【テクアシ日記 vol.09】強い個性が命取りになりかけたヤモリのお話

理想的でマニュアル通りの対応は、方法として正しくても必ずしも相手にフィットするとは限りません。どうすればよいのでしょうか?

  

こんにちは。テクニカル・アシスタントの竹内です。

本日は、少し珍しい私のペットのお話をさせて頂きます。

 

私は幼少期から生き物が大好きで、庭のダンゴムシ、公園のセミに始まり、たくさんの生き物を飼育してきました。

現在は犬の他に、爬虫類・両生類などを何種類か飼育しています。こういった生き物たちは犬猫のようなコミュニケーションができない種類がほとんどですが、それぞれに面白い特徴や習性があり、眺めているとあっという間に時間が経ってしまいます。

我が家では生き物それぞれを適切な環境で飼育するため、砂漠から熱帯雨林までの多様な環境を飼育ケースの中に再現しています。温度湿度をモニターし、紫外線ライトなどを使いながら管理しています。

そんな我が家の生き物の中に、「オルナータヒルヤモリ」というヤモリがいるのですが、このヤモリについて、我が家で起きた事件をご紹介いたします。

 

このヤモリは、「ヒルヤモリ(day gecko)」という名前の通り、昼行性のヤモリです。マダガスカルの森に棲み、木に登って果物を舐めたり、小さな虫を獲ったりしながら暮らしています。

絵の具を塗ったような蛍光ブルーと蛍光グリーンの模様が顔に入っており、まるで派手なメイクをしているようです。

とにかく臆病で動きが素早く、一度逃がしてしまったら終わりだ、と思うような速度で移動します。世話をするときには、逃がさないように気を付けていつも世話をしています。

この種のように臆病な種類の生き物を飼うときは、姿を隠すためのシェルターを入れてあげる必要があります。

 

我が家に連れてきて最初のうちは、食事や排泄を確認するため、最低限のシェルターのみの小さな飼育ケースで飼育していました。

2,3か月して状態が安定し程よくふっくらとしてきたため、安心して広い飼育ケースに移しました。

新しいケースには、床に専用の素材を敷き、登り木とシェルターを入れ、さらに小さな観葉植物の鉢を入れました。

植物の鉢は程よい湿度を保持するのにも、シェルターとしても役に立つのです。

このように、おそらく今できるベストと思われる環境を整えて数か月後、驚くべきことが起こりました。

 

そこまでの数か月間はほとんどずっと、気に入った観葉植物の葉の隙間で過ごしており、生い茂った葉に隠されてあまり姿を見ることがありませんでした。

久しぶりに壁面に張り付き姿を見せたヤモリは、見る影もないほど痩せてしまっていたのです。

ムチムチとした健康的な体型から、背骨の感じが分かるような体型に変わってしまっていました。

飼育環境はマニュアル通り、エサをケースに入れる頻度もこれまで通り…だったにもかかわらずです。

驚いた私は、とにかく食事のシーンを確認するべく、植木鉢を撤去することにしました。

するとその後、スカスカになったケージで問題なくヤモリはエサを摂り、数か月をかけて元の健康的な体型に戻りました。

 

観察していて推定できた原因は、以下の2点となりました。

①隠れ場が多いためにエサを見つけにくかったのではないか。

②葉っぱ周辺が快適すぎて引きこもり、食事のために離れることをしなかったのはないか。

この事件は、「棲息地の理想的な環境を再現するマニュアル通りの飼育」を心がけていた私に大きな意識の変革をもたらしました。

どうやらヤモリにも、生命に影響し得るレベルで強い個性が存在し、それに対する適切な対応は個体によって異なるということが分かったのです。

 

皆さんは、例えば部下の育成などで「理想的であると思われる対応をしたけれど上手くいかなかった」というご経験があるのではないでしょうか。

ヤモリにさえ求める環境に個性があるわけで、当然ですが人間が持つ個性や多様性はその比ではありません。

「理想的な対応」「リーダーシップのマニュアル」などの一般論で上手くいかないのが、人材育成です。

それはあなたが悪いわけではなく、マニュアルが悪いわけでもありません。

 

「マニュアル通りの疑問だらけの人材育成」を脱却すべく、弊社のコンサルティングは個性診断を導入しています。

これにより、どの人材がどのような環境を望むか、どうすれば活躍できるかの可視化が叶います。

また、1on1のコーチングにより、本人の成長や部下の成長のための具体的な方法をお伝えすることができ、結果が出るコーチングとしてご好評を頂いております。

社員の個性を活かした人事、人材育成にご興味をお持ちの方は、ぜひご相談ください。

竹内円

P.S.
ところで、こんなヤモリのお話を代表の山極に伝えていたところ、「こんなの知ってる?」と、「FatGecko」なる商品を紹介されました。

太ったヤモリとは一体…と見てみたところ、その正体は振動に強い吸盤式のカメラマウントでした。

実は、車載動画を撮る時などにこのツールを使っているとのこと。

弊社ではこのような様々なツールを駆使してたくさんの動画を撮影し、YouTubeチャンネル「賢者の人事」を運営しております。

人事制度や人事戦略の解説や事例のご紹介、海外の研究論文を分かりやすく解説した動画など、きっと新しい発見をして頂けることと思います。

通勤のすき間時間や休憩時間などに、ぜひお気軽にご訪問下さい!

https://www.youtube.com/@kenjano-jinji

P.P.S.
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Who is writing

経営人事パートナーズ テクニカル・アシスタント。
東北大学文学部卒業。製鉄会社の人事、大学法人の福利厚生制度の企画運営担当者などを経て現職。
持病の悪化による退職や家族の転勤による退職などを経験する中で、社員と企業双方にとっての最適解とは?人事を研究し突き詰めることはできるのか?という疑問を感じており、経営人事パートナーズの考え方に強い共感を覚えて入社。
生き物とバイクが大好きで、ボーダーコリーの女の子を溺愛しているが、彼女は熱烈なお父さんっ子なので若干片想い。うすうす感づきつつも、めげずに毎日愛を伝えている。