
今回は、あなたのチームにも1人はいるかもしれない「チームの足を引っ張る人」について掘り下げたいと思います。
もしかして「アイツのことだ!」と、誰かの顔が思い浮かんでいませんか(笑)
ちなみに、営業スキルが足りなくて、全然契約が取れない人のことを「足を引っ張っている」とは言いません。
ここでお伝えする「足を引っ張る人」とは、具体的に以下のような人のことを指します。
- 個人プレーが多過ぎる
- 他人の意見に対していつも否定から入る
- 自分の利益ばかり優先する
- 最低限のルールを守らない
- チーム全体の雰囲気を悪くする
今回はこういった人たちを排除する方法!・・・ではなく。
「なぜ、そうなってしまうのか?」という本質を理解して、健全に対応する方法をお伝えします。
これを理解しておくと、あなたのチームの「あの人」が、気づけばチームを牽引するリーダーになっていた!なんてことが起きるかもしれません。
人の心理を専門に扱ってきたプロコーチが、普段より一歩踏み込んでお伝えしますので、是非最後までご覧ください。
足を引っ張る=性格の問題ではありません!

これから、とても大切なことをお伝えします。
それは「足を引っ張ることと、その人の性格の良し悪しは全く関係がない」ということです。
私自身、過去にはチームの足を引っ張る人を叱責してしまった経験があります。
しかも、その時はつい怒りに身を任せ、相手の人格を否定するようなことを言ってしまいました。
これはリーダーが絶対にしてはいけないことです。(私も後からとても後悔しました)
足を引っ張る人が、そうなってしまう理由は別のところにあります。
足を引っ張る人の5つの特徴

まずは、チームの足を引っ張る人の本質を理解するためにも、彼らに共通する特徴を見ておきましょう。
ここでは、特によく見られる「5つのポイント」をご紹介しておきます。
1.焦っている
足を引っ張ってしまう人は、日頃から余裕がなく、とにかく何かに焦っていることがよくあります。
中でも、焦りの要因として多いのが「時間とお金」ですね。
人は時間やお金に余裕がなくなるとIQが下がる、というデータがあります。
(参考:いつも「時間がない」あなたに:欠乏の行動経済学より)
IQが下がるわけなので、当然健全な判断などできません。
だからこそ、周りからすれば「この人は一体何をしているの!?」と思われるような行動を、本人は平然としてしまうことがあります。
しかし、本人はそれに気づいていません。
実際に、私の知り合いにとても優秀で周りからも信頼されていた経営者がいました。
しかし、彼はその後事業で失敗し、一文無しになってしまいました。
すると、途端にらしからぬ行動を取るようになり、一瞬にして周りからの信頼を失墜させてしまったんです。
それほど時間とお金の問題には、健全な思考を奪ってしまう力があるんですね。
また、この状態は自分の身を守ることに必死になり過ぎることで、他者を攻撃しやすくなります。
これは決して人格の問題ではなく、常に焦っていてIQが下がることが原因なのです。
2.信用が足りていない
チームの足を引っ張る人には「信用」がない人が多いです。
これは他者からの信用ではなく「自分自身に対する信用」です。
自分に対して信用がない状態とは、つまり自分との約束を守る習慣がない状態と言えます。
例えば、絶対にダイエットをする!と決めたのに、3日後にはコンビニの袋いっぱいにスイーツを買い込んでいる・・・みたいな。
「そんな細かいことが、信用と関係あるの?」と感じるかもしれませんが、日々のこういった行動の積み重ねが、自分に対する自信(セルフイメージ)に大きく影響します。
自分に対する信用が低くなると、何をするにも「自分なんてどうせ・・・」といったネガティブな思考になります。
その結果、周りの意見に対しても否定的であったり、協調性が無いように見えてしまうわけです。
3.自分1人で何とかしようとする
人は繋がってこそ、本来の力が発揮できる生き物です。
逆に言えば「孤立」させると、人は力を失います。
困っている時こそ、誰かと繋がり力を借りるべきなのですが、ここに焦りや自分に対する信用の欠如が絡んでくると「誰の力も借りるもんか!俺は1人でやってやる!!」といった、視野の狭い状態になりやすいです。
もしくは「自分はダメなんだから、これくらい1人でやらなきゃ・・・」といった具合かもしれません。
自分の力を信じて行う!ではなく、自分に自信がないからこそ誰にも助けを求められない状態ですね。
当然、この人は結果的にチームの足を引っ張ることになります。
4.好きなことに時間を使っていない
上記の1〜3に当てはまる人は、総じて「好きなことに時間を使っていない」ケースが多いです。
好きなことは、ストレスを発散し、仕事におけるクリエイティビティを高めてくれます。
これは、自分を大切にする行為そのものです。
つまり、好きなことに時間を使わない=自分を蔑ろにしていることと一緒なのです。
中には「疲れ切ってしまい、そんなことやってられない」という場合もあるでしょう。
しかし、これは全く逆の思考であり、疲れている時にこそ積極的に好きなことに触れる必要があります。
とある営業の達人が「営業成績を上げるコツは、一生懸命遊ぶことだ!(遊びの中には本質的な学びがあり、限られた時間で仕事を終わらせるメリハリが生まれるという意味)」と言っていましたが、その通りだと思います。
これは焦り、自分への信頼、人とのつながり全てに影響を与えるでしょう。
5.基準が低くなっている
人は誰しもが、自分なりの基準(スタンダード)を持っています。
例えば、預金通帳が〇〇円を下回ったら焦るとか、体重が〇〇kgを超えたら必死で痩せるとか、パジャマのままでコンビニに行けるかどうか?など、人によって基準が違いますよね。
この基準自体には、正解も不正解もありません。
しかし、基準に見合った結果は存在します。
チームの足を引っ張ってしまう人は、時間とお金に振り回され、自分に対する信用がなく、孤軍奮闘し、好きなこともできない・・・そんな状態だからこそ「もう、こんなもんでいいや」という低い基準で満足しようとします。
当然、仕事の結果や、コミュニケーションの質にこだわることもないので、周りと足並みを揃えることができなくなります。
以上がチームの足を引っ張る人の5つの特徴です。
5つの特徴への対応策

