「採用サイトの運営を始めたけど、アクセスが全く増えず母集団を形成できない…」
そんな採用担当者様・経営者様のため、どうすれば採用サイトを使って母集団を形成できるのかを解説します。
今回お伝えする内容は「採用サイトを使った母集団を形成する方法」の中でも、既にやり方が確立された方法となるので、実践さえできれば母集団を形成できます。
「初心者の方が似た失敗をしないように」との思いから、この記事では、著者がサイト運営で失敗した実例などもご紹介しています。
間違った運営方法で取り組むと、サイト運営は永遠に結果が出ないという危険性もチェックしながら、少しでも早く適切な運営方法で取り組むことが大事だと感じ取っていただければと思っています。
「こんなに応募者が殺到するなんて!」
「母集団を形成できたから、微妙な応募者は思い切って不採用にできる!」
このように思えるよう、母集団を上手く形成するための賢い運営方法をチェックしていきましょう。
どうすれば採用サイトを活用して母集団を形成できるのか?
結論からお伝えすると、採用サイトで母集団を形成する方法としては、賢くキーワード(KW)を選んでいくアプローチがおすすめです。
ここで言う「KW」とは、Googleなどの検索エンジンで検索される際の文字(語句)を指します。
検索エンジンで何かを調べたいと思った人は、似たKWで検索する傾向があります。
そのため、たくさん検索されるKWで調べられた時に、検索結果の上の方に表示されれば、多くの人にあなたの採用サイトを見てもらえるというわけですね。
そして多くの人に採用サイトを見てもらえれば、それだけ母集団を形成しやすくなります。
例えば採用サイトを見た人の1%が応募に進む場合、100人に採用サイトを見てもらえると、1人の母集団を形成できます。
では同じ条件で、もっとたくさんの人に採用サイトを見てもらえた場合、どうなるでしょうか?
答えは簡単で、1,000人の人に採用サイトを見てもらえれば、10人の母集団を形成できます。
さらに採用サイトを見てくれる人が増え、1万人に見てもらえれば、母集団は100人になります。
1人の応募者では満足のいく採用ができなくても、応募者が100人いれば、各段に優秀な人物を見つけやすなります。
一ヶ月あたりの訪問者が10万人を超えるサイトもあるため、上手く採用サイトを活用するほど、母集団を形成しやすくなります。
KW選定を重視して採用サイトを運営すれば、読者との信頼関係を構築しながら母集団形成を狙えるところも大きなメリットです。
有益な情報を発信することで読者から信頼関係を勝ち取り、自社のファンを増やせるほど、母集団を形成しやすくなります。
また母集団の形成につながらない読者には、他の記事を紹介、各読者のニーズに合わせて、適切なサービスを利用してもらうことで利益アップを狙える点も採用サイトのメリットです。
「採用サイトを使うと、どんな良いことがあるのか詳しく知りたい」と思った方は以下の記事をご覧ください。
メリットだけでなく、採用サイトのデメリットもわかるので、弱みを抑えながら強みを最大限に発揮するための運営方法が見えてきます。
KWの選び方
採用サイトを使ってKW選ぶ際の重要ポイントは、いかに効率良く訪問者を増やせるKWかを意識することです。
多くのサイト運営者はKWを選ぶ際、「訪問者を増やす」という本来の目的を見失ってしまいます。
その主な要因は、KWを選ぶうちに理想を追い求めてしまうからです。
「こんな情報も発信したいけど、こっちの情報も発信したいから、どっちの記事も作っていこう」
「この記事も書くと面白そうだな」
こんな風に色んなKWを場当たり的に選んで失敗するケースが多いです。
ですが今、KW選定の重要ポイントを把握したあなたなら、より賢くKWを選べます。
あとは実践に移すだけですので、どんな手順でKWを選んでいけば良いのかを見ていきましょう。
ジャンルを選ぶ
KWを選ぶ際、まずは「どんなジャンルの記事を作っていくか」を決めることが重要です。
「KWのジャンル」とは、どんな情報を発信するかを意味します。
例えば、あなたの会社が個別指導塾を運営している場合には、教育関連のジャンルを選ぶことをおすすめします。
その理由は、自社の事業内容に近いジャンルを選べば、採用サイトで信憑性の高い情報を発信できるからです。
まずは大前提・基本的なお話になるのですが、検索エンジンで情報を調べる人は、正しい情報を知りたいと考えているケースが多いです。
※著者のように検索エンジンを使う際、「検索エンジンを使う人が、どんなことを知りたいと思っているのか調査したい(検索結果で表示された内容が正しいかどうかは、ひとまず気にしない)」と思う人は、全体から見るとごく一部といった意味合いです。
こういった点から、素人が書いた記事より、その道のプロが書いた記事の方が読まれやすい傾向があります。
