
はじめに
誰でも一度はしたことがある「仕事の先延ばし」。
「明日やればいっか!」と言って、目の前の仕事から逃げてはいませんか?
仕事に優先順位を付けることは大切ですが、今やるべきことを後回しにしていいという訳ではありません。
仕事を先延ばしにすると、後々仕事に追われることになったり、失敗を繰り返してしまいます。
ただ、頭では分かっていても、実際に気を付けるとなると中々上手くいきませんよね。
そこで今回は、仕事を先延ばしにしてしまう人の心理や原因、具体的な改善方法について解説していきます。
仕事を計画的に進められるようになれば、生産性が上がり、周りからの評価も良くなることでしょう。
仕事に限らず、家事や育児などの様々な場面でも応用できるので、ぜひ参考にしてみてください。
仕事を先延ばしにする人の特徴とは?
仕事を先延ばしにしてしまう人の特徴は以下の通りです。
- 楽観的すぎる
- 完璧主義である
- 面倒くさがり
- 誘惑に弱い
- 自己効力感が低い
- 時間管理が苦手
- 計画的に進めるのが苦手
- 言い訳をして正当化する
- やることを把握できていない
- 失敗に対する恐怖心が強い
「まあ、なんとかなるでしょ!」というように楽観的な人もいれば、シンプルに面倒くさがりな人もいるように、仕事の先延ばし癖には、心理的要因や行動的要因、環境的要因など様々な要因が絡んでいます。
実際には、いくつもの要因が絡み合って仕事の先延ばしという行動が起こることが多いです。
仕事を先延ばしにする4つの原因
仕事を先延ばしにしてしまう主な原因としては、以下の4つが挙げられます。
- 短期的なメリットを優先してしまう
- 仕事が簡単すぎる
- 失敗を引きずっている
- やりたくない仕事である
「楽観的」「面倒くさがり」「誘惑に弱い」などの性格的な問題に加えて、これら4つの原因が重なることで先延ばし癖が生じていると言えます。
①短期的なメリットを優先してしまう
面倒くさがりな人や誘惑に弱い人、仕事に優先順位がつけられない人は、短期的に得られるメリットを優先してしまうことが原因です。
具体的には、
- 何回もタバコ休憩にいく
- すぐに携帯を触ってしまう
- 簡単に終わりそうな仕事ばかり手をつけてしまう
などが挙げられます。
このような場合、すぐに終わらなそうな仕事ばかり先延ばしになってしまいます。
短期的に得られるメリット、つまり簡単にできることを優先するということは、仕事中のメリハリがなかったり、タスク管理が不十分なことを意味します。
そのため、仕事に集中できる環境作りや、取り組み方の改善が必要となります。
②仕事が簡単すぎる
仕事が簡単すぎる場合も、先延ばしの原因となります。
というのも、簡単すぎるが故にモチベーションが上がらなかったり、優先順位が低くなりがちだからです。
もちろん、計画的に後回しにしているのであれば問題ありません。
しかし、退屈に感じていたり、緊急性や重要性を過小評価し、すぐに終わると過信していると、先延ばしを繰り返してしまいます。
簡単だからといって後回しにして、気づいたら期限が迫っていたなんてこともありますよね。
このような場合は、仕事の優先順位付けを見直す必要があります。
簡単な仕事ばかりしていても、時間のかかる仕事が先延ばしになりますし、逆も然りです。
大切なのは、モチベーションに左右されることなく、計画的に仕事を進めることです。
③失敗を引きずっている
失敗経験があると、再び同じ失敗をすることへの恐怖心や不安感が増大し、新しい仕事に取り掛かることに対して強い抵抗感を感じるようになります。
その結果、失敗を回避するために仕事を先延ばしにしてしまうのです。
また、失敗は自尊心や自己評価に大きな影響をを与え、自己効力感の低下を引き起こします。
自分の能力や価値を疑うようになり、成功する可能性が感じられなくなると、仕事を遂行する自信が持てなくもなります。
