脱・あがり症!言語化能力を鍛える最強の3ステップ

今回のテーマは「あがり症を脱却するための言語化力の鍛え方」です。言語化力は誰でも鍛えることができます。そのヒントを持ち帰って下さいね。

How to develop language skills

あなたは、普段お仕事でこんなことに悩んでいませんか?

  • 大切な会議で自分の意見が上手く言葉にできずに黙ってしまう
  • プレゼンの最中に言葉が続かず、焦って冷や汗が出る
  • 上司から質問されても適切な返答ができず、ぎこちない思いをする
  • 取引先とのコミュニケーションでスムーズに話せずに失礼に感じられる
  • 自分の本当の能力を十分に発揮できずにいる

結論、このようなあがり症の症状から抜け出すには、言語化能力を鍛える必要があります。

今回はそのための、最強の3ステップをご紹介します。

言語化能力があれば、会議や打ち合わせで自分の意見をしっかり主張できるようになりますし、部下への指示出しや上司への提案も、説得力を持って行えるでしょう。

コミュニケーション力を飛躍的に向上させ、仕事で有利に立ち回りたい!と思ったら続きを読んでみてくださいね。

1.言語化能力とは

言語化能力とは

まず、言語化とは、頭の中にあるイメージや概念を言葉に置き換えることです。

この能力が高ければ、自分の知っていることをスムーズに説明したり、相手にわかりやすく伝えることができます。

例えば、りんごについての理解が深まると、言語化の仕方も変わってきますよね。

  • 理解:りんごの名称を知っている→言語化:「あれはりんごですね」
  • 理解:りんごの特徴を知っている→言語化:「この品種は酸味が強く、ぱりっとした食感です」
  • 理解:りんごの栽培方法を知っている→言語化:「有機肥料を使って農薬を減らした栽培方法で育てられたりんごです」

このように、自分の知識や理解を言語化できる人は、相手に的確に伝えられるだけでなく、自分自身の理解をさらに深めていくことにもつながります。

物事を深く理解し、適切に言語化できる力は、コミュニケーション力の基礎となる大切なスキルなのです。

2.言語化能力を鍛えるメリット

言語化能力を鍛えるメリット

言語化能力を鍛えると、以下のような様々なメリットを得ることができます。

(1)思考の整理が早くなる

言語化することで、自分の頭の中をよりクリアにすることができます。

考えや知識を言葉にする過程で、それらが整理され明確になるからです。

例えば、ある事柄について言語化する際には、以下のようなステップが必要になります。

  1. 頭の中にある知識や考えを探る
  2. それらを論理立てて構造化する
  3. 適切な言葉を選んで表現する

このプロセスを経ることで、自分の中で曖昧だったものが明確になり、複雑だったものが単純化されます。

また、説明する際に相手の反応を見ながら、自分の説明の分かりにくい部分を改善することで、さらに思考が整理されていきます。

このように、言語化を繰り返すことで思考が次第に明確になり、次第にストレスなく自分の考えを伝えられるようになっていくでしょう。

(2)客観視や内省につながる

自分の考えや知識を言語化する過程で、自分自身を客観的に見つめ直すことができます。

例えば、解決策がまだ見えない問題があるとします。

その際には「私はこの問題に対してこう考えている」と言語化してみましょう。

その上で「なぜこう考えているのか?」「この考え方に問題はないか?」などと自問自答することで、徐々に解決策が見えることがあります。

ちなみにコーチングの現場では、これを「オートクライン」と言います。

コーチが、クライアントに質問を通じてコミュニケーションを取ることで、クライアントの頭の中では質問に対する答えの言語化が始まり、いずれ自ら答えに辿り着くことができる・・・という手法です。

このように、自分の考えを言語化することは、単に知識やアイデアを伝達するだけでなく、自己理解を深め成長へとつながる重要なプロセスなのです。

(3)影響力や説得力が高まる

言語化能力が高まれば、他者に対する影響力や説得力が自然と高まります。

それは、言語化の過程で自分の考えを整理し、論理的な説明ができるようになるからです。

例えば、以下の文章はどちらがイメージしやすいですか?

