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あなたは「アファメーション」をご存知ですか?
アファメーションとは、簡単に言えば「自分で自分に投げかけるポジティブな言葉」のことです。
コーチングではクライアントの能力成果を引き出すために、アファメーションを使うことがよくあります。
アファメーションは、目標達成のための非常にパワフルな手法です。
誰でも取り組むことができますが、どんな言葉を投げかければ良いのか?どんなタイミングで投げかければ良いのか?といった部分にコツがあり、このコツをおさえないと十分な効果が得られません。
というわけで、今回はそんな「アファメーション」について、その効果と具体的な作り方について詳しく解説します。
アファメーションを使って自己肯定感を高め、理想の目的を達成しましょう!
アファメーションとは何か?

アファメーションとは「自己肯定的な言葉やフレーズを繰り返し唱えることで、心の中にポジティブな変化をもたらす手法」を指します。
肯定的なフレーズとは、例えば「私は多くのクライアントから信頼されるプロフェッショナルな存在であり、頼られることに誇りと喜びを感じています」といった具合ですね。
これは日本語で言えば「肯定的な自己暗示」と言っても良いでしょう。
暗示なんて聞くと「え、催眠とか洗脳の類ですか?」と思われるかもしれませんが、そうではありません。
なぜなら、私たちは既にアファメーションとほぼ同じことを、毎日・繰り返し行なっているからです。
アファメーションの効果を確実に得るには、まずその役割と効果を正しく知る必要があります。
ネガティブなセルフトーク
そもそも、私たちは毎日2〜3万回の自己対話(セルフトーク)をしていると言われています。
対話と言っても自分自身との対話なので、何気ない思考の全てがセルフトークだと言えるでしょう。
これは意識的にも、無意識的にも行われています。
そして、このセルフトークの質が私たちの行動はもちろん、現実的にもたらされる結果に直接つながっています。
例えば「仕事」について、ポジティブなイメージを持っている人と、ネガティブなイメージを持っている人では、セルフトークとその結果にどんな違いがもたらされるでしょうか?
仕事について「仕事は自分を成長させてくれる」「新しい出会いをもたらしてくれる」「沢山のお金を生み出してくれる」といったポジティブなイメージを持っている人は・・・
- 「仕事って楽しいな」
- 「今度はどんな人と出会えるだろう?」
- 「この契約を成立させたら、報酬が〇〇円入ってくる!」
といったセルフトークを、意識的にも無意識的にも行なっているでしょう。
逆に「仕事はツラく退屈なもの」「苦手な人と関わらなくてはいけない」「いくら働いても給料は変わらない」といったネガティブなイメージを持っている人はどうでしょうか?
- 「また仕事か・・・嫌だな」
- 「あまり面倒な人とは付き合いたくない」
- 「どうせ頑張ったところで給料は変わらない」
といったセルフトークを行なっているかもしれません。
私たちはこういったセルフトークを、毎日何万回も行なっているわけです。
となると、これらのセルフトークによってもたらされる結果は・・・大体イメージがつきますよね?
ポジティブなイメージを持っている人が、ポジティブな結果を手に入れることは間違いありません。
このように私たちは、知らず知らずのうちに何かしらの自己暗示を、既に行なっていると言えるのです。
であれば、意識的にポジティブな言葉を投げかけていた方が絶対に良いですよね?
だからこそ、アファメーションが大切になります。
どんな言葉を唱えるか?は個人によって大きく変わりますので、これから説明するとして・・・これにより、自己肯定感を高めるのはもちろん、自分の夢や目標を実現させることもできます。
アファメーションの強力な効果
メジャーリーガーの大谷翔平選手は、2023年3月に日本が優勝をおさめることになるWBC決勝戦において「有名選手に憧れることをやめましょう」とメンバーに伝えたそうです。
この背景には様々な意味があると思いますが、大谷選手が自分自身を世界のトッププレーヤーと同等か、それ以上の存在であるイメージを持っている(セルフトークを行なっている)証拠だと思います。
実際、大谷選手は日常的にアファメーションを行なっていた(それがアファメーションだと理解していたかは不明ですが)という話もあります。
コーチングとは元々スポーツの世界で使われてきたこともあり、「自分はできる!」といったようなアファメーションを、日常的に使っている人も多いそうです。
またアファメーションの効果は、脳科学といった科学的な分野でも効果が証明されています。
成功している人はポジティブな言葉を使うと言われますが、これは本当なんですね。
アファメーションの具体的な作り方と7つのポイント

