鉄でできることを木でもできるようになりたい話

複雑な何かでできることを、シンプルな他のものでもできるようにする。そんな手法が最近注目され、研究が進められています。

  

いつもであればまだ寝ている時間。

午前6時30分。

珍しくきちんと目覚ましをかけて、眠い目をこすりつつ何とか体を起こし、日光を浴びる。

普段夜型の私には、なかなか早い時間です。

何故そんな時間に起きるかというと、ゴルフの練習を入れてしまったから。

自転車で10分ほどの距離にある屋内練習場へ、朝飯前の練習タイムです。

 

練習場に持っていくのは、いつもの相棒7番アイアン(鉄)と、5番ウッド(木)。

それから一番大きなドライバー。

よし!まずはアイアン(鉄)から打ってみるぞ!

…なかなかいい感じ。

良い感じに高く上がって。

ゆるいカーブを描いて。

我ながらスイングも綺麗なきがする。

もう少し飛距離が出たら嬉しいけど、及第点かな。

ではでは、次にウッド(木)を…。

全然当たらない!

ボールじゃなくて地面ばっかり当たって、手が痛い!

どうすればいいの!?

 

…個人的なことで大変恐縮なのですが、悲しいことに最近はずっとウッドと呼ばれる、比較的長めの道具でボールをうまく打つくことができず、四苦八苦しております。

似たような形をしているはずなのに、鉄でできることが、なぜ木でできないのでしょうか。

Youtubeのゴルフレッスン動画を探して、何とか解決策を見つけるしかありません。

うまくいかない理由が十人十色なこと、ゴルフが楽しい理由のひとつではありますが、同時に苦しみも生む主要な原因であるに違いありません。。。

 

ところでAでできることを、Bでもできるようにしてしまおう、という機械学習のモデルが最近注目を集めています。

ここでのポイントは、BのモデルがAよりもシンプルなものである、ということです。

つまり、複雑な構造を持つAというモデルを、より簡略化したBというモデルで模倣しよう、という取り組みになります。

知識蒸留、という名前で呼ばれるその研究領域は現在、巨大なパラメータを扱う必要がある画像や自然言語の領域で広く活用されるようになっています。

この知識蒸留の肝は、複雑な構造を持つAというモデルの出力結果を、簡単なBのモデルで学習する、というところにあります。

例えば単純に「この画像に映っているのは犬である」という正解を当てるよりも、「この画像に映っているのは犬であるが、猫にもある程度近い。飛行機には似ていない」というようなモデルAの出力を当てられるようにモデルBを学習します。

すると、不思議なことに、学習データセットによっては、シンプルなモデルBの方が、最終的な精度が向上することもあるのだそうです。

もしかすると、先生(モデルA)から重要なところのエッセンスだけを学習できている、というようなことがあるのかもしません。

 

誰か私にも、ゴルフのエッセンスを教えてください!

 

山極綾子

 

P.S.

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Who is writing

大学にてデータサイエンスを学ぶ傍ら、多くの人にデータ分析の面白さを伝えたいと日々奮闘中。