完璧主義な人であれば、失敗をしたことで自己批判が強まり、次の仕事でも完璧を求めるあまり、少しでも不安要素があると仕事に取り掛かるのを避けることがあります。
こういった回避行動は、「今は準備が足りない」「もう少し考えを整理してから」といった形で合理化したり、現実逃避で紛らわそうとすることが多いです。
日頃から言い訳をしたり、仕事以外の活動に没頭している人は要注意です。
失敗はネガティブに捉えられがちですが、実際には成長する機会となり得るため必要不可欠なものと言えます。
したがって、失敗を過度に恐れず、前向きに捉えることが大切です。
④やりたくない仕事である
やりたくない仕事には内発的動機付けが欠けており、意欲を持って取り組むことが難しいため、その仕事が自分にとって意味があると感じられない場合は、先延ばしの原因になります。
また、取り組む際に不快な感情になることも多いため、その仕事がストレスや不安を引き起こす場合、避けようとする心理が働きます。
例えば、時間に余裕があれば「好きな仕事からやろう」という思考になりますし、誘惑の多い環境では、簡単に他のことに意識が向いてしまいます。
このように、やりたくない仕事に直面した際は、誰でも回避行動や現実逃避をしたくなるものです。
ただ、現実的には、やりたい仕事だけするというのはほぼ不可能に近いでしょう。
時には、やりたくない仕事にも誠実に向き合わなければなりません。
そのような時に必要なのが、仕事の意味や目的を再確認し、自分にとっての価値を見出すことです。
そうすれば、自然と仕事を進めることができるようになりますし、徐々にモチベーションも上がってきます。
どうしても手がつけられず、仕事を先延ばしにしてしまう場合は、タスクを分割したり、時間管理をするなどのテクニックを実践することが必要です。
仕事を先延ばしにするデメリット
仕事を先延ばしにするのが良くないと分かっていても、ついついやってしまうのは、デメリットについてあまり考えていないからです。
仕事を先延ばしにする主なデメリットは以下の通りです。
- 心理的ストレスが増加する
- アウトプットの質が低くなる
- 周りの人からの信頼を失う
- 成長する機会を失う
日頃から意識していなかった人は、改めてデメリットについて考えておきましょう。
心理的ストレスが増加する
仕事の先延ばし癖がつくと、心理的ストレスの増大に繋がります。
具体的なプロセスは、以下の通りです。
- 締め切りが近づくにつれて時間的な圧迫感が強まり、焦りや不安を感じる
- 多くの仕事が一度に押し寄せると仕事が過負荷に感じる
- 先延ばしにしてしまった自分に対して批判が強まり自己嫌悪に陥る
- 自己評価が下がり自尊心が低下する
- 先延ばしによる失敗や遅れを心配することでネガティブな思考が増える
このような心理的ストレスの増大は、メンタル面だけでなく、睡眠の質の低下や身体症状の出現など、身体的健康への悪影響にも繋がります。
また、そのような状態が長く続くと、さらなるストレスの増加を引き起こし、先延ばしの悪循環に陥ります。
仕事を一つ先延ばしにしたくらいでは小さなストレスかもしれませんが、それが繰り返し行われることで、自己効力感やパフォーマンス、効率性といったものがみるみるうちに低下していきます。
アウトプットの質が低くなる
仕事を先延ばしにしていると、いくつかの心理的要因や時間的要因、物理的要因によってアウトプットの質が低くなります。
具体的な要因としては、以下の6つが挙げられます。
- 時間的余裕の不足:準備やリサーチ、見直しや修正する時間の不足
- 集中力の低下:焦りやストレス、マルチタスクの強制により集中力が分散
- 創造性の低下:時間的制約やプレッシャーによる思考の制限
- 品質管理が不十分:フィードバックを受ける時間の短縮
- エネルギーの消耗:精神的・肉体的疲労の蓄積
- 心理的プレッシャー:自己効力感の低下、自己批判