アファメーションの効果が大きいとは言え、闇雲にポジティブな言葉を並べれば良いわけではありません。
むしろ使い方によっては現状とのギャップを感じて逆効果になったり、理想的ではない状態を強固にしてしまう可能性もあるので注意が必要です。
では具体的に、どうやってアファメーションを作れば良いのでしょうか?
今回は認知科学の権威であり、日本のコーチ育成にも大きく寄与されている苫米地英人博士の著書「『言葉』があなたの人生を決める」より引用させて頂きます。
本書によると、ポイントは以下の通りです。
1.主語を一人称にする
まず、主語は一人称にすることを徹底します。
個人であれば「私」、チームや組織であれば「私たち、我々」です。
自分以外の誰かの目的や理想ではなく、自分自身の価値観に則ってアファメーションを作ります。
↓価値観の見つけ方については、こちらも併せてお読みください。
「研修なしで理想的な上司と部下の関係性をつくる“価値観”の使い方」
2.肯定的な表現のみを使う
アファメーションにおいては、例えば「こうなりたくない」「欲しくない」といった表現を避け「こうなりたい」「欲しい」という、肯定的な形で表現します。
場合によっては、欲しいものより「欲しくないもの」の方がパッと思いつくかもしれません。
しかし、こうなりたくない・欲しくないという表現は「欲しくないものを手にしている自分」が前提となっていますよね。
ということは、そういった否定系の言葉を口にしている時点で、そうなってしまっている自分・欲しくないものを手にしている自分を強く認めていることになるのです。
(実際に、嫌な出来事に対して「嫌だ嫌だ!」と言えば言うほどその出来事が目の前にやってくる・・・という体験をしたことがないでしょうか?これも同じ原理です)
これはアファメーションから得たい結果とは異なるため、表現は全て肯定的に置き換えます。
3.既に理想の状態を「達成している」という内容にする
「なりたい」「欲しい」という肯定的な表現に置き換えたら、次にそれらを「いま既に達成している自分」として表現してください。
なぜなら「なりたい」「欲しい」という状態は、先の肯定的な表現と同じく、「まだ手に入れていない自分」が前提だからです。
具体的には・・・
- 仕事で大成功したい!→「私は仕事で大成功している」
- 人の役に立って賞賛されたい!→「私は沢山の人から賞賛されている」
- 世界で活躍したい!→「私は世界で活躍している」
といった具合に表現しましょう。
4.現在進行形にする
理想の状態と聞くと、つい「私は未来にこうなる」という表現を使いそうになりますが、これも3と同じ理由から「いま、まさに〇〇している」という表現にします。
いま現在、すでにそうなっている自分の状態(実際は未来で手に入れる状態ですが)を先取りすることで、現実の自分が理想の状態へと変化するのです。
5.他人と比較しない
アファメーションの内容は他人と比較せずに、自分が心から欲しいものを表現しましょう。
例えば「現実的に考えて、あの人と比べると私はこうだな・・・」とか、「世間的に〇〇が良いと言われているから」という理由から設定された目的は、自分の本当の目的ではありません。
そういった目的は単純にワクワクしませんし、この後の「動・情動」といった力が働きづらくなるため、結果的に達成されないでしょう。
6.「動」をあらわす言葉を使う
すでに目的を達成している自分が、その世界でどんなふうに振る舞っているか?を表現しましょう。
本書の例を引用すると
私は、どんなに社会的地位の高い人に対しても、にこやかに親しみのある笑顔を向け、落ち着いた身ぶり手ぶりを交えて交渉することができる。
といったイメージです。
このようにイメージを静止した状態ではなく、動かすことで臨場感を加えていきます。
7.情動をあらわす言葉を使う
個人的にアファメーションを行う際、もっとも大事だと感じるのがこの「情動を加える」というプロセスです。
情動とは「怒り、恐れ、喜び」といった特に強い感情を指します。
ここではポジティブな情動として、目的を達成したときにどんな感動を感じているか?(嬉しい、楽しい、ほがらかだ、気持ちいいなど)を言葉にします。
私たちは、感情がより動いた出来事ほど記憶に残りやすいのですが、このような情動をアファメーションに組み込むことで、未来の情動をより明確に先取りすることができます。
脳は現実と想像の違いを区別できないと言われているのですが、これを応用して「脳が勘違いを起こすほどリアルなイメージ」をつくることで、理想の状態を手に入れることができます。
※この辺りは専門的かつ、抽象的な概念も含まれるため、さらに興味がある場合は「『言葉』があなたの人生を決める」を読んでみてください。
これらの7つのポイントをおさえることで、とても強力なアファメーションを作ることができるでしょう。
10個の効果的なアファメーションフレーズ例

