自分ではどうしても抜け出せないとある病

ゴルフにおける恐ろしい病「シャンク」と、機械学習のモデル学習には、自分では抜け出せないという恐ろしい共通点がありました。

  

実は家に、ゴルフの名言を集めたマグカップがあります。

その中では例えば

「叩いてならぬはダブルパー(規定打数の倍打ってしまったとても悲しい状況)」

「聞いてならぬはフォア―(ボールが明後日の方向に行ったときに、危険を知らせるために叫ぶ言葉)」

「外してならぬはバーディーパット(チャンスを棒に振った状況)」

などなど、ゴルフ好きとしては「わかる!」と言ってしまうような言葉が並んでいます。

 

ですがその中で、最近一番身近に感じ、そして可及的速やかにさようならをしたい言葉があります。

「シャンクは不治の病」

シャンクというのは、右利きであればボールが右の方へすっ飛んで行ってしまう現象です。

…本当は、シャンクって何?という状態でいたいものですが。

先日練習しているとき、このシャンクの現象が止まらなくなってしまいました。

この病の何が悪いかというと、すべてが悪いのです。

一度出始めると、もう止まりません。

花粉症時期の止まらないくしゃみのように、永久に出続けます。

最終的には、ボールの打ち方がわからなくなってしまうほどです。

 

結局今回は、ちょうどうまい方に相談する機会があったため病気を治療してもらえたのですが、恐らく自分では絶対に抜け出せなかったものと思います。

恐ろしい病です。

 

ところで自分では抜け出せないというと、機械学習でも似たようなことが起こります。

それは「局所解」と呼ばれています。

例えば多くの場面で活躍している深層学習は、パラメータが膨大であるため、最適と思われるパラメータの値が複数存在し、しかも、どこか一つの最適っぽい値にたどり着いてしまうと、そこから別の解にたどり着くことはほとんど困難です。

例えば深さの違う複数の穴が開いている場所にボールを落としたとき、一度どこかの穴に落ちてしまうと他の穴にはたどり着けないことと似ています。

そして悪いことには、現在ボールが存在している穴が、最も深いものとは限らないのです。

つまり、もっと良い解があるかもしれないのですが、ボールは自力ではそこにたどり着けないということになります。

 

ではどうしてあげればよいかというと、一つには私がうまい方に助けていただいたように、別の第三者、ここでは研究者がボールを拾い上げ、再度穴を探してもらう方法があります。

他にも、一度穴に入ってしまってもある程度までは出てこれるようにしてみたり。

あるいは、解くべき問題を複数用意してあげることで、極端な解に陥ることを防ぐという方法もあります。

いずれにせよ、この局所解の問題は複雑な問題を扱うときには避けては通れないものです。

ゴルフも奥が深いものだからこそ、シャンクのような不治の病がある…のかもしれません。

 

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大学にてデータサイエンスを学ぶ傍ら、多くの人にデータ分析の面白さを伝えたいと日々奮闘中。