突然ですが、私には一つ、恥ずかしいご報告があります。
こんなにずっと、AIの最新の研究やら、様々な分野についてご紹介しているにもかかわらず。
そして自分自身も、AI分野の研究者であるにもかかわらず。
つまらないプライドが邪魔をして、これまで、まったく使っていなかった便利機能がありました。
それは翻訳用AI、DeepLの、ファイル翻訳機能です。
無料版でも月5本、有料版になれば月20本を翻訳してくれる、それはそれは便利なツールです。
確かに便利そうなことは、後輩が使っているのを見て気づいてはいました。
なのですが
「全部を翻訳するのは自分の勉強にならない」
「数式を追えば大体わかるから、本文の翻訳なんていらない」
なによりも
「なんか悔しい」
そんな気持ちが邪魔して、これまでほとんど使っていなかったのですが、先日ついに使ってみてしまいました。
想像はしていたのですが、本当に便利だと感じました。
もちろん細かいニュアンスや数式回り、あるいは図など翻訳しきれていないところやフォーマットが壊れてしまっている箇所はあるのですが、
全体の流れをすぐに把握することができるのは、論文を読むうえでとても「楽」なのだと改めて思い知らされました。
一方で、確かに便利なツールなのですが、これまで頼ってこなかったことが全面的にもったいないことであるとは思わないのも事実です。
自分で読むことそれ自体にも、特に英語力の向上において、とても意味があったと思っています。
研究論文を読んでいるとき。
多くの場合、その専門分野にしか出てこない単語が多く、それらは一般のTOEICの勉強では学ぶことはありません。
さらに、論文を書く時の表現や英語論文ならではの構成についても、論文を読みつつ勉強することができたように思います。
他にも、実際に国際会議などで英語で発表することを考えると、AIだけに頼って自分は喋れない、という状況はあまり望ましくない気がします。
では、仮にドラえもんの便利道具「ほんやくコンニャク」があったとしたらどうなるでしょうか。
ほんやくコンニャクは、食べると自分の話している言語が相手の言語になるという素敵アイテムです。
これさえあれば、学会の発表も、そのあとの懇親会でのおしゃべりも、言語の壁は一切ないことになります。
はたから見れば、自分で勉強して英語のスキルを手に入れたのか、あるいは道具の力を借りたのか、ほとんどわからない状況になる、と言えます。
このような「はたから見れば違いがわからない」ことを利用して、人間が理解できるAIを作ろうとする動きが昨今研究されています。
具体的には、精度はいいけれどとても複雑なモデルに対し、それを真似するような簡単なモデルを作るような研究です。
最終的に出力されるのは簡単なモデルであるため、メモリのコストが削減できたり、あるいはAIがなぜそのような出力をしたか?を知ることができます。
ただし、簡単なモデルとは言え、複雑な事象を表現するためにある程度の複雑さは必要になってしまうので、人間が解釈できるように、という方向性はまだまだ難しいのでは、と個人的には思います。
便利なAIをどのように活用していくか、どなたかその最適解を研究してほしいものです。。。
P.S.
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