【文系さん必見】今からでも大丈夫!ChatGPTガイド15選 応用編「プロンプトのコツ」
ChatGPTの出力の精度を上げるために必要な、ちょっとしたコツをご紹介します。文系のあなたもこれでAIの名手になれるかも!?
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基礎編の「プロンプトの種類」に続いて、今回は「プロンプトのコツ」についてご紹介します。
ChatGPTの出力の精度を上げるためにはプロンプトの具体化が欠かせません。
ちょっとしたコツを意識してプロンプトを書くだけで、精度も上がってきますよ。
1)プロンプトに5W1Hを明記する
プロンプトを具体的に入力しないと、出力の精度は低くなりがちです。
まずは5W1Hを意識して書くようにすると、成果物が具体化されて出力の精度も上がってくるでしょう。
特にWhat, Who, Why, Howの4つを意識してプロンプトを書いてきます。
5W1Hが示すものは:
What 成果物(表、文章、サマリー、リスト、原稿)
Who ChatGPTの役割
Why 成果物を作成する目的
Where どこに使用するものか
When いつ使用するのか(もしくは成果物の時代設定)
How どのようなトーンで、何文字くらいか?
例えば、IT企業のブログ記事を作成したい場合は…
What=最近の生成AIの状況に関する記事
Where=IT系企業のオウンドメディア
Who=優秀なライター
Why=たくさんの見込み客に読んでもらいたい
How=読者に語りかけるようにわかりやすく 2000文字
とすることができます。
この内容でプロンプトを打ってみました。
2)プロンプトは簡潔に
プロンプトで複数のプロセスを提示しても、一番最後に提示したプロセスしか実行されないことがあります。
また、同一チャット内で何度かプロンプトを書き直したり付け加えたりすると、一番最初のプロンプトが忘れられてしまうこともあります。
理由についてChatGPTに聞いてみました。
モデルが一番最後に入力されたものを重視する傾向にあること、一度に対応できる文字数に制限があること、複雑で長いプロンプトはモデルが理解できないこともある、と3点の可能性をあげてくれました。
やり取りやプロンプトを簡潔にすれば、ChatGPTにも意味が伝わりやすくなります。
逆にやり取りを何度も繰り返している場合やプロンプトが長い場合は、ChatGPTが混乱することもあります。
その場合、左上に表示される「New Chat」をクリックして、新しいチャットに先ほどまで使っていたプロンプトをコピペをしてください。
すんなりと精度の高い出力をしてくれることも結構あります。
3)英語を適度に使用する
元々、アメリカで開発されたChatGPTは日本語より英語の方が得意です。
日本語でなかなか通じない場合、英語でプロンプトを打つのも手です。
筆者はChatGPTが英語を得意としている点を利用して、以下のようなテンプレートを使用しています。
Role(役割):
Deliverable(成果物):
Objects(目的):
Target(対象)
Process(プロセス):
Constraint(制限):
*「一つずつ考えよう」はプロセスが複数あるときに加えると有効です。
テンプレートの見出しは英語ですが、内容を日本語で入力するとだいたい日本語で出力されます。
英語で出力されてしまったら、Constraint(制限)に「日本語で出力」と入力し、再出力をしましょう。
4)2021年10月以降の時事ネタは質問しない
現在の無料プランに使われているモデルGPT-3.5は、2021年9月までの情報を学習しています。
それ以降の情報に関しては、間違った回答をする可能性が高いです。
ちなみに有料プランのGPT4モデルでは、ブラウジングできる仕様になりこの点は強化されています。
5)ChatGPTに役割を与える
プロンプト内でChatGPTに役割を与えると、出力の精度が上がります。
計算をしてほしい場合には優秀な数学者の役割を与え、小説のような文章を生成したいのであれば小説家の役割を与えましょう。
難しいことを分かりやすく答えてほしい時は、「小学校の先生として答えてください」というプロンプトも使えます。
6)ChatGPTに適切なプロンプトを聞く
プロンプトが思いつかない場合は、成果物をはっきりさせたうえでChatGPTにどんなプロンプトを書いたらいいか、プロンプトに必要な情報は何か聞いてみてください。
新卒採用に向けた企業案内パンフレットを作成する前提で聞いてみました。
また、自分が入力したプロンプトに「これ以外に必要な情報や質問があれば、回答を始める前に教えてください」と入力し、ChatGPTに確認する手もあります。
7)世界共通の知識を利用する
世界で共有されている知識は、言語以外にもたくさんあります。
例えば、数学、セオリー、エクセル関数、プログラミング言語などがあります。
このような知識を利用して、プロンプトの簡潔化や具体化が可能です。
例えば、筆者は数学記号(>、<、=、≒など)を多用します。
