意識低い系ライターが出会った「面倒くさい採用試験」

「インタビュー・オンデマンド」による採用選考はどのように進むのか。実際に試験を受けた経験者の体験談です。

  

こんにちは。意識低い系ライターの島田です。

突然ですが、意識低い系の皆さんは「採用試験」や「面接」といったものにどのような印象をお持ちですか?

…あまり愉快なものではないと思う方が多いでしょうか。

学生時代は積極的にボランティア活動に取り組んでいたとか、社会人になってからもスキルアップを目指し自己研鑽に励んでいたりとか、そういったエピソードをあまり持たない方々にとっては、特に苦手意識を感じてしまうものであるかもしれません。

採用試験や面接の場では、自分の学力や能力、スキルを値踏みされているような感覚になってしまうこともありますよね。

しかし、これを乗り越えなければ新しい仕事に就くことはできません。

意識の高い方々程ではなくても、自分なりに考えて対策をして挑んでいるという方も多いのではないでしょうか。

私自身、試験や面接はあまり得意とは言えません。

そのような私が、ある日突然「面倒くさい採用試験」に挑戦することになりました。

今回ご紹介するのは、当メディアを運営する株式会社経営人事パートナーズへ応募した際の採用選考に関するエピソードです。

実はこちら、今まで私が経験してきたものとはかなり異なる、非常に特質的なものでした。

一体何が違うのか、そしてそれはどのように進んでいったのか。

是非最後までご覧ください!

Lv.1 応募

Indeedでひたすら求人を眺めることをもはや趣味としている私は、ある日㈱経営人事パートナーズのライター募集を見つけました。

ライティング関連の仕事をIndeedで探すというのは意外と大変な事で、報酬に関する詳細な情報が無かったり、業務領域が曖昧だったりということが当たり前のようにあります。

そのような中で、この求人は少々目立っていました。

雇用形態や稼働の目安、報酬の目安、実際の仕事の内容や求める人材等について非常に丁寧に書かれていたためです。

そして最下部には、採用試験のプロセスについても説明書きがありました。

  • STEP1 必要書類をPDF形式でアップロード
  • STEP2 個性診断を受験
  • STEP3 3つの質問に文章で回答
  • STEP4 1つの質問に動画で回答
  • 最後にGMAテストを受験し 1次選考完了

