我が家のお掃除は、もっぱらお掃除ロボットたちが担ってくれています。
人間がすべきことといえば、床に置いてあるゴミ箱を移動させたり、台所のマットを動かしたり。
あるいは、お掃除ロボットが身動きが取れなくなってしまわないように、キャスター付きの椅子を邪魔にならないところに動かしたり。
そのくらいの労力で、後は勝手に掃除してくれるのですから、本当に大助かりです。
ところでこのお掃除ロボット、最近新しい仕事が付加されました。
それは、私の癒しとなることです。
仮に自分が掃除機で掃除をしようとした場合。
その際には、できるだけ効率よく掃除ができるようにルートを考え、一度最適化したと思えば、そのルートを変えることはほとんどありません。
しかしお掃除ロボットは、狙っているのかどうかは分かりませんが、毎回少しずつ、違う動きをします。
まずはそのスタートから。
まっすぐ進むこともあれば、最初から90度右に曲がってしまうこともあります。
とはいえ、右側はすぐ壁なので、すぐに回れ右をすることにはなるのですが…。
障害物にぶつかった時の対応も、何故だかタイミングによって変わっています。
「道を空けろ~!」と言わんばかりに、ぐいぐいと障害物を押そうとする時もあれば(だいたい被害に遭っているのは私の衣文掛けです)、
「ここ違う!」と言っているかのように、すぐに後ろに下がることもあります。
個人的には、椅子の足まわりに入ってしまったときに、右に行ってもぶつかり、左に行ってもぶつかり。
ぐるぐる回った後で、やけくそになってしまったのか、後ろに急発進してぶつかる様が一番かわいく思います。
さっきまでの慎重さはどこ行った!?と突っ込みたくなってしまいます。
ところでこのようなランダム性は時折、機械学習でも必要になることがあります。
例えばパラメータを学習しているとき、常に同じ初期値から学習をしていては、局所解と呼ばれる「狭い視野の中では正しい」解に落ち着いてしまい、真に最も良い解にはたどり着けなくなってしまいます。
一方、いくつかの初期値をランダムに設定することで、いろいろな解を見つけ出すことができ、結果的に最も良い解に落ち着くことができたりします。
更には、商品等の推薦において、いつも同じアイテムではなく、ときおり別のアイテムを推薦することによりユーザの満足度を向上させることができることも知られています。
友人とのやり取りを考えても、多少意外性があるくらいの方が、面白く感じるのと同じかもしれません。
もちろんAIはその設定によっていつも同じ結果を出すことは可能ですが、私たちが人間である以上、時折違った結果を出してくれるくらいの方がちょうどよいのかもしれません。
P.S.
江戸時代のからくり人形も、ときおり失敗する機構を持つものがあるとか、ないとか。
https://news.line.me/detail/oa-japaaan/5b3425f40250
事実はどうあれ、その状況に「愛らしさ」を感じてしまうことは紛れもない事実なのかもしれません。