【テクアシ日記 vol.11】とても豪華で、とても貧相な食事のお話

同じものを同じ時に認識しても、評価が真逆になるという不思議な現象。原因は至極単純で、コミュニケーション改善のヒントでもありました。

こんにちは。テクニカル・アシスタントの竹内です。

この度流行りにのってインフルエンザに罹ってしまい、喘息の発作まで出てしまったため、長々お休みを頂くことになってしまいました。

フラフラと寝たり起きたりしながら過ごす数日間、思い出したことがあります。

 

私には、以前婦人科系の持病のために苦しんだ時期があります。

病巣の位置が悪く、病院を変えて手術に漕ぎ着けるまで原因も見つけてもらえませんでした。

常に腹痛がある状態で、仕事だけ必死に片付け、家ではカイロや電気あんかで腹部を温めながら横になって丸まって過ごしていました。

その頃、休日に夫が食事を作ってくれることがちょくちょくありました。

少しでも身体を冷やすと腹痛が悪化するという状況で、かつ痛み止めで胃が荒れているために食べられるものにも制限があったのですが、身体に優しい手作りの料理を食べさせてもらえることがとてもありがたかったです。

そんな中、未だに笑い話になっている出来事が起こりました。

 

冬の寒い時期のことで、その日のメニューは湯豆腐でした。

事前にそう聞いて私はとても嬉しく、横になりながら完成を楽しみに待っていました。

できたよ、と声をかけられて起き出し、ニコニコしながら食卓に向かいます。

すると、いつもなら得意げに料理の説明をしてくれる夫が、なんだか複雑な顔をしているのです。

不思議に思いつつもテーブルの土鍋を見ると、出来立ての湯豆腐が湯気を上げています。

中身はお豆腐だけでなく、柔らかく煮た白菜や大根などの野菜まで入っているようです。

「豪華!ありがとう!」声をあげると、夫の複雑な表情が少し和らぎました。

「本当にそう思う?」

聞かれて、不思議に思いました。感謝が足りなかったのだろうか…

 

夫が説明したのは、以下のような内容でした。

①身体に優しく温まるものをと考えて湯豆腐に決めた

②豆腐だけでなく、野菜も入れたら栄養面でも良く豪華になるのではないかと思った

③出来上がった鍋の中身に違和感を感じた

④豪華な湯豆腐を作ったつもりが、出来上がったのは貧相な水炊きだったと気づいてしまった

貧相な水炊き!!!この言葉に、私は笑いをこらえきれませんでした。

 

笑いながら改めてテーブルの上を見ると、確かにそこには、お肉やお魚も入っておらず、野菜の種類も量も少なく、豆腐ばかり浮いている「貧相な水炊き」が鎮座していました。

湯豆腐を作るという前提を知っていた私からすると、シンプルな湯豆腐をイメージしていたところに野菜まで入っていたため、とても豪華だと感じたのです。

けれど、同じものを事前のイメージなく見ると、確かに貧相な水炊きなのです。

「これは断じて貧相な水炊きではなく、豪華な湯豆腐なのだ」

改めて自分たちに言い聞かせ、気を取り直して頂いた湯豆腐はとても美味しく、身体を芯から温めてくれました。

 

全く同じものごとを同時に認識しても、その価値や意味が人によって異なるというのは珍しいことではありません。

今回のように豪華か貧相かという180度違う印象を持ったとしても、それがどちらも間違いではなく、全ては感じた本人の見方による…ということも多いのではないでしょうか。

熱意を持って取り組んでいる仕事において意見の相違が起こると、「相手の言っていることはおかしい」と確信を持って批判的な立場に立ってしまい、対立が生まれることも珍しくないように思います。

もしかしたら、そこには今回のようなものごとの捉え方のように、「間違いではない違い」があるのかもしれません。

その違いがどうして生じるのかを考えてみると、個々人の価値観がその根底にあるように思います。

弊社のメディア「賢者の人事」の以下の記事では、メンタル&ビジネスコーチである岩下知史さんが、価値観とその影響、理解するためのヒントについて分かりやすく説明しています。

ぜひ、ご覧下さい。

【研修なしで理想的な上司と部下の関係性をつくる“価値観”の使い方】

https://blog.people-resource.jp/ideal-boss-subordinate-relationship-value/

竹内円

P.S.
私はあまりインフルエンザに罹らない方なのですが、今回のA型は違いました。

夫の勤務先で1人感染してしまったという話から、あっという間に我が家まで広がってきました。

皆様も、どうぞお気をつけ下さい!

P.P.S.
今日も最後まで読んでいただきありがとうございます!

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Who is writing

経営人事パートナーズ テクニカル・アシスタント。
東北大学文学部卒業。製鉄会社の人事、大学法人の福利厚生制度の企画運営担当者などを経て現職。
持病の悪化による退職や家族の転勤による退職などを経験する中で、社員と企業双方にとっての最適解とは?人事を研究し突き詰めることはできるのか?という疑問を感じており、経営人事パートナーズの考え方に強い共感を覚えて入社。
生き物とバイクが大好きで、ボーダーコリーの女の子を溺愛しているが、彼女は熱烈なお父さんっ子なので若干片想い。うすうす感づきつつも、めげずに毎日愛を伝えている。