採用基準とは?決め方・明確化のコツは?テンプレート・伊賀氏の本まとめなど

採用基準とは何かを解説します。Amazonの事例・伊賀泰代の書籍「採用基準」、評価シートのテンプレートなどもお届けします。

  

「採用基準の決め方を理解して、優秀な人を必要な数だけ採用できればいいのに」

「Amazonの事例や伊賀さんのマッキンゼー式リーダーシップを参考に、採用基準を明確化したい」

そんな方のため、採用基準の決め方や活用方法、具体的な事例などをまとめました。

適切に候補者を評価するためのテンプレートシートや、候補者別・選考段階別に見る採用基準の活用方法もお伝えします。

選考効率を上げて持続的に自社を成長させていくため、採用基準の決め方・明確化のコツ・活用方法などを順に見ていきましょう。

採用基準とは

採用基準とは、採用活動において、どんな候補者を採用するのかを示す基準のことです。

選考の質・スピードの向上・早期離職リスクの抑制・十分数の優秀人材確保などのメリットがあるため、明確化した採用基準を設けることをおすすめします。

組織全体で明確化された採用基準をもとに選考を進めれば、次回以降の採用活動に生かすことも可能です。

そこで次の項目では採用基準の明確化が重要な理由・メリットについて解説します。

  

採用基準の明確化が重要な理由・メリット

採用基準の明確化が重要な理由・メリットは、以下の3つです。

  • 効率良く選考を進められる
  • 早期離職を減らせる
  • 良い人材を適切な人数だけ採用できる

持続的に組織を発展させるために役立つ、上記3つの「採用基準の明確化が重要な理由」を順番に見ていきましょう。

効率良く選考を進められる

採用基準を明確化するメリットは、以下のように効率良く選考を進められるところです。

採用基準の明確化によって採用活動の手間暇を抑えられれば、「内定出しが遅れたから、他社に優秀な人材を取られた」という状況を避けやすくなります。

また採用基準の明確化による選考の公平化が進むと、「あの会社の評価は不公平だ」と思われづらくなる点もメリットです。

不公平な採用活動をしていると思われるほど、次回以降の応募者が減るリスクが高まります。

複数の面接官が異なる採用基準で評価することで、候補者に「この会社の高い採用基準をクリアできない」と思われる可能性もあるでしょう。

このように候補者の印象を悪くすることは、母集団形成の難易度を高めることにつながります。

また採用基準を明確化することで、次回以降の採用活動を改善しやすくなるメリットも見逃せません。

選考方法・評価基準を定型化できれば毎回同じやり方で採用できるため、問題点・改善方法を把握しやすくなります。

「今までの採用基準は評価方法が不明確だったから、採用する時期によって質にバラつきが生じたのか」

このように選考方法を機械化することで、課題・改善方法を見つけられるケースがあります。

手間暇を軽減しながら選考の公平化を図り、次回以降の採用活動改善につなげられるところが、採用基準を明確化するメリットです。

早期離職を減らせる

早期離職者を減らすことでコストを最低限に抑えられる点も、採用基準を明確化するメリットです。

採用基準を明確化すれば自社に合う人材を見極めやすくなるため、ミスマッチのリスクを抑えられます。

「必要な資質が足りない人材を採用したから職場に馴染めず、たった2ヵ月で辞めてしまった」

「スキルが高すぎる人材を採用してしまい、能力を十分に発揮できないという理由で退職された」

このような状況が増えるほど自社のコストが膨らみ、成長の阻害要因となるため注意が必要です。

エン・ジャパンでは入社3ヶ月後に社員1名が離職した際の損失額は、約187.5万円と紹介しています。

引用:なぜ人は辞めるのか? 退職を科学する | エン・ジャパン(en Japan) (en-japan.com)

上記の早期離職に関するコストは、控えめに見積られた額と感じる人もいます。

その理由は、以下のデメリットが勘案されていないと考えられるからです。

  • 良い人材を採用した場合に得られるはずの利益を得られなかった
  • 早期離職者が出たために、周りの社員のモチベーションが下がってしまった

上記のマイナス要因をふまえると、入社3ヶ月後に社員1人が離職するコストは200万円を超える可能性があります。

転職エージェントを使うと100万円近くの採用経費がかかるケースもあるため、状況によっては早期離職のコストが300万円を超えるケースもあるでしょう。

このような早期離職を要因とするコストの増大を抑えるため、採用基準の明確化が重要です。

良い人材を適切な人数だけ採用できる

現場・人事・役員が求める人材像を明確化し、認識の違いが少なくなるほど、良い人材を採用しやすくなります。

その理由は、組織全体で採用基準の共通認識を持てば、書類選考・一次面接などの各段階で通過させるべき候補者を見極めやすくなるからです。

反対に現場・人事・役員が以下のような異なる採用基準で選考すると、良い人材を採用できないリスクが高まります。

上記のように採用基準に対する考えが担当者によって異なる場合、採用の質・効率が低下しやすいです。

例えば上表の認識で人事部が一次面接を担当した場合、二次面接を担当する所管課は「良い人材が少ない」と感じやすいでしょう。

同様に三次面接を担当する役員は、「採用できる人材が一人もいない」と考えるかもしれません。

「また最初から採用活動をしなければならない」

「いつまで経っても良い人材を採用できない」

「少ない候補者から苦労して選んだのに、すぐ離職された」

このように組織全体で採用基準が統一されていないと、採用活動が失敗に終わるリスクが高まります。

採用の質・効率を高められるよう、採用基準を明確化して共通の認識を持つことが重要です。

手順|採用基準の決め方

採用基準の決め方・手順は以下をご覧ください。

  • 採用目的を明確化する
  • 就職・転職市場の状況を把握する
  • 人物像を明確化する
  • 評価基準を明確化する
  • 優先順位をつける
  • 社内に共有する

