
はじめに
多くの人が苦手としているであろう物事の習慣化。
明日から早寝早起きをしようと心に決めても、大体三日坊主で終わってしまいますよね。
たとえ長く続いたとしても、1週間や2週間程度が限度でしょう。
せっかく習慣化しようとしても継続できなければ、「やっぱりダメだったか・・・」と自己肯定感が下がり、挑戦するだけ損をしているかもしれません。
しかし、ポイントさえ押さえていれば、途中で挫折する可能性を限りなく0に近づけ、生活の充実度を着実に上げることができます。
そこで今回は、以下の内容について解説していきます。
- 習慣化とは?
- 習慣化に失敗する5つの原因
- 習慣化する5つのメリット
- 習慣化するための9つのコツ
習慣化するための9つのコツは様々なことに応用が可能で、私生活にも仕事にも十分に活かせます。
一つひとつの行動が習慣化されれば生活の充実度がグッと上がりますので、時間を有意義に使いたい人こそ、ぜひ参考にしてみてください。
習慣化とは?
習慣化とは、毎日30分ジョギングをしたり、朝食に果物を摂るなどの行動が、意識しなくても自然に行われるようになることです。
必要な期間としては2週間から21日かかると言われますが、実際には個人差があるため一言で言い表すことはできません。
ただ、一般的には21日から66日、あるいは3週間から3ヶ月の期間が必要だと言われています。
これには、行動の難易度やモチベーション、環境や個人の性格などの要因が関わります。
例えば、毎朝コップ一杯の水を飲むという簡単な行動は短期間で習得しやすいですが、毎日30分の運動という難しい行動は、より長い期間を必要とする可能性が高いです。
また、性格的な面では、自制心が強い人や目標達成の意欲が高い人ほど習慣化しやすいと言えます。
このように、どのくらいで習慣化できるのかは、その人の置かれている状況によって全くもって変わってきます。
同じように考えると、習慣化に失敗する原因も人によって異なるわけですが、物事を続けられなくなる原因は、ある程度明確になっているため、いくつかの主な原因に絞ることができます。
では、習慣化に失敗してしまう主な原因について深掘りしてみましょう。
習慣化に失敗する5つの原因
習慣化に失敗する主な原因は、以下の5つです。
- モチベーションが続かない
- 目標が高すぎる
- 完璧を求めている
- 環境が整っていない
- 人間の脳は安定を好む
原因は、必ずしも一つであるとは限りません。
何度挑戦しても中々習慣化できないという人は、いくつ当てはまるか考えながら見てみてください。
①モチベーションが続かない
習慣化できない一番の原因は、モチベーションが続かないということでしょう。
初めはやる気があっても、2日3日と日が経つにつれて徐々にやる気を失っていく。
これがよくあるパターンの一つです。
なぜ、このようなことが起こるかというと、内発的動機づけが不足しているからです。
内発的動機づけとは、興味や関心、意欲や情熱といった、行動の要因となる内面から湧き出る動機づけのことです。
- もっと健康になりたい
- もっと仕事ができるようになりたい
- もっと人を笑顔にしたい
というような、内に秘めたる強い思いがないと、モチベーションは維持できません。
「モチベーションが上がらなくて続かないんです・・・」と言っているほとんどの人が、なぜその行動を習慣化しようと思ったのかを具体的に説明することができません。
つまりは、心からやりたいことではないのです。
このような人は、やり方を変えても習慣化を成功させることは難しいため、本当に習慣化する必要や意味があるのか改めて考えなければなりません。
②目標が高すぎる
モチベーションは高い方が良いですが、目標が高すぎる場合は却って習慣化が難しくなります。
その理由は、以下の通りです。
- 達成感が不足する
- 挫折感が増加する
- 日常生活に組み込むのが難しい
- 内発的動機が失われやすい
- 外発的動機に依存してしまう
例えば、「毎日10kmランニングをする」という高すぎる目標は初心者には過度な負荷となり、すぐに挫折する可能性が高いです。
