自走する組織のメリット・デメリットとは?作り方について解説
変化が激しい現代において必要なのは管理統制型の組織か?それとも自走する組織か?メリット・デメリットとともに作り方も解説します。

はじめに
近年では、デジタル・トランスフォーメーション(DX)の進展やオンラインビジネスの急成長など、社会が様々な変化を遂げています。
これらの変化は、現代社会の構造や価値観に大きな影響を与えており、個人や組織が新たな環境に適応せざるを得ない状況を生み出しています。
そのような中で注目されているのが、自走力があるメンバーとその人たちが作り出す自走する組織です。
外部からの指示や管理がなければ機能しない組織では、トップダウンの指示待ち文化が強く、個々のメンバーが自主的に課題を見つけ出し、解決に向けて動くことが難しい状況にあります。
このような場合、従業員は受動的であり、自分の役割に対して責任感が薄く、日々の業務をこなすだけに終始する傾向があります。
結果として、変化への対応が遅れ、新しい機会や課題に柔軟に対処することが難しくなってしまいます。
このような組織では、外部環境が変化した際の適応力が弱く、長期的な成長が妨げられるリスクが高くなるため、個々のメンバーや組織が自走力を身につけておくことが必要です。
そこで今回は、自走する組織のメリットやデメリットについてまとめるとともに、具体的なアクションについても解説していきます。
自走する組織を作ることができれば、組織全体の一体感や協力体制が改善し、全体のパフォーマンスの向上が期待できますので、ぜひ参考にしてみてください。
自走する組織とは

自走する組織とは、外部からの指示や管理がなくても、個々のメンバーが自発的に目標を設定し、課題を解決しながら組織全体の目標達成に向けて主体的に動くことができる組織を指します。
具体的な行動としては、以下のような例が挙げられます。
- 営業チームが独自に売上目標を設定し、達成のためのマーケティング戦略を立案・実行する
- 製造ラインでの生産効率が低下している場合、従業員がボトルネックを分析し、改善策を提案する
- カスタマーサポートチームが、問い合わせ対応の効率を上げるために、新しいツールや手順を導入する
- エンジニアが自主的に新製品のプロトタイプを開発し、上層部に提案する
- 社員が新しいソフトウェアを習得し、そのノウハウを社内で共有する
これらの行動は、自主的に意思決定し、行動できる環境と文化が整っているからこそ可能になります。
すなわち、自走する組織を作るには、自走力があるメンバーを育てるだけでなく、一人ひとりが自走できる環境や文化を整えることが必要だということです。
自走する組織が重要視される背景

自走する組織が重要視される背景には、現代のビジネス環境の複雑化と変化の加速、従業員の意識や価値観の変化、そして競争の激化などが考えられます。
具体的には、以下の通りです。
- ビジネス環境の急速な変化
- 従業員の価値観と働き方の変化
- イノベーションの必要性
- リモートワークの普及
①ビジネス環境の急速な変化
テクノロジーの進化やグローバル化により、ビジネス環境はかつてないスピードで変化しています。
例えば、市場のニーズやトレンドは短期間で変わるため、組織は迅速に対応しなければ競争に遅れを取ってしまいます。
従来のようなトップダウンの意思決定では対応が遅れることが多く、現場で迅速な判断と行動が求められるようになりました。
その点、自走する組織は、現場のメンバーが自主的に行動することで、こうした変化に即座に対応する力を持っているため、近年重要視されています。
②従業員の価値観と働き方の変化
近年では、従業員の価値観が変化し、やりがいや自己成長、ワークライフバランスを重視する傾向が強まっています。
特に、ミレニアル世代やZ世代の従業員は、単なる指示待ちやルーチンワークではなく、自己の判断でクリエイティブに仕事を進めることを求める傾向があります。
もちろん若い世代の全ての人に言えることではなく、最低限の業務や賃金でいいという人が一定数いるのも事実です。
ただ、転職時代と言われるように、自分の理想的な働き方を求めて転職を繰り返し、キャリア形成している人が確実に増えています。
そのため、一昔前の終身雇用・年功序列を推進する会社よりも自走力のある組織や会社が求められています。
③イノベーションの必要性
競争が激化する中では、イノベーションを続けることが企業が生き残るための鍵となります。
イノベーションは、現場からの新しいアイデアや視点が重要であり、それを促進するためには現場が自主的に動ける環境であることが必要です。
すなわち、従来の管理・統制型のスタイルから自走型へと移行していく必要があります。
