【ChatGPT活用術】議事録やサマリーを効率的に作成する方法

ChatGPTと文字起こしのツールを併用して議事録やサマリーを効率的に作成する方法をご紹介いたします。

  

筆者は、よく上司に「議事録を作ってほしい」と言われることがありました。

しかし、自分の業務で精一杯の状況で、議事録を作成する時間が惜しいことがよくありました。

そこで、今回はChatGPTや拡張機能、別のツールを使って、議事録や打ち合わせの記録を効率的に作成できる方法を考えてみました。

議事録やサマリーを効率的に作成する方法

まずは会議の議論やセミナーを録音し、文字起こしをしましょう。

次に文字起こしをしたテキストデータをChatGPTに入れて、議事録やサマリーを作成します。

議事録の作成方法 手順1 会議の文字起こし

ここでは、無料または安価に、会議の文字起こしができるSloos、Google音声入力、Vrewを使用する方法を紹介します。

目的や環境に応じて、適切なものを選んでご利用ください。

Sloosを使用する方法

Sloosは株式会社QuantumCoreが提供している無料の文字起こしサービスです。使用には登録が必要です。

対面のみ、Zoom等オンライン会議サービスのみ、対面とオンラインサービスの併用、いずれの音声も文字起こしが可能です。

1.  Sloosにユーザー登録をします。ブラウザーはChromeを使用してください。無料文字起こしサービスSloos

2.  右上にある「新規登録」をクリックし、アカウント作成をします。(2回目以降はログインします。)

3.  メールアドレスを入力し、「確認コードを送信」をクリックしてください。

sloos登録画面

4. 確認コード入力画面が表示されますので、メールに届いたコードを入力し、「コードの確認」をクリックしてください。

5. コードの確認が終わりましたら、アカウントの作成が可能になります。必要事項を記入の上、「アカウント作成」をクリックします。

アカウントの設定が終了すると、以下の画面が表示されます。

6.  ホストがPCのマイクを使う場合はPCの設定を変える必要があります。

「ルーム作成」ページの下部にある「ヘルプ」リンクから、設定の方法をご確認ください

設定や確認が完了したら「ルームを作成する」をクリックしてください。

7. 「ルームを作成する」をクリックすると以下のポップアップが表示されます。

オンライン会議システムで出席する方にこのURLをコピーして送ってください。

会議室での対面の会議であれば、URL配布の必要はありません。

詳細については、こちらも「ルーム作成ページ」の「ヘルプ」リンクからご確認ください。

このURLの有効期限は24時間です。また、24時間以内であれば、一度ログアウトしても、もう一度ログインをすれば同じルームが使用できます。

URLのコピーなど準備ができたら、「ルームへ進む」をクリックしてください。

6.  発言者を特定するために、会議前に音声登録を済ませましょう。

「参加者を登録」をクリックしてください。

ここで参加者の登録(声の登録)を済ませると、文字起こしをする際に話者の区別をしてくれます。

オンライン会議システムを利用する方も、ホストから配布されたURLより「参加者の登録」ができます。

7. 全員の参加登録が終わったら、ホストは参加申請の承認をします。画面右上の「まとめて承認する」の「許可」をクリックします。

声の登録は10名まで可能です。登録していない人はunknownと表示されます。

8. 会議を開始しましょう。会議室など雑音の少ない環境をおすすめします。

出席者の準備が整ったら「Sloosを開始」ボタンをクリックし、文字起こしを始めましょう。

9. 会議が終わったら、「Sloosを終了する」をクリックしてください

10. 終了すると、自動的にメモ帳とExcelのCSV形式のテキストデータが自動的にダウンロードされます。(「手順2 ChatGPTで議事録作成」へ)

Googleドキュメントを使用する方法

Googleアカウントを持っていたら、すぐに試せる方法ですが、話者の区別はできません。

会議室など静かな環境で実施される対面の会議に使用することをおすすめします。

1. まず、Googleアカウントにログインしてください。アカウントをお持ちでない方はGoogleアカウントの登録をしましょう。

2. ログインできたら、Googleドキュメントを開いて、「ツール」から「音声入力」をクリックしてください。

3. マイクのアイコンが表示されます。設定が「日本語」であることを確認して、クリックしてください。

マイクのアイコンが赤くなったら、音声入力がスタートし、ドキュメントに発言が自動的に入力されます。

4. 会議が終わったら、マイクをもう一度クリックして音声入力を終了します。

5. Googleドキュメントに起こされた文字をChatGPTにコピーし、議事録やサマリーを作成してもらいましょう。(「手順2 ChatGPTで議事録作成」へ)

 

