人間力が高い人はなぜ活躍できる?特徴と高める6つの方法

世の中で活躍している人に共通すること。それは「人間力の高さ」です。人間力が高い人には、どのような特徴があるのでしょうか?

  

はじめに

あなたの会社には、尊敬できる人がいますか?いませんか?

このように聞くと、おそらくほとんどの人が「会社の先輩や上司を尊敬している」と答えるでしょう。

では、そんな先輩や上司は、どのような点が尊敬できるのでしょうか?

  • 実務能力?
  • コミュニケーション能力?
  • マネジメントスキル?
  • 対人能力?
  • 自己管理能力?

人によって様々ですが、少なくともあなたより優れている点が多くあるはずです。

このような優れた能力を多く持ち合わせている人は、俗に「人間力が高い」とも言われます。

世の中で活躍している人は、この人間力に磨きがかかっている人ばかりですので、これからキャリアアップしていきたいという人は、今から高めておく必要があります。

そこで今回は、人間力が高い人の特徴と高める方法について解説していきます。

人間力が高まれば、「あの人すごいよね!」「あの人は能力が高いよね!」と一目置かれるようになるでしょう。

尊敬している先輩や上司のように、憧れられる存在になりたい人は、ぜひ参考にしてみてください。

 

人間力とは

人間力とは?と聞かれて、パッと答えられる人は少ないでしょう。

人として必要な能力?それとも、人として生きるための能力?

このように、なんとなくイメージできても実際に言葉にするのは難しいですよね。

内閣によって設置された人間力戦略研究会によると、人間力とは「社会を構成し運営するとともに、自立した一人の人間として力強く生きていくための総合的な力」と定義されています。

分かりやすく言うと、「個人が自己成長や他者との関係性を築く際に必要な能力や資質の総称」のことです。

具体的には、コミュニケーション能力や自己管理能力、協調性や柔軟性などの様々な能力が含まれます。

つまり、人間力が高いとは、一人の人間として生きていく力や組織の一員として生きていく力が高いということを意味します。

 

人間力を構成する3つの要素

人間力を構成する3つの要素は、以下の通りです。

  1. 知的能力的要素
  2. 社会・対人関係力的要素
  3. 自己制御的要素

 

知的能力的要素

知的能力的要素とは、個人が認知的な活動や問題解決を行う際に必要とされる能力やスキルのことを指します。

具体的に含まれる要素は、以下の通りです。

  • 問題解決能力
  • 分析力
  • 論理的思考
  • 創造性
  • 学習能力
  • 情報リテラシー
  • 記憶力
  • 基礎学力
  • 専門的知識やノウハウ

仕事で必要な知識や技術的なスキル、思考力などは、知的能力的要素に含まれます。

 

社会・対人関係力的要素

社会・対人関係力的要素は、個人が他者との関係性を築き、社会での生活や活動を円滑に行うために必要な能力やスキルのことを指します。

具体的に含まれる要素は、以下の通りです。

  • コミュニケーション能力
  • 共感力
  • 協調性
  • リーダーシップ
  • 交渉力
  • 公共心
  • 相互啓発力
  • 人間関係構築能力

「仕事はできるけど、人との関わり方に問題あり」な人を人間力があるとは思わないですよね?

それは、社会・対人関係力的要素が足りないからです。

知的能力的要素に加えて、人間関係を構築する力があって初めて、人間力があるとみなされます。

 

自己制御的要素

自己制御的要素は、個人が行動や感情をコントロールしたり自己管理するための能力やスキルのことを指します。

具体的に含まれる要素は、以下の通りです。

  • 自己認識
  • ストレス管理
  • 感情制御
  • 衝動抑制
  • 集中力
  • 忍耐力
  • 意欲

これらは、知的能力的要素や社会・対人関係力的要素を高めるための基盤となります。

意欲や忍耐力があるからこそ人は学び続けることができ、感情やストレスをコントロールできるからこそ、他者と良好な関係性を築けるのです。

 

