【テクアシ日記 vol.30】もし「お母さん」が科学的思考をしたら…

興味本位の質問への友人の答えから、「適材適所」の真髄、「ある人がある仕事において適材たるゆえん」の考え方が垣間見えた気がしました。

  

こんにちは。テクニカル・アシスタントの竹内です。

私には、大学で出会った、親友といえる友人が3人います。

とにかく気が合う4人組で、それぞれ住む地域や環境、ライフステージが様々に変化した今でも、会うと学生当時に戻れる最高の友人達です。

このうち2人が理系で、私を含めた2人が文系なのですが、理系の2人が先に子どもをもち、「お母さん」になりました。

その頃から私自身は、婦人科の病気に悩まされていたこともあって子どもをもつということは考えられずにいたのですが、大切な友人の大きな変化なのでやはり興味津々で、色々聞きたくなります。

たくさんの質問をした中で得た彼女らの回答があまりに面白く、かつ説得力がある!と感じたので、今回はその紹介をさせて頂きます。

 

友人Aへの質問:

子どもを産み育てるというのはキャリアの分断にもなるし、ものすごく時間と手間がかかることだと思う。

母親には母性や愛情があって当たり前のようなイメージが持たれているが、実際のところつらくはなかったのか?

友人Aの回答:

私ももともとは母性や愛情に自信がなく、自分が子どもを育てるイメージは難しかった。

しかし、オキシトシン(愛情ホルモン)はすごい。想像もできなかった自分の子どもだが、やはり驚くほど大切で可愛いと感じて、大変なことでも乗り越えられる。

自分の母性は信じられないかもしれないが、化学物質であるオキシトシンは信じてよい。

脳への効果が非常に強いので、そのあたりの感情の変化が起こることは期待してよいと思う。

 

友人Bへの質問:

幼い子どもにはいわゆる「イヤイヤ期」があったり、思い通りにならないことだらけだと思う。

仕事もして忙しく余裕もない中で、私なら優しくしてあげられる自信がない。どうやって対応しているのか?

友人Bの回答:

イラッとすることもあるが、むしろ生物学的に順調に発達しているなと思い、親としてホッとする。

人間の子どもの脳の発達は、理性を司る部分よりも生存に必要な本能の部分である旧皮質(大脳辺縁系)が先に進み、その後理性を司る新皮質(前頭前野)が発達する。

イヤイヤ期というのは本能的な部分の発達による自我の芽生えが順調に進んでいて、新皮質がまだ未熟であることの表れである。

何にでも理不尽に「イヤだ」という姿を見て、いよいよ脳の発達レベルで自我ができつつあるな、順調順調…ただし大変だから早く新皮質も育てよ!と思う。

 

…化学物質の働き!?脳の発達段階!?

「愛情だよ」「子どもって唯一無二の存在だよ」「母親だから」…こういった考え方は、非常に一般的です。

それらは経験のない私にはどうにももやもやとしたものに思え、確信が持てないように感じていたのですが、対して彼女達の回答は説得力があるものでした。

結局は属人的な根性論に帰結するのではないか?と思っていた私の目を、ぱっちりと開かせてくれた出来事でした。

私がこれらの質問をしたのは、彼女たちであればおそらく「母親業の大変さとその対応策」について経験をもとに合理的な説明ができるのでは?と期待したからです。

しかし、両方とも想定を超えた切り口の回答が返ってきたため、非常に驚き、あまりに「らしい」その内容にしばらく笑いが止まりませんでした。

 

彼女らの大学院時代の研究は正確には覚えていませんが、一人は海洋系で東京湾のカレイについての論文を読ませてもらったことを、もう一人はアブラナ科の植物の遺伝について話をしていたことを覚えています。

つまり、生物系のド理系です。

理系の頭で育児に取り組むと、こういう結果が出るのか!と感動しました。

 

私は、代表である山極の理想「適材適所の実現」に共感して弊社への入社を希望しました。

日本全国で適材適所の人事ができたら、どんなに社会が良くなるだろうか、そして人々が幸せになるだろうか…そんな夢の実現を目指せるような気持ちを感じたのですが、そもそもこの願望は、私が日頃から接する友人達の長所や特性をとても魅力的に感じていたということが根底にあるのかもしれません。

 

ある人があるポジションにおいて「適材」たる要因は、必ずしもその業務内容に関連づいているとは限りません。

理系のお母さんが持つ、「科学的根拠を求める癖」が「育児ストレスの軽減」に役に立ったように、それは業務に結びついた指標の他にも存在しているのです。

それを見つけ出して活かしていくこともまた、個々の社員の幸せにも会社の発展にもつながる、素晴らしい人事戦略なのではないか…と思いました。

 

弊社では、社員の強みや個性を知るための診断や、「適材」への成長を促す研修やコーチングなど、適材適所の実現に役立つ様々なツールを開発・提供しております。

きっとあなたの会社でもお役立て頂けることと思いますので、ぜひ一度ご相談ください。

https://keieijinji.co.jp/contact

竹内 円

 

P.S.

このような論理的思考力を持つ友人達ですが、やはり各ライフステージでは女性ならではの困難に直面した経験もあるようです。

現在、弊社ではリサーチャーによる「女性の働きやすさ」についての調査が進んでいます。

大変興味深い内容となっており、近々ご紹介できると思いますので、どうぞお楽しみに!

P.P.S.

今日も最後まで読んでいただきありがとうございます!

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Who is writing

経営人事パートナーズ テクニカル・アシスタント。
東北大学文学部卒業。製鉄会社の人事、大学法人の福利厚生制度の企画運営担当者などを経て現職。
持病の悪化による退職や家族の転勤による退職などを経験する中で、社員と企業双方にとっての最適解とは?人事を研究し突き詰めることはできるのか?という疑問を感じており、経営人事パートナーズの考え方に強い共感を覚えて入社。
生き物とバイクが大好きで、ボーダーコリーの女の子を溺愛しているが、彼女は熱烈なお父さんっ子なので若干片想い。うすうす感づきつつも、めげずに毎日愛を伝えている。