医療系で大規模自然言語モデルの活用が進むのはなぜ?

大規模自然言語モデルはたくさんの可能性を秘めていますが、中でも医療分野における応用研究が進んでいるようです。それはなぜでしょうか。

chatGPTに代表される、大規模自然言語モデル。

最近では音声への対応や画像の描写が可能になったり、あるいは最近Googleで検索すると、一番上にはAIが生成した回答が出てくるようになりました。

…ときどき、聞いたことに答えてくれておらず、邪魔だなあと思うこともあるのですが、そちらは技術の進歩を待とうと思います。

 

様々な分野で活用が進んでいることは間違いないのですが、特に活用が進む領域は一体どこでしょうか。

実はその答えは、医療分野ではないか、という気がしています。

明確に調べたわけではないのですが、論文を探しているときの感覚として、明らかに医療に応用している研究がとても多いのです。

例えば大規模自然言語モデルに関する論文を検索して上の方に出てきたこちらの論文。

Evaluation and mitigation of the limitations of large language models in clinical decision-making

https://www.nature.com/articles/s41591-024-03097-1

臨床上で行う意思決定について、責任は医師にあるものの、AIの力を借りることが有効である。

しかし、実際の利用に当たっては未だ改善点も多く、AIが実応用に耐えられる精度を出せているのか。

また、どのくらいの精度があれば、実際に使うことができるのか?

と言った内容についてまとめられていました。

 

ちなみに機械学習は基本的に、多少のノイズはあるものの「正しいルール」を教え込むことで高い性能を発揮します。

(実際に、chatGPTなどはその学習に新聞記事などの「正しい言葉」を使っています。)

逆に言えば、入力されたデータは「正しい」ものとして学習を行ってしまいます。

その為、例えば医師の判断に従わない患者のデータなどに対応することはとても苦手であり、そのような事例の存在により精度が劣化してしまうことも報告されていました。

…お医者さんの言うことはきちんと聞かないとダメですね。

私も最後まで薬を飲みきれなかったことが何回か…。

 

AIが明らかに人間より優れている点として、記憶しておけるデータ数や、情報のインプットの速さが挙げられます。

その点を活用して、人間である医者のサポートをする。

そして人間は、本当に重要なところに時間を使うことができる。

 

ひょっとすると、人間とAIの協同の、理想形のひとつとなれるのかもしれません。

 

 

P.S.

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大学にてデータサイエンスを学ぶ傍ら、多くの人にデータ分析の面白さを伝えたいと日々奮闘中。