アファメーションの具体的な作り方が分かったところで、続いてフレーズ例をカテゴリーごとにいくつか挙げておきましょう。
あくまで例ですが、個人のケースに応用してみてください。
1. キャリア成功のアファメーション:「私は毎日、仕事で素晴らしい成果をあげ、周囲から高く評価されていることに大きな喜びを感じています。」
2. 健康維持のアファメーション:「私は常に健康でエネルギッシュな生活を送り、自分の体に感謝し、その健康に感動しています。」
3. 人間関係のアファメーション:「私は家族や友人と素晴らしい関係を築いており、常に愛と理解を共有できることに深い感動を覚えています。」
4. 自己成長のアファメーション:「私は毎日、新しい知識とスキルを学び、自分の可能性を最大限に引き出していることに大きな満足感を感じています。」
5. ストレス管理のアファメーション:「私はどんな状況でも冷静でリラックスしており、ストレスを効果的に管理できることに安心感を持っています。」
6. 財務安定のアファメーション:「私は十分な収入を得て、経済的に安定しており、将来への安心感と自信に満ちています。」
7. 目標達成のアファメーション:「私は目標を明確にし、計画的に行動することで、常に目標を達成していることに誇りを感じています。」
8. 自己愛と自己受容のアファメーション:「私は自分自身を深く愛し、ありのままの自分を完全に受け入れていることに満ち足りた幸福感を感じています。」
9. 創造性のアファメーション:「私は創造的で、常に新しいアイデアを生み出し、それを実行に移していることにワクワクしています。」
10. 充実した生活のアファメーション:「私は毎日、豊かで充実した人生を楽しんでおり、全ての瞬間を大切にしていることに感謝の気持ちで満たされています。」
最高のアファメーションを作る秘訣
先の7つのポイントを意識して、これらのフレーズ例を参考にすれば、効果的なアファメーションができるでしょう。
しかし、1回で最高のアファメーションを作ろうとは思わないで下さい。
1つのアファメーションを続けるうちに、もっと他の世界が見えることで、追加や修正が必要になってくるはずです。
また、仕事など1つの視点だけではなく、家族、健康、環境など多様な視点から理想の状態を決める必要が出てくるでしょう。
アファメーションは常にバランスを取り、ブラッシュアップをしていく必要があります。
アファメーションの実践方法と注意点

では、最後にアファメーションの実践方法と注意点についてお伝えしておきます。
実践方法:毎日のルーティンに組み込む
アファメーションを効果的に行うためには、毎日のルーティンに組み込むことが大切です。
1日3回、1分ずつでも良いので、アファメーションを唱える時間を作ることから始めましょう。
特に、朝起きた時や寝る前に行うのをオススメします。
習慣化しやすいですし、自分の無意識に言葉が届きやすくなる(意識が変わりやすい)と言われています。
注意点:情報に振り回されない、焦らない
アファメーションとは科学的に効果が認められている手法なのですが、ときに願望実現の方法としてスピリチュアル的に扱われることがあります。
決してスピリチュアルが悪いわけではありませんし、私自身もスピリチュアルの考え方は大好きです。
しかし、最近では情報が多すぎることから、間違った理解や都合の良い解釈が増えていることは否めません。
そのため、アファメーション本来のやり方とは異なる方法が出回ることで効力が得られず「アファメーションは意味ない、詐欺師の手法だ!」なんて言われてしまうこともあります。
また、せっかく良いアファメーションを唱えていても、結果を焦ることで「ぜんぜん変化が無いじゃないか!」と、自らネガティブな状態を維持し続けてしまうこともあります。
これまで、何十年と繰り返してきたセルフトークが今の自分を作っていると考えると・・・新しい自分を作るには相応の時間が必要であることは言うまでもありません。
ただ、個人的にはアファメーションを行うことで自己肯定感が高まり、思ったより早く現実が変わっていくことはよくあると感じます。
知識だけを身につけて頭でっかちになりすぎないよう、バランスを取ることが重要ですね。
まとめ:アファメーションで見ている世界を変えよう!

アファメーションは、自己肯定感を高め、目的を達成するための強力な手法です。
今回お伝えしたポイントを押さえつつ、自分なりのフレーズを作成したら、早速日常生活に取り入れていきましょう!
最初は「こんな事して何の意味があるの?」と思うかもしれませんが、続けているうちに自分が見ている世界が変わっていくのを実感できるでしょう。
是非、自分の内なる力を信じて試してみてくださいね。
