【仕事で成功する自己PR】ビジネスシーンでの効果的な方法を専門家が解説
今回のテーマは「自己PR」です。「自己PRが苦手で良い評価が得られない」「周りに誤解されがち」という場合は続きを読んでください。
「自己PR」と聞くと、あなたはこんなことを思い浮かべていませんか?
- ガツガツしている。
- 専門性や実績がないとできない。
- お調子者で世渡り上手の方が有利。
- 実力があれば自己PRなんていらない。
- 人前で話すのが苦手な人には不向き。
もし当てはまる場合は、せっかくの成長機会を失っているかもしれません。
結論、今日はそんなあなたにこそお伝えしたい「仕事で成功する自己PR」についてお伝えします。
自己PRを“絶対に”しなくてはならない理由
自己PRを通じて上手に自分の長所や実績をアピールできれば、会社から高い評価を受け、昇進や昇給のチャンスが広がるのは間違いありません。
しかし、自己PRは昇進や給与UPだけではなく、最終的に「やりがい」「貢献」「自己成長」といった人間の幸福度に関わってきます。
だからこそ、自己PRは「できたらいいな」ではなく「絶対にしなくてはいけないもの」なのです。
ただし、自己PRに関してネガティブイメージを持っている場合は、そう言われてもピンとこないかもしれません。
自己PRが苦手な場合は、まず以下の事実を受け止める必要があるでしょう。
自己PRは評価や昇進に影響する
自己PRは、社内における自己評価、昇進スピード、得られる報酬に直接影響します。
あなたが適切に自己PRできれば、自己評価が高まり、報酬が上がることで仕事に対するモチベーションが高まる可能性があります。
モチベーションが上がると、仕事に対する自信が生まれ、作業効率がアップします。
すると、また評価が高まり自分のできることが増えるなど、加速度的に成長していくでしょう。
では、自己PRを怠るとどうなるでしょうか?
社内のあなたに対する評価は、上司の主観に依存することになります。
上司の視点という曖昧な評価軸で、今後のあなたの方向性が決まってしまうかもしれないのです。
どれだけ頑張って成果を出したとしても、たまたま上司の目に入ったあなたの弱点が、評価の全てに影響することもあるでしょう。
例えば、すごく美味しいラーメン屋が誰の目にもつかない路地裏で、何の宣伝もせず、ひっそり営業していたらどうなるでしょうか?
おそらく、近いうちにそのお店は潰れてしまいます。
どれだけ良いものを持っていても、周りに認知されなければ意味がないのです。
そうならないために、ラーメン屋は「宣伝(自己PR)」を行う必要がありますよね。
自分の長所や成果を適切に伝えられる力が、高い評価につながるのは間違いありません。
耳が痛いかもしれませんが、業務を着実にこなすだけでなく、自身の長所や実績を適切に伝える自己PRの力を身に付けることが重要なのです。
健全な自己PRでこそ本当の信頼が得られる
とはいえ、過度な自己PRにはリスクが伴います。
味がそこそこのラーメン屋が、広告の力を使って集客できたとしても、実際に食べた人の舌は誤魔化せません。
時に背伸びをすることは大切ですが、自己PRにはバランスが必要です。
基本的には以下のポイントを意識する事でバランスを整えることができます。
- 既にできている事
- 努力すればできるようになる事
- 頑張ってもそこまでうまくできない事
不健全・過度な自己PRとは、これらの比重が崩れている状態だといえます。
(例)既にできている事を自分で認めていない、努力すればできる事を視野に入れていない、頑張ってもできない事を「できる!」と言い張る、など。
自己PRを健全に行うことで、周囲から「実力があり、かつ謙虚な人物」と高い評価を得られます。
上手な自己PRのための心構え
上手な自己PRを実現するための心構えは、自己表現のスキルだけでなく、内面からの姿勢が重要になります。
以下の点を心がけることで、より効果的に自己PRを行うことが可能です。
<過剰に誇示しない>
自己PRでは、自分の実績や能力をアピールすることが重要ですが、それを過剰に誇示することは避けるべきです。
自己PRの目的は、自分の価値を伝え、相手と良好な関係を築くことにあります。
そのためには相手のニーズに合わせて、自分を上手に見せる必要があります。
例えば、あなたがラーメンを食べたいとします(ラーメンばかりですいません)。
そんな時に、店主が自分の力量を誇示しようとするがあまり、三つ星レストランばりのフレンチを出してきたらどう思いますか?