自走する組織は、メンバーが自発的にアイデアを提案し、試行錯誤を行う文化を育むため、イノベーションが生まれやすいと言えます。
④リモートワークの普及
COVID-19パンデミックを契機にリモートワークが広く普及してから、オフィスに集まっての管理や指示が難しくなっています。
このような状況では、各自が自律的に業務を進めることが重要となるため、自走力が求められるようになりました。
自走する組織では、メンバーが物理的に離れていても共通の目標に向かって自ら動くことができるため、リモート環境でも高いパフォーマンスを発揮することができます。
2024年現在でも、リモートワークを取り入れている企業は多くあることから、一人ひとりが自ら考えて行動する力というのは今後も重要視されていくと言えます。
自走する組織の特徴

自走する組織の特徴は以下の通りです。
- 共通のビジョンや価値観がある
- 自主性と責任感がある
- フラットで柔軟な組織構造である
- 継続的な学習と自己改善を重視している
- エンゲージメントが高い
これらの特徴があるからこそ、自走する組織は現代の複雑で変化の激しいビジネス環境を生き抜くことができていると言えます。
①共通のビジョンや価値観がある
自走する組織では、全メンバーが共通のビジョンや価値観を共有しており、それが個々の行動の基盤となっています。
ビジョンとは、組織が目指す長期的な目標や理想の姿を指すため、これが共有されることで組織全体が同じ方向を向き、全メンバーが共通の目標に向かって努力することが可能です。
また、価値観は組織内で重視される倫理や行動規範のことを指します。
価値観が共有されることで、組織内での行動や意思決定の基準が統一され、メンバー間の信頼関係が深まります。
例えば、「顧客第一」といった価値観が共有されている組織では、全メンバーがこれをもとに誠実さを持って行動するため、顧客対応やチームワークにおいて一貫性を保つことができます。
このようなビジョンと価値観が統合されることで、メンバーはどのような状況でも一貫した行動を取ることができますし、変化が求められる状況でも、組織全体の方向性を見失うことなく柔軟に対応することが可能になります。
②自主性と責任感がある
自走する組織のメンバーは、自分の役割を明確に理解しているため、トップダウンの指示を待たずに自ら課題を見つけ出し、解決策を考えて実行に移します。
このような姿勢は、組織が直面する課題に対して迅速かつ効果的に対応する際に役立ちます。
また、自ら新しいアイデアを考え出し、試行錯誤する傾向にもあるため、組織全体の創造性を高めるとともに、革新的な製品やサービスを生み出すことにも貢献します。
加えて、強い責任感を持っていることから、行動した結果に対しても真摯に向き合い、最後までやり遂げる意志も持ちます。
このような高い自主性と責任感が組み合わさることで自己管理能力も高くなるため、上司からの管理や監督が不要になり、不確実な状況や新たな課題に直面した際にも適切に対応することが可能です。
③フラットで柔軟な組織構造である
自走する組織は、従来のピラミッド型の階層構造ではなく、よりフラットで柔軟な組織構造を持っています。
これにより、メンバー間のコミュニケーションが円滑になり、迅速に意思決定を行うことが可能です。
また、権限が現場に分散されているため、メンバーが自らの判断で行動する自由度が高まり、変化に柔軟に対応できるようになっています。
例えば、小規模なスタートアップ企業では、CEOや幹部が直接業務に関与し、現場の意見をすぐに取り入れることで変化に迅速に対応しています。
このような柔軟性があるからこそ、個々のメンバーのエンゲージメントが高まり、市場の変化や競争の激化に対しても素早く反応できます。
④継続的な学習と自己改善を重視している
自走する組織は、変化に適応するために継続的な学習と自己改善を重視しています。
メンバーは、新しいスキルや知識を積極的に学び、それを業務に適用することで組織全体の能力向上に寄与しています。
そもそも自走する組織には、失敗を恐れずに試行錯誤を繰り返す文化が根付いており、これが自己改善やイノベーションの源となっています。
このような文化は、メンバーが常に最良の成果を追求する動機付けとなり、組織全体のパフォーマンス向上に繋がっています。
⑤エンゲージメントが高い
自走する組織では、メンバーが自分の仕事に強い関心とやりがいを感じており、組織の目標達成に向けて積極的に貢献しようとする意欲があります。
組織のビジョンや目標が明確であり、それに共感しているメンバーが多いほどエンゲージメントも高まるため、自走する組織では、自然と仕事に対して情熱が持てるようになるのです。