選考のスピード・質を上げて持続的に会社を成長させるために役立つ、上記6つの「採用基準の決め方」を順に解説します。

採用目的を明確化する

採用基準を決める際はまず、採用目的を明確化しましょう。

その理由は、採用目的を明確化すると自社が求める人材を見極めやすくなるからです。

反対に採用目的を明確化しないまま採用基準を作ると、求めていない人材を採用するリスクが高まります。

例えば新規事業開始のための採用活動に従来の採用基準を用いると、必要な人材を採用しづらいです。

「アプリの事業を立ち上げたいのに、既存事業に必要な能力を持つ人を採用してしまったから、事業をスタートできない…」

こういった失敗をしないため、採用基準を決める際はまず採用目的を明確化しましょう。

採用目的の例は、以下をご覧ください。

  • 急な欠員の補充
  • 既存事業拡大
  • 新規事業へのアサイン
  • 幹部候補の養成

採用目的を明確化すれば、どの部署に何人必要か・どんな能力を持った人をいつまでに採用すれば良いかなどが見えてきます。

このように採用目的を明確化すれば、採用活動の成功率をさらに高められるでしょう。

もし思うように採用目的を明確化できないとお悩みの場合には、人材ポートフォリオの活用をおすすめします。

人材ポートフォリオとは、社内の人的資源状況を把握するためのデータのことです。

「どの部署に、どんなスキルを持っている社員が何人いるのか」

「5年後までに定年を迎える人は何人になるのか」

このような情報を管理するためのデータが人材ポートフォリオです。

人材ポートフォリオを使えば、採用活動時にどんな人を採用すべきかが見えやすくなります。

「営業を得意とする社員が5年後にたくさん定年を迎えるから、今のうちに営業が得意な人を採用して育てよう」

このように採用目的を明確化できれば、採用基準を決める際に役立ちます。

なお、どんな採用目的であっても採用活動にあたっては、基本的に自社の理念・ビジョンを適切に発信することが重要です。

その理由は自社の理念に共感できる人を採用するほど、長く働いてもらいやすくなるからです。

「社長の理念が素晴らしいから、ぜひこの会社で働きたい」という信念が強い社員ほど、早期離職のリスクは低いと言えます。

反対に「自宅から近い会社で働きたい」「給料が高い会社が良い」など、自社の理念に共感していない人を採用すると、早期離職のリスクが高まるでしょう。

特に、優秀だけど自社の理念に共感がない候補者には要注意です。

優秀な人材ほど行動力があるケースが多く、他社からも求められる傾向があるため、早期離職のリスクが高まります。

このように採用基準を決める際には、目先の目標と長期的な目標の両方に注意しましょう。

「そうは言っても具体的に、どうやって採用目的を明確化すれば良いのだろう…」

「どんな人をどれくらい採用すれば良いのか把握するため、まず何をするべき?」

このように感じた場合、人事のプロに相談してみることをおすすめします。

いくつもの企業の採用活動を支援してきたプロに相談すれば、採用目的を明確化して優秀な人材を採用しやすくなるからです。

「しっかりとした採用ノウハウを持っているプロに相談したい」

「物腰が柔らかくて、色んなことを相談しやすい採用のプロがいればなぁ…」

そう思った場合には、以下から株式会社経営人事パートナーズに相談してみましょう。

あなたの会社のニーズを丁寧に汲み取り、的確な提案をして強力に採用活動をバックアップします。

【経営人事パートナーズのコンサルティング内容について】
Consulting | 経営人事パートナーズ (keieijinji.co.jp)

就職・転職市場の状況を把握する

新卒採用・中途採用の市況を確認しておくと、状況に応じた適切な採用基準を作りやすいです。

市況を把握して採用基準を決める例は、以下をご覧ください。

  • 新卒の求人倍率が上昇している傾向から、採用基準を緩めて必要人数を確保する
  • 中途採用の求職者数が増えている点をふまえ、高い採用基準を設定する

このように市況をふまえて採用基準を決めれば、無理なく良い人材を採用しやすくなります。

市況をふまえて適切な採用基準を決める場合、以下の情報を参考にすると良いでしょう。

  • 統計
  • 競合他社の採用基準

統計を使って採用基準を決める例としては、公共職業安定所(ハローワーク)のデータを活用する方法が挙げられます。

引用:一般職業紹介状況(令和4年3月分及び令和3年度分)について  | 厚生労働省 (mhlw.go.jp)

