「AIを使うと捗る!」という感覚は間違っていた?

AIを使うことでとっても作業が効率化できる!そう喜んでいたのですが、実は違うのかもしれません

  

生成AIが出てきて、私の研究生活はガラッと変わりました。

まず、最新の論文を探すとき。

これまでは論文がまとめられているWebサービスにキーワードを入力して探していたのですが、新たにchatGPTを使う方法が追加されました。

「○○について調べたいのですが、最新の論文を情報源と一緒に提示して欲しい」

そんなお願いをするだけで、たくさんの論文を提示してくれます。

しかも、気になる論文があれば、概要を日本語訳してくれたり。

さらには論文全体をまとめるのもお手のものです。

新しい情報を取得するためのコストは格段に小さくなりました。

 

次に実験を行うとき。

私はVSCodeと呼ばれるプログラミングのソフトを使っているのですが、その中でもAIは大活躍です。

「#このデータをクラスタリングする」

のように、やりたいことを書くだけで、その内容を綺麗なプログラムとして実装してくれます。

ウェブ上にたくさんある「プログラミングのプロフェッショナルのデータ」を学習しているためか、私が書くようなスパゲッティコードとは比べ物にならないほど綺麗なプログラムが生成されます。

研究を進めながら勉強もできて、一石二鳥です。

 

そして論文を書くとき。

英語の基本的な文法ミスをすることはめっきり少なくなりました。

というのも、書いたその直後から、英文校正アプリが私のミスを見つけてくれるからです。

英語スキルの低さによるミスだけでなく、単純なタイピングミスまで発見してくれるので本当に助かります。

 

そして英語のメールを書くとき…。

翻訳アプリが助けてくれるのはいわずもがなです。

 

そんな大便利なAIたちを使って、私は自分の研究スピードや仕事のスピードが上がった!と思っていました。

しかしそれは勘違いで、むしろ生産性は落ちている、という論文が発表されていました。

【Measuring the Impact of Early-2025 AI on Experienced Open-Source Developer Productivity】

https://metr.org/Early_2025_AI_Experienced_OS_Devs_Study.pdf

AIの影響を評価している非営利団体であるMETR(https://metr.org/)が発表しています。

何らかの論文誌に採択されているわけでもないため、内容をそのまま鵜呑みにすることはできません。

ですが、とても面白いことが書いてありました。

 

曰く、

・システム開発者をランダムに分けて、AIを使うグループと使わないグループに分けた

・システム開発者はAIを使うことによって作業スピードが20%短縮されると考えていた

・しかし実際は、むしろ19%作業効率が落ちていた

 

とても驚きです。

こんなに便利なAIなのに、使った方が作業時間がかかるだなんて!

詳しい内容を見てみると、AIを使うことによって、AIの出力を待つアイドル時間が増えるですとか、さまざまな考察や分析がなされていました。

もしかすると、AIを使うことのメリットが比較的少ない、プログラミングのプロフェッショナルたちが実験の対象だったのかもしれません。

 

AIによって作業は効率されるのか。

その結論はさておき、自分たちが感じていることが必ずしも正確ではないかもしれない、と言うことは常に頭に入れておいても良さそうです。

 

P.S.

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大学にてデータサイエンスを学ぶ傍ら、多くの人にデータ分析の面白さを伝えたいと日々奮闘中。