A:「この新製品は、とてもコストパフォーマンスが高く、お求めやすい価格設定になっています。最新の技術を搭載しており、他社製品よりもはるかに優れた性能を発揮します。」

B:「この新製品は、従来モデルに比べて20%の価格下落を実現しました。最新のCPUを搭載しているため、処理速度が30%向上し、同クラス製品の中で最速のパフォーマンスを発揮できます。」

後者の方が、より製品のメリットを理解しやすいですよね。

このように、言語化能力の高さは発信力の高さにつながります。

自分の考えを論理立ててわかりやすく伝えられれば、人々の理解と共感を得やすくなるのです。

3.言語化能力を構成する要素

言語化能力を構成する要素

そろそろ「で、言語化能力を高めるにはどうすれば良いの?」という声が聞こえて来そうなので、具体的な話に移りましょう。

言語化能力を鍛えたい場合は、以下の4つの要素を意識的に鍛える必要があります。

1つずつ説明しましょう。

(1)観察力

言語化能力を高める上で、観察力は非常に重要な要素です。

言語化とは、自分の内面や外界の出来事を言葉に起こすプロセスです。

つまり、言語化の第一歩は、自分や周りの状況をしっかりと観察することにあります。

観察力を高めるためには、まず「気づく力」を養っていきましょう。

例えば

  • 相手の表情の変化
  • 自分の気持ちの変化
  • 周りの環境の変化

などに注目することで、気付きの幅が広がるでしょう。

このようにして、観察した事柄を言語化できる素材として蓄積していくことが大切です。

効果的に言語化を行うには、すでに頭の中にある言葉を整理するだけではなく、新たな素材が必要なんですね。

観察力を高め、言語化の素材を豊富に持つことで、自分の考えをしっかりと言葉に乗せられるようになります。

(2)思考力

言語化能力を高めるためには、思考力の向上が欠かせません。

思考力とは、情報を収集・分析し、自分なりの見解を導き出す力のことです。

思考力を鍛えるには、以下の3つのプロセスが重要です。

  1. 情報の収集と整理 :情報を批判的に吟味し体系立ててまとめる。
  2. 論理的な推論 :因果関係を明確にして、様々な視点から検討する。
  3. 結論の導出 :自分なりの解釈や意見を持ち、根拠となる情報と結び付ける。

これはいわゆる「ロジカルシンキング」と呼ばれるものです。

このように、思考力を高めることで、ものごとをより深く理解し、自分の考えを的確に言語化できるようになります。

(3)語彙力

言語化能力を高めるためには、やはり語彙力も欠かせません。

語彙力とは、多くの単語や表現を知っており、それらを的確に使いこなせる力のことです。

語彙力が乏しいと、自分の考えを適切に表現できません。

例えば、「難しい」という言葉しか思い浮かばなければ、「複雑」「高度」「専門的」といった微妙なニュアンスの違いを伝えられないですよね。

一方、語彙が豊富であれば、状況に合わせて的確な表現を選び、より的確に伝えられます。

さらに、言葉の意味を正しく理解し区別できれば、相手の言葉の意味を正しく捉えることもできるでしょう。

語彙力を高めるには、以下の3つの方法が有効です。

  1. 本を読む
  2. 新しい言葉に意識を向ける
  3. 単語帳やアプリを活用する

このように、言語化能力を高めるには語彙力の向上が欠かせません。

適切な表現を身につけることで、より明確に自分の考えを伝えられるようになるのです。

(4)要約力

要約力とは、長い文章や話の要点や主旨をコンパクトにまとめる能力のことです。

要約には、以下の3つの重要なポイントがあります。

  1. 要点をおさえる:本質的な部分と付随的な部分を見極める 、キーワードや重要な言葉を抽出する
  2. 論理的に構造化する:因果関係や順序関係を押さえる 、主張と根拠を区別する
  3. 簡潔に言い換える:不要な言葉を削る 、わかりやすい表現に言い換える

