chatGPTマスターを目指してvol.44 「ノシ」ってどういう意味?
後輩相手に思わず使ってしまった言葉は、実は昔の言葉であったようでした。ところで、機械学習における「昔」はいつを指すのでしょうか。

研究室の学生と話していたときのこと。
といっても対面で話していたわけではなく、Slack等のチャットアプリで話していたわけでもなく。
共有されているGoogleスライド上で文字を打って消して、をしながら話をしていました。
『こんばんは』
「こんばんは〜」
書かれた文字は消え、次の会話がスタート。
『今発表練習中です』
「ファイト!」
時刻は真夜中24時ごろ。
寝る前にふと開いたファイル内で作業中の後輩から声をかけられたのが、会話開始の合図でした。
チャットアプリではないので履歴も残らず。
いつもと違う話の仕方が面白く、また、時間も手伝ってなんとなく深夜テンションになってしまった私は、つい、寝る前の挨拶として「ノシ」と打ってしまいました。
ところでこの「ノシ」というものをご存知でしょうか。
こちらはアスキーアートと呼ばれる、文字や記号を使って表現される絵の一種です。
「ノシ」が表すものは、手を振り上げたり、あるいは振ったり。
つまり、意味合いとしては「バイバイ」に近いものになります。
後輩と話していてつい使ってしまった「ノシ」。
でもふと冷静に考えると、最近はめっきり「ノシ」が使われている場面を見ることはありません。
…もしかして、伝わってない?
恐る恐る「ノシって意味わかる…?」と聞いてみると、思ったとおりの答えが返ってきました。
『noshiってなんですか?』
つまり、伝わっていなかったのです。
後になって調べてみると、「ノシ」をはじめとするアスキーアートが流行っていたのは2008年ごろ。
後輩の年齢を20歳と仮定すると、2008年当時は3歳。
知っているわけがありません。
久しぶりに感じたジェネレーションギャップです。
「ノシ」はすでに、昔の言葉(?)になってしまったようです。
ところでこの「昔」がいつを指すのか?は文脈によって大きく変化します。
例えば流行り廃りで言えば10年前はひと昔前、かもしれませんし。
生物学で考えれば、「昔」が指すものは人間が生まれるよりも前、つまり数千年単位の時間差を指すものである可能性があります。
星を考えるとさらに長く、「昔」が示すものは数億年単位でのお話になるような気がします。
では、機械学習分野ではいかがでしょうか?
ここで「昔」が指すものを「何かが大きく変わったタイミング」と仮定すると、機械学習分野における「昔」はヘタをすると、数ヶ月前にも当てはまってしまいます。
数ヶ月前はできなかったことが、今ではできる。
(例えば利用者への質問を通して深く物事を調べられるOpenAI社のDeep Researchが出たことによって、AIを使った調査能力は全く別物になりました。)
もっと大きな変化を挙げるとしたら、chatGPTの登場は間違いなく、AIに関する大きな変化点でした。
研究者にとっても研究対象がガラリと変わり。
実ビジネスにおいても、これまで存在しなかったプロンプトエンジニアリングという新しい職業が誕生しただけでなく、多くのビジネス構造も変化しました。
chatGPTの登場前は今から見れば「昔」と言って差し支えないかと思います。
でも実は、chatGPT が登場したのは2022年11月。
つまり、登場からまだ2年数ヶ月しか経過していないということになります。
たった2年前なのに、遠い昔のことのようです。
「昔」が指す時代がいつなのか。
それが短いから良いというわけでも長いから良いというわけでありませんが、少なくとも機械学習の分野では非常に早い分野で最新の研究が変わっています。
この分野で生きていこうと思ったら。
あるいは、機械学習を活用してビジネスを進めていこうと思ったら。
常日頃から最新の情報を得ることは決して欠かせないに違いありません。
P.S.
ちなみに2022年生まれのchatGPTに「ノシ」って知っている?と聞いてみました。
すると、さすがchatGPTです。
ネットワークスラングの1つであって、「バイバイ」の意味を持っている、ことをすぐに答えてくれました。
おそらく調べて回答してくれたのだと思います。
一昔前のchatGPTであれば検索をしてくれず、「熨斗」に関する回答をしていたのかな、と思うと、chatGPTも進化しているんだなあとしみじみしてしまいました。
P.P.S.
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