Contents
ChatGPTの特徴と検索エンジンとの違い
ChatGPTとよく耳にするけど、一体何者なのか。
検索エンジンとは何が違うのか。
よく分からない方も多いのではないでしょうか。
ChatGPTは指示や質問を入力すると、まるで会話をしているかのような回答を生成する対話型AIチャットサービスです。
対話型というのがChatGPTの特徴であり、検索エンジンと大きく違うところです。
またChatGPTは情報を検索するだけではなく、文章の作成・要約、データの分析、翻訳や立案までこなすことができます。
それでは、ここでChatGPT(無料のGPT3.5モデルを使用)に自己紹介をしてもらいましょう。
ChatGPTの自然言語処理能力について
こんにちは。私はChatGPTです。
GPTは『Generative Pre-trained Transformer』の略で、OpenAIによって開発された大規模な自然言語処理モデルです。
私は、英語を中心に多くの言語を理解し、自然な言葉の生成や文章の理解など、様々な自然言語処理のタスクを実行することができます。
私は、語学学習やコミュニケーションのサポート、知識の検索や分析など、さまざまな用途に活用されています。どうぞよろしくお願いします。
自然言語処理という言葉になじみがないので、質問したところ、以下の回答がありました。
自然言語処理モデルは、人間の言葉を処理し、理解し、生成することができる人工知能の一種です。
自然言語処理モデルは、テキスト、音声、およびその他の形式の自然言語データを入力として受け取り、そのデータを解析、理解、生成することができます。
多くのテキストデータを学習しているため、何をどこまでできるのか、が未知数のツールです。1億人にも達したと言われている世界中のユーザーが使用しながら、自分が発見したことをSNSで共有しています。
みんなで使い方を探るという方法も今の時代に合っているのかもしれません。
プロンプト: ChatGPTとのコミュニケーション
ChatGPTに入力する指示を「プロンプト」と言います。
どのようなプロンプトを入力したら、どのような情報をChatGPTから引き出せるのか、を把握することが効率的に情報を引き出すための鍵になります。
AIとの間でもコミュニケーション能力が問われる時代になってきたことになります。
筆者は、その仕事に関して何の予備知識もないという初対面の方に、突然仕事を頼むという特殊な状況を想像してプロンプトを書くように心がけています。
プロンプトを書くときに考慮している点は以下のとおりです。
- 具体的な指示を出す: 何を求めているのかを具体的に指示すると、ChatGPTがユーザーの要求を理解しやすくなり、出力の精度も上がります。
- 役割を与える: ChatGPTに役割を与えることで、誰視点の情報を提供すればいいのか、ChatGPTが判断しやすくなり、効果的な対話ができるようになります。
- 指示を編集して聞き直す: 想定していたものと違う出力があった場合、指示を編集して再度聞き直すことで、正確な回答を得られるようになります。
最適なプロンプトを使用することで、ChatGPTとのコミュニケーションがスムーズになります。ChatGPTの苦手なこと・注意点
最適なプロンプトを書くためにはChatGPTが苦手なことを把握しておく必要があります。
プロンプトを書くにあたってChatGPTが苦手だと筆者が感じたのは以下の点です。
- あいまいなプロンプト
- 複数の解釈が可能なプロンプト
- 一つのプロンプトにいくつも指示の入っているもの
あいまいなプロンプトや複数の解釈が可能なプロンプトでは、こちらの求めた結果が生成される可能性が低くなります。
また、一つのプロンプトにいくつもの指示が含まれる場合は、ChatGPTが混乱する場合があります。
必要な情報だけを含めた簡潔なプロンプトを入力しましょう。
またChatGPTを使用するには以下の注意点を理解することが大切です。
- 同じ質問をしても回答が毎回違う
- ChatGPTが学習しているのは2021年までのデータであるため、それ以降の情報については不正確な回答が生成される可能性がある
ChatGPTからの回答を利用する際には、必ず事実確認をしてください。
また現時点では、今までどおりの方法で最新の情報(天気予報など)を入手した方がいいでしょう。
それでは、実際にChatGPTを動かしてみましょう。
初めてお使いになる方は、OpenAI社のChatGPT公式サイトから「try ChatGPT」をクリックし、サインアップしてください。
ChatGPTをソロブレインストーミングに使ってみよう
ChatGPTと対話を進めることで、企画立案やアイディア出しをすることができます。
相手がAIなので、人を集める必要もなく、時間も場所も選びません。
ソロブレインストーミングする際に効果的なプロンプトの選び方から、具体例まで紹介します。
活用術その1 タスク設定型プロンプト
まず、シンプルなタスク設定型プロンプトを用いて、ざっくばらんなアイディア出しを試みましょう。
例えば、「あなたは人事担当者で、新人研修のプログラムの立案をしなくてはなりません。
新人研修のプログラムに組み込むべき内容やアクティビティをあげてください」と打ってみます。
シンプルではありますが、ChatGPTに役割を与え、求める回答が分かりやすいプロンプトになっています。
