あなたはリーダーとして、こんな事を感じたことがありませんか?
- 自分の判断がチームにストレスを与えていないか?心配になる。
- 決断の瞬間に、自信が持てず迷ってしまう。
- チームの士気を高める方法が分からない。
- 部下をうまく褒めることができない。
- 適切なフィードバックの仕方が分からない、など。
ちなみに以前の私は「決断に自信がない・時間がかかる」リーダーでした。
そんな私は「リーダーシップ」という言葉を聞くと、いつもこんな人物像を想像していました。
- 決断力と実行力がある。
- いつでも斬新なアイデアを持っている。
- ピンチに強い。
- 頭の回転が速い。
- 常に最前線でメンバーを導いている。
まるでドラマに出てくるような、理想のリーダー像ですね。
だからこそ、そんなリーダーにはなれない自分を隠し、いつも去勢を張っていたような気がします。
しかし、今回の結論から申し上げると「リーダーシップは人それぞれスタイルが違う」です。
例えば、十分なデータを集めながら、決断に時間をかけることが必要なケースもあるでしょう。
そんな時に必要なのは斬新なアイデアではなく、限られた情報から答えを導き出す分析力です。
つまり、誰もがドラマに出てくるようなリーダーシップスタイルを発揮すれば良いわけではない、ということです。
あなたの得意な分野、チームが抱えている課題やプロジェクトの進行状況、はたまた会社の成長度合いによっても必要なリーダーシップスタイルは変わります。
今回はそんな「リーダーシップ」について、ケース別にいくつかのスタイルを紹介いたします。
これらを理解することで、あなたに必要なスタイルを選択することができるでしょう。
4つのリーダーシップスタイル解説
今回はリーダーシップを大きく4つのスタイルに分けて、それぞれの特徴と得意な状況を解説いたします。
1. 導くリーダー(Directive Leader)
導くリーダーは、明確な指示と強い実行力でチームを導きます。
明確な目標を定め、達成のために全体像と具体的な道のりを示すことを得意とします。
一般的にイメージされるリーダー像は、まさにこのスタイルのことでしょう。
彼らは元々「新しいことを好む」「カリスマ性があり注目に強い」「言葉に説得力がある」といった資質を持っています。
そのため、自然とこのようなスタイルを取ることができます。
ただし、その強力な行動力が威圧感につながることもあるため、時にチームメンバーのペースに合わせる配慮も必要です。
<得意な状況>
導くリーダーが得意な状況は、以下の通りです。
- プロジェクトの初期段階など、まだ明確な方向性決まっていない時
- 緊急性が高い状況など、想定外のトラブルを早期に解決したい時、など。
まだ細かなルールが決まっておらず、新しいチームが方向性を必要としている場合に力を発揮します。
彼らのカリスマ性と決断力と明確な指導により、チームは迅速に動き、結果を出すことができるでしょう。
2. 応援するリーダー(Supportive Leader)
応援するリーダーは、メンバー間の人間関係の構築と、チームの士気向上に重点を置きます。
一人ひとりのメンバーのモチベーションを高めることに優れており、チームにエネルギーと熱意を与えます。
彼らは自分自身も明るい性格で、文書より会話などの直接的なコミュニケーションを好み、人の感情を巻き込むことが得意です。
そのため、彼らに触れたメンバーは「気付いたらモチベーションが上がっていた」と感じることも多いでしょう。
ただし、相手との距離感が近くなり過ぎることでお節介を焼いてしまうこともあるため、チームメンバーの自立を促すような適度な距離感を意識する必要があります。
<得意な状況>
応援するリーダーが得意な状況は、以下の通りです。
- 明確な方向性が決まっているプロジェクトで、チームに勢いが欲しい時
- 市場の成長期など、人材を含む様々な資源を集める必要がある時、など。
このスタイルは、チームワークを促進し、メンバーの忠誠心を高めることで生産性を向上させます。
また独自の人脈を駆使して、必要な資源を集めることができるでしょう。
3. 奉仕するリーダー(Servant Leader)
奉仕するリーダーは前線で活躍するというよりも、奉仕の精神でチームを下から支えます。
いわゆるサーバントリーダーと呼ばれるスタイルで、自分のニーズよりもチームのニーズを優先します。
彼らは目新しい出来事よりも、決まったルーティンを好む傾向があります。
そのため、メンバーのちょっとした変化(ルーティンに対する違和感)に気づくことができます。