嬉しい反面、ちょっと違うな・・・となりますよね。
ビジネスにおいて、実績はできるだけ披露すべきだと思いますが、あくまで相手の求めていることを忘れないようにしましょう。
<謙虚さを忘れない>
謙虚さは、人間としての魅力を高めます。
例えば、自分だけの努力や成果ではなく、チームメンバーや支援者の貢献を認めることで、協調性があり、チームワークを重視する人物であるという印象を与えることができます。
また、自己PRで陥りがちなミスは、欠点を隠そうと必死になることです。
隠すという行為は、非言語的なコミュニケーションとして、相手に何かしらの違和感を与えるものです。
だからこそ、自分の限界や改善点についても謙虚に受け止め、正直に話すことで自己成長への意欲を示すことができるでしょう。
本当の自信とは、自分を過大に主張することではなく、自身の実力と限界を理解し、それでも前向きに取り組む姿勢から生まれるものです。
<相手からのフィードバックに耳を傾ける>
他者からのフィードバックに耳を傾けることは、自己成長に欠かせない要素です。
自分の主張だけでなく、他者の意見や評価を受け入れることで、自己認識の正確性を高め、自己改善の方向性を見出すことができます。
フィードバックは時に厳しい内容を含むことがありますが、それに反論するのではなく、何を改善すべきかを考えることが重要です。
このプロセスを通じて、コミュニケーションスキルや問題解決能力など、自己PRにおいて重要なスキルを磨くことができます。
ビジネスシーンでの自己PRのポイント
事前の心構えを理解した上で、自己PRにはいくつかの押さえるべきポイントがあります。
ここでは以下の3つに沿って、自己PRを成功させるための準備をしておきましょう。
- 自分自身の長所と短所を正しく認識すること。
- 相手に合わせてアプローチを変えること。
- 質問したり意見を求めることで、話を広げていくこと。
さらに詳しくお伝えします。
1.自分の長所と短所を正しく認識する
自己PRの第一歩は、まず自分自身の長所と短所を正しく認識することです。
冷静に自分を見つめ直し、克服すべき課題と伸ばすべき強みを把握しましょう。
長所は自信を持ってアピールし、短所については改善点として伝えるなど、うまく取り入れる必要があります。
仮にあなたが自己PRの場で自分の長所として「細かいディテールにも気を配れる注意深さ」を挙げたとします。
この長所を説明する際には、実際に細部への注意がプロジェクト成功にどのように貢献したかの具体例を共有します。
例えば「過去のプロジェクトで、私のこの能力が細かいミスを未然に防ぎ、結果的にチーム全体の作業効率を20%向上させました」という形で具体的な成果を示すことができます。
一方で、短所として「時に細かすぎることに囚われてしまい、大局的な視野が欠けがちになる」と自覚している場合、これをどのように改善しようとしているかを正直に伝えます。
例えば「この問題を解決するために、私は定期的にチームメンバーやメンターとミーティングを設け、戦略的な意思決定におけるフィードバックを積極的に求めています。これにより、細部にこだわることとのバランスを取りながら、より大きな目標達成に向けて効率的に貢献できるよう努力しています」といった具合です。
このように、自分の長所をアピールする際には、それを支える具体的な事例を示し、短所についてはそれを改善するための具体的な取り組みや成長の意欲を伝えることで、バランスの良い自己PRが可能となります。
2.聞き手に合わせてアプローチを変える
自己PRは一つの型にはまらず、聞き手に合わせてアプローチを変えることが重要です。
上司に対しては業務実績を中心に、同僚には人間性をアピールするなど、状況に応じた工夫が必要不可欠です。
「あざとい・・・」と思われるかもしれませんが、人によって価値観も違えば、考え方も違います。
自分の良さをしっかり伝えるためには「相手に伝わる方法」で伝えなくては意味がないのです。
相手の立場に立って、自己PRのポイントを絞り込みましょう。
3.質問したり意見を求めることで話を広げる
自己PRは、一方的に行うだけだと逆効果です。
聞き手に質問を投げかけたり、意見を求めることで、対話を広げましょう。
<会話例>
自分: 実は最近、プロジェクトでチームリーダーを務める機会があって、その経験からコミュニケーションの重要性について多くを学びました。
特に、メンバーの意見を集約し、一つの方向性にまとめ上げる過程で、自分なりの方法を見つけ出すことができた気がします。
相手: へぇ、具体的にどのような方法を見つけたんですか?
自分: たとえば、週に一度、メンバー一人ひとりの進捗報告と共に、その週に感じた課題や提案を共有する時間を設けました。
この時、私からも進捗や課題を共有し、皆で解決策を考えることで、チーム全体の協力関係を深めることができたんです。
ちなみにこのアプローチについて、どう思われますか?