仕事を先延ばしにして、時間的にも精神的にも、肉体的にも余裕がなくなれば、パフォーマンスが下がるのは当たり前です。
たとえ、心理的プレッシャーに強かったとしても、時間的制約による思考の制限やミスは避けられないため、余裕がある時と同じようなパフォーマンスを発揮することは難しいでしょう。
周りの人からの信頼を失う
仕事の先延ばしは、職場におけるコミュニケーションや協力関係に悪影響を及ぼすため、周りからの信頼を失う可能性があります。
実際に起こりうるケースは以下の通りです。
- 締切に間に合わない
- プロジェクト全体のスケジュールを遅らせてしまう
- 仕事の質が低下してミスが増える
- 求められる水準の成果を提供できない
- 他のメンバーによるカバーを必要とする
- 一貫したパフォーマンスが発揮できないと見なされる
- 責任感がないと思われる
仕事を先延ばしにしても、期限を守り、周りに迷惑をかけず、求められていることを提供できていれば問題はありません。
しかし、実際には、周りによく思われないことばかり起こってしまうものです。
信頼とは、相手からの期待値を超えることで初めて生まれます。
そのため、期限や最低限のクオリティさえも守れず、期待値以下の結果になれば、「この人は仕事ができないんだな」と思われ、徐々に信頼を失っていきます。
成長する機会を失う
仕事を先延ばしにして個人の評価を下げてしまうと、昇進や昇給の機会を逃すことになります。
前述したように、一度信頼を失うと、それが他の上司や同僚にも伝わり、幅広い影響を及ぼします。
万が一、悪い噂が広まり仕事を任されなくなれば、評価を高めていくことは困難を極めます。
また、信頼が低下している状態では、助言や協力を得る機会も少なくなり、成長のサポートが得られにくくなります。
このような状態が続けば、いつしか自己効力感が低下し、新しいことに挑戦する意欲さえもなくなってしまうかもしれません。
そうなると、完全に成長する機会を失ってしまうため、一秒でも早く仕事を計画的に進められるようになる必要があります。
とはいえ、先延ばし癖の原因には性格的な問題も含まれるため、一朝一夕にはいかないでしょう。
そのため、まずは先延ばしにしてしまう原因を見つめ直し、自分に適した改善方法を実践していくのがよいでしょう。
仕事の先延ばし癖を直す10の方法
仕事の先延ばし癖を直す方法は以下の通りです。
- 優先順位を明確にしてToDoリストを作成する
- タスクを細かく分解する
- 締め切り日を2段階設定する
- 完璧を求めない
- 失敗にとらわれない
- 3分タイマーをかけて始めてみる
- 集中できる環境を作る
- 危機感を持つ
- 自分のなりたい姿をイメージする
- 先延ばし克服体験を一つ作る
人それぞれ原因が異なりますので、自分に合うものを実践してみましょう。
①優先順位を明確にしてToDoリストを作成する
やりたい仕事から取り掛かるタイプの人は、仕事に優先順位を付けて、ToDoリストを作成することから始めましょう。
これをしないと、時間のかかる仕事が残ったり、大量の仕事を期限ギリギリに行う羽目になります。
やり方は、以下の通りです。
- 緊急かつ重要なことをピックアップして、1日のToDoリストを作る
- 緊急ではないが重要なことをピックアップして、同じくToDoリストを作る
- 電話対応やメールの返信などの重要でないことは、空き時間や余裕のある時に行えるようまとめておく
- 緊急でも重要でもないことは基本的にやらない
このように、重要かつ緊急性の高いものから優先順位を付けて進めることで、期限ギリギリに焦ることがなくなります。
今まで簡単なものから始めたり、やりたくない仕事を後回しにしていた人は、仕事を整理するだけで先延ばしをすることが圧倒的に少なくなります。
②タスクを細かく分解する
一日のToDoリストが作れたら、タスクを細かく分解する作業を行いましょう。
これは、やりたくない仕事に取り掛かる際におすすめです。