たとえ、高いモチベーションを持っていたとしても、精神的にも肉体的にも過度なストレスとなることはそう長くは続きません。
このような場合は、現実的かつ具体的な小さな目標を設定することが重要です。
そうすれば、達成感を感じやすく、持続可能なペースで習慣化させることができるようになります。
③完璧を求めている
完璧主義の人は、高すぎる基準を持っているため、習慣化が中々進まないことが多いです。
具体的には、達成困難な目標設定をしたり、小さな進歩や部分的な成功を評価しない傾向にあります。
このような場合、十分な達成感が得られず、徐々にモチベーションが下がってしまいます。
また、自己批判的になる傾向もあり、小さな失敗や一回のミスで諦めてしまうこともあります。
自分に厳しくすることは自己成長に繋がるため悪いことではありませんが、行動を習慣化する上では障害となることが多いです。
運動習慣を例に挙げると、完璧主義の人は以下のように考えてしまいます。
- ”毎日欠かさず”ランニングをする
- 一日休んだだけで自分を強く責めて、もう続けられないと感じる
- 毎日の運動内容や時間を”厳密に”決める
- プレッシャーを感じて運動そのものが楽しめなくなる
- 最適なランニングシューズやウェアが揃うまで運動が始められない
このような偏った考え方を変えるには、現実的な目標設定や柔軟な計画、楽しさの重視などが必要です。
④環境が整っていない
環境は行動を支える重要な要素ですので、適切な環境が整っていない場合は新しい習慣を形にするのが難しくなります。
具体的な影響は、以下の通りです。
- 物理的な障壁:アクセスが難しく、移動時間や手間がかかる
- 時間の制約:仕事や家庭の予定が不規則であったり、忙しすぎるがために時間の確保が難しい
- 誘惑が多い:ゲームやスマホ、友人や同僚からの誘い
- サポートの欠如:家族や友人の協力が得られない
- 生活習慣の影響:既存の習慣と競合する
- 日常生活の不安定さ:引越しや職場の変化など不安定な環境である
どんなにモチベーションが高くても、環境が整っていなければ習慣化は上手くいきません。
例えば、毎日10分運動すると決めても、周りの人から毎日のように飲み会に誘われては、断ることができずに運動を後回しにしてしまうかもしれません。
実際のところ、「テレビやYouTubeを見ていたら寝る時間になり、やろうとしていたことができなかった」という人も多いのではないでしょうか?
このような人は、モチベーションを高めたり目標設定をするよりも、環境を整えることが最優先です。
ビジネスシーンでは、プラスを多くすることと、マイナスを少なくすることは同じぐらい重要だと言われますが、習慣化においても同様です。
モチベーションを下げたり、行動に移せなくする要因を少なくすることで、自然とやるべきことに集中できるようになります。
⑤人間の脳は安定を好む
人間の脳は、エネルギーを節約し、安全を確保するために安定を好む傾向にあります。
そのため、新しいことを習慣に取り入れるというのは、そもそも簡単なことではないのです。
脳の仕組みを詳しく説明すると、以下のようになります。
- 新しい習慣を形成するには新しい神経経路を作る必要があり、これには多くのエネルギー消費を必要とする
- 新しい習慣は未知の要素が多く、不確実性が伴うため抵抗感を感じる
- 生活の変化を潜在的な脅威とみなす
- 内部環境を一定に保とうとするメカニズム(ホメオスタシス)により、元の状態に戻ろうとする
- 習慣化の過程で増えるストレスや不安などのネガティブな感情を避ける
- 新しい習慣は即時的なメリットが感じられないため、既存の習慣を優先する
- 意識的な注意や努力が脳の負担となる
脳にはこのような仕組みがあるため、誰でも新しいことを習慣化するのに抵抗があって当たり前なのです。
全ての人が苦手だからこそ、目的意識を持ったり、環境を整えることが重要だと言えます。
習慣化する5つのメリット
行動を習慣化するのは大変難しいことですが、その分多くのメリットが存在します。
習慣化の主なメリットとしては、以下の5つが挙げられます。
