
AIの発展により、私たちの日常生活は大きく変わりました。
特にchatGPTのような自然言語処理AIによる影響は計り知れません。
今ではニュース番組等でもAIが生成したコンテンツが使われることもありますし、その影響を受けない日はないのではないか、という気すらします。
私個人としても、AIのおかげでいろいろなことが便利になりました。
たとえば英語。
英語の読み書きが圧倒的に楽になったおかげで、論文を読むスピードやメールを打つスピードもぐんと早くなりました。
英会話スキルの向上も、生成AIと話すことが一つの訓練になっています。
他にも実験のためのプログラムを書くときなどは、おそらく作業スピードは5倍以上。
「億劫だな・・・」と思いなかなか腰が重かった内容にもすぐに立ち向かえるようになった、と言うことを考えると、その効果は10倍以上かもしれません。
ある日突然「生成AIなしで」と言われてしまったら、私の生産性はどこまで落ちるのか、とても怖いところがあります。
そんな便利なAIですが、実は私たちの生活を便利にする以外の活用方法についても研究が進められています。
そのうちの一つが、人間の思考回路を明らかにすること。
たとえば、解くために「頭の中で画像をイメージする」必要がある、という問題を、自然言語を対象としたAIに解かせたらどうなるのでしょうか。
もし本当に画像をイメージしなければ解けないのだとすれば、言語しか扱うことができない自然言語処理AIは解くことができないはずです。
そんな問題について検証した結果が、こちらの論文にまとめられています。
【Artificial Phantasia: Evidence for Propositional Reasoning-Based Mental Imagery in Large Language Models】
https://arxiv.org/abs/2509.23108
対象となるのはたとえばこんな問題です。
(図は論文より引用)
大文字の「D」を想像してください。
次に、その図を左に90度回転してください。
その図の下中心に、「J」をくっつけてください。
そんな指示に合わせてイメージされた図は、おそらく傘のような図になっているものと思います。
多くの人は、そして私自身も、このような問題を解くときには頭の中で「Mental Image」部分に記載されているような図を思い描いているはずです。
でも実は、言語しか扱えないはずのAIモデルも、この問題を解くことができる、と言うのがこの論文の結論でした。
しかも驚くべきことに、人間の平均的な正解率よりも、AIの正解率の方が高かったのだそうです。
このことは、こういった問題が「言語だけで解くことができる」ことの根拠として考えられます。
もし私たちが「頭の中でイメージはせずに、この問題を解いてください」と言われても、本当にイメージしないことは難しいタスクであるはずです。
おそらくどんなに「やめよう」と言い聞かせてもイメージしてしまいますし、何よりも本当にイメージしていないか?ということを確認する術はありません。
でも、AIならば?
本当にイメージを使わずに言語の力だけで解いた、と言う検証をすることができます。
こういったAIによる人間の思考回路を明らかにしようとする試みは他にもたくさんあります。
AIの進歩によって、人間のことも明らかになっていく。
高性能なAIだからこそ。
たくさんの活用方がまだまだ隠されていそうです。
P.S.
↓メルマガの新規登録はこちらから↓
https://48auto.biz/keieijinji/touroku/sp/scenario13.htm
(スマートフォンよりご登録いただけます)