はじめに
突然ですが、リモートワークで仕事をしている人に質問です。
会社で仕事をするのと同じように、自宅でも集中して仕事ができていますか?
「できている」と答えられた人は、おそらく仕事ができる人でしょう。
一方で、「できていない」と答えた人は、自己管理や仕事の取り組み方が間違っている可能性があります。
そもそも、会社でも自宅でも集中できないという人は、今すぐに仕事のスタイルを変えるべきです。
仕事をする際に集中力を保てないとミスが多くなってしまったり、作業に時間がかかりすぎてしまいます。
しかし、どこにいても集中して仕事ができるようになれば、安定して高い生産性を生み出せるようになります。
そこで今回は、集中力が続かない原因をひもといていくとともに、向上させる9つのコツについて解説していきます。
趣味や好きなことであれば集中できるのに、仕事になると集中力が維持できないという人は、ぜひ参考にしてみてください。
集中力とは
集中力とは、ある1つのことに意識や注意を集中させる能力のことです。
例えば、映画を最初から最後まで見続けたり、サッカーでシュートを打つ際にボールに意識を向けたりなど、必要となる場面は様々です。
仕事においては、細かな作業や会議、打ち合わせなどで高い集中力が必要となります。
集中力が低いと作業が滞ってしまったり、クリエイティブな発想ができなくなります。
反対に、集中力が高ければ高いほどスムーズに進められますし、質の高い仕事を行うことができます。
人間が集中できるのは何時間?
人間が集中できるのは、短くて15分、長くて90分、平均的には50分と言われています。
集中力を高めるトレーニングをしている人でも、長くて120分と言われています。
つまり、一般的な労働時間である8時間フルで集中し続けるというのは不可能に近いのです。
集中力を持続させるコツ
では、集中力が高い人はどのようにして高い状態を維持しているのでしょうか。
集中力を維持させるコツは、集中を妨げる要因を減らしたり、短時間の集中を何回も繰り返したりすることです。
集中力を高めるトレーニングをするしか方法はないと思っていた人は、少し安心したのではないでしょうか?
集中力を高めることも必要ですが、マイナス要因を減らすことも同じくらい重要なのです。
集中力が続かない5つの原因
集中力が続かない5つの原因は以下の通りです。
- 脳のエネルギー源が不足している
- 身体的・精神的不調を抱えている
- 作業時間が長すぎる
- 気が散る環境で作業している
- マルチタスクをしている
自分にどの対策が合っているか見極めるためには、原因について知っておくことが重要ですので、生活習慣を振り返りながら見てみてください。
①脳のエネルギー源が不足している
集中力を保つためには、エネルギー源としてブドウ糖が必要です。
体内にブドウ糖が少ない状態だと脳が活発に働くことができないため、どんなに頑張っても集中力は下がってしまいます。
また、ブドウ糖からエネルギーを作り出すためにはビタミンB1という栄養素も必要です。
つまり、糖質制限やビタミン不足、ケトジェニックダイエット(糖質抜きダイエット)のような食生活を送っていると、脳に十分なエネルギーが行き渡らず、集中力が低下してしまうのです。
②身体的・精神的不調を抱えている
心身に不調がある場合も、集中力を保つことが難しくなります。
例えば、風邪を引いていたり、睡眠不足の状態では脳の働きが鈍くなります。
また、疲れが溜まっていたり、肩こりや腰痛などの不定愁訴がある場合、体の不調に注意が向いてしまい仕事に集中できなくなります。
気持ちが落ち込んでいたり、悩みがある場合も同様で、仕事以外に意識してしまうことがあると集中力が妨げられてしまいます。
③作業時間が長すぎる
作業時間が長すぎると、誰でもいつかは集中力が切れてしまいます。
実際に、打ち合わせや会議がいくつも続いたり、タスクを連続でこなしている人も多いのではないでしょうか?