- 継続力が身に付く
- 効率性が向上する
- ストレスが軽減する
- 自信がつく
- 目標達成しやすくなる
特に、メンタル面や仕事のパフォーマンスにおいてプラスに働き、生活の質の向上に繋がることが多いです。
①継続力が身に付く
習慣化の一番のメリットと言えば、継続力が身に付くことでしょう。
たとえ面倒なことであっても、一度一貫した行動パターンや生活リズムに落とし込んでしまえば、安定して続けられるようになります。
そして、行動の結果として得られるポジティブなフィードバックが、さらなる行動を促進し、継続力を強化します。
例えば、1日30分の運動が習慣化されたのであれば、次は健康的な食事を取り入れたり、睡眠に気を遣えるようになります。
このように、習慣化された行動は、小さな成功体験を積み重ねることで自己効力感を高め、行動を続けるモチベーションになり、長期的な成長に繋がります。
②効率性が向上する
習慣化された行動は、スケジュールの一部として固定されるため時間管理が容易になります。
毎回行動を計画していると実行に移すまでに時間がかかりますが、決まった時間に決まったことをする習慣があることで効率的に一日を過ごすことができます。
例えば、帰宅してから寝るまでのルーチンがない場合、常にやるべきことを考えながら動かなければなりません。
そのため、食事や入浴、明日の準備などの行動一つひとつに膨大な時間を必要とします。
しかし、ある程度やることが決まっていてルーチンが確立されていれば、無意識的に動くことができるため時間を無駄にすることがありません。
このように、考えることなく行動できるということが、一番の時間効率化に繋がるのです。
③ストレスが軽減する
行動が習慣化され、無意識的に動けるようになると精神的なストレスも軽減していきます。
というのも、考えることで生じる疲労やストレスというものが少しずつ減っていくからです。
毎日の生活には多くの選択が伴いますが、これが積み重なると脳は「意思決定疲労」を引き起こします。
- 夜になると頭が働かなくなる
- 朝の方がクリエイティブな発想ができる
このような人は、意思決定疲労を感じている人です。
しかし、行動が習慣化されてしまえば、考えることなく自動的に行われるようになるため、意思決定による精神的な負担が軽減されます。
また、習慣化は一貫性をもたらし、達成感と自己効力感を高めます。
例えば、定期的な運動や読書などの習慣を維持することで達成感が得られ、「また明日も頑張ろう!」というポジティブなフィードバックループが形成されます。
このような達成感や自己効力感がストレスに対する抵抗力を強化し、日常生活のストレス軽減に繋がるのです。
④自信がつく
行動が習慣化されると、自己評価が向上し、様々な挑戦に対して積極的かつ前向きな姿勢を持てるようになります。
もとから自信に満ち溢れている人もいますが、そうでない人は「良い流れ」を作ることが重要です。
一度喜ばしいことがあれば気分が上がり、物事に積極的に取り組みやすくなるものです。
反対に嫌なことがあれば、モチベーションは下がり、物事は上手くいかなくなります。
習慣化ができるとなぜ良い流れになるのか?というと、達成感の積み重ねや自己効力感の向上、自己管理能力の向上、スキルの向上といったものが得られるからです。
- 定期的に運動したことで体力が向上した
- 毎朝早起きしたことで時間の使い方が改善された
- 毎日勉強したことで仕事のスキルが上がった
このような成功体験や能力の向上が、さらなる成功へのモチベーションとなり良い流れができ上がるため、何事にも自信が持てるようになります。
⑤目標達成しやすくなる
習慣化は、持続的な努力を可能にするため目標達成しやすくなります。
一部の才能ある人を除いて、ほとんどの人が持続的な努力なくして目標を達成することはできません。
試験直前になって焦って勉強をするように努力が単発的である場合、思ったほど成長できなかったり、途中で挫折してしまうリスクがあります。
では、持続的な努力を可能にするには、具体的にどのような要素が必要なのか?
