話題のゲームに感じる既視感

とある有名なゲームのパクリ疑惑もありつつ、大人気となっているとある新ゲーム。似ている、ことを上手く使う方法が機械学習でもありました。

  

最近ゲーム配信サイトSteamで配信されたゲーム「パルワールド」をご存知でしょうか。

配信開始からたった3日で500万ダウンロードを突破した、超大人気ゲームです。

しかもこのゲーム、開発者はたった一人しかいないということでも非常に話題になりました。

ゼルダの伝説やポケモンレジェンドアルセウスに代表されるオープンワールド(どこまでも広がるフィールド)内で、「パル」と呼ばれる不思議な生き物を集め、先頭やら建築やら農業、果ては労働までを行わせることができるという、全く未知のゲームです。

と、お聞きしておいて恐縮なのですが、私は一切プレイをしたことが無く、ストーリーもそれほど作りこまれているわけではないというレビューも見ましたので、ストーリーを楽しみたい派の私はこれからもあまり遊ぶことはないとは思うのですが...。

いずれにしても、とんでもない人気を誇り、現時点(2024/1/28)ではSteam売り上げ堂々の一位を記録していました。

 

ですがこのゲーム、必ずしも良い内容だけで有名になったわけではありません。

というのも、多くの人から「パクリ」疑惑が出ているのです。

この世界で集めるべき対象である、不思議な生き物「パル」。

これが、とてつもなくポケットモンスターたちにそっくりだというのです。

あまりにも多くの人がそのように考えているためか、Google検索で「パルワールド」を調べると、検索ワードのサジェスチョンに「パクリ」という言葉が出てきてしまうほどです。

ちなみに私個人としても、正直、一部「パル」については本当にそっくりだと思います。

 

とはいえ、さすがは販売を認められたゲームです。

ポケモンを彷彿させるデザインでありながら、完全に一致はしていません。

いわば「想起させられる」のですが、一方で「このぐらいなら仕方ないかもしれない…」と思わせられる程度、とも言えます。

果たしてこのゲームを取り巻く「パクリ」疑惑が、どれほど続くのか、昨今の生成AIをめぐる議論とも関わりそうな話題ですので、注目してみたいと思います。

 

ところで、実際はどうあれ、多くの人が「パクリ」と感じてしまう背景には、やはり多くの人の既視感が関係しているように思います。

この「パル」はこのポケモンに似ていて、これはこれで…。

そんな考察を行っている人もいるほどです。

つまり、全体として類似している、というよりも、より似ているいくつかの組み合わせがある、とも言えます。

 

こういった「似ている」、言い換えれば「間違えやすい」という情報を使って、データに紛れ込んだノイズを除去しようとする研究があります。

こちらは2017年の機械学習のトップ会議にて発表された論文なのですが、データの間違えやすさ情報を活用して、ノイズを評価、その影響を除外しようとする研究です。

https://openaccess.thecvf.com/content_cvpr_2017/html/Patrini_Making_Deep_Neural_CVPR_2017_paper.html

似ていて間違えやすい、という、一見悪さしかないような特徴ではあるのですが、使いようによってはとても有益なものになるのかもしれません。

 

 

P.S.

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Who is writing

大学にてデータサイエンスを学ぶ傍ら、多くの人にデータ分析の面白さを伝えたいと日々奮闘中。