上記のような統計を参考に近年の動向や月ごとの傾向を読み取れば、適切な採用基準を決められます。

「平成30年度と比べると有効求人倍率が低くなっているから、採用基準を少し高めにしよう」

「ここ1年で有効求人倍率が上昇傾向だから、次回の採用基準を少し緩めにしよう」

このように統計を活用することで、適切な採用基準を決められます。

また競合他社の採用基準を意識して差別化を図れば、採用活動の成功率を高めることが可能です。

「ライバルより高い採用基準にして、優秀な人材を選びたい」

「求職者数が減っている状況をふまえ、競合より採用基準を低くして人数の確保を優先しよう」

このように競合他社の採用基準を把握して、適切な採用基準を決めるのも効果的です。

競合他社の求人票を見て差別化を図っている企業は、まだ少ないとされてます。

そのため、上手く差別化すれば採用活動でライバルに差をつけやすいです。

特に自社ならではのブランドイメージや理念をアピールすることで、より多くの応募者を集められることがあります。

例えばスターバックスはアルバイトの時給が1,000円台前半の募集が多く、それほど高いとは言えません。

しかしスターバックスはブランドイメージが良いため、応募者が多いとされています。

「スタバみたいな素敵な店で働けると嬉しい」

「スタバでリーダーを務めたことを誇りに思う」

このように感じて、就活で自己アピールの材料とする学生もいます。

ブランドイメージ以外にも職場で成功体験をしやすい点も、スターバックスがアルバイト先として人気を集める一因と言えるでしょう。

このようにブランドイメージが上がるほど母集団を形成しやすくなるため、候補者数を増やしたい場合は採用ブランディングにも注力しましょう。

なお母集団形成が難しい状況においては、自社のホームページでの求人募集やリファラル採用、無料求人サービスの活用などを検討するのもひとつの手です。

うまくコストを抑えながら良い採用ができるよう、採用戦略を決めましょう。

人物像を明確化する

採用基準を決める際に求める人物像を明確化しておけば、選考で迷いづらくなり、採用する人材の質が安定します。

人物像を明確化する方法は、以下をご覧ください。

現場や経営層などに意見を聞く方法のメリットは、求める人物像を組織全体で統一できるところです。

予め担当課や経営層の求める人物像をすり合わせておけば、採用基準のずれによる選考の質・スピードの低下を防げます。

例えば自社の理念に共感しており、現場で求められるスキルを持っている人を採用すれば、うまく実務をこなしながら長期的に貢献してくれるでしょう。

ただし求める人物像をヒアリングする際は、社内で発言力のある人の主張を鵜呑みにしないようご注意ください。

その理由は社長や幹部などが考える理想の人物像が、必ずしも優秀な人材とは言い切れないからです。

例えば社内トップのセールスを記録して幹部になった人に、次の採用活動で求める人物像を聞いた際、「素直な人」と答えたとしましょう。

しかし実際に営業成績が良い人の特徴を調べると、素直な人より疑り深い性格の人の方が好成績だとわかるケースがあります。

このように「実績のある人が主張する優秀な社員像」と「実際に優秀な社員」が一致するとは限りません。

また時代の変化によって優秀な人材の特徴・定義が変わる可能性もあります。

「昔はこの採用基準で良い人材を採用できたけど、今の時代では通用しなくなってきた」

このように時代の変化によって求める人物像が変わるケースもあるため、社内で発言力のある人がこの点を把握していない場合は良い人材を見落としやすくなります。

社内へのヒアリングだけでは不安な場合は、コンピテンシーも参考にして求める人物像を明確化すると良いでしょう。

コンピテンシーとは、既に活躍している人の特性のことです。

以下のようにエース社員の行動・思考特性を参考にすれば、将来活躍する候補者を見極めやすくなります。

本人へのヒアリング・適性検査などを通してエース社員の特性を把握すれば、求める人物像を明確化しやすいです。

なおコンピテンシーと関係者へのヒアリングを通して求める人物像の基準が高くなった場合、不採用基準を明確化する方法を検討しましょう。

不採用基準とは「志望動機で家から近いからと答えた人は次の選考に進めない」など、不採用とする人を示す基準を指します。

より早く的確に選考を進められる点が、不採用基準を決めるメリットです。

「現場や経営層などが求める人物像を全て列挙したら、高い採用基準になってしまった…」

このような場合には、不採用基準を設定することをおすすめします。

採用基準を決める際は求める人物像を明確化し、状況に応じて不採用基準を設けるなど、選考効率を高めていきましょう。

評価基準を明確化する

採用基準を決める際に評価基準を明確化しておけば、機械的に候補者を評価できます。

ひとつの採用基準で選考を進めても、以下のように評価基準の違いによって異なる選考結果になることがあるからです。

上記のように評価基準が異なると評価結果が異なるため、採用基準を明確化しても活用しきれない可能性が考えられます。

質問内容が面接官によって異なる場合、より評価結果に大きな違いが出やすいと言えるでしょう。

また候補者と面接官の相性・面接官の疲れ具合・集中力などによっても、説明力の有無を判断する力は異なります。

「この候補者とは気が合ったから、良い話を聞けた」

「疲れが出てきたせいか、最後に面接した人の話はよくわからなかった」

こういった場当たり的なやり方で評価すると、採用・選考の質・スピードを十分に高められません。

そのため状況や面接官が異なることによる評価のばらつきが生じないよう、構造化することが重要です。

構造化とは、どんな人がどんな状況で評価しても同じ結果になるような仕組みを作ることを指します。

例えば面接を構造化する例として、以下をご覧ください。

  • 予め質問内容を決めておく
  • 面接時には、毎回決まった順番で質問をする
  • 採点時には評価シートの該当項目に丸をつける

選考を機械的に行うためのコツについては、後ほど「明確化を意識する」の項目で解説します。

また選考段階別に見る評価基準の決め方は、「【明確化の具体例あり】採用基準から評価基準を作る方法」の項目をご覧ください。

優先順位をつける

採用基準をふまえて評価項目に優先順位をつける際の例は、以下をご覧ください。

上記のように重視する採用基準に照らして評価項目に優先順位をつければ、より効率良く選考を進められます。

「複数の候補者が同点になったけど、評価項目に優先順位をつけておいたから機械的に合否を決められた」

このように選考の質・スピードを高められるでしょう。

反対に評価項目に優先順位をつけておかないと、選考効率を十分に上げられません。

例えば同じ点数になった候補者が複数いた場合、評価項目に優先順位をつけておかないと迷いやすいです。

「候補者AとBが同点になってしまったからどうしようか悩む…印象の良かったAを採用しようか」

このように迷いが生じたり主観が入りやすい状況になったりするため、評価項目に優先順位をつける方法がおすすめです。

他にもリーダーシップの採用基準を重視する場合に、決断力の評価項目点数を1.2倍としてカウントする方法もあります。

選考の質・スピードを上げ、求める人材を見極めやすくするため、採用基準を決める際は評価項目に優先順位をつけましょう。

社内に共有する

採用基準を作った後、以下のような方法で社内の関係者に共有すると、組織的に採用活動に取り組めます。

  • 採用活動に関係する社員に採用基準を伝える
  • 評価方法・評価シートの使い方を説明する
  • 先入観・主観を排除することの重要性を伝える
  • 過去の事例をもとに、良かった方法・良くなかった方法を共有する

