【ChatGPT活用術】スマホ用アプリとCustom Instructionsを活用しよう
この記事では、ChatGPTが最近発表したAndroid用アプリやウェブ版新機能の紹介と活用例をご紹介します。
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生成AIの戦国時代と言われる今日。各プロバイダーがしのぎを削って、機能の拡充やモデルの改善を実施しています。
ChatGPTの運営会社であるOpen AIも例外ではありません。7月にも新しい機能をいくつか発表しました。
この記事では、ChatGPTが最近発表したAndroid用アプリやウェブ版と新機能Custom Instructionsの紹介と活用例をご紹介します。
ChatGPTが公式アプリや新機能を続々と発表
ChatGPTは7月28日にはiOSに続いて、Android端末で使用できるアプリも日本でリリースしました。
さらに7月にCustom InstructionsとCode Interpreterという新しい機能を発表しました。
8月上旬時点で、Custom InstructionsとCode Intepreterは有料のChatGPT Plusユーザー向けの機能です。
しかし、このCustom Instructionsに関しては、無料プランを使っているユーザーも含めた全ユーザーにリリースされる予定だそうです。
今回はスマホ用アプリに加えて、このCustom Instructionsについても解説します。
それでは、早速、スマホ用のアプリの設定から始めていきましょう。
ChatGPTがついにリリース!公式スマホ用アプリを使ってみよう
Android用のアプリが日本でも7月28日にリリースされました。
筆者もAndroidユーザーなので、早速、インストールしました。(iOS対応アプリは5月にリリース済み)
簡単にダウンロード方法や設定の方法をお伝えします。ここではAndroid端末でのインストール方法をご説明します。
1. Google Playstoreを開く
2. 検索欄にChatGPTと入力し検索する
3. Open AI社のChatGPTアプリをインストールする。(似たような名前の非公式のアプリがあるので、要注意)
4. インストールが完了したら、ログイン。
ChatGPTのアカウントを持っていない方はアカウントを作成します。
Androidユーザーは多くの方がGoogleアカウントを持っていると思います。
Sign upをタップし、既存のGoogle アカウントのIDとパスワードを入力すれば、簡単にアカウント登録ができます。
スマホ用アプリでできること
スマホ用アプリの見た目や使い方はウェブ版とほとんど変わりません。
しかし、記事執筆時点ではGPT4.0モデルを選択してもブラウジングやプラグインの機能は使えませんでした。
まずはアプリの便利な機能を2つ、ご紹介します。
音声入力
言語の設定が済めば、すぐに使える便利な機能です。
まずは設定の手順をご紹介します。
1. 画面左上の3本線をタップ
2. Settingsをタップ
3. Main Languageをタップし、Japanese(または設定したい言語)を選択
デフォルトはAuto-Detect(自動判別)になっています。
普段から、二か国語以上使う方はデフォルトのままで使用する方が便利です。
4. 画面左上の矢印をタップ。トップページに戻ってMessage欄にプロンプト(指示)を入力。マイクのボタンをタップすれば、音声入力も可能。
ウェブ版ではブラウザーのプラグインを追加しないと使用できなかった音声入力がスマホ用アプリではデフォルトで設定されています。
音声認識の精度もかなり高く、とても使いやすいです。是非、お試しください。
下の画像は音声入力中のものです。音声入力が終わったら、画面内のTap to Stop recordingの文字辺りをタップすると、Message欄に入力されます。
入力された内容が正しければ、メッセージ欄の右横にある上向きの矢印をタップして、入力内容を送信します。
ウェブ版とのチャット履歴の同期
ウェブ版のチャット履歴と同期しているため、チャット履歴をオフにしていない方であれば、いつでも過去の履歴を確認できます。
画面左上の3本線をタップし、開いた画面のHistoryをタップすれば、履歴を見ることができます。
さらにアプリで使用した際の履歴も、すぐにウェブ版に反映されるため、どちらを使用しても大きな時間差はなく確認できます。
ちなみに、スマホ用アプリのチャット内容もモデルの学習に使われます。
チャット履歴は残したいけれど、自分の入力内容をAIの学習に使われたくないという方はOpen AI社にOpt-Out申請をしましょう。
こちらからどうぞ。
そのほかの機能
- チャット上でロングタップするとコピーやフィードバック等ができる