「素人が書いた記事は間違っていることがあったり、実態に即した情報が得られなかったりするから、経験も知識も豊富な専門家が発信する情報を参考にしたい」
このように考える人が多いうえ、Googleなどの検索エンジンも、専門家が発信する記事を高く評価するため、検索の上位に表示されやすくなると言われています。
そのため採用サイトを運営する際には、自社が得意とする分野でのKW選びがおすすめです。
素人よりプロの記事が読まれやすく、KWを選ぶ際には、あなたの会社が運営している事業に関するジャンルを選ぶことをおすすめします。
そうすれば業界事情をふまえ、本当に役に立つ情報を採用サイトで発信できます。
本当に役立つ情報を発信できれば読者が増え、母集団を形成しやすくなるという流れですね。
専門家が情報を発信することのメリットとして、ハロー効果によるサイト評価アップが期待できる点も挙げられます。
ハロー効果とは、ある目立った特徴が、その他の評価項目に影響することです。
「東京大学を首席で卒業した人は、どんな仕事も上手くこなすはず」などがハロー効果の一例です。
実際には、勉強ができることと仕事ができることはイコールではありません。
しかし「東京大学に入れれば有名な企業に入りやすい」「勉強ができる賢い人は仕事もできるはず」など、直感や先入観による非合理な判断につながる「認知バイアス」につながり、採用後に「期待外れだった」と落胆することになりかねません。
ハロー効果のような心理効果・マーケティングに役立つノウハウを把握しておくと、より賢く採用サイトを運営し、母集団形成だけでなく、事業拡大など、多くの事柄に役立ちます。
もちろん賢者の人事では、採用サイトにマーケティングのノウハウを駆使して、より効率良く運営するためのコツも、今後しっかりとご紹介していきます。
メインテーマに関するKWの案を出す
どんなジャンルで記事を作っていくかを決めた後は、メインテーマのKWを決めるために候補を出していきましょう。
ここで言う「メインテーマのKW」は、採用サイト運営時には「カテゴリー」と呼ばれるグループ分けに使われるケースが多いです。
具体的な例をチェックした方がわかりやすいので、先ほどの「個別指導塾の事業を行う企業が採用サイトを運営する場合」で、メインテーマの例を見てみましょう。
【KWのメインテーマ(例)】
- 個別指導塾
- 家庭教師
- 通信教育
- 自習
上記のメインテーマを候補としてピックアップした場合、「個別指導塾」というメインテーマでは、以下のような記事を作成していくことになります。
- 「個別指導塾の選び方」
- 「個別指導塾Aで効率良く成績を伸ばす方法」
- 「個別指導塾Aと個別指導塾Bは、どちらがおすすめ?」など
他の「家庭教師」「通信教育」「自習」も同じで、各メインテーマに関する、詳しい情報を記事にして発信していくわけですね。
※例えば「家庭教師」のメインテーマ内には、「家庭教師の選び方」「勉強が苦手な子どもにおすすめの家庭教師」などの記事を内包していくことになります。
なお、採用サイトでメインテーマをどれにするかに関する最終決定は、後述する「グルーピングする」の後に行うことをおすすめします。
その理由は、この後の手順を進めるうちに、新たな情報が入ってきたり、新しいアイデアがひらめいたりすることがあるからです。
ライバルサイトをチェックする
採用サイト内のメインテーマを設定した後は、競合他社が運営する「ライバルサイト」を見て、どんなカテゴリー分けをしているのか、記事を書いているのか、などをチェックしましょう。
ライバルサイトのカテゴリーや記事をチェックすると、自社で考えていたサイトイメージとは異なる視点での運営方法が見えてくるケースがあります。
「こんな風にカテゴリーを分ける方法もあるのか」
「このライバルはここまで細かく情報を発信しているな」
上記のように様々な視点でライバルサイトを見れば、自社の採用サイト運営に生かせます。
ライバルサイトをチェックする際の注意点は、1記事1記事を細かく読まないことです。
「しっかりとライバルサイトをチェックしよう」との思いから、各記事を隅々まで読むと、膨大な時間・労力がかかります。
ライバルサイトが発信している記事数や、ライバルサイトそのものの数が増えるほどライバルサイトのチェックに時間がかかるため、状況によってはチェックだけで半年以上かかってしまうかもしれません。
このようなやり方でライバルサイトをチェックすると、採用サイトの運営をスタートする前に気力・予算などが枯渇してしまうリスクが高まるので、ご注意ください。
※著者はサイト運営はじめて間もない頃(約10年前)にこの失敗をして、「多くの時間・労力を無駄遣いしてしまった…」と後悔しました。
検索上位に表示されやすいKWを選ぶ