特に重要なのは以下の6つです。
- 目標に向かって段階的に取り組めている
- 進捗を確認しながら進められている
- 自然と行動に移せている
- モチベーションを高くキープできている
- 計画的に取り組めている
- ストレスやプレッシャーを感じずに取り組めている
これら全ての要素が相互に作用し合うのが「習慣化」というものです。
習慣化により、行動を継続するための強固な基盤が作られることで、着実に目標達成に近づくことができます。
習慣化するための9つのコツ
習慣化するための9つのコツは以下の通りです。
- 習慣化する目的を再確認する
- 自分の性格を理解する
- 達成可能な目標にする
- できたことを記録する
- 周囲に宣言する
- ご褒美を用意する
- 仲間と一緒に取り組む
- 別の習慣と組み合わせる
- 時間と場所を決める
どの方法が自分に合っているかは試してみなければ分かりませんので、一つずつ実践してみてください。
①習慣化する目的を再確認する
まず初めにやることは、習慣化する目的を再確認することです。
これをしないと原動力がなくなるため、結局行動に移さなくなります。
例えば、「早起き」を習慣化させる場合で目的について考えると、
- 有意義な時間を過ごすため
- 朝食を食べるため
- ニュースを見るため
- ジョギングするため
- 早く出社するため
などが挙げられます。
内容はともあれ、上記のような目的があるからこそ早く起きられるのであって、何の目的もない人が早く起きられるようになるわけがありません。
遅くまで仕事をしていて疲れが溜まっている人であれば、寝ていたいという誘惑に負けてしまうことでしょう。
このように、目的のない行動は、誘惑や既存の習慣に負けてしまうのが目に見えています。
人は、「やらないと損をする」「やると良いことがある」という2種類の原動力があるからこそ行動に移すことができます。
先ほどの例でいくと、以下のようになります。
- 早起きをしないと今までの生活を変えられない
- 早起きをすると時間を有意義に使える
この2つの気持ちを強く持つためには、目的を明確にしておく必要があるのです。
なぜ、その行動を習慣化する必要があるのか?
習慣化しないとどのようなマイナスがあるのか?
そして、習慣化するとどのようなプラスがあるのか?
まずは、これらを考えるところから始めましょう。
②自分の性格を理解する
次にやるべきことは、自分の性格を理解することです。
言葉にすると簡単に聞こえますが、意外とできていなかったり、習慣化には関係ないと思っている人も多いです。
これをすることで、個々の特性に応じた最適な方法を見つけられます。
例えば、動機づけのスタイルで考えると、内発的動機が強い人は自分が楽しいと感じていることや興味を持っていることが習慣化しやすく、外発的動機が強い人は目標達成後の報酬や他者からの評価をモチベーションにすると効果的です。
また、自己制御が強い人は、厳格なスケジュールにしたがって行動を習慣化できるのに対し、自己制御が弱い人は、リマインダーや他人との約束などのサポートを受けた方がよいと言えます。
このように、習慣化するには、自分の性格を理解し、それに基づいた戦略を立てることが重要です。
正しく理解しないまま、これから解説するコツを実践しても意味がないため、どのような性格で、どのようなことを苦手とするのか自分なりに自己分析してみましょう。
③達成可能な目標にする
習慣化する際に立てる目標は、達成可能なものにすることが重要です。
達成不可能な高すぎる目標にしてしまうと、失敗の連続を招きやすく、モチベーションの低下に繋がります。
よくある目標設定の修正例は以下の通りです。
- 毎日栄養バランスの取れた食事をする→タンパク質だけは基準値を摂るようにする
- 毎日1つ新しいツールを学び実践する→毎週月曜日は新しいツールを学ぶようにする
- 毎日1時間、業界やトレンドのニュースを調査する→毎日30分は情報収集するようにする
達成可能かどうかは人によって異なるため、自分にとって現実的な目標かどうか考えてから設定しましょう。