上記を意識して採用基準や選考方法を周知すれば、機械的に選考を進められるため、採用の質・スピードを高められます。

現場や経営層に周知前の採用基準をチェックしてもらえば、認識の齟齬も減らせるでしょう。

また社内に周知する際、採用基準を徹底するメリットを伝える方法もひとつの手です。

「採用基準に沿って機械的に選考を進めると、採用のスピード・質を上げられるのか」

「毎回のデータを蓄積すれば今後の採用活動に活かせるから、しっかり取り組んだ方が良いな」

このように採用基準を明確化するメリットを伝えることで、組織全体の意識を強化できるかもしれません。

他にも過去の成功事例を共有することで、採用基準の重要性を社内全体に理解してもらいやすくなる可能性もあります。

「現場に採用基準をヒアリングしようと思ったら、人事で決めてくれと断られた…」

このような状況にならないよう、完成した採用基準を周知する際には、採用基準を活用するメリット・成功事例を伝えることも重要です。

選考の質・スピードを高めながら次回以降の採用活動を改善していけるよう、採用基準を作った後は適切な方法で社内周知しましょう。

採用基準を活用する際の注意点

採用基準の活用時には、以下の4点にご注意ください。

  • 公正な採用活動をする
  • 明確化を意識する
  • 定期的に見直す
  • 対面・オンライン面接で取り組み方を変える

効率良く優秀な人材を見極めるために役立つ、採用基準の活用に関する4つの注意点を順に解説していきます。

公正な採用活動をする

採用基準を活用する際は、公正な採用活動をするよう注意しましょう。

公正な採用とは応募者の適性・能力に基づき、基本的人権を尊重したうえで採用活動を進めることです。

厚生労働省の「公正な採用選考の基本」では、以下に該当すると就職差別につながる恐れがあるとしています。

  • 本籍・出生地・家族の職業など、本人に責任のないことを尋ねる
  • 宗教・支持政党・人生観など、本来自由であるべきことを尋ねる
  • 身元調査を実施する
  • 合理的・客観的に必要性が認められない採用選考時の健康診断を実施する

個人情報保護の観点からも差別の原因になり得る個人情報の収集は、基本的に認められていません。

他にも厚生労働省の「構成な採用選考の基本」では、障害者・難病のある方・LGBT等性的マイノリティの方など、特定の人を排除しないことが必要とされています。

適切な採用基準で公正な採用活動を行えるよう、以下の厚生労働省「公正な採用の基本」を確認しておきましょう。

公正な採用選考の基本|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

明確化を意識する

採用基準を活用する際には、選考方法・評価基準を明確化することが重要です。

選考方法・評価基準を明確化するための具体的なポイントは、以下をご覧ください。

上記の表を参考に採用基準の明確化を意識すれば、各候補者を機械的に評価しやすくなります。

例えば「コミュニケーション能力が高い」という採用基準を設けた場合、どのような特徴がある候補者を高く評価すべきかが曖昧になりがちです。

そのため不明確な採用基準で選考すると、同じ候補者であっても面接官によって全く異なる評価になる恐れがあります。

「Aさんは優秀と評価しているが、Bさんの評価は低いから、採用すべきかどうかわからない」

「採用基準に沿って評価しているのに、今回の採用活動では良い人材を採用できなかった」

上記の通りコミュニケーション能力の評価方法は、論理的に説明できるか・他社に寄り添えるかなど、たくさんあります。

このような状況を避けるため、採用基準を明確化することが重要です。

採用基準が明確化されていれば、Amazonのように評価方法が異なっていても優秀な人材を確保できます。

なおAmazonの採用基準は、後ほど「事例|Amazonの採用基準」の項目で解説します。

定期的に見直す

採用基準をしっかりと活用するためには、定期的に見直すことが重要です。

時間の経過とともに現状にそぐわない採用基準のまま選考していると、良い人材を採用しづらくなります。

採用基準を見直すことで「10年前の採用基準で運用していたから、上手く採用できなかったのか」などと気付くかもしれません。

定期的に採用基準を見直す際には、以下の3点に注意しましょう。

社内・市況の変化に応じた採用基準に更新していけば、毎回の採用の質を上げられます。

例えば「就職氷河期は応募者が多かったけど、その後は減ってきている」と感じる企業は少なくありません。

こういった市況の変化をふまえ、採用基準を見直せば、状況に応じた採用活動ができます。

また採用基準を見直しに継続して取り組むことで、課題が生じやすいポイントや改善のコツがわかるケースもあるでしょう。

長期的に採用の質を高めながら会社を成長させるため、採用基準の定期的な見直しをおすすめします。

対面・オンライン面接で取り組み方を変える

採用基準を十分に活用するためには、面接の種類によって取り組み方を変えることが重要です。

対面・オンライン別に見る面接の取り組み方は、以下の表をご覧ください。

面接における対面・オンラインの大きな違いは、相手の雰囲気や心情の変化を読み取りやすいかどうかです。

対面での面接は目線・仕草などが読み取りやすく、スムーズに会話しやすいと言われています。

そのため対面での面接時には、相手の様子を見ながら円滑にやりとりをし、相手の特徴をつかむことが重要です。

反対にオンライン面接は目が合いづらく、相手の仕草・雰囲気が読み取りづらい点が特徴的。

その一方でスキルや経験などについては、オンライン面接でも把握しやすいと言われています。

対面では候補者の雰囲気をつかみやすく、オンラインではスキルなどを見極めやすい点については、以下の「マイナビ2022年卒企業新卒採用活動調査」をご覧ください。

WEB、対面それぞれで実施した面接で「見極められたこと」については全体的に”空気感”に関わる項目では「対面」で「見極められた」との回答割合が高く、”言葉で説明可能な項目”についてはWEBで「見極められた」とする割合が高い(図14)。一方、「見極めることが難しかった」については逆の傾向がみられた(図15)。それぞれ、”見極め”という点において、向き・不向きがあると考えられる結果となった。