この高いエンゲージメントは、メンバーのモチベーションを高め、離職率の低下や生産性の向上、サービスの質向上をもたらし、ポジティブな組織文化の形成に繋がります。
自走する組織のメリット

自走する組織のメリットは以下の通りです。
- 臨機応変な対応ができる
- イノベーション能力が高い
- モチベーションとエンゲージメントが向上する
- 自己成長が促進される
これらのメリットは、組織や個人の仕事に対する効率性や効果性を高め、持続的な成長を実現するのに役立ちます。
①臨機応変な対応ができる
自走する組織は、フラットな構造や柔軟なチーム編成を特徴としており、外部の変化に迅速に適応する能力があります。
これにより、ビジネス環境や市場の変化に対して効果的に対応することが可能です。
臨機応変な対応を実現している具体的な要素としては、以下の6つが挙げられます。
- フラットな組織構造である
- クロスファンクショナルなチームがある
- 従業員に権限を委譲している
- 継続的な学習と改善を行っている
- 業務プロセスや管理が柔軟である
- 組織の文化が変化に対して柔軟である
例えば、Amazonは小さな実験を素早く実施し、その結果をもとに改善を行うことで変化に柔軟に対応しています。
このアプローチにより、市場のニーズに即応し、革新的な製品やサービスを提供することに成功しています。
このように、柔軟な対応力や適応力があることで、変化を機会として捉えることができ、組織は競争優位性を維持することが可能となります。
②イノベーション能力が高い
自走する組織では、メンバーが自由にアイデアを出し合い、実験や試行錯誤を行う文化が根付いているため、革新的なソリューションが生まれやすくなります。
イノベーションは、組織が持続的な成長を実現するために不可欠なものです。
例えば、AppleのiPhoneのように新しい価値を創造し、競争相手との差別化を図ることもできますし、顧客満足度の向上や業務効率の改善にも繋がります。
最近では、テスラが自動車産業における電動化と自動運転技術の導入で注目されていますが、このイノベーションは、電動車両の普及を加速し、自動車業界に大きな変革をもたらしました。
このように、高いイノベーション能力は、市場の変化や顧客のニーズに対応できるだけでなく、社会全体を変えることにも繋がるのです。
③モチベーションとエンゲージメントが向上する
自走する組織では、メンバーに大きな裁量と責任が与えられ、自分の仕事が組織の成功に直結しているという実感を持ちやすくなります。
これにより、仕事に対するモチベーションやエンゲージメントが向上します。
メンバー一人ひとりが、モチベーションやエンゲージメントが高い状態で働くことで、組織全体のパフォーマンスが向上し、結果として競争力の強化に繋がります。
主な効果としては、以下の5つが挙げられます。
- イノベーションの促進
- 生産性の向上
- ポジティブな企業文化の形成
- 離職率の低下
- 顧客満足度の向上
これらの効果は、組織の成功に大きな影響を与えるため、モチベーションやエンゲージメントが高い従業員は一人でも多くいた方がいいと言えます。
④自己成長が促進される
自走する組織では、メンバーに多くの責任を与えるため、リーダーシップスキルや自己管理能力の向上が自然と促進されます。
リーダーシップスキルや自己管理能力が向上するメリットとしては、以下の5つが挙げられます。
- 組織のパフォーマンス向上
- 革新力の向上
- ポジティブな企業文化の形成
- キャリアパスの明確化
- 組織全体のエンゲージメントの向上
このように、リーダーシップスキルや自己管理能力の向上は、メンバー個人の能力開発にとどまらず、組織全体の成功と持続的な成長に直結します。
一般的に、リーダー層の育成は容易ではありませんが、自走する組織においては自然とそれができる環境であるため、マネジメントの負担が減るのも大きなメリットと言えます。
自走する組織のデメリット

自走する組織には多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。
主なデメリットは以下の通りです。
- 組織全体の方向性が分散する
- パフォーマンスにばらつきが出る
- 過度な競争が生まれる
- リスク管理が難しい
①組織全体の方向性が分散する
自走する組織では、各個人やチームが独立して意思決定を行うことが奨励されますが、それが過度になると組織全体の方向性が分散するリスクがあります。
これにより、組織全体としての一貫性が失われ、目標達成が困難になる可能性があります。
具体的なリスクは以下の通りです。