要約力が高まれば、自分の考えを分かりやすく伝えられるようになり、言語化能力の向上につながります。

ツールの力を活用するのであれば、ChatGPTなどのAIを借りるもの1つの手です。

要約はAIが得意とする分野なので、どんな風に要約されるのか?を答え合わせしても面白いですね。

4.言語化能力を高める3ステップ

言語化能力を高める3ステップ

では4つの要素が分かったところで、いよいよ「言語化能力を高める3つのステップ」をお伝えします。

まずはこの通りに進めてみてください。

ステップ1:言語化の癖や傾向を知る

言語化能力を高めるためには、まず自分の言語化の癖や傾向を知ることが大切です。

自分の言い回しや説明の仕方にどのような特徴があるか、客観的に把握する必要があります。

例えば、次のような癖がある人は多いでしょう。

  • 話す速さが早すぎる
  • 言葉を探す、あいまいな表現が多い
  • 話の順序が前後したり飛んだりする
  • 説明が長くなりすぎる 

このように、自分の言語化の癖を意識することで、改善すべき点が見えてきます。

また、言語化の癖は一人ひとり異なるため、他者からの率直な意見を聞くのも有効な方法です。

言語化の癖に気づけば、次に具体的な改善策を立てることができるのです。

ステップ2:説明の型を身につける

言語化能力を鍛えると言っても、ゼロから何かをする必要はありません。

まずは「説明の型」を身につけ、それを体に馴染ませていきましょう。

説明の型とは、物事の説明方法のパターンを指します。

このパターンを意識することで、誰でも論理的に説明できるようになります。

代表的な説明の型として、以下の3つが挙げられます。

  1. 時系列型 「〜したら→次に〜した→そして〜した」といった具合に、時間の流れに沿って説明していく型です。作業工程などの説明に適しています。
  2. 原因結果型 「〜だから→〜になった」といった因果関係を明確にする型です。問題の原因や結果を説明する際に有効です。
  3. 分類型「〜には大きく分けて、Aタイプ、Bタイプ、Cタイプの3つがある」など、対象を分類して説明する型です。概念や事象を整理する際に役立ちます。

このように、説明の型を意識することで、自分の考えを論理的に伝えられるようになります。

最初は慣れが必要かもしれませんが、継続することで自然と身につきます。

ステップ3:アウトプットの機会を増やす

言語化能力を高めるためには、理論を知るだけでは不十分です。

結局のところ、考えを言語化する機会を増やすことが非常に重要です。

実践する際には、是非以下の3つのアウトプット方法を使ってみてください。

(1)紙に書く

言語化能力を高めるためには、文字として書き出すことが効果的です。

頭の中だけでは抽象的な考えも、書き出すことで具体化され、より深く掘り下げられるでしょう。

また、書くことは話すよりもスピードが遅いという利点もあります。

頭の中で考えるよりも、書く行為には時間がかかりますよね。

実はその過程で、考え直す機会が生まれ、思考をさらに深めることができるのです。

また書いた内容を見直し、表現の適切さや論理性を振り返ることで、次に活かせる気づきも得られるでしょう。

このように、紙に書くことは、言語化能力を高める上で非常に重要なステップとなります。

(2)人に説明する

言語化能力を高めるためには、実際に言葉にして人に説明する機会を増やすことが大切です。

人に説明することで、相手の反応を見ながら、適切な言葉遣いや説明の順序を意識するようになるでしょう。

例えば、次のようなよくあるシーンでは言語化トレーニングを意識的に行ってみてください。

  • 家族や友人に日々の出来事を説明する
  • 同僚に業務の進捗状況を報告する
  • 後輩に自分の経験を伝える

このように、身近な人に対して日常会話の中で言語化を実践することで、自然とその習慣が身に付いていきます。

初めはうまく言葉に表せないことも多いかもしれませんが、人に説明する機会を増やし、フィードバックを受けながら、言語化能力を着実に高めていきましょう。

(3)ブログやSNSで発信する

ブログやSNSで発信することは、言語化能力を高めるための効果的な方法の一つです。

自分の考えを言語化し、インターネット上に発信することで、以下のようなメリットがあります。

  • 自分の考えを整理し、明確化できる
  • 文章力や表現力が自然と身につく
  • フィードバックを得ることで、改善点に気づける

例えば、ブログやSNSでつぶやいた内容に対する反応は、自分の表現の良し悪しを知るヒントになります。

また、発信する際のプロセスそのものが言語化能力の鍛錬になるでしょう。

以下のように、考えを言語化する一連の流れを意識することが大切です。

  1. 思考:自分の考えをまとめる
  2. 言語化:考えを文章化する
  3. 推敲:表現を見直し、分かりやすく修正する
  4. 発信:ブログやSNSに投稿する
  5. フィードバック:反響を受け、次の改善点を見つける

