「子育てしながら働く」は当たり前じゃない?両立支援の理想と現実
育児をしながらの仕事は本当に大変なんです。「子育て支援が充実しているから大丈夫」と思っている人は、パパ社員の気持ちを考えてみてください。

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はじめに
「子育てと仕事の両立」と聞くと、「今どき当たり前じゃない?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、実際に両方を担ってみると、その“当たり前”がどれだけハードルの高いものかを痛感します。
- 子どもが熱を出した朝に「今日は出られません」と職場に連絡すること。
- 寝かしつけに苦労しながら、翌日の仕事の準備をすること。
誰かの理解や協力がなければ、とても回らないのがリアルな現状です。
私自身、子どもが生まれてから“働き方”と“家族との時間”のバランスを何度も見直してきました。
そして分かったのは、「両立には個人の努力だけではどうにもならないことがたくさんある」ということです。
そこで今回は、現役で子育てをしている立場から、育児と仕事の“理想と現実”をリアルにお伝えしていきます。
- 子育てしながら働くって、実際どうなの?
- 支援制度があっても、現場ではうまく使えていない
- パパ社員の悩みって、意外と理解されていない
このような疑問や不安を抱えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
現役パパが直面した「両立の壁」

子どもが生まれる前、私は「育児と仕事の両立なんて、なんとかなるだろう」と思っていました。
職場には時短制度もあるし、在宅勤務も使える。
制度は整っているし、自分も育児には積極的に関わるつもりだったからです。
しかし、実際に子育てが始まると、想像とはまるで違いました。
①朝からフルスロットルの戦い
朝6時。目覚ましが鳴る前に、子どもが泣いて起きる生活。
急いでオムツを替えて、水を飲ませて、抱っこしてあやして…。
ようやく落ち着いたかと思えば、今度は朝ごはんを拒否。
パンをちぎっても食べず、スプーンも投げる。
おまけに牛乳をこぼして床はびしょびしょに。
「今日、9時から打ち合わせだったよな…」と、焦りながらなんとか着替えさせ、荷物を準備して、保育園へ。
子どもが「行きたくない!」と玄関で泣き出した時には、心が折れそうになりました。
②出社しても、頭の半分は子どもモード
いざ職場に着いても、頭の中は子どものことばかりです。
- さっきの別れ際、あれで大丈夫だったかな?
- 熱、出してないかな?
- 今日は呼び出しこないかな?
なんとか仕事に集中しようとするけれど、Slackの通知音やスマホの振動に過敏になる毎日。
一日中警戒モードで心が休まる瞬間がありません。
これが地味に効いてくるんです。
③フルタイム勤務×寝かしつけは想像以上にハード
なんとか定時で上がって、ダッシュで子どものお迎えに。
帰ってからは戦争のような時間が待っています。
- 子どもにご飯を食べさせる(ぐちゃぐちゃ)
- お風呂に入れる(なぜか脱がせるのに10分)
- 寝かしつける(絵本3冊読んで、歌も歌って、それでも寝ない)
そして、ようやく子どもが寝たと思ったら…
- 明日の仕事の準備がまだだった。
- 食器も洗えてない。
- 保育園から持ち帰った洗濯物が残ってる。
結局、自分の時間はほぼゼロ。
夜中に資料の手直しをして、深夜1時すぎに寝落ちする毎日。
学生時代はずっと運動部、趣味で筋トレをしていたため体力には自信がありましたが、さすがにこれはハードでした。
④突発の呼び出しに振り回される日々
一番辛いのは、保育園からの突然の連絡です。
- お熱があるようなので、お迎えお願いします。
- 下痢が続いていて…。
- クラスで感染症が出たので、念のため早退を…。
シフト制の現場で突然休むとなると、周囲に迷惑をかけてしまうプレッシャーが半端じゃありません。
「子どもが熱を出すのは仕方ない」とは分かっていても、心のどこかで「また自分か…」と責める気持ちになってしまいます。
そんな瞬間が何度もありました。
⑤気を遣われることで余計に苦しくなる
「今日は保育園の迎えあるんでしょ? 先に帰っていいよ」
ありがたい言葉のはずなのに、どこか特別扱いされているような気がしてしまう。
「また早退かと思われてるかも…」と、自分の中で勝手にプレッシャーを感じてしまうのです。
このように、表面的には「両立できている」ように見えても、現役パパは日々目に見えないストレスと葛藤を抱えています。
子育て支援制度の理想と現実