Vrewを使用する方法

Vrewは動画に字幕をつけることや字幕にAIの声をのせることができる動画編集のアプリケーションです。

会議の音源ファイルをアップロードするか、その場で会議を録画または録音することにより、文字起こしをしてくれます。

文字起こしに間違いがあれば、すぐに修正することもできます。

しかし、Vrewは一定の分析時間を経過すると料金が発生します。料金につきましては公式サイトでご確認ください。

Vrewを使うと、現在進行中の会議でも、Zoomなどで録画された過去の会議などであっても、文字起こしが可能です。

ただし、このアプリも話者の区別はできません。

1.  Vrewのウェブサイトからアプリをダウンロードします。

2. アプリで会員登録をしたのちに、「新規で作成」をクリックします。

3. 会議の録画や録音をする場合は「録画・録音で始める」を、すでにファイルがある場合は「動画と音声ファイルで始める」を選択してください。


「録画・録音で始める」場合

1. マイクのテストがあり、テストが終了次第、赤いボタンを押して録音に入ります。

2. 会議が終わったら、もう一度赤いボタンを押します。その後、録音データを任意の場所に保存します。

3. 保存が完了したら、「完了 プロジェクトに追加する」をクリックしてください。その後、分析が始まります。

 

 

「動画と音声ファイルで始める」場合

1. ファイルを選択します。フォルダーの「開く」をクリックしてください。

2. 以下の画面が表示されます。内容をチェックして、問題がなければ「確認」をクリックしてください。

 

 

3. その後、分析が始まり、分析中の画面が表示されます。


4. 「録画・録音で始める」場合、「動画と音声ファイルで始める」場合、いずれも分析が終了すると、以下の画面が表示されます。

5. 自動出力の字幕に誤りがある場合は、「字幕修正」部分に正しい文字を入力し、修正します。

修正部分の動画を確認することもできます。画像の赤い〇をクリックしてください。

6. 字幕を修正し終わったら、右上にある「エクスポート」をクリックします。

以下の画面で設定を確認しましょう。

「クリップ間改行」は改行2回がデフォルトですが、筆者は1回の方がつかいやすかったです。

5. 「エクスポート」をクリックして、テキストデータの完成です。

出来上がったテキストデータをChatGPTに入力し、議事録やサマリーを作成します。(「手順2 ChatGPTで議事録作成」へ)

 

Vrewは非常に使いやすいのですが、録音・録画での分析が1回30分以内というのがネックです。

また、無料解析は1ヵ月で120分です。会議が多い方は有料プランに申し込む必要があるかもしれません。

マイクなどの設定や使用方法の詳細は「ルーム作成」画面の下部にある「ヘルプ」リンクから確認してください。

 

Vrewを使用した文字起こし用サンプル音源として以下の動画を「山極毅の人事戦略チャンネル」から許可を得て、借用しました。

ご興味のある方は是非、ご覧ください。

 

議事録の作成方法 手順2 議事録やサマリーの出力

テキストデータが出来上がりました。議事録を作成しましょう。

ここではSloosで作成したテキストデータを扱います。

ChatGPTに会議の内容をコピペし、議事録にまとめるように指示をします。

日時や場所、出席者、欠席者などの情報や議事録のスタイルなどは、会議の内容と一緒に入力してください。

作成されました。

もし決まったテンプレートのある場合は、テンプレートに沿って出力しなおしてもらいます。

ただし、テンプレート内に会議の内容に含まれていないこと(ここでは、「次回の議題」)があれば、あらかじめテンプレートから削除して、プロンプトに組み込んでください。

削除しないとChatGPTが以下のように創作してしまうことがあります。

また、テキストデータが長い場合には2000文字~2200文字程度ずつ、複数回コピペします。

その場合のプロンプトには少しコツがいります。

最初の部分をコピペした後に、その部分のサマリーを作成してもらいます。

同じように次の部分と最後の部分のサマリーも作ってもらいます。

3つのサマリー(あれば、議事録テンプレートも)をコピペし、そこから議事録を作成します。

日付、場所、出席者、欠席者など、分かっている情報があれば、一緒に入力してください。

議事録が作成できました。

 