引用:マイナビ2022年卒企業新卒採用活動調査

コミュニケーションがとりづらいとされるオンライン面接で上手くやりとりするコツは、話者の交代を減らすことです。

以下のように、片方がある程度まとめて話す方法で取り組めば、オンライン面接をスムーズに進めやすいとされています。

  • 面接官から、今回の募集背景・入社後の働き方などを伝える
  • 順番に質問をして、候補者が回答を終えるまでは耳を傾ける
  • 候補者が一通り話し終えた後、詳細説明を求める・次の質問をする

事前に了承を得てオンライン面接を録画しておけば、拮抗する候補者の精査・次回以降の採用活動にも役立ちます。

なおオンライン面接でもしっかりと候補者の雰囲気・空気感をつかめると考える人がいる点もおさえておきましょう。

「履歴書や適性検査で数値化できる評価項目を判定し、オンライン面接で各候補者の人間性を見る」

このような方法で効率良く優秀な人材を見極められれば、競合他社より早く内定を出して優秀な人材を確保しやすいです。

対面・オンライン面接の強みを活かせるよう、採用基準を有効活用していきましょう。

新卒・中途採用別|採用基準の活用方法・見るべきポイント

「採用基準を活用して、どんなところを見れば良いのかを新卒採用・中途採用別に知りたい」

そんな方のため、ここでは新卒・中途採用別に見る採用基準の活用方法を解説します。

長期的に会社を牽引してくれる人・即戦力として活躍できる人を見極められるよう、採用種類別に見る採用基準の活用方法を見ていきましょう。

新卒採用

新卒採用における採用基準の活用方法は、以下の通りです。

新卒採用の採用基準では入社後に成長できるか・早期離職しないかどうかを見極めることが重要です。

長期的に働き、経験値・スキルアップに努めてくれるほど、良い採用ができたと考えられます。

そのためにも「将来的に、いかに貢献度を高めてくれるか」「大きく成長するために重要な人間性・資質があるか」を見極めることが重要です。

マイナビニュースによると以下のように、経営者が新卒採用時に最も重視する基準として主体性が1位になった点もおさえておきましょう。

経営者JPは3月16日、「今年度の新卒採用」に関する調査結果を発表した。調査は2月16日~3月3日、『経営者JP』メルマガ会員で、経営者及び管理職にかかわる男女2,000人を対象に行われ、有効回答数61人から算出されている。

調査結果は以下の通り。まず「新卒を採用するにあたり、最も重視した点は何ですか」と聞くと、1位「主体性」、2位「コミュニケーション能力」、3位「チャレンジ精神」「誠実性」となった。

また、役職別で「重視するポイント」を見たところ、経営者の1位は「主体性」、幹部・役員クラスの1位は「コミュニケーション能力」「協調性」、部長クラスの1位は「主体性」「誠実性」、課長クラスの1位は「主体性」という結果だった。

引用:新卒採用で重視すること、経営者の1位は? 役員はコミュニケーション能力 | マイナビニュース (mynavi.jp)

主体性は採用基準の中でも、トップクラスに重要とされる項目と言えます。

一般社団法人 日本経済団体連合会の「2018 年度 新卒採用に関するアンケート調査結果」でも、新卒採用時に主体性を重視する企業は64.3%(第2位)と示されました。

引用:2018年度 新卒採用に関するアンケート調査結果 (keidanren.or.jp)

今後は環境の変化が生じやすい時代になるとされているため、主体性の有無が企業の飛躍に大きく影響すると言われています。

AIの普及によって社員に求められるスキルが変わると言われており、自ら改善策を見つけて取り組めるかどうかが重要とされているからです。

この点については後ほど「今後、採用基準が高い状況になる?」の項目で解説します。

「実際の採用活動で主体性があるかどうかを見極める方法が具体的にイメージできない…」

このように思った場合、インターンやワークサンプル調査の実施を検討すると良いでしょう。

実務に近い状況で候補者の働き方を見れるため、主体性の有無や生産性の高さ、仲間とうまく協力できるかなどを見極めやすくなります。

中途採用

中途採用で採用基準を活用する際には、以下の7点に注目することをおすすめします。

基本的に中途採用では即戦力となる人材が求められるため、実務経験や実績などの採用基準を重視すると良いでしょう。

その一方で志望動機や前職の退職理由、自社に合う人柄かどうかも要チェックです。

即戦力となる人材を採用できても、すぐ退職されると大きな損失となりかねません。

また中途採用は新卒採用と違い、実務経験などを通して自身で考える力を備えているかも重要です。

例えば、素直に上司などの言うことを聞くだけでなく、懐疑的な物の見方ができるかどうかに注目する方法が挙げられます。

自らの考えで判断できるか、既存の考え方と異なる視点でアイデアを出せないかなどにも注目すると、中途採用で良い人材を見つけられるでしょう。

なおエン人事では以下のように、中途採用における採用基準の決め方に関するアンケート結果が紹介されていますので、あわせてご参考ください。

引用:第102回 「中途採用の採用基準について」|人事、採用、労務の情報ならエン人事のミカタ (en-japan.com)