- 戦略の不整合:異なるチームが独自の戦略や目標を追求し始めると、組織全体の戦略と不整合が生じる可能性があります。例えば、ある部門が短期的な利益を重視する一方で、別の部門が長期的な投資を進めるなど、方針の不一致が生じることがあります。
- 業務の重複:自走する各チームがそれぞれ独立してプロジェクトを進める場合、同じような業務が複数の場所で行われることでリソースの無駄遣いが発生することがあります。
このようなリスクを避けるためには、明確なビジョンの共有や効果的なコミュニケーションなどを行い、組織全体の方向性を維持することが必要です。
②パフォーマンスにばらつきが出る
自走する組織では、個々のメンバーやチームが自主的に動くため、能力やリソースが異なる場合、パフォーマンスや成果にばらつきが出る可能性があります。
具体的なリスクは以下の通りです。
- 業績のばらつき:自律性が高いことから、高いパフォーマンスを発揮するチームもあれば、思うように成果を上げられないチームも存在します。そのため、組織全体の一体感やモチベーションに悪影響を及ぼすことがあります。
- リソースの偏り:各チームが必要なリソースを自分たちで確保する責任があるため、リソースの分配が偏ることがあります。結果として、リソースを効果的に活用できるチームとそうでないチームの間に格差が生じる可能性があります。
このような不均一なパフォーマンスを防ぐためには、組織全体で一貫した基準とサポート体制を整え、各チームや個人が均等に高い成果を上げられるようにすることが重要です。
③過度な競争が生まれる
自走する組織では、各チームや個人が独立して目標達成に取り組むため、時には過度な競争が生まれたり、他のチームとの連携が不足することがあります。
その結果、組織全体の協力関係が阻害され、孤立感を生むリスクがあります。
具体的なリスクは以下の通りです。
- 競争の激化:各チームが自己の目標達成を優先するあまり、他のチームとの協力や情報共有が疎かになることがあります。このような状況では、組織全体のシナジーが失われ、目標達成が困難になることがあります。
- 孤立感の増加:個人やチームがあまりにも独立して動くと、他のチームや同僚との関係が希薄になり、孤立感が増すことがあります。これにより、コミュニケーションが不足し、組織全体の協力体制が弱まる可能性があります。
このようなリスクを避けるためには、組織内で協力や連携を促進し、心理的な安全性を確保することが重要です。
④リスク管理が難しい
自走する組織は、柔軟で自主的な行動が促進される一方で、様々な要因によりリスク管理が難しくなることがあります。
具体的な理由は以下の通りです。
- 責任の所在が曖昧であり、誰がリスクを特定し、どのように対処するのかが明確でない場合がある
- リスクに関する情報が組織全体に伝わらないことがある
- 各メンバーが異なる知識や経験を持つため、リスクに対する感覚が統一されていないことがある
- リスク管理が個々の能力や意識に依存しているため、組織全体としてのリスク対応がばらつく可能性がある
これらのリスクを軽減するためには、組織全体でのリスク管理体制の明確化や情報共有の仕組みの強化、リスク管理スキルの向上が必要です。
自走する組織の作り方

自走する組織を作るためには、以下のような段階的かつ具体的なアプローチが必要です。
- ビジョンと価値観を明確にして共有する
- 支援型リーダーを育成する
- 自主性と責任感の促進を図る
- フラットで柔軟な組織構造を構築する
- 学びや自己改善の機会を提供する
これらのステップを実行することで、メンバーが自律的に動くことができ、変化に強い組織が構築されます。
①ビジョンと価値観を明確にして共有する
自走する組織では、全員が同じ方向を目指していることが重要です。
そのため、まずは組織のビジョンや価値観を明確にし、それを全員と共有することから始めましょう。
具体的なアクションは以下の通りです。
- ビジョンと価値観に関する研修を行う:全員参加の研修を行い、組織のビジョンや価値観を再確認します。
- ビジョンと価値観の可視化:オフィスの目立つ場所にビジョンや価値観を掲示し、日常的に確認できるようにします。また、再認識するためのミーティングを定期的に行うことも大切です。
共有したビジョンと価値観が組織内にしっかりと浸透しているかを確認するための指標としては、以下のようなものがあります。
- エンゲージメント調査:メンバーのエンゲージメントレベルを測る調査を定期的に実施し、ビジョンや価値観に対する共感度や理解度を評価します。
- 従業員満足度調査:ビジョンや価値観に対する従業員の理解度や共感度を測定するための質問を含めた満足度調査を行います。
