chatGPTマスターを目指してvol.69 最先端技術を持っているのに、撤退するのはなぜ?

OpenAI社が誇る画像生成AIのSora。その方針は、この2週間以内にガラッと変わりました。

  

2026年3月12日。

The Vergeというアメリカの技術系ニュースサイトに掲載されていた記事がこちらです。

【OpenAI’s Sora video generator is reportedly coming to ChatGPT】

https://www.theverge.com/ai-artificial-intelligence/893189/openai-chatgpt-sora-integration

OpenAI社が、動画生成AIであるSoraをChatGPTと統合しようとしている、ということが述べられていました。

主にテキストで多くの価値を生み出してきたChatGPTが動画にも手を伸ばし、その有用性がぐんと向上することが期待されていた、ように思います。

 

そして時は少しだけ流れ、12日後の2026年3月24日。

今度はNew York Timesにこのような記事が上がっていました。

【OpenAI Is Shutting Down Sora, Its A.I. Video Generator】

https://www.nytimes.com/2026/03/24/technology/openai-shutting-down-sora.html

つまり、OpenAI社は動画生成AIであるSoraを、ChatGPTヘ統合するどころかshutting down、つまりクローズしてしまうというのです。

朝令暮改とまでは言わなくても、まさかの12日で大幅な方向転換。

動画生成が生成AIの次の主戦場だ、と言われていたにもかかわらず、このような意思決定がなされました。

 

その理由として、大きく分けると2つ挙げられます。

 

第一に、OpenAI社の経営方針とあっていないことがあります。

最近のプレスリリースを見ると、これはOpenAI社に限ったことではありませんが、より「儲ける」ためのサービスにシフトしようとする動きが見えます。

例えば企業向けビジネスの拡張を狙うために、AIツールをまとめた製品の作成計画すらあるようです。

一方で動画生成は、技術的にはものすごいのですが、ビジネスとして成立するかどうかは怪しいところがあります。

その理由として、動画の生成コストが高いことがあります。

画像であれば1枚の絵を描けばいい一方で、動画にしようと思えばそれを数十枚・数百枚、あるいは数万枚を用意する必要があります。

もちろん連続性を持たせる必要があるため、純粋に1枚の絵を生成するためのコストを比較することはできませんが、間違いなく膨大な計算コストがかかります。

計算コストがかかるということは、計算資源であるGPUも、電気代もかかる。

その費用を利用料に上乗せすれば、ユーザーが使ってくれなくなる。

つまり、ビジネスとして成り立たせることがとても困難になります。

 

2つ目に、動画の影響力の大きさがあります。

これまでテキストや画像でも同様の問題は起きていたのですが、動画は影響力が大きい分、リスクが段違いになります。

例えば著作権。

著作権が保護されている映像素材を誤って使ってしまえば、大きな問題となります。

他にも多くのフェイク画像が作成されており、その影響は国家間の関係性にすら及ぶことが懸念されます。

つまり、小さな間違いであっても、一気に社会問題となることが懸念されます。

 

OpenAI社は今、「なんでもできる会社」から「儲けを重視する会社」へと、取捨選択をしている最中のようです。

そのためには、世界最先端の技術であっても撤退する判断をする。

これまでにかけたコストや、AI業界における立ち位置を思えば、きっと並大抵の判断ではなかったと思うのですが、それを意思決定できるOpenAI社はさすがだな…と一人のユーザーとして思わされました。

開発資源を集中させたOpenAI社が、どんな便利なツールを公開してくれるのか、とても楽しみです。

 

 

P.S.

↓メルマガの新規登録はこちらから↓

https://48auto.biz/keieijinji/touroku/sp/scenario13.htm

(スマートフォンよりご登録いただけます)

Who is writing

大学にてデータサイエンスを学ぶ傍ら、多くの人にデータ分析の面白さを伝えたいと日々奮闘中。