ここで解説した中途採用における採用基準の活用方法を参考に、採用活動を成功に収めてください。

【明確化の具体例あり】採用基準から評価基準を作る方法

ここでは「採用基準をフル活用できるよう、明確化された評価基準を作る方法が知りたい」という方のため、以下の3点を解説します。

  • 面接の採用基準から評価基準を作る方法
  • 書類選考の採用基準から評価基準を作る方法
  • 適性検査の採用基準から評価基準を作る方法

上記を参考に評価基準を明確化すれば、組織全体として採用基準に沿った選考を進めやすくなります。

「評価方法が異なるから、担当者・実施する年によって採用の質がバラバラになってしまった…」

このような状況をさけるためには、採用基準を反映できる明確化された評価基準を作ることが重要です。

そこで次の項目から、上記3つの「採用基準から明確化された評価基準を作る方法」を順番に解説していきます。

面接の採用基準から評価基準を作る方法

採用基準から面接の評価基準を作るコツは、予め質問の内容・順序・評価項目を作っておくことです。

例えばコミュニケーション能力の高い人材を採用したい場合、以下の評価基準を作る方法があります。

上記のように予め質問する項目を決め、評価方法を明確化しておけば採用基準に沿って選考しやすくなります。

反対に質問内容や評価基準が面接官によって異なると、採用基準を十分に活用できないかもしれません。

定めた採用基準に沿って組織全体として良い人材を採用していけるよう、面接時の評価基準を予め明確化しておきましょう。

書類選考の採用基準から評価基準を作る方法

書類選考の採用基準を活用し、評価基準として明確化する方法は以下の表をご覧ください。

上記の通り、採用基準を満たすかどうかを機械的に判断できる評価基準・評価項目を設定すれば、書類選考の質・スピードを高められます。

他にも応募書類から、ビジネスマナー・実務経験・資格の有無などを読み取ることが可能です。

書類選考で全く採用の見込みがない応募者を見極められれば、優秀な人材の発掘に注力しやすくなります。

反対に採用基準に合わない候補者を通過させてしまうと、その後の選考を効率良く進められません。

「面接に来る人が全く採用基準に合わないから、採用コストが膨らんでしまった…」

このような状況を避けるため、書類選考で採用基準に合わない候補者を見極めるための評価基準を作りましょう。

適性検査の採用基準から評価基準を作る方法

採用基準を適性検査で生かすコツは、不採用にする項目を明確化しておくことです。

例えば主体性の高い人を選ぶための採用基準を作った場合、適性検査で主体性の項目が60点未満の人は不採用とするなどの方法があります。

適性検査は結果を可視化してくれるため、不採用の基準・点数を明確化しておけば、見込みのある人だけを次の選考に進められます。

結果として、面接で見込みのある人だけに注目すれば良いので、良い人材を見極めやすくなると言えるでしょう。

他にも適性検査の評価基準を作る方法として、既に活躍している社員の適性検査結果を参考にすることも効果的です。

「売上成績が良い社員は主体性・リーダーシップ・協調性の項目が高い傾向があるから、採用活動でも似た資質を持つ候補者を選ぼう」

このようにコンピテンシーを参考に、適性検査の評価基準を設定する方法もあります。

その一方で適性検査の結果は絶対的なものではなく、誤差を考慮しなければ採用の質を十分に高められない点にも注意が必要です。

これらの点から最終的な合否判断は、適性検査と他の選考結果をふまえて点数を評価基準にするように注意しましょう。

なお精度が高いとされている適性検査は、知的能力・認知能力を測るGMAテストです。

GMAテストは入社後の職務成績の他、研修成績を測るための優れた方法と言われています。

誠実性テストやワーク・サンプルテストなどとGMAテストを組み合わせると、より良い人材を見極めやすくなるとの論文も発表されました。

※参考:フランク・L・シュミット ジョン・E・ハンター著(1998)「選考方法の妥当性と実用性―85年間の人事心理学研究から導き出した理論的・実践的結論」

適性検査を活用して優秀な人材を採用したい場合には、GMAテストと相性の良い適性検査の併用がおすすめです。

事例|Amazonの採用基準

採用基準の事例としてAmazonの「リーダーシップ・プリンシプル」をご紹介します。

引用:Amazon「リーダーシップ・プリンシプル」

「リーダーシップ・プリンシプル」はAmazonの従業員が規範とすべき原則であり、採用基準そのものと言われています。

この点については文春オンラインにおける星 健一氏(アマゾンジャパンの元経営メンバー)の記事内容をご覧ください。

 実際の面接では、ハイアリング・マネージャーがバーレイザーを含めた数名の面接官それぞれに、リーダーシップ・プリンシプルの14項目(注・アマゾンの従業員が規範とする「原則」)を担当する項目に振り分けて依頼する。

 募集する職務によって「今回の仕事では『Dive Deep』がとても大切なので、あなたとあなた、2名が重複してチェックをお願いします」といったこともある。つまりリーダーシップ・プリンシプルは、アマゾンの採用基準そのものでもあるということだ。

引用:(2ページ目)アマゾンの面接術――感覚的ではない、明確な「採用基準」とは? | 文春オンライン

Amazonで採用責任者(ハイアリング・マネージャー)を務めるのは、採用するポジションの上司です。

他にもAmazonの採用活動には以下の特徴があり、高い採用基準であるとされています。

Amazonは採用活動のルールが厳しく、面接官の人数・評価方法なども独特です。

面接官ごとに異なる方法で面接が行われ、点数制とはなっていない点もAmazonの採用戦略における特徴と言えます。

この点について星氏は、「人によって異なる面接をしても人材のクオリティーが落ちない理由は、Amazonの採用基準が明確だから」と述べています。

データや数字を重要視するアマゾンの人材採用が、よくあるチェックシートなどの点数制ではなく面接官の属人的評価であるところも面白い。しかし、それも「リーダーシップ・プリンシプル」という採用基準が明確であるからこそ可能なことだ。