- 離職理由の確認:離職理由を分析し、ビジョンや価値観に関連した問題がないかを確認します。
これらの指標を通じて、定量的または定性的に評価することで、組織全体の一体感を把握することができます。
②支援型リーダーを育成する
メンバーの成長を加速させるには支援型リーダーが必要ですので、あらかじめ育成しておくのが理想的です。
支援型リーダーは、メンバーの自主性や成長を支援し、心理的安全性を提供することで、組織全体のパフォーマンスとエンゲージメントを高めます。
具体的なアクションは以下の通りです。
- 自己評価とフィードバックの活用:リーダーに対して定期的な自己評価を実施し、他のメンバーや上司からのフィードバックも取り入れます。これにより、自分の強みと改善点を客観的に理解し、リーダーシップのスタイルを見直すきっかけを提供します。
- 共感力を強化するトレーニングの実施:感情の読み取りやアクティブリスニング(積極的傾聴)を練習し、他者の視点を理解する力を養います。
- コーチングトレーニングの実施:リーダーがメンバーの成長を促進するためのコーチング技術を学べるプログラムを提供します。これには、質問を通じてメンバーの考えを引き出す技術や、目標達成に向けた行動計画の策定支援が含まれているとベストです。
- メンタリングプログラムの導入:経験豊富なリーダーをメンターとして新たなリーダーに割り当て、実際の業務や課題を通じて支援型リーダーシップを学ぶ機会を提供します。
- オープンなコミュニケーションの奨励:リーダーが率先してオープンなコミュニケーションを実践し、メンバーが自由に意見を述べられる環境を作ります。
- 失敗を学びの機会とする文化の育成:失敗を責めるのではなく、それを学びの機会と捉える文化をリーダーが推進します。リーダーが自ら失敗談を共有することで、メンバーも安心してリスクを取れるようになります。
- 段階的な権限移譲:メンバーの成長に合わせて、段階的に意思決定の権限を委ねます。初めは小さなプロジェクトやタスクから始め、徐々に大きな責任を持たせることで、メンバーの自信と能力を育みます。
- 自己管理を行う仕組み作り:メンバーが自分の業務を管理し、自ら目標を設定できるようにプロジェクト管理ツールを提供したり、定期的な1on1ミーティングを行います。
- 定期的なリーダーシップトレーニング:支援型リーダーシップに焦点を当てたトレーニングを定期的に提供し、新しいリーダーシップ理論や実践方法を学ぶ機会を作ります。
- 実践的な学習機会の提供: リーダーが実際の業務で支援型リーダーシップを実践できるように、プロジェクトやチームビルディング活動を通じて学びを深める場を提供します。
これらを実践することで、リーダーはメンバーを効果的に支援し、成長を促進することができるようになります。
前述した通り、自走する組織を作るには、まずは自走できる人材が必要です。
支援型リーダーが自走できる人材の一人として周りに働きかけることが一番の近道であり、それが最終的には自走する組織の成功に繋がります。
③自主性と責任感の促進を図る
自主性と責任感の促進も、自走する組織を作るために不可欠な要素です。
メンバーが自主的に行動し、その結果に責任を持つような環境を作ることで、組織全体のパフォーマンスや柔軟性が向上します。
具体的なアクションは以下の通りです。
- 意思決定の権限を委ねる:各メンバーに意思決定の権限を委ねることで、自分の業務に対して主体的な姿勢を持ち、迅速に対応することが可能になります。
- 目標設定を自分で行う:自分で設定した目標に対して責任を持つことで達成意欲が高まり、結果に対する意識も強くなります。
- 自主的な行動を奨励する:メンバーが新しいアイデアや改善策を提案し、実行できる機会を積極的に提供します。
- 失敗を許容する文化の構築:失敗を学びの機会と捉え、責任を取ることを恐れずに挑戦できる文化を作ります。具体的には、失敗を振り返り、次に活かす方法を組織全体で共有します。
大切なのは、自分で考えて行動するように促しつつ、必要に応じて建設的なフィードバックやサポートをすること、そして失敗してもいい環境を作ることです。
これができれば、一人ひとりが責任感を持って自主的に行動できるようになります。
また、チーム全体で目標や結果に対する責任を共有し、メンバー同士が互いにサポートし合えるようになれば、個人が抱える負担を軽減しつつ、チーム全体としての成果を追求できるようにもなります。
④フラットで柔軟な組織構造を構築する
自走する組織作りには、メンバー個人の変化だけでなく、組織の変化も必要です。