- 育児と仕事の両立を支援します。
- 男性の育休も当たり前の時代です。
- 家庭と仕事、どちらも大切にしてください。
このような企業のスローガンや支援制度は、年々充実してきています。
実際に、時短勤務や在宅ワークなど、制度そのものはしっかり整っている会社も多いでしょう。
しかし、現場で働く身としては、「制度が“使える”こと」と「制度を“使いやすい”こと」には、天と地ほどの差があると感じます。
①制度はあっても遠慮して使えない
たしかに、子どもの体調不良で早退や休みを取ることは“制度上”問題ありません。
しかし、実際には、周囲の目が気になって躊躇してしまう瞬間が何度もあります。
- 「今日は休めないよね」という暗黙の圧。
- 「また?」と無意識に漏れるひと言。
- 「フォローお願いね!」と当然のように肩を叩かれる。
誰も悪気があるわけではありません。
ただ、そういった空気感が“使える制度”を“使いにくくする”のです。
②上司に言うまでに何回も頭の中でシミュレーション
「今日、子どもが熱を出しまして…」と伝えるまでに、頭の中で何度も練習します。
- このタイミングで言っていいかな?
- 他のメンバーに負担がかからないようにしないと。
- 昨日も早く帰ったし、今日は残るべき?
結局、ギリギリまで悩んで、ようやく伝えたときにはすでに状況は悪化していた…ということもありました。
制度があっても、「迷わず使える状態」でなければ意味がないと痛感します。
③育休も「取るのがゴール」ではない
最近では、男性の育休取得率が少しずつ上がってきました。
しかし、「取ることが目的化」してしまっているケースも少なくありません。
- 職場で「すごいね」「偉いね」と言われる。
- 復帰後に「もうフォローは終わり」と空気が変わる。
- 「休んだ分、取り返さなきゃ」と自分を追い込む。
育休は「家族のための時間」であると同時に、「育児のスタートライン」でもあります。
だからこそ、“取った後の働き方”をもっと柔軟にできる仕組みや意識改革が必要だと感じます。
④支援されているのに誰にも相談できない
たとえ会社に制度があっても、活用できず、誰にも相談できず、家でも疲れきってしまっている。
そのような状態が続くと、「自分だけがうまくできていないのかもしれない」と思い込んでしまいます。
周囲には言えない不安や、見えないプレッシャーを抱えているパパたちは、実は少なくないはずです。
だからこそ、本当に必要なのは制度だけじゃなく、「使っていいんだよ」と背中を押してくれる風土や雰囲気なのかもしれません。
両立できる職場ってどんな会社?

「育児と仕事の両立ができる職場」と聞くと、制度が整っていて、育休も取れて…といった見た目の条件を思い浮かべる方も多いかもしれません。
しかし、実際に子育てをしながら働く立場から言わせてもらうと、本当に両立できるかどうかを決めるのは、“人”と“空気”です。
①「困ったときはお互いさま」の空気がある
子どもの発熱や保育園の呼び出しなど、育児中はどうしてもイレギュラーが起こります。
そんな時に、
- 大丈夫?早く行ってあげて!
- ここは任せておいて!
- また今度フォローしてくれたらいいよ!
こんな言葉が自然に飛び交う職場は、本当にありがたいものです。
“制度を使うこと”が特別ではなく、“助け合うのが当たり前”という雰囲気がある会社は、何より働きやすさを感じます。
②上司が「声をかけてくれる」安心感
例えば、こんな一言だけでも救われます。
- 最近、お子さん元気?
- 保育園の送り迎え、うまく回ってる?
- 無理しすぎないようにね!
家庭のことに触れてくれるだけで、「気にかけてもらえてる」という安心感があります。
何も大げさなことじゃなくていいんです。
ただ、「家のことも、ちゃんと見てくれる」上司がいるだけで、働き方は大きく変わります。
③柔軟な働き方が当たり前になっている
- 出社時間がずらせる。
- 急な在宅にも対応できる。
- チャットやクラウドツールで連携できる。
このような環境が整っている職場では、「子どものために今日は家で仕事を」と判断するハードルがグッと下がります。
“決まりだから”ではなく、“信頼と仕組み”で動ける。
これが、育児と仕事を両立しやすい職場の共通点です。
④育児経験者が多いと話しやすい
意外と大きいのが、同じような立場の人が周囲にいるかどうか。
- うちも最近、イヤイヤ期でさ…
- 保育園の洗礼、受けた?
このような“育児あるある”を分かち合える仲間がいるだけで、孤独感がグッと和らぎます。
一方で、周囲が未婚・子どもなし・若手中心の環境だと、「何かと気を遣ってしまう」「相談しづらい」と感じてしまうこともあります。
両立できる職場はみんなで作るもの