まず思ったのは、「いや、多いな!!!」ということ。

そして、これだけあるのにわざわざ「1次選考」という記載があるということは、おそらくその後2次選考、3次選考と続いていくことを意味するのだろうと思いました。

しかし、最初の応募はというととっても簡単。

Indeedで最も手軽にできる「簡単応募」が可能な求人でした。

「人事」というのは私にとって未経験の領域でしたが、この採用選考に参加するだけで、何か特別な、珍しい経験ができる気がしました。

「合否はともかく、とりあえず挑戦してみようかな」

こうして私は己の意識の低さも顧みず、好奇心だけで「簡単応募」のボタンを押してしまったのです。

応募が完了すると、すぐにシステムからメールが届きました。

内容としては、「採用選考は全部オンラインで行うから、このURLから登録してね」というもの。

どうやら書類の郵送やメールの送信などは必要なく、このインタビュー・オンデマンド(以下IOD)」というツールで何もかも対応できるようです。

「イマドキな会社!すごい!」

そんな呑気な感想を抱いていた私ですが、ここから真の戦いが始まっていくことになります。

Lv.20 突然始まった謎のテストたち

ツールに登録すると、すぐに「STEP1」の選考が始まりました。

履歴書と職務経歴書、プロフィール写真をアップロードします。

ここで「プロフィール写真…?」とお思いになる方も多いでしょう。

一般的な証明写真などではなく、「あなたの普段の様子が分かる写真をアップロードしてください」という指定がありました。

調べてみると、最近は採用選考でそういった写真を求められることは少なくないようですね。

普段写真をとるという習慣があまりない私はまずここで少々苦戦したのですが、友人と旅行をした時の1枚を引っ張り出し、アップしました。

「さてさてここからだぞ」と思いながら次へ進むと、簡単な質問が3つ並んでいました。

若干記憶が曖昧なのですが、確かすべてリーダーシップに関する内容であったと思います。

そのような質問について、それぞれ400字程度で回答し、送信しなさいというものでした。

おそらく、文章を書くのがあまり好きでないという方々にとっては、ここが一番初めのハードルになるのではないでしょうか。

私はてっきりライター枠で応募したのでこのような試験を受けたと思っていたのですが、後で聞いてみたところ、「試験は一律で同じ内容にしていた」とのことでした。

今思えば、語るエピソードの内容だけではなく、文章での表現力をスキルの一つとして見られていたという事でしょうか。

この時点では「ちょっと変わっているな、面白いな」と思うくらいで、あまり難しいとは感じませんでした。

しかし、ここで第1のボスが現れます。

それが「エゴグラム(個性診断)」という謎のテストです。

皆さん、このテストについてご存じでしょうか。

私はうっすらと聞いたことがある程度で、実際に受けたのはこれが初めてでした。

エゴグラムの詳細についてご興味がある方は、是非以下の記事をご覧ください。

【シリーズ「ビジネスエゴグラム」~エゴグラムで社員が輝く、組織が変わる~】

簡単にご説明しますと、エゴグラムは性格の傾向を見るための検査であり、対象者の思考や心理、行動を知るためのヒントになり得るものです。

5つの自我状態について数値化することで、様々な性格に分類されます。

昨今流行っているMBTIに似ているようでまったく異なり、様々な医療機関や企業、教育現場で活用されている信憑性の高いものなのだそうです。

そのようなテストをいきなり受けることになったのですが、文章で答えるテストと異なり対策らしい対策がほぼ不可能なことに気がつきました。

「どんな特徴の人材を求めてるんだ?」

「善人ぶって取り繕っても、裏目にしか出ないのでは?」

などなど、余計なことを色々考えてしまったのですが、最終的には

「なるようにしかならん!」

と意を決し、勢いで完了させました。

(ちなみに、回答時間や入力スピードまでバッチリ管理されていたそうで、私の選考資料を見ると、私が勢いでこのテストに挑んだ様がよく表れております)

IODでは、このような特徴的なテストが色々と用意されており、個人の性格や能力を測るために活用されています。

インタビュー・オンデマンド(IOD)で受けられるテストの一例

  • エゴグラム(個性診断)
  • GMA(一般認知能力)テスト
  • ダークトライアドテスト
  • 自己認知能力テスト

こうしたテストはこれまでの人生でなかなか受ける機会がなかったものなので、いざ向き合うとかなり焦りました。

そして、これらのテストは決して難易度の高い作業ではないのですが、それぞれある程度の設問数があるため、なかなか時間がかかります。

この選考ツールについて、最も「面倒くさいっ!」と思ってしまった部分です。

ですが、正直少し楽しくもあります。

初めて出されたクイズや心理テストに挑むような感覚であったなと思いますが、もちろんきちんとした採用選考ですから、その答えや自分への評価は分からないままです。

「もし合格したら、この謎テストの秘密を教えてもらえるのかもしれない」

というモチベーションにも繋がっていたと思います。

想像以上の時間と手間はかかりますが、本当に楽しかったのです。

ここまでは。

Lv.50 終わりなき動画撮影

さて、一次選考の最後にとんでもない敵が現れました。

それが、「質問に対する回答を動画で撮影し、アップロードする」というテストです。

応募時にこの審査があると判明して以降、私を最も恐れさせていたものでした。

実は私、「撮影」というものが非常に苦手です。

先述したような写真の撮影だけでなく、日常で何気なく動画に映りこむようなことさえ可能な限り避けたいタイプです。

そのような私にとって、この動画テストはかなりハードルの高いものでした。

ちなみに、今更ながら見出しタイトルに書いているLevelについてですが、私が今まで採用選考を受けてきた企業の一般的な試験は、Lv.15くらいです。

私にとって、この選考がどれほど大変なものだったのかイメージできますでしょうか。

とりあえず質問に対する回答を書いて用意してはみたものの

「あああ~、嫌だ~、撮りたくない~!」

と、自分の中の5歳児が駄々を捏ねる期間が数日ありましたが、ある日の夜決意を固め、PCカメラと対峙することになりました。

その際に気がついたのですが、まったく同じ内容を同じスピード感で、同じようなトーンで話しているつもりでも、その印象は毎回異なります。

「何度目の撮影が最も良い仕上がりになるか」というのは、恐らく人により異なりますが、もしこのテストに挑戦する方がいましたら、是非複数回撮影してみることをオススメしたいです。