達成可能な目標であれば、具体的なスケジュールを組みやすく、ストレスなく進められます。
また、必要に応じて目標を上げることもできますし、長期的に見れば大きな目標達成に繋がる可能性もあります。
初めから目標が高すぎると、達成するはずだった小さな目標すらも叶わずに終わってしまうため、まずは無理のない範囲で行いましょう。
④できたことを記録する
習慣化が上手くいかない人は、できたことを記録するようにしましょう。
記録すること自体は単純な作業ですが、思っている以上に多くの効果が期待できます。
具体的な効果は以下の通りです。
- 進捗の可視化がモチベーションの維持に繋がる
- 達成感を感じ自己効力感が向上する
- 目標の達成状況を見て、計画の修正が可能
- 継続する責任感を感じる
- 定期的に見直すことで成長を実感し、モチベーションが上がる
計画的に実行できているという実感がないと、面倒くさいなと思ったその瞬間からやらなくなってしまいます。
しかし、カレンダーに毎日チェックをつけるように記録していれば、途中で途切れるのが嫌で自然と続けるようになります。
このように、自然と行動に意識を向けるには、記録を可視化することがポイントです。
つい忘れがちな人もスケジュール帳を見れば思い出しますし、それを見るたびに継続する責任感を感じられます。
また、何がどのくらいできたのか詳しく記録することで、次に起こすアクションが洗練されたものになり、より目標達成へと近づきます。
そのため、実際に記録する時は、できるだけ細かい内容を書くことが重要です。
⑤周囲に宣言する
周囲の期待に応えることに価値を感じている人や責任感が強い人は、習慣化することを周りの人に宣言するのもおすすめです。
「これから毎日○○をする!」と宣言することで責任感が生まれ、自然と行動に対する意識が高まります。
自分自身を律することができる人は、目的や目標が明確であれば一人でも続けられますが、律するのが苦手な人は、言い訳をして逃げてしまう傾向があるので、原動力となるものをいくつも持っておくことが必要です。
良くも悪くも、一度周りの人に宣言してしまえば、後に引けない状態となります。
敢えてそういう状態にすることで、周りの人からの期待や監視の目が生まれるため、宣言したことを達成しなければならないというプレッシャーが働き、自分を律する力が強まります。
また、言葉に出すことで目標や習慣がより現実的になり、頭だけで考えているよりも具体的な行動計画を立てやすくなります。
宣言することでストレスを感じてしまう人や内向的すぎる人には向いていませんが、そうでない人は習慣化することを積極的に宣言して、やらざるを得ない環境にしていくのがよいでしょう。
⑥ご褒美を用意する
内発的動機よりも外発的動機の方が強い性格の人は、ご褒美を用意するとよいでしょう。
ご褒美を得ることにより脳内で分泌されるドーパミンは、快楽や満足感をもたらし、ポジティブな感情を引き起こします。
この感情が、次も同じ行動を続けるモチベーションになるのです。
特に、長期間にわたる目標達成には挫折がつきものですが、ご褒美があることで、その困難を乗り越える力が得られます。
また、ご褒美を通じて達成感や成功体験を積み重ねることで自己効力感が向上しますし、行動→報酬→満足感というポジティブなフィードバックループが形成されるため、さらに行動が強化され、習慣として定着しやすくなります。
ただ、これには注意点があり、ご褒美がないとモチベーションが上がらない状態になる可能性があるということです。
運動した後にアイスが食べられるというルーチンからアイスをなくしたときに、はたして運動を続けられるのか?という話です。
外発的動機が強い人は、ご褒美がなくなった途端にモチベーションが下がり、習慣をやめてしまう傾向があるため、早い段階から内発的な動機を見出す必要があります。
⑦仲間と一緒に取り組む
外発的動機が強いタイプの中でも、ご褒美でモチベーションが上がらないという人は、仲間と一緒に取り組むのがおすすめです。
ご褒美の場合は、喜びや満足感を感じるために頑張るというモチベーションですが、仲間がいる場合はお互いに支え合いながら取り組むことができます。