「今日これをやる!」と決めても、タスクが大きなままだとやる気が起きないので、具体的かつ実行しやすい行動に落とし込むことが重要です。
例えば、「新入社員のオンボーディングプログラムを準備する仕事」を分解してみると以下のようになります。
◯大きなタスク
- 必要な書類と情報の準備
- オリエンテーションスケジュールの作成
- トレーニング資料の準備
- メンターの割り当て
- 進捗のフォローアップ
◯細かいタスク
- 必要な書類と情報の準備:新入社員の個人情報の収集(10分)、契約書の準備(20分)、労働条件通知書の作成(15分)
- オリエンテーションスケジュールの作成:オリエンテーションの日程調整(20分)、各部門の担当者との調整(30分)、スケジュールの最終確認と配布(15分)
- トレーニング資料の準備:社内ルールと規則のまとめ(30分)、業務フローの作成(45分)、研修ビデオの準備(20分)
- メンターの割り当て:メンター候補の選定(15分)、メンターへの依頼と調整(20分)、メンターとの打ち合わせ(30分)
- 進捗のフォローアップ:定期的なフィードバック(15分)、フォローアップミーティングのスケジュール(10分)
このように、最初のステップを小さく始め、時間で区切り、視覚化することで効率的に仕事を進めることができます。
③締め切り日を2段階設定する
ToDoリストを計画的に進める方法としては、締め切り日を2段階に設定するのがおすすめです。
先ほどの、「新入社員のオンボーディングプログラム準備」を例に挙げると以下のようになります。
- 最終締め切り:4月1日
- 内部締め切り:3月24日
ここから逆算して、以下のようにスケジュールを立てます。
- 最終確認と調整:3月23日
- トレーニング内容のレビューと修正:3月20日
- オリエンテーションスケジュールの最終確認:3月15日
- オリエンテーション資料作成完了:3月10日
最終締め切り日を決めたら、緊急事態や最終調整のためのバッファ期間を確保して、数日前に内部締め切り日を設定しましょう。
これで、締め切り日の2段階設定が完了です。
さらに細かくスケジューリングするのであれば、各タスクの完了期限を逆算して設定します。
これにより、作業が計画通りに進み、質の高い成果物を提出できるようになります。
④完璧を求めない
完璧主義の人は、完璧に実行できる準備が整っていないと中々仕事に取り掛かれないのが問題です。
そのため、まずは完璧さを求める思考を捨てることが必要です。
とはいえ、ただ心で思うだけでは性格的な問題は変えられないため、具体的な方法で実践していきましょう。
「新しい採用プロセスの設計」を例に挙げると以下のようになります。
- 現実的な目標を持つ:3ヶ月以内に新しい採用プロセスのドラフトを完成させる
- パレートの法則(2:8の法則)で優先順位を付ける:重要な20%のタスク:候補者の選考基準の明確化、面接フローの策定
- 段階的な改善を心がける:初期ドラフトを作成し、段階的に改善する
- 制限時間を設定する:各タスクに対して1週間の時間枠を設定する
- 「完璧」ではなく「十分に良い」基準を設ける:候補者の選考基準が明確であれば、詳細な手順は後回しにする
- フィードバックを活用する:同僚や上司からのフィードバックをもとに改善する
- 完璧主義の根本原因を理解する:失敗への恐れが強い場合、小さな成功体験を積み重ねることで自己評価を高める
- 失敗を学びの機会と捉える:失敗を振り返り、次のプロセス改善に活かす
※パレートの法則とは、結果の80%は全体の20%の要素によって生み出されているという法則です。これを利用すると、重要な20%の部分に注力すればよいという考え方が可能になります。
特に経験が浅いうちは、完璧を目指したとしても100点を出すことは難しく、頑張っても70点や80点が当たり前です。