普段あまり気を配ることのない自分の表情や話し方の癖を知る大きなきっかけになります。

また、自分なりに色々気をつけてみた結果、他人からはどういった印象の変化があるのかということも分かるはずです。

私の場合、何回か練習して、撮影して、最後の一本は多少マシなものが出来上がるだろうと思っていたのですが、思っていたよりも上手くいきません。

撮影を繰り返していくほどに、自分の目線や表情、話し方がどんどん不自然になっていったように感じられました。

見たくもない自分の顔と向き合い続けた結果、最初に撮ったものが一番自然で、最も普段の自分に近いような気がしたため、結局1回目に撮影した動画を選んでアップロードしました。

これで晴れて一次選考のプロセス完了です。

応募から1週間。

最難関とも言える動画撮影も終え、やりきった感に満ち満ちていましたが、この採用選考はまだまだ続きます。

Lv.51 やっとたどり着いたライティングテスト

1次選考を完了させて1週間も待たずに、選考通過の連絡を頂きました。

それと同時に、2次選考が始まります。

これにより、1次選考の達成感に浸っていた私は再びIODとの決闘の場へと引きずり戻されたのでした。

2次選考は、1次選考とほぼ同じ流れで、質問に文章で回答、テストの受験、動画録画をするというもの。

「また!動画を!!撮るのか!!!」

と、少しだけ絶望したのですが、こちらも半泣きになりながら1週間ほどですべてのプロセスを終え、2次選考が完了。

その後、2次選考通過の連絡が届きます。

正直、

「ここまで時間をかけて頑張った甲斐があったぜ!」という気持ちが半分、

「こんなことができる会社の選考に私なんかが通るの?どうして?」という気持ちが半分でした。

色々と考えることはあったのですが、この選考にかかったコストを考えると、もはや「乗り掛かった舟」というレベルを超えています。

「よく分からないなりに頑張ったし、こんなに丁寧なプロセスを踏んでもらえるのなら最後までしっかり取り組んでみよう」

そう思っていた私に、3次選考の案内が届きました。

こうして、「コンピテンシー・デモンストレーション」という審査が始まることになります。

コンピテンシー・デモンストレーションとは、実際の業務に近しい作業を行うことで、その人物の特性やスキル、能力を測るものだそうです。

いわば実践的な選考であり、ライターとして応募した私は、ここにきてやっとそれらしい文章を書くことができると喜びました。

テーマは、やはり会社名の通り経営人事に関する分野。

「実際の業務に近い領域」ということで、ボリュームも難易度もそこそこのものです。

これまでなかなか接する機会がなかったジャンルの内容だったので戸惑いもありましたが、いつも記事を書く時と同じように一生懸命取り組みました。

普段の仕事をしながらでも取り組めるよう十分な猶予が設定されていたので、何とかそれらしくまとまった文章を書くことが出来たと思います。

「これでダメだったら、100%自分の能力不足」と思える、悔いのない仕上がりです。

これまで受けてきた謎のテストとは異なり、自分が何をするべきなのか、何をしているのかが明確だったため、少しだけ自信を持って提出することができました。

こうして、3次選考も何とか通過できることになります。

最初に応募してから、1か月半が経過していました。

Lv.55 燃え尽きた最終面談

そろそろこの選考も終わりが近いかなと思っていた私のもとへ、最終選考の案内が届きました。

最後は、代表と1on1で面談があるとのこと。

ここで、私はある重大な事実に気がつくことになります。

これまで私と先方との連絡は、すべてIODで完結していました。

つまり、実際に向かい合ってお話をするのはこれが初めてになります。

しかし、あちらは既に私のことをとてもよく知っているのです。

ここに至るまで、あらゆる質問に答え、テストを解き、動画まで提出してきました。

おそらく、一般的な最終選考以上に、私の性格や思考回路、能力、人間性が把握されてしまっているでしょう。

応募者にとっては少々恐ろしいことなのですが、選考をする側である企業としては、これほど合理的なことは無いのではないでしょうか。

また、この選考を進めるにつれて、私の志望度も明らかに変化しています。

興味本位で応募をした私が、様々な選考を経て、この会社の採用手法やその意義についてとんでもない魅力を感じるようになりました。

そしておそらく、そういった感想を抱かなかった方や、これに取り組む余裕を持てなかった方は、ここに至る前に脱落しているでしょう。

  • 就職活動に積極的な人とそうでない人
  • 会社のビジネスに興味がある人とそうでない人
  • 会社との親和性が高い人と低い人
  • 志望度の高い人と低い人