「会議の後半は何を言っていたかよく覚えていない・・・」なんてこともありますよね。
前述したように、人の集中力は長くて90分と言われています。
そのため、休憩なしで仕事をし続けることで集中力が落ちることは当然です。
④気が散る環境で作業している
気が散る環境では、他のことに意識が向いてしまい、仕事に集中できなくなります。
例えば、周囲の人の声がうるさかったり、人の出入りが多い環境では、どうしても周りの音が気になってしまいます。
いくら集中力が高い人でも、目や耳から入ってくる情報量が多いと、1つのことに意識を向け続けるのが難しくなります。
周りを気にしないように意識したとしても、完全に遮断することはできないため、気が散る環境では集中力を保つことが困難です。
⑤マルチタスクをしている
マルチタスクをしていると注意が分散してしまい、1つのタスクに対する集中力が落ちてしまいます。
例えば、会議中にメールをチェックしたり、複数のプロジェクトを同時に進めていたりすると、どらちかに意識が偏ってしまいます。
また、やることが多くあると、「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」というように頭の中がタスクのことでいっぱいになります。
こういったプレッシャーを感じることからも、集中力を保つのが難しくなってしまいます。
集中力を維持する9つのコツ
集中力を維持する9つのコツは、以下の通りです。
- 環境を整える
- マルチタスクをやめる
- 無駄な作業がないか見直す
- タスクを細かく分解する
- 栄養補給をする
- 小休憩を挟む
- 仮眠をとる
- 小さな不調を放置しない
- 生活習慣を見直す
何が効果的かは人によって異なるため、まずは集中力が続かない原因を把握することが重要です。
その上で、必要だと思うことを実践するのがよいでしょう。
①環境を整える
集中力を維持するには、環境を整えることが最優先です。
色々なことに意識や注意が向いてしまう人は、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 机の周りをきれいにする
- 見えるところにスマホを置かない
- テレビは消しておく
- 話し声や雑音のしない環境を選ぶ
環境を整える上で重要なのが、外からの情報を出来る限り少なくするということです。
目に見えるところにスマホがあれば誰でも触りたくなりますし、近くにベッドがあれば寝転びたくもなります。
しかし、周りに何もない環境であれば仕事に集中せざるを得ません。
特に、注意力が散漫な人は、仕事に必要なもの以外周りに置かないような環境にするとよいでしょう。
②マルチタスクをやめる
マルチタスクは脳を疲れさせる原因にもなるため、できるだけ控えるようにしましょう。
メールを見ながら会議の準備をしたりなど、同時に多くのことをすると脳のリソースが少なくなっていきます。
そうなると徐々に疲労が蓄積し、集中力が低下していってしまいます。
仕事を効率よく行う上では、マルチタスクは有効とも言えますが、集中力を維持する上では、シングルタスクの方がおすすめです。
また、マルチタスクに慣れてしまうと、シングルタスクでは物足りないと感じてしまい、1つのことに集中できなくなっていきます。
そのため、早いうちから1つの作業に集中するクセをつけることが重要です。
③無駄な作業がないか見直す
人の集中力には限度があるため、無駄な作業はできる限り減らしていくべきだと言えます。
よくやりがちな無駄な作業は以下の通りです。
- 過剰なメールチェック
- 関係のない会議に参加する
- 手作業でのデータ入力や処理
- 重要でない作業に時間を割く
- 細かい部分にこだわりすぎる
集中力が続かないと嘆いている人ほど、上記のような無駄な作業に多くの時間を費やしています。
1時間みっちり集中できる人でも無駄な作業に30分費やしていれば、重要な仕事に集中できる時間は30分ということになります。
少しでも重要な仕事に集中し続けたいのであれば、普段行っている作業の一つひとつに無駄がないかチェックするとともに、仕事の効率化を図ることが大切です。
④タスクを細かく分解する
無駄な作業をなくして、必要な仕事のみに注力できるようになったら、タスクを細かく分解しましょう。
集中力を長く維持するコツは、タスクごとに意識の切り替えを行うことです。
ただし、タスクのボリュームが大きいままだと長時間作業することになってしまうため、集中力が続かなくなってしまいます。
そこで重要なのが、短時間で終わるレベルにタスクを細かく分解することです。
「キリが良いところまでやったら休憩を取ろう」と考える人も多いのではないでしょうか?