引用:(3ページ目)アマゾンの面接術――感覚的ではない、明確な「採用基準」とは? | 文春オンライン (bunshun.jp)

Amazonの事例を参考に、採用基準の明確化に取り組んでいきましょう。

マッキンゼー式リーダーシップとは|伊賀泰代氏の本「採用基準」要約まとめ

引用:採用基準 地頭より論理的思考力より大切なもの | 伊賀泰代 |本 | 通販 | Amazon

伊賀泰代氏の本「採用基準」で紹介されている、マッキンゼー式リーダーシップの要約まとめは以下をご覧ください。

  • 採用基準の中でも重視すべき項目はリーダーシップ
  • マッキンゼー式リーダーシップとは、自分の考えを持って行動に移せる力のこと
  • 日本人はリーダーシップが欠如しているケースが多い
  • 全社員がリーダーシップを持てば企業の成長率が高まる

「当事者意識を持って考え、行動できる人を採用するための基準を作れば企業が持続的に成長する」と語られている本が、伊賀泰代氏の「採用基準」です。

「会議で積極的に案を出す・解決策を見つけて迅速に実行するなど、日本人が苦手としがちな行動をとれることを採用基準にすると良い」とする伊賀泰代氏。

同書籍では、以下のような国内企業の事情をふまえてマッキンゼー式リーダーシップに言及し、より良い採用基準とは何かが紹介されています。

  • グループの先頭に立って行動する人が少ない
  • 役職者は責任を取るだけのポジション

伊賀泰代氏の本「採用基準」が気になった場合は、amazonやkindleをチェックしてみましょう。

なお伊賀泰代氏は、McKinsey and Company Japanで採用マネージャー・人材育成マネージャーなどを務めた人物です。

2011年からは組織・人事コンサルタントとして活動し、「採用基準」以外にも多数の本を出しています。

「有名ブロガーで多数の書籍を出している、ちきりん氏ではないか」と言われている伊賀泰代氏。

ちきりん氏は関西出身・東京在住の文筆家で、「マーケット感覚を身につけよう」などの本を出しています。

より詳しくちきりん氏について知りたい場合は、以下の公式ブログをご覧ください。

Chikirinの日記 (hatenablog.com)

「採用活動を成功させるだけでなく、採用後の人材育成も成功させて、より会社を成長させたい」

このように思った方には、以下の本がおすすめです。

引用:稼ぐ人財のつくり方: 生産性を2倍にする「攻めの人事」 | 山極 毅 |本 | 通販 | Amazon

上記「稼ぐ人材のつくり方」を読めば「会社の生産性を2倍にする人事戦略」や「稼ぐ人材をつくる7つのコツ」がわかります。

稼ぐ人材を育成するための評価方法・報酬設定の他、適材適所の人事戦略などを取り入れ、より生産性を高めていきましょう。

稼ぐ人財のつくり方: 生産性を2倍にする「攻めの人事」 | 山極 毅 |本 | 通販 | Amazon

【テンプレート】採用基準評価シートの作り方

採用基準に達しているかどうかを適切に判断するための評価シートを作るコツは、以下をご覧ください。

  • 評価項目の定義を明確化する
  • 評価項目を点数で評価できる形式にする

上記2点をおさえ、自社に合う採用基準評価シートを作れば選考を構造化できます。

「テンプレートをカスタマイズして、自社の採用基準評価シートを作りたい」

このように思った場合は、以下の採用基準評価シート(エクセルテンプレート)をご活用ください。

採用基準評価シート(エクセルテンプレート)

なお上記のテンプレート「採用基準評価シート」を使う際は、以下の厚生労働省「評価基準」を参考にするのもひとつの手です。

引用:評価基準(1等級:一般社員)

当記事でお届けしたテンプレート「採用基準評価シート」や厚生労働省「評価基準」を参考に、選考のスピード・質を高めていきましょう。

採用基準に関するよくある質問

採用基準に関するよくある質問は、以下の2つです。

  • 今後、採用基準が高い状況になる?
  • 厚生労働省・経済産業省の統計で企業が求める人材に関するデータはある?

より詳しく採用基準について理解して効率良く選考を進められるよう、上記2点を順に見ていきましょう。

今後、採用基準が高い状況になる?

忍耐力などを強みにしている人は、「入りたい会社は採用基準が高いから、応募できない…」という状況になるかもしれません。

その理由は今後、AIの普及によって主体性・問題解決能力が高い人材が求められやすくなると言われているからです。

東洋経済ONLINEは野村総合研究所のレポートをふまえ、以下のようにAIによる労働力の代替・業務構成の変化が生じるとしています。

 

野村総合研究所のレポートによると、AIやロボティクスによって労働力の49%が代替されるという。これがどれほど現実的であるかはわからないが、そのトレンド自体は疑いようのない事実になっている。

(中略)

(中略)

以上で見てきた通り、これからの大きな2つの社会トレンドのもとで求められる人材像はほとんど重なり、「自ら課題を発見して、新しい解決方法を創り出せる」という要件に収斂される。

そして、各企業はこの要件を新たな人材要件として採用選考でも重視するようになってきている(念のための補足をしておくと、実際には各企業ごとの解釈や表現ぶりには差異はあるし、この人材要件がすべてということではない)。

引用:日本の新卒「採用基準」がガラリと変わりつつある訳 | 就職・転職 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース

今後の予測が難しくなる時代になると言われる中、主体性・問題解決力が高い人物が求められるようになると言われています。

つまり問題解決力が高い人物が出した解決策をAIに実行させ、企業が成長する時代へとシフトするとの予想です。

こういった点から、忍耐力やコミュニケーション能力などを武器としている人は、「採用基準が高い…」と感じやすい状況になるでしょう。

変化への対応力が重視される傾向については、厚生労働省・経済産業省などのデータからも読み取れます。

そこで次は、厚生労働省・経済産業省などのデータから見る企業が求める人材の特徴を見ていきましょう。

厚生労働省・経済産業省の統計で企業が求める人材に関するデータはある?