人間力が高い人の5つの特徴

人間力が高い人には、以下のような特徴があります。

  1. 自分のことをよく理解している
  2. 自信を持っている
  3. 他者を想う気持ちが強い
  4. 向上心が強い
  5. リーダーシップがある

「頭の回転が速い」「専門的なスキルが高い」などの知的能力的要素も多く挙げられますが、ここでは、特に認識されづらい社会・対人関係力的要素と自己制御的要素について解説していきます。

 

①自分のことをよく理解している

人間力が高い人は、長所や短所、強みや弱みなど、自分のことをよく理解しています。

一言で言うと、「自己認識が高い」と言えます。

自己認識ができていないと、劣等感や嫉妬心などのネガティブな感情を抱いた時に、それが行動に反映されてしまいます。

例えば、「周りとの実力差を感じ、仕事のやる気がでない」「評価に不満を感じ、態度が悪くなる」などが挙げられます。

しかし、人間力が高い人は、自分の弱みを理解しているため、たとえ失敗をしたとしても他人や周りの環境のせいにせず、失敗を素直に認めることができます。

そのため、感情やストレスのコントロールが上手く、いつでも精神的に安定している状態を維持しています。

 

②自信を持っている

人間力が高い人は自分に自信があるため、物事をポジティブに捉える傾向にあります。

例えば、新たなチャレンジを楽しんだり、目標を達成するために積極的に行動したりします。

元々ポジティブな性格な人もいますが、全員がそうではありません。

多くのことに挑戦して、失敗を繰り返しながら成功体験を積み重ねることで、それが自信へと繋がっていきます。

人間力が高い人は元々ポジティブな性格だと思われがちですが、その背景には並ならぬ努力があるのです。

 

③他者を想う気持ちが強い

人間力が高い人は、家族や友人、同僚など、他者を想う気持ちが強い傾向にもあります。

例えば、相手の言いたいことを汲み取ろうとしたり、人の気持ちに共感したり、周りの人のために動いたりします。

なぜ、このような行動が取れるのかというと、「利他的な思考」を持っているからです。

利他的思考とは、自己の利益だけでなく、他者の利益や幸福も考慮に入れた思考のことを指します。

自己中心的な考え方とは真逆で、「誰かのために何かをしたい」と考えているため、他者の立場や感情に配慮した行動を取ることができます。

 

④向上心が強い

人間力が高い人は向上心が強いため、自己成長や目標達成に向けて前向きな姿勢を示します。

例えば、積極的にセミナーに参加して新しい知識を習得したり、難しい課題にチャレンジして失敗を繰り返したりと、常に自己を向上させようと努力します。

このような行動を取る背景は人によって様々ですが、一般的には以下のような理由が考えられます。

  • 知識や技能の習得、能力の向上に対する欲求が強い
  • 自分の能力や努力によって目標を達成することで自己肯定感を高めている
  • 競争心が強く、他者と比較することでモチベーションを上げている
  • 自己成長や目標達成によって生活の充実感や幸福感を得ている

このように、何かを成し遂げることで得られる「達成感」や「満足感」を重視している人が多いです。

ただ、人は何の目的もなく努力することはありません。

会社のため・チームのため・家族のため・自分のためというように、必ず「目的」が存在します。

具体的には、

  • キャリアアップしたい
  • 収入を増やしたい
  • 成果を出したい
  • チームに貢献したい
  • 家族を幸せにしたい

というような、「○○がしたい」という願望や希望が明確であることが多いです。

 

⑤リーダーシップがある

人間力が高い人は、自分のことだけでなく周りの人にも目を向けられることから、リーダーとしての素質も兼ね備えています。

元々リーダーシップがある人もいますが、実際には、他者からの信頼や尊敬を得ることによって生まれるケースが多いです。

例えば、優れた目標やビジョンを他者に共有したり、実際に行動で示すことでリーダーシップが発揮されます。

前述したように、向上心があり、目標に向かって努力している人のもとには自然と人が集まるものです。

ビジョンや方向性が人に伝われば、周りの人は協力してくれるようになり、チームや組織の結束力の向上に繋がります。

このようにして、人間力が高い人はメンバーのモチベーションを高め、エンゲージメントを促進することで成果を最大化していけるのです。

 

