項目は無数にあるため、何から手を付けてよいか分からないという企業も多いでしょう。

そこで必要なのが、新たな制度設計ができる人材の確保です。

  • 勤務形態を変えた時の対応をどうすべきか
  • 残業の管理はどうすべきか
  • リモートワークになった時の人事評価はどうあるべきか

このように改善計画を立てていくわけですが、正直誰にでもできるというわけではありません。

複数の問題を抱えている企業ですと、取り組みが長期化してしまうことが懸念されるため、成功体験を持った専門家の力を借りて早期に対策するのがよいでしょう。

 

まとめ

今回は、ワークライフバランスの実現に向けて必要なことについて解説しました。

働き方の変化によりワークライフバランスを求める声が高まっていますが、何をしたら現状を変えられるのか理解している人はごくわずかです。

勤めている会社が悪いのか?はたまた自分の行いが悪いのか?

問題は双方にありますが、基本的に変えられるのは「個人としての行い」です。

企業文化や制度といったものが変わらない限り、労働環境が大きく変わることはないため、個人としての取り組み一つひとつがワークライフバランスを実現させる鍵となります。

今回解説した5つのポイントを実行すれば、自分に合った働き方に一歩近づくと思いますので、ぜひ試してみてください。

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Who is writing

医療系大学卒業後、理学療法士として医療機関に勤務。その後、整体院を運営をするなかでWebマーケティングも経験する。コンテンツ制作スキルを活かし、医療健康分野や不動産、プログラミングなどの幅広いジャンルの記事執筆を行うとともにWebディレクションにも従事。「一人でも多くの人の悩みを解決する」をモットーに活動の幅を広げている。