回答内に気になる内容や言葉があれば、どんどんChatGPTに聞いてみましょう。
それでは、新人同士の交流にはどのようなイベントやアクティビティが適しているかを聞いてみましょう。
このように対話を進めることで、広い範囲から徐々に狭い範囲に向かって深堀りをしていくことができます。
まずは、いくつかアイディアを出して欲しい時やアイディアが何となく浮かんではいるけど、具体的に言語化しづらいという時に、このようなタスク設定型プロンプトを使用するといいでしょう。
活用術その2 専門家招集型プロンプト
次に、人事コンサルタント2名を招いて、会議形式でアイディアを練り上げていく方法を紹介します。
「あなたは人事部の担当者です。新人研修のプログラムを考えています。プロの人事コンサルタント2名と新人研修について会議をします。プロのコンサルタント2名のペルソナを決めて、会議を始めてください」とプロンプトを打ちました。
早速、ChatGPTがコンサルタント2名のペルソナを決定してくれました。
それでは、会議を開始します!まずは鈴木さんに聞きます。
続いて、田中さんにも聞いてみます。
二人にプログラムの作成を依頼すると10日間にわたるプログラムを提案してくれました。
その一部です。
【Day 1-2】
- 企業理念や価値観の理解のための基礎研修(1泊2日)
- 講演やグループディスカッション、ワークショップなどを通じて、企業の理念や価値観を理解する
- チームビルディングや交流会を通じて、社内の人間関係の構築を図る
さらにアイディアを具体的にしていきましょう。
プログラムは10日間と決まりましたので、今度はスケジュールに落とします。
「各日、スケジュールに落としていただけますか?」とプロンプトを入力しました。
案として出てきたのがこちらです。
アイディアがさらに具体的になり、ワークショップの内容やグループワークの議題まで提案してくれました。
GPTは自然言語処理モデルですので、出力された情報は取捨選択することをおすすめしますが、具体化されたアイディアと議論中に出てきた情報は参考になるのではないでしょうか。
さらに鈴木さんと田中さんのお二人にディスカッションをしてもらうプロンプトも紹介します。
「このあとは、ソクラテス式問答法で鈴木さんと田中さんのディスカッションを進めてください。それぞれの発言の前に名前を入れて下さい」と入力すると…
二人の議論が終わったタイミングで田中さんにカルチャートレーニングについて聞いてみました。
鈴木さんにも同じ質問をすると…
鈴木さんは田中さんとは別の視点から意見を出してくれました。
このように、アイディアに多面性を持たせたい場合にも複数のエキスパートを招くプロンプトは有効です。
ダイバーシティに関する意見出しなどであれば、その組織に不足しているペルソナをChatGPTに作ってもらい、会議をさせてみるような使い方もできるでしょう。
活用術その3 Q&A型プロンプト
ある程度、引き出したい情報の方向性が定まっている場合は、エキスパートと1対1でQ&Aセッションを開くプロンプトを使うと効果的にアイディアを引き出せます。
ChatGPTとユーザーの役割を決定し、聞きたい内容を入力したうえで「私が質問したら、答えてください。」と追加してください。
「あなたは優秀なプロの人事コンサルタントです。私は人事担当者です。
私は新人研修のプログラムについて、あなたにアドバイスをいただきたいです。
私が質問したら、答えてください。始める前に疑問があれば、お知らせください」とプロンプトを打ちました。
「どのような質問がありますか?」と聞かれたので、モチベーションの下がっている新人に効果的なプログラムの内容を聞きました。
いくつかアイディアを出してくれたので、それをベースに研修プログラムの作成をお願いしたところ
5日間にわたる研修プログラムの提案がありました。
画像はその回答の一部ですが、たった数分でピンポイントの要求に沿った提案まで落とし込んでくれました。
いかがでしたか?
まずは大まかな立案や企画でいいのか、ある程度は具体化された立案であるべきなのか、ピンポイントの目的に沿った立案が必要なのか、状況に応じて使用するプロンプトを選んでいくと、ChatGPTを使用したブレインストーミングもより効率的になるでしょう。
慣れるまでは、シンプルなプロンプトを使って対話をしながら、進めるのがいいかもしれません。
また本記事で紹介したプロンプトについて、同じような回答が得られやすいように工夫してはいますが、ChatGPTの特性上、全く同じ結果を得るのは難しいと思われます。
その場合は出力が求めているものに近づくように、プロンプトを修正してみてください。
試行錯誤しながら使い続けていけば、ChatGPTはきっと皆さんの強い味方になってくれるはずです。
まとめ
ソロブレインストーミングに活用できるプロンプトを3つご紹介しました。
タスク設定型プロンプトでは、ざっくりとしたアイディア出しから始めて、ChatGPTと対話を重ねながら、深堀りをしていくことができます。
専門家招集型はアイディアを具体化させたい場合やアイディアに多面性を持たせたい場合に有効です。
Q&A型プロンプトは目的が定まっている場合に使うと求めた回答が得られやすいでしょう。
状況に応じて、最適なプロンプトを選択し、効率的なソロブレインストーミングを実現しましょう。