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研究室の先輩から、こんなことを聞かれたことがあります。
「今度先生にお礼を送りたいのだけど、ビール以外で先生が飲んでいるお酒って何があったっけ?」
お酒好きであれば大体どんなお酒でも美味しく飲んでくれるだろうけれど、せっかくであれば好きなお酒をプレゼントしたい。
そんな気持ちで尋ねてきてくださったと思うのですが、これは大問題です。
というのも、そんなに普段、「誰がどのお酒を飲んでいる」ということを意識していないためです。
乾杯はビール。
そのあとは、糖質を気にしてハイボール。
他のお酒を飲むこともあるけれど、基本はお店に合わせたお酒を飲むことが多くなっていて。
日本酒も飲んだけど、あれは日本酒メインのお酒だし。。。
そんなこんなで一生懸命記憶を捻り出したところ、ふと思い当たりました。
イタリアンのお店では、ワインをボトルで飲んでいたことに…!
普段、焼酎や日本酒のボトルや四合瓶を頼むことはほとんどないはずなのに。
これはきっとワインが好きに違いない!
そう思いだせば不思議なもので、ワインが好きであると判断できる記憶がたくさん出て来ました。
居酒屋さんで飲むグラスワイン。
後輩の結婚式で飲むワインたち。そういえばおかわりもしていた気がします。
以上を踏まえ先輩には「先生は赤ワインを飲んでいた気がします」と報告したのですが、記憶があっていることを祈ります。
それはさておき、最近のAIは「どれだけ相手のことを覚えていられるか?」を次の競争軸としているようです。
もう少し正確にいえば、「相手を理解しているAI」を目指しているようなのです。
長年一緒に働いている同僚のように、あなたがどういう仕事の仕方をするのか。どんな考え方を持っているのか。そして、どんな背景情報を持っているのか。
一から十まで全部説明しなくても適切な回答が返ってくるとすれば、こんなに使いやすいAIはありません。
実際の機能としては、たとえばOpenAIはChatGPTに対して記憶機能を導入し、過去の会話内容をもとにユーザーごとに対応を最適化することを勧めているようです。
つい先日も、ChatGPTの記憶力に関するプレスリリースが公開されていました。
【Dreaming: Better memory for a more helpful ChatGPT】
https://openai.com/index/chatgpt-memory-dreaming/
もちろんこれは過去のやり取りを一言一句覚えているわけではなく、
Aさんは簡潔なやりとりが好き
Bさんはちょっと失礼なくらい、率直に意見を言ってくれる人が好き
のように、その人の傾向を把握する、と言ったもののようです。
さらに今年発表されたWorkspace Agentsでは、チームや組織の文脈を理解しながら業務を進める仕組みも組み込まれているようです。
(私自身、タスク管理のためのAgentsを作成して使っているのですが、とても簡単な機能のため、この仕組みの恩恵は受けられていないようです…)
そしてこの流れはOpenAIにとどまりません。
Googleは「Personal Context」、Anthropicは「Long-term Relationship」という表現を用いながら、ユーザーとの関係性を重視し、ユーザーに合わせた出力ができるように、日々モデルをブラッシュアップしています。
とはいえ、個人的には「相手の趣味嗜好を把握する」と言う点において、人間の能力はAIを凌駕していると認識しています。
これはもちろん、視覚的・音声的情報が使えることももちろんですし、小さい頃から途方もない時間をかけて、人間関係と向き合って来た、人間ならではのスキルだと思います。
しかしながら、賢さを追い求めて来たAIが「相手に合わせた振る舞い」を習得しようとする今日この頃。
私たちのAIとの向き合い方はもちろん、人間関係への向き合い方にも、何かしらの影響が出てくるかもしれません。
P.S.
AIがどんなに賢くなっても、私のお酒の好みは当てられない気がするのですがどうなのでしょうか。
検索履歴からバレるようになってしまったら恐ろしいことです。。
P.P.S.
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