人間力を高める6つの方法

ここでは、人間力を高めるために必要な「意識」や「行動」に関する6つの方法についてご紹介していきます。

人間力は様々な要素で構成されるため、偏りの無いようにバランスよく高めていきましょう。

  1. 理想像を掲げて意識する
  2. 日常的な行動や振る舞いを振り返る
  3. 思いやりの気持ちを持って謙虚に振る舞う
  4. 常に自分に課題を課す
  5. 失敗を恐れずチャレンジする
  6. ポジティブシンキングを意識する

 

①理想像を掲げて意識する

まずは、自分の理想とする姿をイメージして、日々意識することから始めてみましょう。

具体的なやり方は、以下の通りです。

  • 人に優しくなりたい
  • 尊敬される人になりたい
  • 影響力のある人になりたい

このように、ざっくりとしたイメージでもよいですし、両親や上司、偉人や有名人など、実際の人をロールモデルに置くのでもOKです。

自分の理想とする姿や人物をイメージして、それになりきった振る舞いや行動を取るよう意識します。

  • 上司だったら、どうするかな?
  • 先生だったら、なんて言うかな?

というように、「○○だったら〜」と考えることで、新たな自分を確立していくことができます。

大切なのは、人間力の観点で理想とする人を意識することです。

これができれば、たとえ困難に直面したとしても、乗り越えてまた一つ成長することができるでしょう。

 

②日常的な行動や振る舞いを振り返る

人間力を高めるには、自分自身の在り方や行動を変えなければならないため、日々の行いを振り返ることが大切です。

具体的なやり方は、以下の通りです。

  • 毎日の出来事や感情、考えを日記に書く
  • 自己や経験について考えるための質問(自問自答)をする
  • チームやグループ内で反省会や振り返りセッションを行う

このように、過去の経験や出来事に対して客観的に振り返ることで、自分は何が出来て、何が出来ていないかが把握でき、今後どのように対応していけばよいかが明確になります。

例えば、「今日一日の中で、誰かのために何かしたか?」という自問自答に答えが出せなければ、「明日こそは必ず人のために動こう!」という意識に変わるはずです。

もし、振り返りを行わなければ、何も変わらないままズルズルと同じ生活を送るだけとなるでしょう。

人の行動は無意識的な部分が多く、自分では認識しづらいこともあるため、改めて客観的に考える時間を作ることが必要です。

 

③思いやりの気持ちを持って謙虚に振る舞う

人と関わる際は、思いやりの気持ちを持って、謙虚に振る舞うように心掛けましょう。

具体的なポイントは、以下の通りです。

  • 相手の意見に耳を傾ける
  • 相手が困っている時に助ける
  • 相手の善意や努力に対して感謝を述べる
  • 相手の状況や感情に配慮する
  • 相手の感情に共感する
  • 自分の成果や成功を謙虚に認める
  • フィードバックを真摯に受け止める

このような行動は、相手に意識が向いていないとできないことです。

そのため、周りの人に無関心な人は、まずは身近な人に興味や関心を持つところから始めましょう。

重要なのは、相手にしてもらうのを待つのではなく、自分から進んで行うということです。

「人に感謝されることがないから自分も感謝の言葉を言わない」

「誰も手伝わないから自分も手伝わない」

これでは、いけないということです。

返報性の法則といって、「誰かに何かをしてもらったら、自分も何かしてあげたくなる」という心理があります。

自分が人のために行ったことは同じ行為として返ってこなくとも、信頼や尊敬という形で返ってきますので、積極的に行っていきましょう。

 

