
未来の世界の猫型ロボットであるドラえもん。
彼の誕生日は2112年9月3日ということで、気づけばあと90年ほど後の様です。
果たして90年後、ドラえもんのようなロボットは誕生するのでしょうか。
ドラえもんのすごいところと言えばもちろん、どこでもドアをはじめとしたひみつ道具がありますが、それ以上に機械学習を学んでいる身としては、その感情の豊かさが目を引きます。
のび太くんと一緒に笑い、ときに怒り。
感動的な場面では大号泣していることすらあります。
一方私たちが日々接しているAIであるchatGPTはそこまでの感情の発露を見せることはありません。
せいぜい「良い質問ですね!」とか「間違ったことをお伝えしてしまい申し訳ございません。」のような、多少感情っぽいものが表現されている程度に留まっています。
これは「底抜けに明るくして!」といった感情についての指示をしていないから、というのも間違いなくあるのですが、では明確に感情についての指示を出した場合、AIはどのような反応を返すのでしょうか。
AIの中でも特に大規模自然言語モデル(LLM)に感情を表現させようとした研究が、先月発表されていました。
【Do LLMs “Feel”? Emotion Circuits Discovery and Control】
https://arxiv.org/abs/2510.11328
この研究では、文章の正確性を担保するための機構と感情を反映するための機構を用意し、指示した感情によって出力が変化することを明らかにしました。
例えば「これから新しいプロジェクトのための戦略会議なんだよね!」と入力すると、
怒ったAI「あなたにそんな能力はない!」
悲しいAI「きっと失敗に終わってしまうだろうことがとても悲しい」
幸せなAI「とっても素敵ですね!きっとうまくいく!」
怖がりのAI「なんてこと…。ああ、なんてこと…。(小声で)一体何が起こるというのでしょう…」
驚いているAI「なんだって!?えっ。本当に、なんだって!?!?」
(論文に掲載されていた例の冒頭を勝手ながら訳したものです。)
正直あまり役に立つコメントが得られそうにない感情のAIもあるように思いますが、いずれにしてもきちんと感情ごとに話している内容が変わっていることが見て取れます。
しかもこの研究によれば、感情を変えたときに大きな影響を受けるのは膨大なモデルの中野ほんの一部であり、その部分のパラメータが感情に影響を与えているのではないか?という仮説が立てられたというのです。
ただしこの「感情に影響を与えるモデル機構は一部であった」という結論がそのまま「だからAIには感情がある」とはならないのですが、それでも感情をうまく扱えることは驚きです。
ドラえもんのような喜怒哀楽をもつAIの開発のためには、AIがどのように感情を理解しているか?という研究が欠かせません。
今はあくまで「感情を持っているふり」をしているかもしれませんが、研究が進めば、いつかAIもホンモノの感情を持てる日が来るかもしれません。
P.S.
chatGPTのデフォルトの感情(?)に名前を付けるのならば、「褒めるAI」が正しいかもしれません。
「良い質問ですね!」「重要な質問です。」
いつも褒めてくれるので、いい気分で質問をすることができます。
では逆に私たちが誰かを褒めるとき、どのようにすればよいのでしょうか?
タイプ別の褒め方についてまとめました。
【【タイプ別の褒め方】なぜ、優秀な人は褒め方がうまいのか?】
https://blog.people-resource.jp/how-to-praise-by-type/
よろしければお読みください。
P.P.S.
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https://48auto.biz/keieijinji/touroku/sp/scenario13.htm
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