世界で評価される日本のゴルフコースとは・その2~世界ゴルフコースランキングの選考基準~
世界から見た日本のゴルフコースについて取り上げるシリーズ。今回は、世界ゴルフコースランキングにおけるコースの評価基準についてです。

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世界で評価されている日本のゴルフコースはどこなのか。
そもそも世界のゴルフコースランキングは、どのような評価基準なのか。
世界から見た日本のゴルフコースについて、シリーズで取り上げます。
2回目の今回は、世界ゴルフコースランキングにおけるコースの評価基準についてです。
パネリストはゴルフコースのどこを見るのか

世界に数多いゴルフコースランキングの中でも、
●アメリカのゴルフダイジェスト(Golf Digest)誌が選定する「World’s 100 Greatest Golf Courses」
●アメリカのゴルフマガジン(Golf Magazine)誌とそのサイトであるゴルフドットコム(Golf.com)が選定する「Top 100 Courses in the World」
の2つは、長い歴史や規模の大きさから特に権威あるランキングとされています。
この2つの特徴は、世界各地にいるパネリストの投票によってランキング付けされるという点です。
ではパネリストは、ゴルフコースのどのような点に注目して評価しているのでしょうか。
次の章では評価項目や評価方法について具体的にご紹介します。
世界ゴルフコースランキングの評価方法

●評価項目を定め、公平性の維持に努めるゴルフダイジェスト誌
始めにゴルフダイジェスト誌の評価方法についてご紹介しましょう。
ゴルフダイジェストのパネリストは、次の8つの項目についてそれぞれ10点満点で採点していきます。
・SHOT OPTIONS(ショットのオプション)
リスクと報酬を伴う多様なオプションをどれだけうまく提供し、幅広いショットを必要とするか。
・CHALLENGE(チャレンジ)
通常営業でも使われるバックティーからスクラッチゴルファーがプレーして、フェアでかつチャレンジングなものか。
・LAYOUT VARIETY(レイアウトの多様性)
各ホールの長さ (ロング、ミディアム、ショートのパー3、4、5)、構成 (ストレートホール、左右のドッグレッグ)、ハザードの配置、グリーンの形状、グリーンの輪郭など、18ホールのレイアウトがどの程度多様か。
・DISTINCTIVENESS(独自性)
他のホールと比べて、各ホールがどれくらい個性的か。
・AESTHETICS(美観)
ラウンドの楽しさを高めてくれるようなコースの美観か。
・CONDITIONING(コンディショニング)
フェアウェイはどれくらい硬く、速く、転がりが良かったか。グリーンはどれくらい硬く、それでいて反応が良かったか。パットの転がりはどれくらい正確だったか。
・CHARACTER(特徴)
コースのデザインは独創性と独自性に優れ、その時代において傑出していると考えられる特徴を備えているか。
・FUN(楽しさ)
あらゆるレベルのゴルファーが定期的にプレーしても楽しめるコースか。
その後、SHOT OPTIONS(ショットのオプション)の評価点だけを2倍し、他の7つの指標の評価点と合算します。満点は90点となるわけです。
さらに、パネリスト自身が所属しているコースの評価点を恣意的に高くするといった可能性を排除するため、あるパネリストの特定のコースの評価点がパネリスト全体の評価点の平均から標準偏差の2倍以上離れている場合には評価を集計から除外する処置を行います。
そのようなプロセスを経た上でパネリストの評価点の平均を9で割り、10点満点で換算されたコースごとの評価点の比較によってランキングが決められるのです。
なお、FUN(楽しさ)の項目は2019年に追加されました。
CHALLENGE(チャレンジ)の項目により、ランキングが上級者の目線に偏ってしまう弊害を改めるためのものです。
●優れたパネリストの自由を重んじるゴルフマガジン誌
それに対して、ゴルフマガジン誌(ゴルフドットコム)のランキング決定方法は大いに異なります。
まず世界各地にいる110名あまりのパネリストには、世界504コースと各コース名の横に次のような11のグループ分けのチェック欄が設けられた投票用紙が配布されます。
TOP1~3
TOP4~10
TOP11~25
TOP26~50
TOP51~75
TOP76~100
TOP101~150
TOP151~200
TOP201~250
TOP251以下
リストから除外すべき
パネリストは世界のTOP1~3に入ると考える3コースは最初の列にチェックを入れ、次いでTOP4~10に入ると考える7コースは次の列にチェックを入れ…というようにリストから除外すべきの列までチェックを入れていくのです。
TOP1~3には100ポイント、TOP4~10には85ポイントというように、リストから除外すべき以外のグループには100~0まで加算されるポイントが設定されています。
そしてポイントの合計数を投票数で割った平均の比較によって、ランキングが決められていく仕組みです。
ここまでの説明でお分かりいただけたと思いますが、ゴルフダイジェスト誌とは違ってゴルフマガジン誌はゴルフコースの評価項目を規定していません。
しかし、ゴルフマガジン誌側からすれば「ゴルフコースの評価においてゴルフダイジェスト誌が定めるような項目を査定できるのは当然で、それができる人を我々もパネリストとしている」というのが言い分のようです。
実際ゴルフマガジン誌曰く、「審査員の多くは、20カ国以上で1,000以上のコースをプレーした経験がある」としています。
その上で、楽しさこそが究極の目標だと考える者、バッグの中の14本すべてのクラブを駆使することを大切にする者、コースのセッティングや自然さを重視する者というように、各パネリストがそれぞれの好みを投票において自由に表現できることがランキングに望ましい多様性を生み出すと考えているのです。
「ゴルフコース」を評価する世界・「ゴルフ場」を評価する日本