メインテーマの案を出し、ライバルチェックを済ませれば、あなたがこれから運営する採用サイトの大まかなイメージができてくるはずです。
この段階で具体的に、「どのKWを意識して記事を書いていくか」を絞っていきましょう。
KWを絞っていく際には検索上位に表示されやすいKWに注目し、ピックアップする方法がおすすめです。
その理由は、検索上位に表示されやすいKWで記事を書いた方が、改善のための分析をしやすくなるからです。
「検索上位に表示され、どれくらいの閲覧されるのか」
「他にどの記事を見てから離脱しているのか」
これらのデータを把握できれば、読者さんが知りたいこと(検索ニーズ)が見えてくるので、サイト運営を改善しやすくなります。
反対に、いつまでも検索上位に表示されないと訪問者が増えず、十分なデータが揃わないので、サイト運営を改善していくことは難しいです。
サイト運営に慣れていない人は、「こんな情報を発信したいな」「次はこの内容を書いてみよう」と場当たり的にKWを選ぶことが多いです。
著者自身も運営当初はKWを選ばず、好きな記事を書きたいように書いて失敗した経験があります。
他のサイトについても、KW選定をしないまましばらく運営した後、閉鎖される事例をたくさん見てきました。
このような経験から、上手くKWを選んで戦略的に採用サイトを運営していくことをおすすめします。
なお、検索上位に表示されやすいKWを選ぶ際には、上手く無料ツールを使っていきましょう。
この点については後ほど、「KW選びに役立つツール」の項目で解説します。
グルーピングする
検索上位に表示されやすいKWをピックアップした後は、情報の種類・性質ごとに分けましょう。
例えば、以下のKWで検索上位を狙いやすいと考えた場合の、具体的なグルーピング方法をお伝えします。
まずはグルーピングしていない状況から見てみましょう。
【グルーピングしていない場合】
- 「個別指導塾 高校生 おすすめ」
- 「個別指導塾 先生」
- 「個別指導 大学受験」
- 「塾講師 時給」
- 「塾選び 失敗」
- 「個別指導塾 バイト」
- 「個別指導塾 中学生 おすすめ」
- 「個別指導塾 選び方」
- 「個別指導 高校受験」
- 「個別指導塾 正社員」
- 「塾選び サイト」
- 「塾講師 資格」
上記のようにKWを抽出しただけだと、まとまりがないため、似た性質のKW(記事)を集中的に作成できず、運営効率を十分に上げられません。
反対に似たジャンルの記事を集中的に作成するほど、より多くの情報を深く理解できるうえ、各記事とのつながりを意識した書き方・書き分けがしやすくなります。
このような点から、KWを抽出した後には、以下のようにグルーピングしましょう。
【グルーピングした場合】
- おすすめの個別指導塾
「個別指導塾 高校生 おすすめ」
「個別指導塾 中学生 おすすめ」
「個別指導 大学受験」
「個別指導 高校受験」
- 塾の選び方
「個別指導塾 選び方」
「塾選び 失敗」
「塾選び サイト」
- 塾講師
「個別指導塾 先生」
「個別指導塾 正社員」
「個別指導塾 バイト」
「塾講師 時給」
「塾講師 資格」
上記のようにグルーピングすれば、効率良く運営していけます。
また「検索上位されやすいKWがどのグループにあるのか」「自社の強みをより生かした記事を作れるのか」などの情報も把握しやすくなるはずです。
このようにKWのグルーピングによって、より良い運営方法を目指すことで、自社の強みを生かしながら上位表示を実現し、訪問者を増やせます。
そして訪問者が増えれば、それだけ母集団を形成しやすくなるため、良い人材にアプローチしやすくなります。
KW選びに役立つツール
KWの選び方を把握できたところで、次は実際にKWを選ぶ時に役立つ無料ツールを見ていきましょう。
手作業でKWを選んでいくと膨大な時間・労力がかかるうえ、ピックアップできるKWの質が低いケースもあります。
逆にツールを使えばサッとKWを抽出できるうえ、どのKWで検索上位を狙いやすいかなどの目星をつけることも可能です。
そこで次の項目からは、採用サイト運営の初心者さんが、「これだけはおさえておきたい」というツールをご紹介します。
どちらも、サイト運営者の大半に知られている有名で利便性の高い無料ツールなので、ぜひご活用ください。
KWプランナー
キーワードプランナーとは、よく検索されるKWを表示してくれたり、各KWの検索数・ライバルの強さなどの目安を教えてくれるツールのことです。
「今後、どんなKWで検索する人が増えるのかな?」
「このKWと、このKWだと、どっちが多く検索されてきたんだろう?」
このような情報を提示しれくれるキーワードプランナーを使えば、「どのKWを意識して記事を作れば検索で上位に表示されやすいか」「たくさんの流入を見込めるKWはどれか」などが見えてきます。