これらを明確に振り分ける方法があるのかと、大変驚きました。

これはもう、是非一緒にお仕事をさせていただきたいと思わずにいられません。

自分がどのような人間かがすっかりばれている状態でこのような面談に挑むのは少々恥ずかしかったのですが、それ以上に「一緒にお仕事をしてみたい!」という気持ちが大きかったです。

ちなみに、実際の面談の内容はというと、今後の業務内容についてかなり踏み込んだ具体的なお話でした。

自分自身の経験や状況、今後の活動についてなど、1時間ほどの時間をかけてとても丁寧に聞いていただきました。

今考えると、応募者について判明している要素が多い分、会社としても、実際にどのようなポジションでどのような仕事をさせるかというのがイメージしやすくなっていたのではないかと思います。

そしてそのお話から数日後、最終選考合格の通知をいただきました。

こうして何気なく求人を眺めていただけの私は、経営人事にまつわるライティングのお仕事を頂けることとなり、今も皆様へ向けて文章を綴っております。

「面倒くさい」を乗り越えることで受けられる評価がある

私が体験したIODによる採用試験は以上です。

自分で書いておいてなんですが、時間的な長さと内容の濃さに驚きました。

もし、まったく知らない会社の求人を見つけ、また一からIODに取り組めといわれたら、間違いなく「嫌だ」と思います。

しかし、それは自分にとって縁が薄いと感じてしまう会社の場合です。

もし、また「働いてみたい!」と思える仕事や会社に巡り合った際、その選考にIODが取り入れられていたら、私は喜んでそれに取り組むと断言できます。


IODによる採用試験は、応募者目線で見ると本当に面倒くさいものです。

しかし、何故か私はこのツールにものすごい魅力と有用性を感じ、実際にお仕事をさせていただくまでに繋がりました。

一体何故そう思えたのか。

テクニカルアシスタントの竹内さんが書かれた記事に、そのヒントがありました。

【テクアシ日記 vol.17】時間と手間がかかることに、感謝の気持ちを覚えた採用試験とは?【前編】

応募者が、採用選考期間中に自分の言いたいことをすべて伝えるというのはなかなか難しいことです。

それは必ずしも自分自身のアピールについてだけでなく、ちょっとした疑問や、選考を辞退したいという意思など、広い範囲に及ぶもの。

例えば、採用選考の過程で信頼できない企業であると感じてしまったり、自分の志望が変わったりした場合、一般的な選考であれば企業の担当者へ直接連絡をしなければなりません。

IODによる選考では、そういった意思表示がとても容易ですし、応募者と企業、どちらにとっても負担が少ないといえます。

反対に、自分は是非この会社で働きたいという明確な意志がある応募者は、どんなに面倒な採用試験でも懸命に取り組み、最大限に可能な範囲で企業の要望に答えようとするでしょう。

自分の経験やスキル、能力を知ってもらうために、惜しみなく時間と手間をかけて、最高のエントリーシートを提出することができます。

応募者目線で見るインタビュー・オンデマンド(IOD)のメリット

  • 好きな場所と時間で取り組める
  • 意志表示がしやすい
  • 「上手く伝えられなくて後悔する」ということが少なくなる
  • 返答までの猶予が十分であり、自分の考えをまとめやすい
  • 企業や面接官ではなく、自分自身と向き合いながら選考が受けられる
  • 最終選考まで企業の担当者と直接話す必要がない

1度体験しただけの私でも、これだけのメリットを痛感したIOD。

きっと、業界や業種、企業の規模などによって、また違った有用性がたくさん見つかるのではないかと思います。

それでもやはり「面倒くさい」という言葉を訂正したい気持ちは湧いてきません。

自分に合ったやりがいのある仕事を見つけるためには、努力や手間を惜しんではいけないということなのでしょう。

以前、代表の山極氏から新しいお仕事のご案内を頂いて少々戸惑っていた際、

「あんな面倒な選考を乗り越えてくれたんだから、大丈夫だよ」

と言ってもらったことがあります。

普段意識低い系として生きていたとしても、やはりたまに頑張って何かに懸命に取り組んでみるということはとても大事だなと、今更ながらに思ったのでした。

 

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Who is writing

学生時代を関東で過ごした後、東北の田舎に帰郷。嫌々地元で就職を決めたら、うっかりとんでもないブラック企業に入ってしまった!
絶望的な環境からなんとか抜け出し、その勢いで個人事業主として開業。現在は、Webディレクター、ライターとして活動中。
本当はお芝居や音楽、歴史が好き。