ゴルフコースに関するランキングについては、日本においてもゴルフ場の予約サイトやビジネス誌などで取りまとめられています。
そしてゴルフダイジェスト誌やゴルフマガジン誌のランキングと日本で取りまとめられている多くのランキングには、決定的な違いがあるのです。
それは、前者の評価対象はあくまでも「ゴルフコース」のみであるのに対し、後者はコースに加えクラブハウスや練習施設、接客態度、レストランにおける食事など「ゴルフ場」全体を評価したものであるということです。
私から見ればこの違いは、ゴルフのとらえ方やゴルフ文化の違いを如実に示す例だと思っています。
まとめ

今回は世界ゴルフコースランキングにおけるコースの評価基準について、代表的な2つのランキングを例にご紹介しました。
特にゴルフダイジェスト誌が定める8つの項目は、ご自身がラウンドされたゴルフコースを評価する際にも良い指標になると思います。
さて、ゴルフダイジェスト誌が選定するアメリカを除く「World’s 100 Greatest Golf Courses」の最新2024-25年度版にランクインしているコースを国別でみると、次の通りになっています。
スコットランド:19
イングランド:14
アイルランド:10
カナダ:10
オーストラリア:9
ニュージーランド:7
北アイルランド:4
日本:4
南アフリカ:2
ウェールズ:2
韓国:2
中国:2
ドミニカ共和国:2
メキシコ:2
オランダ:2
スペイン:2
フランス:1
ポルトガル:1
ノルウェー:1
バミューダ:1
ベトナム:1
タイ:1
UAE:1
また、アメリカのコースも対象としたゴルフマガジン誌「Top 100 Courses in the World」の最新2023-24年度版での国別ランクイン数は、下記の通りとなっています。
アメリカ:49
アメリカ以外:51
(国別内訳)
スコットランド:13
イングランド:11
オーストラリア:6
アイルランド:4
ニュージーランド:3
カナダ:2
北アイルランド:2
フランス:2
日本:2
オランダ:1
ドミニカ共和国:1
セントルシア:1
ノルウェー:1
中国:1
韓国:1
ゴルフコースの数だけで見ればアメリカに次ぎ、イギリスやカナダと肩を並べるほど多い日本ですが、「その割にはランクインしているコースが少ない」と思われる方もいるのではないでしょうか。
次回はその理由について、私なりに掘り下げていきます。
