
2026年3月12日。
The Vergeというアメリカの技術系ニュースサイトに掲載されていた記事がこちらです。
【OpenAI’s Sora video generator is reportedly coming to ChatGPT】
https://www.theverge.com/ai-artificial-intelligence/893189/openai-chatgpt-sora-integration
OpenAI社が、動画生成AIであるSoraをChatGPTと統合しようとしている、ということが述べられていました。
主にテキストで多くの価値を生み出してきたChatGPTが動画にも手を伸ばし、その有用性がぐんと向上することが期待されていた、ように思います。
そして時は少しだけ流れ、12日後の2026年3月24日。
今度はNew York Timesにこのような記事が上がっていました。
【OpenAI Is Shutting Down Sora, Its A.I. Video Generator】
https://www.nytimes.com/2026/03/24/technology/openai-shutting-down-sora.html
つまり、OpenAI社は動画生成AIであるSoraを、ChatGPTヘ統合するどころかshutting down、つまりクローズしてしまうというのです。
朝令暮改とまでは言わなくても、まさかの12日で大幅な方向転換。
動画生成が生成AIの次の主戦場だ、と言われていたにもかかわらず、このような意思決定がなされました。
その理由として、大きく分けると2つ挙げられます。
第一に、OpenAI社の経営方針とあっていないことがあります。
最近のプレスリリースを見ると、これはOpenAI社に限ったことではありませんが、より「儲ける」ためのサービスにシフトしようとする動きが見えます。
例えば企業向けビジネスの拡張を狙うために、AIツールをまとめた製品の作成計画すらあるようです。
一方で動画生成は、技術的にはものすごいのですが、ビジネスとして成立するかどうかは怪しいところがあります。
その理由として、動画の生成コストが高いことがあります。
画像であれば1枚の絵を描けばいい一方で、動画にしようと思えばそれを数十枚・数百枚、あるいは数万枚を用意する必要があります。
もちろん連続性を持たせる必要があるため、純粋に1枚の絵を生成するためのコストを比較することはできませんが、間違いなく膨大な計算コストがかかります。
計算コストがかかるということは、計算資源であるGPUも、電気代もかかる。
その費用を利用料に上乗せすれば、ユーザーが使ってくれなくなる。
つまり、ビジネスとして成り立たせることがとても困難になります。
2つ目に、動画の影響力の大きさがあります。
これまでテキストや画像でも同様の問題は起きていたのですが、動画は影響力が大きい分、リスクが段違いになります。
例えば著作権。
著作権が保護されている映像素材を誤って使ってしまえば、大きな問題となります。
他にも多くのフェイク画像が作成されており、その影響は国家間の関係性にすら及ぶことが懸念されます。
つまり、小さな間違いであっても、一気に社会問題となることが懸念されます。
OpenAI社は今、「なんでもできる会社」から「儲けを重視する会社」へと、取捨選択をしている最中のようです。
そのためには、世界最先端の技術であっても撤退する判断をする。
これまでにかけたコストや、AI業界における立ち位置を思えば、きっと並大抵の判断ではなかったと思うのですが、それを意思決定できるOpenAI社はさすがだな…と一人のユーザーとして思わされました。
開発資源を集中させたOpenAI社が、どんな便利なツールを公開してくれるのか、とても楽しみです。
P.S.
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