こんにちは。テクニカル・アシスタントの竹内です。
今回は、私が幼少期から大量の本を読んできた分野である「犬」にまつわる話から、企業人としての「優秀さ」について考えてみたいと思います。
なお、テクアシ日記全てに言えることですが、メルマガ内の知識や考えはあくまでも私個人のものや簡単な調査によるものになりますので、「ん?」と思う点についてはあくまで個人の意見としてお目こぼし頂ければと思います。
以前もご紹介しましたが、私は現在ボーダーコリーという種類の犬を飼育しています。
この犬種をある程度有名にしている要因が、「全犬種の中で最も賢い(高IQの)犬種である」ということです。
盲導犬や警察犬になるレトリバーやシェパードなどを差し置いて、多くのランキングで1位とされているのがこの犬種です。
このことはブリティッシュ・コロンビア大学のStanley Coren教授による研究で証明されており、「知能の高い犬種ランキング」「知能の低い犬種ランキング」といった結果が示されています。
この中で「知能の低い犬ランキング」に入ってしまっているのが、アフガン・ハウンドやボルゾイなどなのですが…
これまで私が飼ってきた犬、ドッグランなどで関わる機会のあったたくさんの犬たちを思い浮かべると、「知能が低い」という言い方には、どうも納得しかねるのです。
例えばお友達のボルゾイは、体高が私の腰近くに達し、立ち上がると直立した大人の女性の身長をゆうに超えるほどの体格でしたがとても優しく、小さな犬と遊ぶときは立ち上がらずに伏せたまま相手をする、相手が少しでも嫌がるそぶりをするとすぐに止め、二度と同じことをしない…といった聡明極まりない犬でした。
一方、残念ながらうちの犬は、お散歩中に丸見えの用水路にまっすぐ突き進んで落ちたり、屋台の赤ちょうちんに驚愕してへっぴり腰になったりするので、いかんせん「高IQの犬なんです!」と胸を張って言う気にはなれません。
しかしやはり、ドッグランなどで遊ばせていると、こちらの指示を聞く様子を見て「賢いね」と声を掛けられることが多くあります。
実際に我が家に来て2週間も経たないうちに苦労もせず「オテ、オカワリ、オスワリ、フセ、マテ、ハウス」などのコマンド(犬に出す指示をこう呼びます)を全て覚えました。
現在は、「閉めて」のコマンドで開いているドアを閉めたり、「どいて」のコマンドで道をあけてくれたりします。
つい先月は、インスタグラムで見かけた可愛いコマンド「ほっぺ」(出した手に頬をつけてくれます)を教えようとした所、ものの5分ほど、数回のヒントと繰り返しのみで覚えてしまいました。
このコマンドに対する覚えの速さ、吸収力の高さはやはり、過去触れ合ってきた犬たちと比較しても頭一つ抜けていると感じます。
では、この特長を支えるものは何なのか。
他の犬種との差を考えると、私の結論は「賢さ」というよりも「人間の言葉に対する興味が非常に強く、言うことを聞きたいという欲求がある」という犬側のスタンスに尽きる、というところに達しました。
ボーダーコリーはイギリス原産の牧羊犬であり、人の指示に基づいて羊の群れをコントロールすることを目的として作出された犬種です。
よく「ワーカホリック」と表現されるのですが、仕事をすることについての欲求が非常に強く、多量の運動量も必要とします。
「動きたい!やりたい!指示して!」という気持ちを抑えきれない子が多く、それゆえに盲導犬やセラピードッグ等の落ち着きが求められる仕事には向きません。
これは他の犬種同様、仕事に求められる能力の面で優秀な犬同士を掛け合わせて磨かれてきた、犬種の特性です。
「なんて言っているんだろう?」
「このコマンドの意味は何だろう?」
「こうしたら喜んでくれた、これが正解だ、嬉しい!もっとやりたい!」
「次は何?」
…こういった姿勢が常にあり、非常に積極的なのです。
私の知る範囲の犬を見る限り、表に見える賢さである「コマンドへの反応性能」は、犬種うんぬんよりもこういった犬側のスタンスの影響こそが大きいと感じています。
アフガンハウンドは研究によって賢くないと言われてしまいましたが、性質として頑固でマイペースで誇り高く、束縛や服従を嫌います。
この特徴は、非常に古い犬種であることに加え、狩猟犬のため飼い主の下を離れて自分で考えて獲物を追う役割を求められていた、という歴史があると言われています。
…ここまで考えて、はたと過去の自分の職場の同僚を思い出すのです。
優秀な人間、特に、優秀な部下にはどのような特徴があったか?
思い返してみると、決してそれは学歴や資格の有無と正比例はしていません。
優秀な社員には、特徴として成長が早いこと、仕事の飲みこみが早いことなどがありますが、これは本人が「周囲の言うことに対して聞く耳を持っているかどうか」が非常に大きな影響を与えているのではないでしょうか。
一方、頭はいいはずなのになぜか評価されない社員には、「人の話を聞かない」「された注意を素直に受け入れられない」という性質があることが往々にして見受けられるように思います。
まさに、ボーダーコリーとアフガンハウンドの違いです。
優秀でないと判断されてしまう社員も、決して頭が悪いわけではないのです。
もしかしたら、思い当たる誰かの顔が浮かんでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
現在問題を抱える社員が、その姿勢を切り替えるだけで優秀な社員に変身できるとしたら、本人にとっても会社にとってもそれは大きなプラスです。
そのためにどのように自覚を促し、自主的な変化をもたらすかが悩ましいところですが、そこで役に立つのがコーチングです。
弊社が提供しているコーチングでも、社内の人間の指導を聞き入れない社員が社外の専門家による理論に基づいた提案に耳を貸し、良い変化につながる例が大変多く見られます。
社員と組織双方の成長のためにきっとお役に立てることと思いますので、興味を持たれた方はぜひ一度ご相談ください。
竹内円
P.S.
文中で触れた「聞く耳を持っているかどうか」は、人間でいえば指示に対する反応というよりも「協調性」「柔軟性」という表現が的確であるように思います。
所属する個々人のこういった特性を数値化して見られるエゴグラムも、弊社のサービスの一つとして多くのクライアント様にお役立ていただいています。
よろしければ以下の解説動画をご覧ください。
<エゴグラムっていつ使うの?>SMP for パーソナル 解説動画
https://www.youtube.com/watch?v=PEVAdvn0omU
P.P.S.
今日も最後まで読んでいただきありがとうございます!
メルマガの感想などありましたら、こちらからお聞かせ下さい。
↓
https://keieijinjipartnersytube.typeform.com/to/B8JjDrk5