たとえ成果が60点だったとしても怒られることはないでしょう。
大切なのは、完璧ではなく、「十分に良い」と言える状態を目指すこと、そして、自分一人で100点を目指すのではなく、先輩や上司からフィードバックを貰い、改善することで100点へと近づけることです。
常に完璧さを求めていると、仕事の効率が悪くなりストレスも溜まりますが、これらの方法を取り入れることで、効率的に仕事を進め、ストレスを軽減しながら高い成果を出すことができます。
⑤失敗にとらわれない
失敗にとらわれずに仕事をするためには、失敗を前向きに捉え、自己成長の一部として受け入れる姿勢が重要です。
先ほどの「新しい採用プロセスの設計」を例に挙げると以下のようになります。
- 失敗を学びと捉える: 試行錯誤の過程で得たデータを分析し、改善点を見つける
- 具体的なフィードバックを求める:同僚や面接官からフィードバックを集め、プロセスの改善に活かす
- 自己反省の時間を設ける:採用プロセス終了後に自己反省の時間を設け、どこがうまくいったか、どこが改善が必要かを検討する
- 小さな成功体験を積み重ねる:採用プロセスの一部である面接ガイドラインの作成や実施など、部分的な成功を積み重ねる
- 失敗を共有する:チームミーティングで採用プロセスの結果を共有し、チーム全体で改善策を考える
- 失敗を受け入れる心構えを持つ:新しいプロセスを試す際には、失敗する可能性を前提とし、学びの一部として受け入れる
- リフレーミング:失敗を経験としてポジティブに捉え、「次はもっと良くできる」と考える
- メンタルケア:瞑想やヨガ、運動を取り入れ、心をリフレッシュする
- サポートシステムを活用する:メンターや信頼できる同僚に相談し、アドバイスをもらう
失敗は誰でもするものなので避けて通ることはできません。
ただ、悪いものではなく、自己成長に必要なものなので、むしろ良いものとして捉えられます。
上記のやり方で失敗に対する思考を変えるのが一番ですが、性格的にどうしても気にしてしまう人もいるでしょう。
そのような人は、無理にポジティブに考えるのではなく、どうしたら同じ失敗を繰り返さなくて済むか、きちんと原因を分析して考えるようにしましょう。
それができれば、苦手だと思う仕事にも積極的に取り組めるようになるはずです。
⑥3分タイマーをかけて始めてみる
やるべきことが明確になっても面倒くさいが勝ってしまう人は、3分タイマーをかけてとりあえず始めてみるのがおすすめです。
この方法は、面倒だと感じるタスクに対する心理的な障壁を下げ、短時間で集中して取り組むための有効な手法です。
具体的なステップは以下の通りです。
- メールを返信するなどのタスクを明確にする
- タイマーを3分に設定してスタートする
- 3分間は他のことを考えず、ただそのタスクだけに集中する
- タイマーが鳴ったらその時点で作業を止める
- 3分で意外と進んだり、やる気が出てきた場合はそのまま続ける。逆に気が乗らない場合は、一度休憩を取るか別のタスクに切り替える。
この方法は、25分作業して5分休憩するポモドーロテクニックとの併用も可能です。
まずは3分から始めて徐々に集中時間を延ばすことで、結果的にタスクを完了させることができます。
⑦集中できる環境を作る
誘惑に負けて目の前の仕事から逃げてしまう人は、集中できる環境を整えましょう。
理想的な環境は、以下の通りです。
- 自宅の静かな部屋
- 静音性の高いオフィススペース
- デスクの上は必要最低限の物のみ
- 明るすぎず暗すぎずの照明
- 快適な椅子とデスク
- スマホを近くに置かない
- 仕事中はテレビをつけない
集中を削ぐ要因は非常に多くありますが、ほとんどが対策可能なものです。
後は、誘惑に負けないという強い意志を持てるかどうかなので、最終的には自分次第と言えます。
⑧危機感を持つ
