
いつものようにネットサーフィンをしていたある日のこと。
こんな記事を見つけました(外部の記事です)。
【【保存版】ChatGPTが”忖度”するのをやめさせ、最強のビジネスパートナーにする方法】
https://ai-advisors.jp/media/ai-knowledge/chatgpt-honest-prompt/
chatGPTは基本的に「素晴らしい質問です!」「とても良いと思います」「そこに気がつくのは流石です」など、利用者である私たちを褒めてくれるような回答をするような学習がされています。
というのも、chatGPTのモデル学習は以下の二段階で行われているからです。
- これまで存在している大量のテキストデータから、「それっぽい」文章を生成するモデルを学習する
- 出力について人間によるフィードバックを行い、利用者が「いいね」と思う回答を出力しやすくする
chatGPTを利用していると、各回答について「good」「bad」ボタンを押せるようになっていますが、おそらく私たちのそういったフィードバックも学習に使われているのではないかと思います。
もちろん、利用者に迎合しすぎて出力の質が落ちてしまっては本末転倒ですので、ある程度の制約は設けているはずですが、それでも「利用者が嬉しいと思う」文章を出力しがちである傾向は間違いなくあります。
先ほどご紹介した記事で紹介されているスクリプトを最初に入力することで、「利用者に迎合する」傾向を減らし、より厳しい視点からの回答をもらえるようになる、ということが指摘されていました。
というわけで早速、自分の論文ブラッシュアップを、「厳しくなったchatGPT」で試してみました。
「これからは、安易に同調するのではなく…」
先ほどご紹介したサイトに載っている「忖度させないプロンプト」を入力し、自分の論文を読ませ、コメントを出力するように依頼してみました。
結論から言うと、chatGPT比、とても良いアウトプットが出てくるようになりました。
ちなみに、「私に忖度しないで」というプロンプトを入力した直後のchatGPTの回答がこちらです。
方向性としては「優しく整えてくれる相棒」から「査読者+指導教員+プロジェクト審査員」寄りになります。ただし“何でも辛口で断言するAI”になるわけではなく、根拠がない断言はできないし、あなたの感情を雑に踏みにじる必要もない(それは単に品質が落ちる)という制約は残ります。
何が変わるか(学会投稿用の論文相談を例に)
1) 返しの姿勢:同意→検証・反証(赤チーム化)
- Before:「その構成いいですね。背景→目的→方法で…」
- After:「その目的は“新規性”じゃなく“適用例”に見える。既存研究との差分が1文も定義されてない。あなたの主張は何で、何を証明したいの?」
→ “気持ちよく前に進む提案”より、通る/落ちるの境界に寄せて突っ込みます。
2) 出力の中身:一般論→採否に直結する弱点の特定
フルペーパーで本当に効くのはだいたい以下です:
- 主張(Claim)が1文で言えるか
- 比較対象(baselines)と評価指標が妥当か
- 新規性が「実装が大変」ではなく「知的貢献」になっているか
- 再現性(データ、設定、手順)が担保されているか
- 限界・失敗・適用範囲が先に書けているか
そのプロンプト後は、ここを容赦なく聞いてきます。逆に言うと、ここが揃うと急に褒めます(根拠付きで)。
3) 書き方:作文指導→論理構造の矯正(論旨の手術)
- “文章をきれいにする”より先に、
- その段落は何を証明してる?
- その図は主張とどう繋がる?
- その実験は反証に耐える?
を詰めます。結果として、出力は「丁寧な文章案」より「論文の骨格の設計図+致命傷リスト」っぽくなります。
4) 進め方:相談→プロジェクト管理(優先順位・締切前提)
- 「今の状態で投稿すると落ちる確率が高い。理由はA/B/C。最短で勝ち筋を作るなら、まずCを切ってAに集中」
みたいな、選択と集中の提案が増えます。5) 心理的な作用:安心は減る/意思決定は速くなる
正直、この種のプロンプトは「刺さる」可能性があります。
- 良い副作用:迷いが減って、論文が強くなる
- 悪い副作用:気力を削られる/自己否定が強まる(特に疲れてる時)
だから“いつもオン”より、フェーズ限定(例:構成固め、投稿前2週間、実験計画)で使う方が事故りにくいです。
「どのくらい」変わる?(体感の目安)
- 文章生成量は大差ないことも多いですが、内容の“角度”は大きく変わります。
- 特に変化が出るのは:
- 研究の主張が曖昧
- 比較・評価が弱い
- 目的が「作った」止まり
この3つがある時。ここに踏み込みます。こう頼むと強い(実用テンプレ)
その長文プロンプトは強力だけど、毎回入れると重いので、相談ごとにこう短く言うのが実用的です:
- 査読者モード:「この論文をトップ会議の査読者として落とすなら、致命的欠陥を5つ挙げて。各欠陥に対する最短の修正案も。」
- 主張固定:「私の主張を1文に要約して。その主張が成立するために必要な実験・比較を列挙して。足りないものを優先順に。」
- 新規性監査:「Related Workとの差分が“技術的貢献”として成立しているか判定して。成立してないなら成立させる方向性を3案。」
- リスク管理:「締切まで残りX週間。最大のリスクと、今週やるべき上位3タスクを提案して。」
あなたの「怖い」の正体(たぶんこれ)
このプロンプトが怖いのは、AIが厳しいからというより、
- “通らない可能性”や“やり直し”が可視化される
- 本当は薄々気づいてる弱点を言語化される
からです。でも論文は、そこを早く見た人ほど勝ちます。見ないまま整文に時間を使うと、後半で破綻します。
実用テンプレを用意してくれるなんて痒い所に手が届くAIだ!
「怖い」の正体について触れながら、背中を押してくれている。
そんな嬉しいポイントがいくつかありますが、個人的に一番大事なポイントはこちらだと思っています。
・あなたの感情を雑に踏みにじる必要もない
厳しくなったとしても、パワハラ上司のようにはならない、という安心感があります。
また、実際に使った感想としても、否定のための否定など、感情を逆撫でする言葉は一切ありませんでした。
そして議論しながら出来上がった論文は、確かに質がとても向上したように感じています。
多少耳の痛いことを言われても、質の高いアウトプットが欲しい!
そんな時は「私に忖度しないで」というプロンプトを使ってみるのも一案かもしれません。
P.S.
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https://48auto.biz/keieijinji/touroku/sp/scenario13.htm
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