「すみません、花粉症の薬を処方してほしいんですけど…。」
数年ぶりに訪れた内科の病院で、はじめましてのお医者様に状況を説明します。
花粉症とはすでに15年来の付き合いであること。
スギ花粉、ヒノキ花粉、果てはブタクサ花粉を持っていること。
すでに花粉を感じてはいるのだけど、お薬を処方してほしいこと。
友人から勧められ、気づけば2シーズン過ぎてしまった花粉症シーズンも、今年こそは、と意気込んで病院へ。
気づけば、おそらく病院の予約を取ることが最大の困難であった気がします。
一度予約を取ってしまえばこちらのもの。
簡単な問診を経て、無事薬を手に入れることができました。
一生懸命、自分の症状についてきちんと伝えられるようにとイメトレをしてきたのですが、特にそんな必要はなかったようです。
聞かれたことに答えて。
時にはうろ覚えで。
それでも問題なく、処方してもらうことができました。
…ちなみに、数日飲み続けていますが、その効果はかなり高く、くしゃみと鼻の調子と目の痒さがとても改善されています。
飲み忘れて症状が出たことが複数回あったので、薬が効いていることは間違いなさそうです。
ところで、本当は薬の効き目を評価するには、
・薬を飲んだ私
・薬を飲まなかった私
の二人の私を用意して、その状況を確認する必要があります。
ですが基本的に、そんなことはできません。
例えば今回のような花粉症の薬であればすぐに効果が表れるため、例えば今日の私と明日の私を同一人物とみなして比較することはできますが、血圧の薬など、長期間飲むことが必須かつ、効果が出るまでに時間がかかる薬ではどうしようもありません。
それではどうするかと言えば、同じような特徴を持つ人を複数用意し、無作為にグループに分け、片方には処方を、片方には何もしない、という実験をします。
ですがこの実験、厳密に処方グループとそうではないグループに無作為に分けることはとても難しくなってしまいます。
というのも、薬を飲みたいと思うのは症状が出ている人ですし、逆に症状が出ている人に対して「実験だから薬を飲まないでください」というのも人道的にあまりよろしくありません。
その為、機械学習で何とか疑似的に無作為のグループ分けを実施できないか、という研究が多々あります。
例えば機械学習のトップ会議であるNeurIPSでは昨年、こんな研究が発表されていました。
Fair Adaptive Experiments
https://neurips.cc/virtual/2023/poster/71769
(5分ほどの発表スライドが記載されています。)
この論文では、機械学習を援用して、無作為のグループ分けを、効率的にデータを活用できるようにするための手法を提案しています。
薬だけでなく企業の施策や政策、その他影響の多い分野であると考えると、このような研究もまた、直接的ではなくても、私たちの生活を豊かにしてくれるに違いありません。
P.S.
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https://48auto.biz/keieijinji/touroku/sp/scenario13.htm
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