このように、ブログやSNSで発信することは、言語化のサイクルを意識的に実践できる良い機会となります。

ちなみに私の場合は人前で話すことも多いため

  1. 本やYouTubeで情報をインプットする
  2. 人に説明する or ブログやメルマガでアウトプットしてみる
  3. 人前で話す

をひたすら繰り返していました。

特にインプットした情報は、すぐに妻に話していましたね(笑)

会社員時代には、重要事項をメールでチームに送ることにより、文章を書く練習にしていたこともあります。

おかげさまで、今では人前で話す際に、言葉に詰まることはほとんどなくなりました。

言語化の機会を確保するには、少しずつでも構いません。

日頃から意識的にアウトプットする習慣をつけることが大切です。

そうすれば、必ず言語化能力が高まり、話し方が変わってくるはずです。

5.まとめ

まとめ

さて、今回は「言語化能力の鍛え方」について解説しました。

私のクライアントにも、言語化能力を高めたいと相談に来られる方は多いです。

中には最初から言語化が得意な人もいますが、最終的には才能や感性ではなく、意識的にトレーニングを行った人の方が、相手に伝える能力は高くなる傾向にあると思います。

努力は才能を上回りますので、最後まで諦めずに練習してみてください。

では、最後に要点をまとめておきます。

言語化能力を鍛えることは、単に話し方が変わるだけでなく、様々なメリットがあります。

<言語化のメリット>

  1. 思考の整理が早くなる
  2. 客観視や内省につながる
  3. 影響力や説得力が高まる

言語化能力は、以下の4つの要素で構成されています。

<言語化能力の4要素>

  1. 観察力
  2. 思考力
  3. 語彙力
  4. 要約力

この言語化能力を高めるには、以下の3ステップを実践することが重要です。

  • ステップ1:言語化の癖や傾向を知る
  • ステップ2:説明の型を身につける
  • ステップ3:アウトプットの機会を増やす

特にステップ3のアウトプットを増やすコツとしては・・・

  1. 紙に書く
  2. 人に説明する
  3. ブログやSNSで発信する

ことをおすすめします。

是非この3ステップを活用して、言語化能力を鍛えてみてくださいね!

Who is writing

岩下 知史(いわした ともふみ)

職業:メンタル&ビジネスコーチ、ライター。

クライアントは経営者、会社役員、ドクター、看護師、個人事業主〜主婦まで多岐に渡る。

大学卒業後は主にホテル業界に従事、東証一部上場企業にてチームマネジメントに携わり20名ほどの部下を抱える。

離職率の高いホテル業界で、人材教育へのプレッシャーから躁鬱病を経験するも、それまで一度も予算達成したことがなかったチームを常勝チームへと成長させる。

その後2015年に独立、様々な成功と失敗体験を積む中で「教育」に情熱があることを再認識し、経験・人脈ほぼゼロの状態から、コーチング、ライティング、Webマーケティング、研修講師業などを通じて本格的に人材教育業界へ。

2020年からは世界で100万人が活用しており、MicrosoftやIBMといった有名企業に人材育成ツールとして導入されている「ウェルスダイナミクス」において、専属のメルマガライター兼・日本に3人しかいない公認トレーナーを務める。

その間は1,000人以上のビジネスパーソン、有資格者の指導にあたり、2022年にトレーナーを卒業〜現在に至る。

人生のミッションは「自ら思考・選択・行動できる人材を育てること」、趣味はギターと筋トレ、心理や精神世界に関する読書、娘と遊ぶこと。