このキリが良いところを意図的に作り出してあげるのがポイントです。
目安としては、60分〜90分以内に終わるタスクに分解するとよいでしょう。
⑤栄養補給をする
集中力を維持するためには、栄養補給も大切です。
一般的に即効性があると言われるものは、以下の通りです。
- コーヒー
- お茶(緑茶)
- エナジードリンク
- ビタミンサプリメント
- チョコレート
- バナナ
これらには、カフェインやテアニン、タウリン、ビタミンなどが含まれており、集中力を向上させる効果が期待されます。
空腹の状態だと力が出にくいように、栄養が行き渡っていなければ頭を活発に働かせることもできません。
特に、頭を使う仕事の人ほど脳のエネルギー消費が激しいため、定期的に摂取してチャージすることが大切です。
⑥小休憩を挟む
集中力を長く保つには、小休憩を挟むことが大切です。
有名な方法としては以下の2パターンが存在するため、自分に合った方を選択するとよいでしょう。
- ポモドーロテクニック:25分の作業と5分の休憩を組み合わせて行う。4セット行ったら15〜30分の休憩を取る。
- 48:12分法:48分作業して12分休憩を取る。
人の集中力は、トレーニングしている人でも120分が限界だと言われています。
しかし、実際には一日中集中して仕事をしている人も多く見られます。
そのような人は、定期的に小休憩を挟むことで、集中力を回復させているのです。
「2時間みっちり仕事をしたら5分休憩する」というように、集中できる時間と休憩時間の組み合わせは人によって様々ですので、実際に試してみて、自分なりのスタイルを構築するとよいでしょう。
⑦仮眠をとる
どうしても眠くて集中できない時は、仮眠を取ることも大切です。
ベストの仮眠時間は人によって様々ですが、一般的には10分から20分の仮眠は、睡眠不足や眠気を解消し、注意力や集中力を回復させると言われております。
このような短い仮眠は、深い睡眠段階に入らず目覚めがスムーズであるためリフレッシュ効果が期待できます。
60分以上の長い仮眠は、体力の回復や疲労軽減効果がありますが、深い睡眠段階に入るためスムーズに起きられない可能性があります。
そのため、集中力を維持するためには、20分以内の仮眠に留めておくのがよいでしょう。
⑧小さな不調を放置しない
集中力を維持するためには、体の小さな不調を放置してはいけません。
例えば、肩こりや首こり、頭痛や腰痛、足のむくみや目の疲れなどが挙げられます。
こういった不調があると、仕事だけに意識を向けることができなくなり、集中が途切れてしまいます。
体のケアは、つい後回しにされがちですが、仕事ができる人ほど体のことに気を遣っています。
腰や肩を痛めないようにするために、自分に合った机や椅子を使うのも1つの手です。
あとは、こまめにストレッチをしたり、整体に行くなど体のメンテナンスをすることが大切です。
⑨生活習慣を見直す
生活習慣を見直して、健康的な体にすることも大切です。
一般的によく言われることですが、以下の3つが本当に重要です。
- バランスの取れた食事
- 適度な運動
- 良質かつ十分な睡眠
これらを実践していれば、体の不調を最小限に抑えて、頭が活発に働く状態にすることができます。
現代はストレス社会ですので、悩みや不満をゼロにするということは難しいでしょう。
しかし、少しでも心身ともに健康な状態にあることで、他のことに気を取られずに済むようになります。
普段から十分な睡眠が取れていれば仮眠が必要になることも少ないですし、運動習慣があればも体も痛くなりづらいと言えます。
コロナが蔓延したときのように、体が健康でなくなっては仕事ができなくなる可能性もあるため、健康を第一に考えましょう。
まとめ
今回は、集中力が続かない原因と長く維持させるためのコツについて解説しました。
仕事を効率よく進めるには高い集中力が必要ですが、無理やり意識を向けたところでそう長く続くことはありません。
人の集中力には限度があるため、どんな人でもいつかは限界を迎えてしまいます。
そこで押さえておきたいのが、以下の9つのポイントです。
- 環境を整える
- マルチタスクをやめる
- 無駄な作業をしない
- タスクを分解する
- 栄養補給をする
- 休憩を挟む
- 仮眠をとる
- 不調をなくす
- 生活習慣を整える
これらを実践することで、他のことに気を取られることが少なくなり、目の前の仕事に全集中できるようになります。
もともと集中力が低い人でも長時間集中できるようになりますので、ぜひ試してみてください。
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