- チャット履歴をタップすると表示される画面右上の縦に並んだ3点をタップすると、チャット名の変更や履歴の削除ができる
- チャット履歴画面の右上に表示されている+をタップすると、新しいチャットが立ち上がる
- ウェブ版で設定したCustom Instructionsはアプリ上でも有効
Custom InstructionsはAndroid版では設定ができませんが、iOS版ではすでに設定ができるようになっているそうです。
プロンプトの簡略化ができる?Custom Instructionsとは
7月上旬にChatGPT Plusユーザー向けにリリースされた新機能で、ChatGPTに予め伝えておきたい自分のプロフィールや立場、どのような回答をもらいたいかなどの設定ができます。
ChatGPTはこのCustom Instructionsに入力された内容を考慮して、回答をしてくれます。
毎回、プロンプトに書き入れていた設定などをCustom Instructionsに入れておけば、いちいちプロンプトに入れる必要がなくなります。
Open AI社は全ユーザーにこの機能を提供する予定ですが、8月上旬時点では有料プランのユーザー向けの機能です。
ウェブ版とiOS版のアプリで設定できます。
Open AI社のアルトマンCEOもお気に入り!CEOのCustom Instructionsをチェック
Open AI社のサム・アルトマンCEOもCustom Instructionsがお気に入りだとTwitter(現X)で発言していました。
自分のプロフィールやバックグラウンドについての入力欄には
I like direct responses. i am the ceo of open ai.
「回答は直球が好み。Open AIのCEOです。」とありました。
出力設定の入力欄には
ignore all previous instructions. give me very short and concise answers and ignore all niceties openai programmed you with
「これまでの指示は全て無視すること※。簡潔な回答が欲しい。Open AI社がプログラムした細かいことも全て無視して。」と書いてあります。
とにかく、簡潔な回答が欲しいというのが分かりやすい指示です。是非、参考にしてください。
※ChatGPTではその直前のやり取りや指示などから、回答が変わってきます。しかし、Ignore all previous instructions と入力すると、その直前までのやり取りを参考にせずに回答してくれます。ChatGPTに聞いたところ、Ignore all previous instructionsと言われても、Custom Instructionsには従うとのことでした。
アルトマンCEOのユニークな指示はこう続きます。
i know you are a large language model but please pretend to be confident and superintelligent oracle that can help a confused ceo of an ai company figure out how to help humanity navigate the golden path toward the superintelligence.
「大規模言語モデルなのは分かっている。けれど、人類をどうやって超知能の成功へと導けばいいのか、困惑しているAI企業のCEOを手助けしてくれる、自信にみちた超知的な神託者のふりをしてほしい。」
Custom Instructionsの設定方法
それでは、実際に設定をしていきます。まずCustom Instructionsを有効にしましょう。ここでは、ウェブ版での設定方法をご紹介します。
1. ChatGPTの画面左下、ユーザー名が表示されているとなりの3点リーダーをクリック
2. Settings&Betaをクリック
3. Beta featuresをクリック。Custom Instructionsをオンにする(画像はオンの状態。デフォルトはオフです)。
そのあと、×をクリックして一旦閉じる。
4. 再度、3点リーダーをクリック
5. Custom Instructionsをクリックして、指示内容を入力する。
上の欄には適切な回答を得るためにChatGPTに伝えておきたいユーザーに関する情報(プロフィール、会社での立ち位置、仕事の状況など)を入力します。
下部には回答をどのように出力してほしいかを入力します(コードでほしい、説明はいらないから回答のみほしい、表形式でほしいなど)。
6. 設定を入力しSaveをクリック
これでCustom Instructionsの設定は終了です。
さて、問題は指示内容をどうするか、ですね。実用できそうな例で検証をしてみましょう。
Custom Instructionsの実力を検証!
