はじめに
この記事を読んでいる人は、転職に興味がある方も多いのではないでしょうか。
あなたは、「次の会社は、絶対ホワイト企業がいい…!!」と考えることはありますか?
今回は、どうすればホワイト企業への転職ができるのか、自分にとってのホワイト企業はどんなものかを考える方法について前・中・後編の3回に分けてまとめました。
今回は前編です。
- ブラック企業ではもう働きたくない!
- ホワイト企業に転職してもっと楽に生きたい!
という方の参考になればと思います。
ホワイト企業へ転職したい! 自分にもできる?
あなたは、次はどんな会社に行きたいですか?
転職を考えたことがあるなら、誰しも一度は「次はホワイト企業に行きたい…!」と思ったことがあるのではないでしょうか。
ホワイト企業と言えば、「残業が少ない」「安定している」「給料が良い」「働きやすい」「人間関係が良い」「大手」などのイメージが一般的です。
いまの時代は、WEBサイトやSNSを通して、他者の働き方やエピソードを見聞きする機会も多くなりました。
- 「ブラック企業からホワイト企業に転職して人生が変わった」
- 「ホワイト企業に行ければ人生が楽しくなる」
というエピソードも多くあり、ホワイト企業に勤めることのメリットをいろいろなところから垣間見ることができます。
とはいえ、
- 「でも、ホワイト企業への転職なんて自分にできるだろうか…?」
- 「良い会社を見つけるのがそもそも難しいんだよね…」
という考えは誰しもが持つもの。
条件の良いホワイト企業への転職を成功させるのは、一見とても難易度が高そうに見えます。
しかし、あるポイントを押さえておけば、ホワイト企業への転職が成功する可能性がグッと高まります。
ホワイト企業への転職を成功させるカギとは?
ホワイト企業へ転職したいと考えていても、大前提となる「その企業はホワイトかどうか?」の判断を間違ってしまうとうまくいきません。
逆に、ここの判断さえ正確にできれば、ホワイト企業への転職を成功させるカギを手に入れたと言っていいでしょう。
ここを突破するための方法、それは「ホワイト企業を2軸で見極めること」です。
1つ目の軸は、「一般的な労働条件」。
これは残業時間や年間休日といった、「ホワイト企業に対するイメージ」として真っ先に思い浮かぶような労働条件です。企業の安定性や給与などもこの軸に含まれます。
2つ目の軸は、「自分にとってホワイト企業かどうか」。
これは、「他でもない自分にとって良い会社かどうか」を見極める条件です。
もう少し具体的に言うと、自分にとって「仕事は進めやすいか?」「働く上でのストレスは少ないか?」といったことです。
これらの条件はとても多様で、人によって内容も数も異なります。
また、一見すると「そんなに細かいこと気にしちゃって大丈夫なの?」と感じるような項目もあります。
たとえば、営業職で「個人プレイが多いか・チームプレイが多いか」といったことや、「自分の部署のメンバーは同年代が多いか・年上が多いか」といったようなことです。
一見すると「ただの好み」とも言えるようなことかもしれません。
しかし、「裁量を与えてもらってひとりで進めるのが得意」という人と、「チームで常に話し合い、皆で分担しながら進めるのが得意」という人では、仕事の進め方は全く異なります。
また、「年上が多い職場の方がいろいろと教えてもらえる立場で気がラク」という考えもあれば、「若くて柔軟性のある人たちと刺激を感じながら仕事を進めていきたい」という考えもあります。
自分にとってちょうど良いコミュニケーションの仕方や密度は、人によって異なるということです。
そして、もちろん組織にも、自分のタイプと相性がよい組織と、そうでない組織があるということになります。
こういった、仕事をする上での「好みの違い」は、ちょっとしたことでも毎日のように積み重ねられていくため、自分の仕事のしやすさやモチベーションに大きく関わってきます。
つまりは、仕事の成果にも直結してくる内容なのです。