ではこのような方々に、どうやって正常な状態を取り戻してもらえば良いのでしょうか?
答えは「5つの特徴をクリアする」です。
そのためには、まず自分自身から始めてください。
なぜなら、上記の5つの特徴は、場合によっては誰でも当てはまることだからです。
だからこそ、自分自身の状態を見直すという意味で、全ての項目がクリア出来ているか?を見直しましょう。
その上で、もしチームに思い当たる人がいれば、リーダーとして共に改善を促してあげてください。
そのための具体策を次にお伝えします。
1.お金と時間を計測する習慣をつくる
まずは、日常的に焦っている状態に対して「お金と時間を計測する習慣」を作ります。
焦りとは言語化されず、認識することできないものに対する不安とも言えます。
例えば、何も知らされないまま真っ暗なトンネルを歩くのは怖いですよね。
でも、事前に「100メートルのトンネル」だと分かっていたら、不安が減るのではないでしょうか?
このように、管理をして現在の環境をクリアにするだけで、不安と焦りが消えることはよくあります。
習慣化できたか?の基準としては「〇〇日に、何にいくらお金を使ったか?」「火曜日の14:00に何をしていたか?」という質問に対して、すぐに調べる方法を持てたかどうか?です。
どちらも難しいことは必要なく、スマホアプリですぐに対応ができます。
「いやいや、みんな大人なんだから、そんなことは自分で勝手にやってよ!」と思うかもしれませんが、1人で勝手に出来ない人が多いことを理解してください。
実際、社員に必ず家計簿をつけさせたり、スケジュール管理について報告してもらう習慣を作った会社があります。
それにより、その会社では社員のモチベーション向上とチーム強化につながったとのこと。
とは言え、なかなか社内で他人のお金の使い方にまで口出し出来ないことも多いと思います。(だからこそ効果があるのですが・・・)
その場合は、焦りのメカニズムを知ってもらった上で、お金の管理は自発的に行なってもらい、時間管理はチーム単位で徹底する!といった取り組みをオススメします。
これだけでも、本人にとっては見える世界が180°変わるはずです。
2.自分との約束を守る
最低限の自信を取り戻すために、どんな小さなことでも良いので、自分で決めたことを守る習慣をつけましょう。
例えば
- 家に帰ったら必ず靴を揃える
- 1日1回は誰かに「ありがとう!」と言う
- 決まった場所に物をおく
など、とにかく簡単なことから始めてください。
ベストセラー作家であり、カリスマ的なカウンセラーである「石井裕之さん」によると、水を飲む前に「これから水を飲むぞ!」と自分に公言してから飲む・・・といった方法でも効果があるそうです。
このように、自分に対して約束を守ることで他者との約束も守れるようになり、自然と自分に対する信用を獲得することができます。
3.人を頼ることを許す
人に助けを求められない人は、人を頼ることにこんなイメージを持っています。
- 恥ずかしい
- 情けない
- 申し訳ない
こういった、羞恥心や罪悪感は誰でも持っていますが、それを「悪いことだ!」と決めつけているのが問題です。
この場合は、羞恥心や罪悪感があることで、これまでどんな良い事があったか?を考えてみてください。
(例)周りの目を気にしてきたからこそ能力を高めることができた、申し訳ないという気持ちが相手への思いやりを生み出した、など。
どんなものにも必ず「メリットとデメリット」があります。
しかし、多くの場合は、どちらか一方に偏ることで自ら苦しみを生んでいます。
であれば、あえて考えてこなかった側の要素を認識することで、思考のバランスを保つことができます。
こうすることで「人に頼ることを許可する」ことが出来るようになります。
4.好きなことに使う時間をスケジュールに組み込む
「好きなことをする=自分を大切にする!」です。
10分でも良いので、強制的に好きなことをする時間をスケジュールに組み込みましょう。
手帳でもアプリでも、週末になったら翌週のスケジュールを先に押さえてください。
もし「好きなことなんてない」という場合は、好きなことを探す時間を作ってください。
そのように、自分に対して時間と手間をかけてあげることで、結果的に心に大きな余裕が生まれます。
これは本当に効果があるので、チャレンジする価値は非常に大きいです。
5.基準を引き上げる
これについては、ある程度の余裕が必要なため、上記の1〜4をクリアしてから行うのが良いでしょう。(むしろ、そうすることで自然と基準が上がるかもしれません)
自分自身の基準を引き上げる、最も簡単な方法は「自分よりも基準の高い人と一緒にいること」です。
例えば、お金を貯めることがうまい人がいたら、その人と一緒に食事や買い物をしてみてください。
お金の使い方の違いに驚くかもしれません。
また、もしあなたが営業マンで、身近に営業成績トップの人がいるなら営業に同行しましょう。
営業先の選定、事前の資料準備、コミュニケーションの取り方、クロージングのタイミング、アフターケアなどなど、ありとあらゆるポイントに基準の違いが見えるはずです。
幸い、基準はいくらでも引き上げることができます。
今まで満足していた事に対して「これでは、もう満足できない!」となったら、基準が上がった証拠ですね。
以上が、チームの足を引っ張る人の5つの特徴に対する対応策です。
リーダーとしては根気が求められるところですが、どれも大変効果があることばかりですので、1つずつ着実に取り組んでみてください。
こんな前兆があったら要注意かも!