他にも活用方法は色々とありますが、サイト運営の序盤に際しては、キーワードプランナーは様々なKWデータに関する「過去の実績」や「未来の予測」を確認できるツールとおさえておけば大丈夫です。
現時点でキーワードプランナーを100%活用しようとして、腰を据えて調べ始めると、いつまで経ってもサイト運営に乗り出せないので要注意。
逆にサイト運営を進めていくうちに理解できてくる事柄が多いので、「このツールの使い方がようやくわかってきた」「他にもこんな機能があったら嬉しい」など、知識・経験がアップすることで、より効率良くKWを選んでいけます。
「現時点で完全にキーワードプランナーの使い方を理解する」意気込むのではなく、「サイト運営をしながら知識を増やして、少しずつ上手く使えるようになればいい」と肩の力を抜き、まずは実際にKWを選んでみましょう。
【キーワードプランナー公式サイト】
https://ads.google.com/intl/ja_jp/home/tools/keyword-planner/
ラッコキーワード
ラッコキーワードは、所定のKWに関連するKWを提示してくれるツールです。
例えば「個別指導塾」というKWを入力し、検索ボタンを押すと、以下のようなKWが表示されます。
- 「個別指導塾 料金」
- 「個別指導塾 料金比較」
- 「個別指導塾 おすすめ」
- 「個別指導塾 おすすめ 高校受験」
- 「個別指導塾 メリット」など518点
※2023年6月時点
上記のようにラッコキーワードを使えば、特定のKWに関連するKWを、大量かつ瞬時にリストアップできます。
そのためラッコキーワードは、採用サイト運営でKWを選ぶ際にとても役立つツールと言えます。
なお先ほど紹介したキーワードプランナーを使えば、ラッコキーワードでリストアップしたKWの情報を入手可能です。
上記の例で言うとキーワードプランナーを使うことで、「個別指導塾 料金」や「個別指導塾 料金比較」というKWが検索される回数や、どれくらい検索上位に表示されやすいかなどの情報が得られます。
つまりラッコキーワードをキーワードプランナーを併用すると、より検索上位に表示されやすいキーワードを見つけやすくなるということですね。
【ラッコキーワード公式サイト】
https://related-keywords.com/
Semrush(セムラッシュ)
キーワードプランナーやラッコキーワードより、高機能なツールを使ってKW選定をしたい場合には、「Semrush(セムラッシュ)」をチェックしてみましょう。
Semrushは、指定したレンジで検索ボリュームのフィルタをかけられたり、強調スニペット(※)対策ができたりする優良ツールです。
(※)所定のKWで検索した際、ページへのリンクが表示される前に、そのページに記載されている重要な箇所が表示される仕組みのこと。
またSemrushには「キーワードギャップ」という機能があり、競合ドメインしか獲得できないキーワードや自社とライバルサイトが共通して対策をしているキーワードを抽出できる点も大きな魅力です。
最大で5つのドメインを比較して競合調査を効率良く進められるうえ、ExcelやCSVでデータをエクスポートすることもできます。
他にも検索エンジンからの流入状況などを調査できる「オーガニック検索」などの機能もあるので、より高機能なツールを使ってKW選定の質を高めたい場合には、Semrushがおすすめです。
【Semrush公式サイト】
https://semrush.jp/
まとめ
採用サイトで母集団を形成する場合、賢くKWを選んで検索エンジンの上位に表示させる方法がおすすめです。
上位表示のコツはある程度方法が確立されているため、正しい手順をふんで運営していけば母集団を形成できます。
「長期的にたくさんの応募者を集めたい」
「少しでも多くの優秀な人材にアプローチしたい」
そんな方にはKW選定がおすすめです。
KW選定に慣れてくると求職者以外の人の検索ニーズも見えてくるので、新しい事業に乗り出すこともできます。
「採用だけでなく、新しい販売経路を確保できた」
「広告料が運営コストを大きく上回った」
このような状況になり、企業経営を加速させることも可能なため、ぜひ賢くKWを選んで効率良く運営していってください。
「プロに助けてもらいながら、効率良く採用サイトを作りたい」
このように思った方は、経営人事パートナーズのサポートサービスの利用を検討してみましょう。
ホームページの制作の他、人事採用コンサルティングなどのサポートもあるため、より良い採用活動・企業運営にお役立てください。
【経営人事パートナーズ公式サイト コンサルティングページ】
https://keieijinji.co.jp/consulting