Google自慢の100倍ズーム

Google社のスマートフォンに搭載された100倍ズーム機能。生成AIを駆使して作られたものでした。

  

2025年8月28日に発売されたスマートフォン、Google Pixel 10 Pro。

この機種ではなんと、100倍ズームの写真を撮影することができる!らしいのです。

https://store.google.com/product/pixel_10_pro?hl=ja

 

ただしもちろん、全てを物理的に拡大しているわけではありません。

最大限ズームした写真を、AIで補完することによってくっきりはっきりした画像にしているそうなのです。

風景画に写っている小さな車も、100倍ズームを使えばこの通り。

肉眼ではとても見えないような部分も、くっきり表示されています。

(画像はGoogle社プレスリリースより)

 

ですが一つ問題があります。

この機能で撮影された「写真」はもはや、写真と言えるのでしょうか。

 

実際にこの機能を使った方々の実例をX(旧:Twitter)などで見ることができるのですが、もはや「写真」とはいえない画像がたくさん上がっていました。

文字が書かれているはずの部分で、誤った文字列が書かれている。

文字ではない謎の線が引かれている。

あるいは、キャラクターの顔が全く本物とは違うものになってしまっている。

ぼやけた写真を生成AIで補完するという都合上、どうしても、元々の「写真」とはかけ離れたものになる可能性が高くなってしまいます。

 

また、この100倍ズームを使うためには1GBほどの容量を持つAIモデルのダウンロードが必須のようなのですが、このモデルにも問題があります。

スマートフォンで実行する、ということを考えた場合には仕方のないことではありますが、画像生成AIとして考えた時、1GBというファイルサイズは小さすぎるのです。

例えばchatGPTによる画像生成を支えているモデルは、正式なモデルサイズは公開されていませんが、そのパラメータ数(推定)を考えるとおそらく、30GBは下らないファイルサイズを必要とするはずです。

ファイルサイズが小さい、すなわちシンプルなモデルしか使えない、という状況では、とても高性能な画像を生成することはできません。

ただでさえ生成AIが苦手とする文字の生成には不十分すぎるモデルサイズと言えます。

 

とは言え、100倍ズームという言葉が人々の興味を引くことは間違いがなく、そういった意味では成功なのかもしれません。

一方で、100倍ズームという言葉を信じて純粋にAIに期待した人にとっては、非常に残念な結果になることも事実です。

AIが多くの人に受け入れられるためには、その限界をきちんと伝えることも必要なのではないか、と個人的には思います。

自分をよく見せるために無理をしても長くは続かない、ということと、近しいのかもしれません。

 

P.S.

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Who is writing

大学にてデータサイエンスを学ぶ傍ら、多くの人にデータ分析の面白さを伝えたいと日々奮闘中。