先ほどもお伝えした通り、これらの要素は「あの人」だけの課題ではありません。
あなた自身も、気づいたら周りの足を引っ張る側になっていた・・・なんてことがあるかもしれないのです。
誰が見ても、あからさまに足を引っ張る人であれば分かりやすいのですが、問題なのは「指摘するほどでもないのだけれど、その気配がある人」です。
表面化しないだけで、こういった人が実はチームの士気や成果を下げているといったケースは少なくありません。
これは非常に厄介であり、そうなる可能性が自分にもあるかもしれないのです。
だからこそ、病気と同じように「早期発見と予防」が大切になります。
もし、あなたが「自分には関係ない」と思っていたら、以下のようなシチュエーションに心当たりがないか?チェックしてみてください。
- 「お金は入ってくる、ただ少し待たなければいけないだけの話」だと考えている。
- 未来のことばかり考え、現在について心配しないようにしている。
- 時間を投資するのではなく「消費」している。
- いつも「足りない・不足している」と感じる。
- 心のどこかに怒りを感じている。
- 自分の利益だけにフォーカスしている。
- 結果ではなく、かけた時間や労力に対して報酬を求めている。
これらは、自分も足を引っ張る人になるかもしれない「前兆」として見られる要素です。
ピンとくるものがあったら、今回の対応策に取り組んでみてください。
まとめ:偉大なる「NO!」の力

今回は「チームの足を引っ張る人」について、本質的な側面から深掘りしてみました。
ちなみに、私は人生で最も重要なのは「時間」だと考えています。
自分を蔑ろにしている間は気づきませんが、例えば結婚をしたり、子供が生まれたり、はたまた大きな怪我や病気を経験すると、自分の命が永遠ではないと自覚できるようになります。
すると「こんなことに時間を使っている場合では無い!」といった、強い感情と意欲を感じるようになります。
これこそが「NOの力」です。
つまり、行動に対する明確な基準が生まれることで、どうでも良いことに「NO!」と言えるようになるんですね。
今回の5つの要素をクリアした人は総じて「NO!」と言えるようになるはずです。
ネガティブに聞こえるかもしれませんが、NOとは裏を返せば「YES!」を意味します。
つまり、あなたが何かに対してNO!と言うと、そこには明確なYES!が存在するということです。
この力はとても、とても大きいです。
今は誰かの足を引っ張る存在かもしれませんが、そんな人が胸を張って「NO!」と言えるようになる・・・そんなチームこそが最強なのではないでしょうか。