例えば、毎日資格の勉強をするとなった時に、仲間がいれば「あいつが頑張っているんだから自分も頑張らなくちゃ」というモチベーションになります。
このように、一緒に頑張る仲間がいることは精神的に大きな支えとなります。
他にも仲間がいることで得られるメリットは多くあり、まとめると以下のようになります。
- 互いに励まし合える
- 期待し合うことで責任感が増す
- 競争心や連帯感が生まれモチベーションが高まる
- 成功体験が共有でき、さらに意欲的になれる
- グループ内でのルーチンやスケジュールが定まることで行動が定着しやすくなる
- 新しい方法や改善点が共有できる
- 安心感があり、不安やストレスが軽減する
- 楽しさや充実感が増す
これらが相互に作用することで、挫折しそうになっても踏みとどまることができます。
そのため、一人で行わなければならない特別な理由がなければ、周りの人を巻き込んで一緒に取り組んだ方がよいでしょう。
⑧別の習慣と組み合わせる
新しい習慣を定着しやすくするには、別の習慣と組み合わせることも重要です。
というのも、歯磨きのように決まったタイミングで行うものでない限り、忘れてしまうリスクがあるからです。
新しい習慣は、一日の中でいつ、どこで、どんな時に行うのかが定まっていないことが多いです。
「毎日30分は運動しよう」というように、なんとなく決めていては、いつかやらなくなってしまいます。
そのため、既存の習慣をトリガーとして使い、行動を自動化していくことが必要です。
具体的には、以下の通りです。
- 朝、コーヒーを淹れている間にストレッチを行う
- 電車の中で英語のリスニングを行う
- 昼食前に一杯水を飲む
- テレビを見ながら腕立て伏せを行う
- お風呂に入る前に瞑想を行う
- パソコンを起動する前にタスクリストを確認する
- メールチェックした後にデスク周りを整理整頓する
- 午後のコーヒーブレイクの後に散歩をする
このように、既存の習慣に新しい習慣を組み合わせることで、自然に新しい行動が取り入れられ、習慣化がしやすくなります。
⑨時間と場所を決める
既存の習慣との組み合わせが難しい場合は、行動する時間と場所を決めておきましょう。
そうすることで、脳が時間と場所を行動のトリガーとして認識しやすくなり、自動的に行えるようになります。
例えば、朝の決まった時間にヨガをすることで、朝になると自然にヨガをすることを思い出すようになります。
また、ソファで読書をする習慣にすれば、ソファに座ると自然に本を取るようになります。
実際に既存の習慣を振り返ってみると、意外とこのような組み合わせができていることが多いです。
電車に乗って席に座ると同時にスマホを見る人もいれば、帰宅するとすぐにテレビをつける人もいます。
このように、「○○になったら○○をする」というような組み合わせができれば、習慣として持続する確率が高くなります。
トリガーとなるものは多いに越したことはありませんので、「朝9時になったらリビングでヨガをする」というように時間と場所の両方を決めておくのがおすすめです。
まとめ
今回は、習慣化するための9つのコツを中心に、失敗の原因やメリットについて解説しました。
人間の脳は安定を好むようにできているため、そもそも新しいことを習慣にするのは簡単なことではありません。
適当に始めたのでは、ほとんどの人が三日坊主で終わってしまいます。
しかし、今回解説した9つのコツを実践することで、挫折する可能性を限りなく0に近づけることができます。
ポイントは、モチベーションや自己肯定感が自然と高まるような仕組みにすることです。
これができれば、どんなに意思が弱い人でもストレスなく行動を習慣化していけることでしょう。
とにもかくにも、まずは習慣化する目的を明確にすることが重要です。
なぜ、その行動を習慣にする必要があるのか?やらないとどんなマイナスがあるのか?について考えることから始めてみてください。
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