自分のタイプと真逆の人ばかりがいる職場環境に何年も身を置き続けることは、ストレスも大きく、パフォーマンスも発揮しづらいことが容易に想像できます。
そのため、本当に気持ちよく働き続けたいのであれば、仕事をする上での「好き・嫌い」にはある程度のアンテナを張りながら、自分にとって相性の良い職場(=自分にとってのホワイト企業)を見極めていくことが重要になってきます。
上記はほんの一例でしたので、これらの考え方・洗い出し方については中編で詳しく説明していきます。
一般的な労働条件についての詳細
では、まずは一般的な労働条件の見極め方について見ていきましょう。
【給与】
給与は、月給と年収の両方を確認します。
年収は、月給の単純な合計ではなく、賞与の額や回数によって変わってくることに注意しましょう。
また、ついつい「現在の給与と比べてどうか?」ということに目がいきがちですが、在籍年数が増えるごとに昇給があるのか、そのペースも重要です。
さらに、一般的には昇格によっても年収はアップしますので、昇格のしやすさや条件、同世代の昇格状況なども聞けるとさらに良いですね。
そのほか、家賃などの各種補助や手当の有無も見逃さないようにしましょう。
遠方への出張頻度が高い仕事の場合は出張手当がもらえるケースもあり、それが意外と高額になることもあります。
「現在の基本給と比べて少ない」という場合でも、手当などの諸々を含めた総額の年収を考えると今よりお得、というケースも少ないため、一度、条件などを確認しながら自分が実際にもらえる総額をシミュレーションすることが大切です。
逆に、現在よりも高い年収が提示されている場合は、その理由をよく考えましょう。
あなたのキャリアや価値を適正に評価してくれるホワイト企業の可能性もあれば、高い給与のかわりにハードな仕事をさせるブラック企業の可能性もあります。
多大な業務量を少人数でこなさせる、人の入れ替わりが多いため常に人不足、といったマイナス要因が隠れていないか注意深く見てみることも大切です。
【残業時間】
求人票などに記載してある残業時間と、実際の残業時間にどの程度差異があるのかは、必ず調べるようにしましょう。
応募前であれば口コミサイトなどで下調べをしてみるのが良いですね。
面接の機会があるなら、会話の中でさりげなく質問するのがベストです。
お客様を第一とする仕事や、現場を持つ仕事であれば、案件や時期によって残業時間に波があるのは自然なことです。
ただ、業務が長引いた際におよそ何時ごろになるのか、長引く頻度(帰りが遅いことが組織として当たり前の風潮になっていないか)などは気になるところです。
聞きにくいことかもしれませんが、入社した場合にそこで働くのは他でもないあなたです。
後悔のないよう、必ず確認しましょう。
また、「固定残業があるかどうか」も確認しておきましょう。
たとえば、固定残業が40時間となっている場合は、その40時間分の残業代があらかじめ給与に含まれています。
これは、言い換えると「うちの会社では40時間ぐらいは残業するのが普通だから、残業時間として先に確保しておくね。」という意味合いが含まれています。
これについては「固定残業時間よりも早く帰った場合はお得なんでしょ?」という考え方もありますが、実際に固定残業時間よりも少なく働けるような職場は比較的少数であるという覚悟をしておきましょう。
また、一つ前の給与の話にも関係しますが、固定残業代があらかじめ給与に含まれている場合には、当然給与の額が大きく見えますので、年収などを検討する際にはそのぶんを考慮して行いましょう。
【離職率】
外資系など、人の入れ替わりが多いタイプの会社を除けば、離職率が高い会社は人が定着しない何らかの理由を抱えていることが多いです。
しかし残念ながら、面接などで離職率を尋ねても、「弊社では〇%です」とその場で正確に答えてくれる会社は多くありません。
また、組織全体としての離職率と、今回自分が希望する部署やポジションにおける離職率が大きく異なる場合もあります。
「組織全体ではあまり人が辞めないけど、ある部署でだけどんどん人が辞めていく」というようなケースです。