④常に自分に課題を課す

自分に課題を課すことも、人間力を高めることに繋がります。

ここで言う課題とは、必ずしも資格を取るなどのスキル的なことだけではありません。

  • 1日1回は感謝の言葉を述べる
  • メンバーとコミュニケーションを取る
  • 毎日日記を書く

というような細かいことでも構いません。

人間力を構成する要素は無数にあるため、実際に書き出してみなければ、何に対して取り組めばよいかが分からなくなります。

そのため、とにかく自分の克服すべきことに関する課題を課し続けるのが重要です。

毎日課題と向き合い達成していくことで向上心も自然と身につきますので、一石二鳥の取り組みとなります。

 

⑤失敗を恐れずチャレンジする

能力不足だと感じる人は、失敗を恐れずにとにかくチャレンジすることが必要です。

人は努力なくして、成長することはありません。

「自分はなんで仕事ができるようにならないんだろう?」と悩んでいても、ただ時間だけが過ぎていくだけです。

「人が教えてくれるだろう」

「誰かが仕事をくれるだろう」

というように、受け身の姿勢では人間力は高めることができません。

  • 人に話しかける
  • 感謝を伝える
  • 新しいことを始める
  • 難しい仕事に挑戦する
  • セミナーに参加する

人によってハードルの高さは違いますが、今までやってこなかったことにチャレンジするのは少なからず勇気がいります。

しかし、それを乗り越えられた人のみが成長できるのも事実です。

何事にもチャレンジ精神を忘れてはいけません。

「少しでも自分を成長させたい」「理想の自分に近づきたい」という人は、小さな事でも大丈夫なので、今まで避けてきたことに挑戦してみましょう。

 

⑥ポジティブシンキングを意識する

人間力を高めるには、様々なことに取り組む必要があるので、当然上手くいかないことも多いです。

そこで、失敗が何度も続いてネガティブな感情にならないように、物事をポジティブに捉える必要があります。

たとえ、思うように行動できなくても、自分に課した課題を達成できなくても、決して責めてはいけません。

「ここまではできた!」と前向きに考えることが大切です。

出来なかったことは事実として認識し、なぜ出来なかったのか原因や理由を明確にしましょう。

そして、それに対する対策を考え、再度実行し、効果検証していきます。

ポジティブシンキングに慣れれば、メンタル的に落ち込むことが少なくなりますし、反対に自信がついていきます。

精神的な安定は、仕事をする上でも、人とコミュニケーションを取る上でも重要となりますので、ぜひ意識してみてください。

 

まとめ

今回は、人間力が高い人の特徴と高めるための6つの方法について解説しました。

人間力は、3つの要素で構成されるため、実務的な能力が優れているだけでは人間力が高いとは言えません。

周りの人に尊敬されるような人間になるためには、「良好な人間関係を築く能力」と「自己管理能力」も必要となります。

取り組むべきことはたくさんありますが、特に重要なポイントは以下の6つです。

  1. 理想像を掲げて意識する
  2. 日常的な行動や振る舞いを振り返る
  3. 思いやりの気持ちを持って謙虚に振る舞う
  4. 常に自分に課題を課す
  5. 失敗を恐れずにチャレンジする
  6. ポジティブシンキングを意識する

これらを実践することで思考や行動が変わり、様々なスキルアップに繋がるため、少しずつ人間力が高まっていきます。

人間力を測る指標はありませんが、周りとの関係性や仕事上での立ち位置の違いなどが感じられることでしょう。

理想の自分や憧れの人とのギャップを感じている人は、ぜひ解説したポイントを参考にしてみてください。

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Who is writing

医療系大学卒業後、理学療法士として医療機関に勤務。その後、整体院を運営をするなかでWebマーケティングも経験する。コンテンツ制作スキルを活かし、医療健康分野や不動産、プログラミングなどの幅広いジャンルの記事執筆を行うとともにWebディレクションにも従事。「一人でも多くの人の悩みを解決する」をモットーに活動の幅を広げている。