以下では「デザイン思考」を使ってプロンプトを打ってみました。
そのプロセスを一から言葉で説明するより、はるかに簡潔にできます。
8)丁寧な言葉遣いがベター
Twitterなどをみると「ChatGPTのプロンプトでは丁寧な言葉遣いをした方が、いい結果が得られる」とするユーザーも少なくありません。
筆者も丁寧な言葉遣いの方が、出力の精度が高い気がします。
ChatGPTには他人の気持ちを推測する人間の能力である、Theory of Mind (ToM/心の理論)がある程度形成されていて、人間の気持ちを推測できるのではないかという議論があります。
ChatGPTの心の理論に関するテスト結果が、9歳児とほぼ同じくらいの正答率だったとする研究結果もあれば、入力するプロンプトによって結果は異なったとする研究結果も。
いずれにしても、心の理論に似た現象は確認されているので、丁寧な言葉遣いをした方が精度は上がるのかもしれません。
9)プロンプトの修正やフィーバックを積極的に
出力が上手くいかなかった場合は、プロンプトを修正して、再出力を試みます。
プロンプトを修正するのには、入力したプロンプトの右側に出てくる紙と鉛筆のボタンをクリックします。
プロンプトが編集できるようになりますので、書き直して「Save&Submit」をクリックします。
回答がよくなかった場合やよかった場合には、任意でフィードバックができます。
フィードバックをすることでChatGPT開発者のOpen AI社に送られ、モデルの学習データに使わることによりさらにモデルの精度向上が期待できます。
ChatGPTの回答の右側にあるサムズアップ(回答が良かった場合)と、サムズダウン(回答が良くなかった場合)をクリックします。
この画像は、サムズダウンをクリックすると表示されます。
具体的なフィードバックを送りたい方は入力し(日本語でもOK)、入力欄の下の3つの選択肢から一番近いものにチェックを入れて「Submit Feedback」をクリックしてください。
また、ChatGPTは毎回同じ答えを出さないという性質上、プロンプトを修正しなくても別の答えが出力されます。
別の回答を見たいときは、「Regenerate response(回答の再出力)」をクリックして新たに別の答えを出力してもらいましょう。
ChatGPTいわく、「Regenerate response」をクリックした後は精度の高い回答が出ることが多いそうです。
そのため、何度、出力しなおしてもうまくいかない場合は、プロンプトを見直す必要があるかもしれません。
出力後に以下の画面が表示されますので、サムズアップ、サムズダウンまたは「Same(変わらない)」をクリックしてフィードバックすることができます。
10)個人情報には要注意
個人情報など、個人を特定できる情報は入力しないことをおすすめします。
また、入力したデータが学習に利用されないように設定もできますが、この場合チャットの履歴は30日経過したら消去されますのでご注意ください。
必要なチャット履歴は、消去される前にダウンロードしておきましょう。
学習に利用されないように設定をするには、名前が表示されている画面の左下部分に並んでいる点(赤い○の部分)をクリックしてください。
続いて、表示されたポップアップから「Setting」をクリックします。
Setting画面から「Data Controls」を選択し、「Chat History& Training」をオフにしてください(画面はオフ時)。
チャットの履歴をダウンロードをするには、「EXPORT」ボタンをクリックしてください。
おまけ:ChatGPTは万能ではない
ChatGPTは大規模言語モデルを使用した生成AIであり、全能のAIではありません。
AIには大きく分けて3種類あります。
①ANI(特化型人工知能:Artificial Narrow Intelligence)
②AGI(汎用型人工知能:Artificial General Intelligence)
③ASI(人工超知能:Artificial Super Intelligence)です。
ChatGPTを含めて、一つの分野に特化して知能を発揮するのがANIとされています。
ANIは使い道や適用方法が多岐にわたるためまるで全能のように見えてしまい、人間と同じようなことができるのではないか、という懸念を引き起こしやすいそうです。
(人間ができることは全てできるAGIや、人間の知能を超えるASIの開発については、まだまだ時間がかかるというのが専門家の見方のようです。)
ChatGPTはANIにカテゴリー分けされます。
能力には制限があるため、質問に対して常に正しい回答を出力するわけではありません。
出力結果をそのまま使用するのは危険です。
必ず、事実確認をしましょう。
まとめ
ChatGPTのプロンプトについて、基礎編、応用編と2回にわたって紹介してきました。
最初は1回で精度の高い回答を得るのは難しいかもしれません。
しかし、使っているうちに、コツがつかめてくるはずですので、心配はありません。
先入観を持たずに、是非たくさん触ってみてください。
基礎編を読んでいない方はこちらから。