You Tubeに公開されているセミナー動画等のサマリーを作る方法

You tubeに上がっているセミナーなどの動画にはこの方法が最適です。

まずは拡張機能をインストール

使用しているブラウザーや用途によってインストールする拡張機能を選択してください。

筆者のおすすめは3つです。

  • YouTube Digest: ChatGPTでまとめる:自然な日本語で動画の内容を要約してくれます。要約スタイルも箇条書きから記事風まで設定できます。ただし、スクリプトは出力されません。対応ブラウザーはChrome、Edge、Firefox、Operaです。

ダウンロードはこちらから:YoutubeDigest: Summarize youtube videos with ChatGPT|Browser Extension

  • YouTube & Article Summary powered by ChatGPT:スクリプトを入手したい方はこちら。ボタン一つでChatGPTに文字起こししたテキストデータをコピーし、サマリーを作成しますが、英語で出力されます。対応ブラウザーはChrome、Edge、Safariです。

ダウンロードはこちらから:https://glasp.co/youtube-summary

  • YouTube ChatGPT  ユーチューブ動画まとめチャットGPT で簡単コピー:こちらもトランスクリプトをボタンでChatGPTにコピーし、サマリーを作ります。英語での出力です。対応ブラウザはChromeとEdgeです。

ダウンロードはこちらから:YouTube Summary with Chatgpt – Best YouTube video summarizer (notegpt.io)

 

サマリーを作成しよう

拡張機能ごとに簡単に機能を説明します。

  • YouTube Digest

以下のボタンがYou Tubeの動画右側に表示されているので、クリックします。

リアルタイムでサマリーが出力されます。

赤い部分をクリックして、ダウンロードのフォーマットを選択することができます。

Docxを選択し、「Export」をクリックします。

ダウンロードされたデータはすでにサマリーになっていますが、少し長いのでChatGPTにコピペして、箇条書きに書き直してもらいました。

 

  • YouTube & Article Summary powered by ChatGPT

動画の右側に以下の表示がされます。右端のプルダウンボタンをクリックすると文字起こしされたテキストが表示されます。

緑のボタンをクリックすると自動的に新たなタブが開き、ChatGPTを立ち上げ、サマリーを自動的に作ってくれます。

ただし、英語での出力になってしまうので、日本語に直してもらいました。

  • YouTube ChatGPT

動画の右側に以下が表示されます。

文字起こししたテキストをご覧になりたい方は「Transcript」をクリックしてください。

ChatGPTにサマリーを作ってほしい場合は「Summary」をクリックして、表示された「View AI Summary」をクリックしてください。

ChatGPTにサマリーが英語で表示されたので、日本語に直してもらいました。

音源サンプルとして以下の動画を「山極毅の人事戦略チャンネル」から許可を得て、借用しました。

ご興味のある方は是非、ご覧ください

まとめ

いかがだったでしょうか。

文字起こしのツールの設定には少し時間がかかりますが、設定さえしてしまえば、その次からは簡単に文字起こしを行うことができます。

文字起こしされたテキストデータは記録にもなりますし、ChatGPTに入力すれば、短時間で議事録やサマリーを作成することもできます。

楽をしながら、時間を節約して、業務の効率化を進めましょう。

Who is writing

米国カリフォルニア州ベンチュラ郡立 Ventura Community College
米国ケンタッキー州立 Murray State University卒業。
プロンプトリサーチャー。
東日本大震災をきっかけに「後悔しないよう、今やりたいことやる!」と決意。
たくさんの動物と暮らすことを夢見て夫婦で田舎に移住。
仕事のモットーは「楽して良いものを作る」。
アナログとデジタルを両立したハイブリッドな田舎暮らしをめざし、chatGPTに鍛えられる日々を過ごす。