ただし、配慮し過ぎて意図や指示がうまく伝わらないことがあるため、大事な場面では明確な言葉で、端的に伝えることも必要です。
<得意な状況>
奉仕するリーダーが得意な状況は、以下の通りです。
- 業務の安定化など、日々のルーティン業務を確実にこなすことが必要な時
- 市場の成熟期など、製品やサービスが市場において安定した地位を築いたタイミングで、カスタマーケアに注力したい時、など。
このリーダーシップスタイルは、メンバーが安心して作業に取り組めるよう、環境整備に目を向けることが得意です。
そのため、協調性と信頼を基盤とし、チームの結束を強化してくれるでしょう。
4. 管理するリーダー(Analytical Leader)
管理するリーダーは、冷静かつ分析的なアプローチで組織を導きます。
彼らは新しい方向性を導き出したり、コミュニケーションを基盤としたチーム作りよりも、データと事実に基づいた意思決定や、プロジェクトの進捗や数字の管理を得意とします。
そのため、プロジェクトに足りないものや、まだ達成していない項目を見つけて改善することができます。
ただし、達成されていないものに目が向き過ぎることで、既に達成されていることに対するチームメンバーへの労いが足りなくなることもあります。
そのため結果だけではなく、メンバーの取り組み姿勢など、プロセスに対しても労う(褒める)ことを忘れないようにする必要があります。
<得意な状況>
管理するリーダーが得意な状況は、以下の通りです。
- 複雑な情報を処理し、リスクを計算して最適な結果を導きたい時
- 業務の効率化やマニュアル化、プロダクトやサービスの改良が必要な時、など。
以上が4つのリーダーシップスタイルです。
これらのスタイルに正解・不正解はありません。
それぞれが独自の強みを持っているため、チームや会社全体のニーズに応じて、適切に使い分けることが重要です。
これらのスタイルを理解し、自分自身やチームに最も合ったアプローチを選ぶことで、組織全体の成果を最大化することができます。
決断の遅いリーダーはどのスタイル?
ではここで、決断の遅いリーダーについて考えてみます。
決断の遅いリーダーとは、言い換えれば「慎重に決断を下すリーダー」とも言えます。
「導くリーダー」や「応援するリーダー」は、その特性上、良くも悪くも決断が早い傾向があります(決断が早過ぎて時期尚早なこともよくあります)
そう考えると決断に時間がかかるのは「奉仕するリーダー」か「管理するリーダー」によく見られる傾向でしょう。
なぜなら彼らには「メンバーの意向を確認したい」「必要な情報を集めたい」というニーズがあるからです。
ちなみに、私はどちらかと言うと「奉仕するリーダー」だったため、新しいプロジェクトや指示が発生するたびに、メンバーの反応が気になって決断が遅くなっていたと思います。
(さらに私の同僚は「管理するリーダー」であり、直属の上司は「導くリーダー」であったため、それぞれの意見をまとめることに奔走したこともあります)
当時はそんな自分に嫌気がさしていましたが、今は自己理解が進んだこともあり、決断時に以下のようなルールを設けています。
- 欲しい情報はチェックリストにまとめる。
- ロジックツリー(ロジカルシンキングの手法)を使って思考する。
- 30分悩んだら結論を出す、など。
私の場合は感情ではなく、思考や仕組みで判断する機会を増やすことが、適切な判断を下すポイントでした。
これにより、圧倒的に悩む時間を削減することが出来たと思います。
管理するリーダーであれば、
- 完成度を6割で良しとする。
- 他人に意見を求める。
- データではなく直感を信じる。
といった方法が得策かもしれません。
以上から、決断が遅いリーダーが自分の得意なスタイルを意識することで、効率の良いやり方を選択する方法はいくらでもあることがお分かり頂けると思います。
まとめ:まずは得意なスタイルを貫く
最後に、今回お伝えしたい結論は「これらのリーダーシップスタイルを理解した上で、自分の得意なスタイルを貫くこと」です。
苦手なスタイルを真似ることには限界があります。
であれば、まずは得意なスタイルを貫き、適切な自信と経験を積み重ねることが最優先だと思います。
健全に培われた自信は、本来の能力以上の能力を引き出す要素となります。
そうした時に、自分とは異なるスタイルを積極的に試してみると、新たな気づきに繋がるはずです。
是非、自分に見合ったリーダーシップスタイルを選択してみてください。