前述した通り、仕事を先延ばしにすることには多くのデメリットが存在しますが、ほとんどの人がすでに頭では分かっていることだと思われます。
しかし、それでもなお先延ばし癖があるということは、危機感が足りないと言わざるを得ません。
そのため、改めてどのようなデメリットがあるのかを認識するとともに、危機感を持つことが必要です。
仕事の先延ばし癖を直さないと、パフォーマンスが低下するだけでなく、仕事の質も低下し、周りの人からの信頼や成長する機会をも失います。
このようなデメリットを受けてもいいという人は危機感を持たなくても構いませんが、これからもっと仕事ができる人間になりたいという人は、きちんと理解した上で行動を見直していくべきと言えます。
自分の評価が下がることを気にすることも大切ですが、自分の行動一つ一つが周りにどのような影響を与えるかまで考えられるようになると尚良しです。
⑨自分のなりたい姿をイメージする
危機感を持つ=マイナスを避けるイメージですが、反対にプラスに考えて、自分のなりたい姿をイメージすることも大切です。
そうすることで、目標設定やモチベーションの向上など、仕事においてポジティブな効果が得られます。
具体的な方法は以下の通りです。
- 自分のなりたい姿や目標を視覚化したビジョンボードを作成し、常に見える場所に置く
- 毎週や毎月、自分の進捗状況を確認し、目標に対する行動を評価する
- 毎日数分間、瞑想を行うことで、自分のなりたい姿を思い描き、集中力を高める
- 自分が目指す姿に近いロールモデルを見つけ、その人の行動や考え方を学ぶ
- 同僚や上司、友人などから定期的にフィードバックをもらうことで、自分の進捗や改善点を客観的に把握する
- 目標達成に向けた具体的な行動計画を作成し、実行に移す
- 自分自身に対して肯定的な言葉をかけることで、自己効力感を高める
これらの方法を実践することで、目標達成への道筋が明確になり、仕事への向き合い方が180°変わります。
⑩先延ばし克服体験を一つ作る
ここまで、先延ばし癖を直す様々な方法について解説してきましたが、兎にも角にもまずは成功体験を一つ作ることが大切です。
成功体験を通じてポジティブな自己イメージが形成されると、「自分は努力すれば結果を出せる!」という自己認識が、次の行動に対する積極性を促します。
初めは大きなタスクではなく、細かく分解した小さなタスクで構いません。
小さな成功体験を積み重ねることで、先延ばしをしてしまう原因が明確になり、それに対する具体的な対処方法が確立されていきます。
また、行動が習慣化されれば、意識的な努力を必要とせずとも、計画的に仕事を進められるようになります。
そうなれば、先延ばしの悪循環を断ち切ることができ、今よりももっと仕事ができる人間になれるでしょう。
まとめ
今回は、仕事を先延ばしにしてしまう人の心理や原因、そして具体的な改善方法について解説しました。
人は、ストレスを抱えると逃げたくなる生き物ですので、やりたくない仕事や面倒くさい仕事に直面すると、ついつい後回しにしてしまいます。
これには、心理的なプロセスが反映されているため、「今やらなきゃ!」と強く思うだけでは、中々行動を変えることはできません。
そこで重要なのが、仕事を先延ばしにしてしまう原因を明確にし、それに合った改善方法を実践することです。
仕事が面倒くさくて先延ばしにしてしまう人には、3分タイマーが効果的かもしれませんし、失敗が怖くて取り組めない人は失敗との向き合い方を変える必要があるかもしれません。
このように、仕事を先延ばしにしてしまう原因は人それぞれですので、今回解説した改善方法の中から自分に合うものを見つけて実践することが重要です。
行動が習慣化されるまで1ヶ月ほどかかりますが、初めの一歩を踏み出さなければ始まりませんので、まずは一度成功体験を作ることを目指しましょう。
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