プロンプトエンジニアとコーチングスキルの共通点

未来の職業プロンプトエンジニアリングと、コーチングスキルの意外な共通点についてのお話し

  

2012年に個人がYoutubeに動画を投稿し広告収入を得られるようになって、早10年。

「ユーチューバー」というそれまで考えもつかなかった仕事が、今では新小学1年生の将来つきたい職業TOP10に当たり前に入るほど、認知されてきました。

今まで想像もしなかった仕事が生まれる現代ですが、昨年またもや新しい職業が生まれました。

それが「プロンプトエンジニア」です。

プロンプトエンジニアとは、ChatGPTなどのAIからより正確でより精度の高いものやクオリティの高いものをアウトプットするために正しく質問をし、文章を入力し指示をだすエンジニアのことです。

賢者の人事でも、石井美樹さんにChatGPTに関する記事を多数書いていただいていますが、記事の閲覧数(PV数)もTOP10に4個ランクインする程に注目を集めています。

https://blog.people-resource.jp/chatgpt_basic/

プロンプトエンジニアは、プログラミングでいう「コード」を実際に書く訳ではありません。

ChatGPTのようなAIと対話をするための的確な質問や指示を文章にして入力することで、人間の意図を正確に伝え、よりクオリティの高いものをアウトプットすることが求められます。

ChatGPTの持つ能力を最大限に引き出すスキルを持つ人、それがプロンプトエンジニアです。

そんなプロンプトエンジニアは、そのスキルにより何百万人もの仕事を削減し、また大幅な時間短縮が出来るようになるためアメリカの求人には高いもので約5,000万ドルもの報酬を用意している企業さえ出て来ているようです。

まさに今、求められている「プロンプトエンジニア」ですが、私が面白いなと思う点はこの職業に何もいらないということ。

学歴も

年齢も

性別も

資格も

実務経験も

何一つ不要です。

(高度なプロンプトを作るためには実務経験が必要かもしれませんが、少なくともこの職業に就くために、下積み修行は不要です。)

そして、一般的なプログラミング言語には難しいコードがありますよね。

コードを書けるようになったり理解したりするためには、それなりの勉強時間が必要でした。

そんな難しいプログラミング言語の仕組みや、コードを勉強することなく

一般の人が一般的に使う「話し言葉」を使って、指示を出すことが出来るのです。

これから先、ChatGPTが進化を続けていけば、そもそもプロンプトエンジニアが必要ないほどになるかもしれません。

しかし、今はまだAIに人間の持つ意欲や感情的要素がないため、指示を与え正しく与える人が必要です。

今はまだChatGPTも、「質の高い質問をしなければ、使いこなせない」のです。

これは私たちが普段働いている会社内でも同じことが言えます。

オリンピック選手には隠れた名コーチが多いように、社内でも活躍する人材に育てるためには「正しく導く人」が必要ですよね。

実は上司のあなたに今求められているスキルは、ChatGPTのように会話を通してアイデアや相談の壁打ちをしてあげること。

相談=アドバイスをすることだけではないのです。

部下の潜在的な能力、飛躍出来るきっかけを引き出すために、いい質問を投げかける。

そうすることで、部下本人が自分で気づき行動できるように導くことが必要なのではないでしょうか。

結局のところ、いい上司というのはアドバイスをする人ではなく「質の高い質問を部下に投げかけて、部下自身が成長するために一緒に伴走する人」だと思います。

上司としてのスキルを本やセミナーにから習得するのも一手ではありますが、最新の技術であるChatGPTを使いながらでも、質問力を養うことができるかと。

実は私も、仕事をする上ではChatGPTが欠かせない相棒となりつつあります。

例えば

  • 発信活動のネタ探し
  • クライアントの課題を構造化するために、ChatGPTを壁打ちをする
  • 海外論文の要約をお願いする

など、今まで膨大な時間と労力をかけてきたことが、数分で解決してしまうのです。

新しい技術であるChatGPTはこれから急速に私たちの生活に溶け込み、さらに進化を続けていくでしょう。

1年後の未来も予測がつかないほどのスピードで変化をしている現代社会。

もしあなたが年齢を重ねるごとに、新入社員や中堅社員との世代が離れていき、正直どう部下を育てればいいのかと悩んでいるとしたら・・・

一緒に新しい技術を学びながら、今の時代にあった人材を育てるコーチングスキルも手に入れませんか?

何から始めたらいいかわからない・・・という漠然とした思いでも、嬉しいです。

マネージャーのコーチングスキルを向上させたい人事部や経営者のみなさま、ご相談をお待ちしています。

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Who is writing

山極 毅(やまぎわ たけし)
株式会社経営人事パートナーズ 代表取締役
横浜国立大学大学院工学研究科卒業

元日産自動車グローバル人事部長 兼日本人事企画部長
日本交流分析学会正会員

”人は、会社がなくても生きていける。 しかし、会社は人がいなければ存続できない。”

2009年12月、もうすぐ冬季休暇になるある日、私は人事部長に呼ばれました。そして、このように告げられました。

「来年の4月1日付けで、本社のグローバル人事部の部長職に異動してもらうことになりました。詳しい仕事の内容は、着任後に上司の役員から聞いてください」

私の人事部人生は、このように突然始まりました。

4月に着任し、そのアメリカ人上司のところに行くと、

「あなたには、世界中の社員の採用と離職に伴う人員の変動と、日産グループ全体の人件費管理をやってもらいます」と言われました。

人事部経験の無い私に、なぜそのような重要な仕事を任せるのですか?と聞いてみたところ、「今の人事部は、数値の扱い方が出来ていない。エンジニアと商品企画の経験を活かして、人的資源管理(リソースマネジメント)を会社に定着させて欲しいのです」、という答えが返ってきました。

経験も前例もない仕事ですから、それからしばらくは悪戦苦闘の日々が続きました。古くから人事部にいる先輩や同僚だけでなく、社外の知恵も聞きに行きました。

前例のない悪戦苦闘の3年が過ぎた頃、私のチームはグローバル社員数25万人と、毎月1万人の人の出入りを管理し、約1兆円の人件費の活用状況を毎月役員会にレポートできるまで成長していました。

日本の連結会社のデータは稼働15日で、全世界のデータは稼働25日でまとめられるようになっていました。

これらの経験を通して得られた教訓は、「すべての人事業務は、連携させて考えた方が上手くいく」ということでした。

採用は採用チームの問題、人材育成は育成チームの問題、人事評価は評価制度チームの問題、賃金テーブルは経理部門が検討する課題というように、課題ごとに対応策を考えていくことが、効率的な方策であると信じられています。

ギリシアの思想家アリストテレスは、「全体は部分の総和に勝る」という名言を残しました。これは、全体には部分の総和以上の構造が存在していることを示しています。

人間だれしも、自分のことを客観視することは難しいわけですが、同じことは会社にも当てはまります。

弊社は、様々な成功例と失敗例を見てきた知識と経験を応用して、お客様の人事課題を客観的に把握し、共に解決策を考えるパートナーとなることを目指しています。