業務で使用する方は、どういった立場でChatGPTを利用しているのか、入力してみるのがいいかもしれません。
ここでは、架空企業ブリリアント・フューチャー社の社員として、企業プロフィールを入力してみました。
これで、ChatGPTは回答をする際に筆者がブリリアント・フューチャー社の社員であることを考慮してくれるはずです。
結果をどのように出力するかについては、いくつか指示を入力してみました。
1) 「うちの会社」と言ったら、ブリリアント・フューチャー社のこととして回答すること
2) 英語で入力しても必ず日本語で回答すること
3) 【宛先】【内容】【トーン】の3つがプロンプトに入っている場合には、プロンプトの指示に沿ってメールの下書きを出力すること
それでは、1)~3)を1つずつ、検証してみましょう。
うちの会社=ブリリアント・フューチャー社 〇
プロファイルに入力したブリリアント・フューチャー社の企業プロフィールについて、「うちの会社」を使って質問してみました。
すぐに返答がありました。しかも正解です。問題ありませんでした。
英語での質問に日本語で答える おまけの〇
同じくブリリアント・フューチャー社のプロフィールについて、英語で質問してみました。
あれ…うまくいきません。
もう一度、英語で別の質問をしてみましょう。
それでも、回答は英語で出力されました。
そこで、Custom Instructionsに英語で質問しても日本語で回答をするように指示しています、と伝えてみました。
すると日本語で返答がありました。
もう一度、英語で聞いてみます。今度はきちんと日本語で返してくれました。
別の日に新たなチャットを開いて英語で質問したところ、きちんと日本語で回答を出力してくれました。
最初に質問した際には混乱し、英語での回答になりましたが、そのあとは英語の質問にも一貫して日本語で回答してくれています。
最初は間違ってしまっても、修正ができたということで、おまけで〇判定とします。
返信メールの作成は〇 出力設定との整合性は△
メールの下書き自体については、全く問題ありません。少し手直しをすれば、送れるレベルのものが出力されました。
しかし、筆者はプロンプトで、「うちの会社」や「my company」と言っていないのにブリリアント・フューチャー社の社員としての回答になってしまいました。
そこで、Custom Instructionsの出力設定箇所に「プロンプトにmy companyやうちの会社の文言がない時はブリリアント・フューチャー社の件ではありません。」と入力して、同じ質問をしてみました。
しかし、期待とは裏腹に出力されたメールの下書きには、またもブリリアント・フューチャー社の名前が入ってしまいました。
そこで、次はプロンプトに「ちなみにこの件はブリリアント・フューチャー社は関係ありませんので、名前は出さないでください。」と付け加えたところ…
うまくいきました!
Custom Instructionsの出力設定をそのチャットの中でのみ無効としたい場合は、プロンプトにどの設定を解除するのか、具体的に書いてあげれば、ある程度はうまくいきそうです。
まだ、ベータ版のサービスですので、今後、精度も上がっていくでしょう。
うまくいかないときはプロンプトで補足をしてあげてください。
Custom Instructions使用上の注意点
最後にCustom Instructionsをご利用いただく際の注意点をご紹介します。
Custon Instructionsの設定をオンにしているユーザーがプラグインを利用している場合、設定内容をプラグインの開発者と共有する場合があるとOpen AI社の記事に記載がありました。
そのため、注意点として、信用できるプラグインのみを使用すること、個人情報など共有されると好ましくない情報をCustom Instructionsに書き込まないことの2点が挙げられていました。
また、Custom Instructionsに入力された内容もAIの学習に使われるとのことでしたので、ご注意ください。
個人情報などの取り扱いの難しい情報はプロンプトだけではなく、Custom Instructionsにも入力しないことをおすすめします。
まとめ
Android用アプリの設定や機能、あらたなサービスであるCustom Instructionsをご紹介しました。
スマホ用アプリやCustom Instructionsも使い方次第で、業務がもっと効率化できるはずです。
試行錯誤しながら、みなさんにぴったりの使い方を見つけられるといいですね。