具体的には、権限が上層部に集中しない、フラットで柔軟な組織構造を目指します。
これにより、メンバーが迅速に意思決定を行い、自主的に行動できるようになります。
具体的なアクションは、以下の通りです。
- 組織の階層を最小限にする:中間管理職を減らし、メンバーがリーダー層に直接アクセスできるようにします。
- セルフマネジメントチームの導入:小規模で自律的なチームを編成し、それぞれが自主的に意思決定を行う形態を採用します。
- クロスファンクショナルチームの編成:異なる専門分野を持つメンバーを組み合わせたチームを編成し、部門をまたいだ協力を促進します。これにより、複雑な問題にも迅速に対応できるようになります。
- ジョブローテーションの実施:メンバーが異なる役割や部署で働く機会を提供し、幅広いスキルを習得できるようにします。
組織の構造や仕組みが現状にどれだけマッチしているかは、定期的に評価しなければ分かりません。
そのため、メンバーからのフィードバックや外部コンサルタントの意見を取り入れながら、必要に応じて見直しや改善を行うことが大切です。
実際に組織変革を行う際は、小さなチームやプロジェクトで新しい組織構造や働き方を試験的に導入し、効果を確認してから全体へ展開するアプローチを取ることも有効です。
⑤学びや自己改善の機会を提供する
継続的な学習と自己改善の文化を確立することは、自走する組織を作る上で非常に重要です。
この文化が組織内に根付くと、メンバーは常に成長を目指し、新たな知識やスキルを習得する姿勢を持つようになります。
具体的なアクションは以下の通りです。
- リーダーが模範となる:組織のリーダーが自己改善や学習に対して積極的な姿勢を示すことで、メンバーも学ぶ意欲を持ちます。
- 学習の重要性を明示化:組織のビジョンや価値観に学習と成長を組み込み、その重要性を明確にすることで、全員が学習を業務の一部として捉えるようになります。
- トレーニングプログラムの実施:業務に関連する知識やスキルを向上させるためのトレーニングを定期的に行います。オンラインの受講や外部研修の選択肢があると尚良しです。
- メンターシップとコーチング:経験豊富なメンバーが他のメンバーをサポートするメンターシップやコーチングシステムを導入し、知識や経験の共有を促進します。
- 成果の共有と表彰:自己改善に取り組んだ成果や成功事例を社内で共有し、達成を祝福する文化を作ります。
- 報酬とインセンティブ:自己改善に対するインセンティブを提供し、モチベーションを高めます。例えば、資格取得や新しいスキルの習得に対して報酬を設定することが挙げられます。
- パフォーマンスレビューの活用:定期的なパフォーマンスレビューを行い、改善点や成長の機会について具体的なフィードバックを提供します。
- 新しいスキルの実践:学んだ知識やスキルを実際の業務に積極的に適用する機会を提供します。プロジェクトや業務の改善に役立てることが学びの継続に繋がります。
このように、継続的な学習と自己改善の文化を確立するためには、「①学ぶ意欲を持たせる→②学ぶ機会を提供する→③自己改善のサポートをする→④成果を認識する→⑤定期的にフィードバックする→⑥業務に反映させる」の順番で実行に移すことが重要です。
そうすることで、組織全体が効率よく成長し、一人ひとりが自走できる力を持つようになります。
まとめ
今回は、自走する組織のメリットやデメリットを中心に、組織を作る際の具体的なアクションについて解説しました。
現代のような変化が激しいビジネス環境に適応するためには、従来の管理統制型の組織から自走する組織に変えていくことが必要です。
ピラミッド式の組織構造のままだと権限が上下に分かれているため、意思決定や判断が遅くなり、創造的なアイデアや改善策を実行しにくくなります。
しかし、自走する組織であれば、フラットな組織構造になるため、スピード感を持って一人ひとりが自主的に行動できるようになります。
自走する組織には、このようなメリットが多くあり、デメリットも対策できることがほとんどですので、構築できれば変化に強く、持続可能な成長を実現しやすくなります。
なお、自走する組織作りには、以下のステップで段階的に進めることが重要です。
- ビジョンと価値観を明確にして共有する
- 支援型リーダーを育成する
- 自主性と責任感の促進を図る
- フラットで柔軟な組織構造を構築する
- 学びや自己改善の機会を提供する
メンバー一人ひとりが同じ方向を目指していることが大前提となりますので、ビジョンや価値観の共有は一番力を入れて行うとよいでしょう。
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