働きながら子育てをすることは、決して特別な事情ではありません。
むしろ、今の時代では当たり前になりつつある働き方の一つです。
にもかかわらず、「周りに迷惑をかけたくない」「育児を理由に甘えていると思われたくない」といった“遠慮しながらの働き方”を強いられている人が、まだ多く存在しています。
それは決して、本人の甘えや努力不足ではなく、職場の文化や空気感が、子育てとの両立を「例外扱い」してしまっているからかもしれません。
育児支援制度があっても、「誰も使っていない」「使うと評価が下がりそう」と思われていれば、それは“使えない制度”と同じです。
本当に大切なのは、制度が「ある」ことではなく、「使える」空気があるかどうかです。
そのためには、管理職だけでなく、同僚やチーム全体が“理解ある一言”や“協力の姿勢”を持つことが欠かせません。
一人ひとりの思いやりと、ちょっとした歩み寄りの積み重ねで、“みんなにとって働きやすい環境”がつくられていくのです。
子育て中のパパが本当にほしい支援とは?

「子育て支援」と聞くと、時短勤務や育休取得など、制度の充実ばかりが注目されがちです。
もちろん、それらの制度があることは大前提です。
しかし、実際に子育てと仕事を両立する現場にいるパパたちが「本当にほしい」と感じている支援は、もう少し身近で現実的なものだったりします。
①気軽に「休みます」と言える空気感
子どもが急に熱を出したとき、
- すみません、今日は在宅で対応します。
- 保育園から連絡が来たので抜けます。
といった言葉を、後ろめたさなく伝えられるだけで、気持ちはずいぶん楽になります。
制度としての“休める権利”よりも、「気まずくない雰囲気」や「理解してくれる仲間」の存在が、実はとても大きいのです。
②周囲の共感やねぎらいの言葉
- お迎え間に合った?
- 昨日は大変だったね!
こんなひと言が、子育てをする人にとってはとても救いになります。
共感の言葉があるだけで、仕事とのバランスに悩む気持ちが少し軽くなり、「また頑張ろう!」と思えるものです。
特に、子育ての大変さを経験した上司や同僚が言う言葉は、説得力も安心感もひと味違います。
③育児のある働き方を前提にしたチーム運営
- 業務を一人に集中させない
- 属人化を避ける
- 急な休みでも他のメンバーがカバーできる体制を作っておく
このような“設計段階からの工夫”があれば、子育て中の人だけでなく、誰もが安心して働ける職場になります。
「誰かが急に休んだら仕事が止まってしまう」という状態では、子育て世代だけでなく、誰にとってもプレッシャーが大きくなります。
業務の可視化やマニュアル化、業務共有の仕組みを日頃から整えておくことで、突発的なトラブルにも柔軟に対応できる「余白のあるチーム」になります。
両立できる職場づくりはチーム全体のメリットになる

「子育て中の人にだけ優しい職場」ではなく、誰もがライフイベントに対応しながら働ける職場は、結果的にチーム全体の生産性や満足度を高めます。
例えば、
- 誰かが急に抜けても業務が回るようになる。
- お互いの業務を理解し合うことで、連携力が高まる。
- メンバー間に自然と助け合いの文化が根づく。
このように、両立しやすい職場づくりは、特定の人だけにメリットがあるのではなく、チーム全体の力を底上げする結果につながるのです。
育児に限らず、介護や体調不良、ライフステージの変化など、働き方に制限が出る場面は誰にでも訪れる可能性があります。
だからこそ、「お互い様」の精神で支え合えるチームを作っておくことが、これからの職場にとって当たり前になっていくべきだと考えます。
まとめ
今回は、「子育てしながら働く」ことの理想と現実、そして職場づくりのヒントについて解説しました。
これまでは、育児と仕事を両立する人に対して、どこか“特別”という見方をする風潮がありました。
しかし、今は育休取得や時短勤務などの制度が整ってきたことで、「誰もが両立しやすい時代」へと変わりつつあります。
それでも現場では、「迷惑をかけてしまうかも…」という申し訳なさや、「制度があっても気軽に使えない」という本音に悩む声がまだまだ多く聞かれます。
つまり、“子育てしながら働く大変さ”が、まだ十分に理解されていないのです。
もちろん、制度そのものがあることは大前提です。
ただそれ以上に大切なのは、その制度を「気兼ねなく使える」空気があることです。
「みんなで支え合うのが当たり前」と思えるような風土があれば、育児と仕事の両立はぐっとラクになります。
「うちは制度も整ってるし、実際に使ってる人もいるよ」という職場でも、もしかしたら、周囲に気を遣って言い出せない人や、疲れを抱えたまま頑張っているパパ社員がいるかもしれません。
ぜひこの機会に、もう一度、組織の空気や文化を見つめ直してみてください。
ちょっとした気づきが、誰にとっても働きやすい職場を作るきっかけになるはずです。
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