これには注意が必要です。
転職エージェントを利用している場合は、エージェントに必ず調べてもらいましょう。
そうでなければ、社員数に対して中途の採用募集が多すぎないか、調べられるなら過去の募集をネット上で調べてみて、短期間で同じポジションの再募集をしていないかを確認します。
また、毎年採用している新入社員の人数も、総社員数に比べて多すぎないかどうかを見るのもひとつです。
たとえば100人規模の会社で毎年20人の新卒採用をしていたら、その会社は数年で倍の規模まで成長しているはずです。
そうならないのは「(組織全体で)毎年いっぱい採用してもいっぱい辞めるから」といった事情があることが予想されます。
業界によって人の流動性は異なるため、離職率がやや高くても問題のない組織もあります。
しかし、たとえば施工やメンテナンスなどの専門的な技術者を抱えているような業界においては、技術者が組織に定着せずにすぐ辞めていく状況は好ましくありません。
ベテランが培ったノウハウや技術力が若手社員へ継承される体制がなく、労働環境も良くない可能性が高いと考えられます。
他にも、やたらと社員の平均年齢が高いような職場は、若手が働きづらさを感じてしまう要因を抱えていると考えられます。
【有休取得率】
次に、有休の取得率についてです。
これは、組織から与えられている有給休暇をしっかり使っているかどうかという話です。
この内容も自分からは面接で聞きにくいことのひとつです。
離職率と同様に、転職エージェントがいれば確認してもらい、そうでなければ口コミサイトが有力です。
面接の中で確認するのであれば、話の流れでたまたま旅行や海外の話になった際に「有給休暇の日数が多いようですが、みなさん海外旅行に行ったりする方も多いのでしょうか?」といった質問もアリです。
海外であれば必然的に長めの連続休暇になるはずなので、社員が海外旅行にバンバン行けるような組織は、休みが取りやすいと考えて良いでしょう。
とはいえ、海外旅行を好む人が多いかどうかは業界や社風にもよるので一概には判断できません。
そのほか、例外もありますが、一般的には残業が少ない組織では有休取得率が高いケースが多いです。
また、組織で独自の休日を何種類か作っていたり、夏休み期間や年末年始などが長めに休日として設定されていたりする企業は、しっかり休む文化が定着している傾向があります。
【教育制度】
入社後にどんなことを、どんなレベルで学べる機会があるかを確認しておきます。
中途入社であれば新入社員研修のように一定期間研修で学ぶ、といったようなことは少ないですが、企業によってはそういったこともあります。
その際は、「社員として必要なこと」を学ぶ研修であるのか「自分の業務に関する専門的なこと」を学ぶ研修であるのか、その割合などを聞いていくとイメージしやすくなります。
専門性の高い職種であれば、入社後、数年おきに専門技術の研修などがあり、継続的に学ぶ体制が作られているところも多いはずです。
入社後はどのようなタイミングでどんなことを学べるのか、また、学びの範囲は自分の希望によって広げられるのかどうかも、把握しておきましょう。
まとめ
いかがでしたか?
どんな職種であっても、まずは給与や労働時間、休日といった基本的な労働条件は非常に大切になってきます。
外出や出張が多かったり、現場を抱えていたりするような業務であれば特に、労働条件が自分の毎日の過ごしやすさに直結してきます。
少しでも負担が少ない職場を選ぶことが、安定して長く働けることにつながります。
また、「いまの自分の会社はブラック企業だから転職したい!」と思っている人ほど、他社の求人は理由もなくホワイトに見えがちです。
「どこへ行ってもいまの会社よりは絶対マシだろう」と考えたくなる気持ちをおさえつつ、条件をよくチェックして、理想の会社を探していきましょう。
次回はいよいよ、「自分にとってのホワイト企業」の見極め方について、詳しく紹介していきます。
「どうにかしてホワイト企業へ転職したい!」という方は、どうぞお楽しみに。