・・・など、自分の行ったことをPRしながらも、決して押し付けることなく相手の価値基準を確認することで理解を深めていきます。
自己PRとは、一方的に行うものではなく、対話を通じて相手の理解を深める作業なのです。
効果的な自己PRの具体例
さて、理論上の自己PRのポイントは分かっても、実際にどのようにすればいいか分からないことも多いと思います。
続いて、面接、昇進面談、プロジェクトなど、ビジネスの様々なシーンにおける自己PRの具体例を挙げます。
各場面に応じた、効果的な自己PRの方法を身につけましょう。
ケース1:面接での自己PRの場合(初対面の相手へのPR)
面接のように初対面の方に自己PRを行う場合は、相手の「期待感」を調整することが重要です。
相手の期待感を煽ることは、さほど難しくありません。
しかし、期待感には必ず「失望感」が伴うことも忘れてはいけません。
そんな事を言うと「変に期待させて、相手に失望されるのが怖い・・・」となる方は多いのですが、大事なのは相手の頭の中で「〇〇さんは、こういう立場ならうまくいきそうだな」というイメージを調整してもらうことです。
そのために相手に質問を投げかけ、意見を求めながら対話を広げましょう。
(例)自分「貴社の求めていることは〇〇だと認識しています。であれば、私は□□することができます。その反面で△△は苦手分野なのですが、それはどこまで影響しますか?」など。
うまく意思疎通ができれば、自己PRも自然と引き立つはずです。
ケース2:昇進面談で自分の実績をPRする場合
昇進面談は、自分の業績と実績をアピールするための大切な場ですよね。
先の面接との違いは「結果の見せ方」です。
単に業務内容を説明するだけでなく、具体的な数値データや事例を用いて、自分が会社にどれだけ貢献してきたかを明確に示すことが重要になります。
ただし、実績を語る際は事実関係と、その背景にあるロジックをしっかりと説明する必要があります。
併せて、今後の抱負やビジョンについても触れ、今後も活躍が期待できる人物であることをアピールするのがポイントです。
ケース3:プロジェクトでの役割と貢献をPRする場合
プロジェクトの場合、結果以外にも以下を重視します。
- プロセス:単に作業内容を説明するだけでは伝わりにくいため、どのような課題に直面し、どう解決したかをわかりやすく語ります。
- チームメンバーへの賞賛:チームの一員としての自分の役割を明確にすることで、メンバーの成果を評価する謙虚な態度を忘れないことが大切です。
- 細かな進捗報告:自分の役割や貢献を周りに理解してもらうよう、普段から報告や発信を心がけましょう。
これらを伝えることで、最終的な成果発表の場でも、自信を持って自己PRができるはずです。
このようにPRを行う場面と目的によって、伝えるべき内容やバランスは変わります。
補足:自己PRのよくある質問
続いてここまでの内容をまとめつつ、疑問を持ちやすいであろうポイントを質問形式で補足しておきます。
Q1:自己PRで避けるべきことは何ですか?
A:自己PRで避けるべきことは、過剰な自賛、不確かな情報の提供、そして他者の批判です。
これらは聞き手に悪印象を与え、自己の信頼性を低下させる可能性があります。
また、自己中心的な印象を避けるためにも、自己の成果を語る際は、それに貢献したチームや同僚への感謝も表明することが大切です。
Q2:自己PRの際、話す内容に困った場合はどうすればいいですか?
A:もし本当に主張できるポイントが無い感じるのであれば、自己分析を深めることから始めましょう。
自分の過去の経験、成功したプロジェクト、学んだスキル、趣味や興味が仕事にどう影響しているかなど、さまざまな角度から自己を振り返ることが有効です。
また、友人や同僚にフィードバックを求めることで、自分の見落としていた強みを発見することもあります。
Q3:自己PRが苦手な人はどうしたら改善できますか?
A: 自己PRが苦手な人は、まず小さな成功体験から自己PRの練習を始めると良いでしょう。
シンプルに「できた事とその要因、できなかった事と改善点」を述べるだけでもOKです。
自分を低く見積りすぎることなく、事実を伝えてみてください。
また、信頼できる人に対して自己PRの練習を行い、正直なフィードバックをもらったり、コミュニケーションスキル向上セミナーやワークショップに参加するのも一つの方法です。
継続的な自己分析と実践を通じて、徐々に自己PRのスキルを向上させることが可能です。
自己PRのポイントまとめ
では、最後に今回のポイントをまとめます。
- 自己PRはキャリア形成と幸福感を高めるために必要なスキルである。
- 自己PRには、自分の長所と短所を正確に理解し、聞き手に合わせたアプローチが重要。
- 質問を通じて対話を促し、相手の理解を深め、信頼関係を構築する。
- 過剰な自賛や他者批判を避け、謙虚さを保ちながら事実に基づいて自己をアピールする。
- 他者からのフィードバックに耳を傾け、自己成長に繋げることが大切。
- ケースに応じて対応方法を変える。
自己PRとは決して自慢ではなく「あなたの価値を適正に届ける手段」です。
冒頭でもお伝えしましたが、これは1人の人間としての義務です。
今日から少しずつで良いので、周りに伝える練習を始めてみてはいかがでしょうか。