厚生労働省・経済産業省の統計における「企業が求める人材」に関するデータは、以下をご覧ください。

(※)参考:厚生労働省人材開発統括官 若年者・キャリア形成支援担当参事官室「厚生労働省における新規学卒者への就職支援等 令和3年6月」

2019年以降、内定率・求人倍率の両方が減少傾向となっています。

また経済産業省からは、企業が求める人材の特徴として創造力・意欲・人間性などが重要であるとする資料が発表されました。

次の社会を形づくる若い世代に対しては、

「常識や前提にとらわれず、ゼロからイチを生み出す能力」

「夢中を手放さず一つのことを掘り下げていく姿勢」

「グローバルな社会課題を解決する意欲」

「多様性を受容し他者と協働する能力」

といった、根源的な意識・行動面に至る能力や姿勢が求められる。

現場を支える方々を含めて、

あらゆる人が時代の変化を察知し、

能力やスキルを絶えず更新し続けなければ、

今後加速する産業構造の転換に適応できないとの声もあった。

未来人材会議では、これを踏まえる形で、

2030年、2050年における日本の労働需要を推計することとした。

先行研究における「意識・行動面を含めた仕事に必要な能力等」は、

56項目から成る人の能力等の全体が整理されたものである。

(中略)

現在は「注意深さ・ミスがないこと」、「責任感・まじめさ」が重視されるが、

将来は「問題発見力」、「的確な予測」、「革新性」が一層求められる。

引用:経済産業省「未来人材ビジョン 令和4年5月」

経済産業省「未来人材ビジョン」によると、企業が求める人材は2015年から2050年にかけて大きく変わると予測されています。

2015年時点で企業が求める人材は、処理能力・人間性が高いなどの特徴がありました。

しかし2050年には問題発見力・的確な予測など、変化に対応できる人材が企業から求められると考えられています。

なお内閣府からは採用方針・採用予定者(※)の2点から見る、企業が求める人材に関するデータが発表されました。

(※)採用予定者とは、実際に選考をして内定を出した人のこと。

※参考:内閣府「新卒採用 企業が求める人材像と実際・採用ターゲット」

内閣府のデータ・発表によると「採用方針と採用予定者から見る企業が求める人材の特徴は概ね同じ」とされています。

上記データではコミュニケーション能力などの人間性の他、チャレンジ精神・行動力などの変化への対応力が求められていると言えるでしょう。

厚生労働省・経済産業省・内閣府のデータから、現時点での企業が求める人材の特徴は人間性・行動力・意欲がある人と考えられます。

経済産業省のデータから、今後はさらに変化への対応力(問題発見力・的確な予測をする力など)が求められるとされている点も要チェックです。

今後の人材採用においては、時代・状況の変化に対応できる人が求められ、会社としても環境に適応できる体質が重要になると考えられます。

「厚生労働省・経済産業省などの企業が求める人材に関するデータを、さらに詳しく見たい」という場合は以下をご覧ください。

この記事で紹介したデータ以外にも、内閣府の委託事業「企業の採用活動に関する実態調査」のデータも以下に記載しています。

【企業が求める人材に関するデータ(厚生労働省・経済産業省・内閣府)】

「企業が求める人材のデータを参考に採用基準を作ったけど、実際のところ上手く採用できない…」

そんな時には、採用のプロに意見を聞いてみましょう。

高い実績を誇り、洗練されたノウハウを持つ採用のプロに相談すれば、採用基準をしっかり活用して優秀な人材を見抜く方法が見えてきます。

「全く新しいアプローチを教えてもらえた」

「たくさん提案してもらえるから、自社だけで悩んでいるより早く良い採用戦略がわかった」

このような未来を実現したい場合には、以下のページで採用のプロへの相談に関する詳細を見てみましょう。

【経営人事パートナーズのコンサルティング内容について】
Consulting | 経営人事パートナーズ (keieijinji.co.jp)

まとめ|採用基準を明確化して優秀な人材を採用しよう

採用基準を明確化すれば選考の質・スピードを上げられるため、より優秀な人材を見極めやすくなります。

早期離職のリスクを抑え、長期的に貢献してくれる候補者を見分けられる点も、採用基準明確化のメリットです。

市況の把握や求める人物像の明確化を通して採用基準を作り、選考を構造化すれば次回以降の採用活動にも活かせるでしょう。

採用基準の具体的な活用方法がイメージしづらい場合、伊賀泰代氏の本「採用基準」やAmazonの事例を参考にするのもひとつの手です。

「自社に合った採用基準を設定し、最短距離で採用活動を成功させたい」という場合は、人事・経営のプロに相談することをおすすめします。

早めに相談するほど、採用活動・経営改善を図りやすいので、プロのノウハウを参考にしたい場合は以下から詳細を確認してみましょう。

【経営人事パートナーズのコンサルティング内容について】
Consulting | 経営人事パートナーズ (keieijinji.co.jp)

 

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知的好奇心旺盛な関西人。興味のあるジャンルはHR・金融・健康・通信・教育・SEOなど。
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