就活対策の落とし穴! ギャップの少ない就職のコツとは?【捉え方編】学生も人事も応用できる3つのポイントを紹介
就職後に感じる互いのギャップの根本原因はどこにあるのか。就活生も人事も見落としがちなポイントを、両者の視点を交えながらお届けします。
この記事は、次のような悩みをもつみなさんにお届けします。
学生
- 就活攻略ノウハウを学んだが、エントリーシートから苦戦している
- やりたい仕事がみつからない、わからない
- すでに数社の内定をもらっているが、どの企業に決めるか迷っている
転職を考えている方
- もっと自分の力を活かしたいが、いまいち方向性がわからない
人事
- 満場一致で採用した学生が、活躍できていない
- 採用の精度が上がらない
- 入社後の配属でミスマッチが起こりがち
就職活動は、手段である
自己分析はモチベーショングラフ、自己PRは結論から、志望動機は自分軸とつなげる、面接は想定質問に対応できるように。
世の中には就職活動のための対策が溢れています。
けれど、積極的に情報収集をし、対策をとり入れているはずなのに、
・エントリーシートが通らない
・面接の練習をいくら頑張っても、なかなか最終面接までたどりつかない
・第一志望の企業に落ちてしまい、結局、何がやりたいのか分からなくなってきた
今まさに、そのような悩みの渦中にいる人もいるのではないでしょうか。
本当にしんどいし、モチベーションも上がらないですよね。
でも、もしかしたら、それは「目的」が間違っているからかもしれません。
なぜ、自分の強みを探しているのですか?
なぜ、企業研究をしているのですか?
なぜ、時間をかけて面接対策をしているのですか?
とても大事なポイントを、先にお伝えします。
就職活動は、あくまで「手段」です。
社会が用意している、就職するためのひとつの方法にすぎません。
就職することも、働くための「手段」のひとつです。
就職しなくても、働くことはできます。
就職・転職活動の「目的」は、自分の働く目的を実現できそうな企業を選び、力を発揮することです。
そして、企業の採用活動の「目的」も、自社で長く活躍してくれそうな人材を、予定人数獲得することです。
とてもシンプルですね。企業側は活躍してほしいし、応募者側も、自分の力を発揮したい。
目的が同じため、本来は対等な関係です。
活躍の定義は企業ごとに異なるため、その企業の活躍の定義=求める人材の定義の中で、自分の力が発揮できるかを判断するのが、本来の企業選びです。
目を閉じて、今のあなたの就職活動を振り返ってみてください。
株式会社○○に入社することが目的になっていませんか?
選ばれるために対策をしなければ、と焦っていませんか?
あなたは、企業に選ばれる立場でもあるけれど、企業を選ぶ立場でもあります。
このスタート地点をはき違えてしまうと、目先のノウハウに振り回され、内定することが目的となり、その後のズレが大きくなっていきます。
最初がズレると、どうなるか
どの企業であっても、就職後、自分が思い描いていたイメージと、少なからずギャップは発生します。事前に100%正しく把握することは不可能です。文字どおり、やってみないと分からない。
だからこそ、内定したいばかりに、企業に自分の考え方を寄せて就職活動をし、仮に就職できたとしても、致命的なズレがある場合や、どうしても解決できない違和感がある場合、徐々にストレスがたまり、モチベーションが下がり、早々に退職を考える、なんてことも起こり得るわけです。
もしくは、その違和感に蓋をしたまま、とりあえず今はこのままでいいか、と現状維持を選択し、なんとなく出社して、なんとなく仕事して、なんとなく日々を送る生活。
もちろん生産性も上がらない。
何も考えなくていいようで、どこか満たされない気がする。たまにモヤモヤするけれど、日々のやるべきことに追われて、考えている時間もない。
この“なんとなく生きる”感覚が当たり前になってくると、最終的に、自分の違和感すら分からなくなり、思考停止状態へ。
筆者は、このような方々をたくさん見てきました。
長い人生、それぞれのライフステージによって、仕事に費やす時間は変化しますが、せっかく同じ時間を働くなら、自分自身が満たされる時間を過ごしたいと思いませんか?
「配属ガチャのハズレ」は自分で防げる部分もある
そのために、まず何が必要なのか。
今回は、「方法」ではなく、「捉え方」をご紹介します。結果的にギャップの少ない就職のコツがみえてくると思います。
よければ、少し就活対策から離れた視点で、読んでみてください。
この捉え方をおさえれば、その後の就活対策は、自分で取捨選択していくことが可能です。なぜなら、就職活動も、自分にあったやり方があるからです。
これからシリーズでお伝えしていくことは、一見、遠回りの作業のように思えるかもしれません。でも、この捉え方をすることで、等身大の自分を、自分の言葉で表現することが可能になるでしょう。
面接官は、何千、何万もの学生と会っているので、あなたの矛盾は簡単に見抜きますが、一方で、あの短時間の選考だけでは、すべてを見抜けないのも事実です。
だからこそ、見せ方よりも大切なのは、自分の本質を見せること。
内定した場合、「人事が見極めたと思っている本質」をもとに、
企業は、その人に合った配属を検討します。
キレイゴトに聞こえるかもしれませんが、大事なのは就職した後です。
ここで、面接官の視点をお伝えしましょう。
選ばれたい、内定したいという心理から、自分を大きく見せがちな学生が多いですが、採用側からすると、素直に自分のことを捉えて話している人は、不思議と際立って見えます。
集団面接では群を抜いて自然体に映るので、その人の普段の姿を想像しやすくなります。そして、自ずと話の内容にも集中したくなります。
エピソードが立派だとか、切り返しが秀逸だとか、ロジックが完璧だとか、そういうことではないんですね。
自分が今の時点で把握している自分自身を受け入れて、一致した状態で話せることが、結果的に、ギャップの少ない就職につながります。
就活対策の前に大切にしたい3つのポイント
就活対策をはじめると、まず、自己分析からスタートすることになります。
その後、自分の強みと弱みを特定し、業界・企業研究をし、その時点で興味がある仕事や、自分の考えと一致しそうだなと、あくまで自分が判断した企業にエントリーするのが一般的な流れですね。
ただし、ここに、いくつか落とし穴が隠れています。きっと、これを知っておくことで、ちょっと心が軽くなると思います。
冒頭にお伝えしたように、「自分の力を発揮できる」ために、まず、何をおさえておけばいいのでしょうか。
今回お伝えする3つのポイントについて、今の自分がどのように捉えているか、ぜひ問いかけてみてください。
ポイント① 誰でも仕事で没頭できる可能性がある
ポイント② 自分の強みと弱みは、自分では決められない
ポイント③ やりたいことは見つからなくてもいい
いやいや、これは逆でしょう。今までそうやって教えられてきてないけど。と突っ込まれる方も多いのではないでしょうか。順番にみていきましょう。
ポイント① 誰でも仕事で没頭できる可能性がある
みなさんは、今までの人生で、何かに夢中になり、気づいたらこんなに時間が経っていた、という経験はないでしょうか?
これが、人が「没頭」している状態です。
この状態を経験したとき、次のようなことを感じたことはないですか?
・ひとつのことに集中できる
・時間を忘れる、時間の感覚がない
・周りが気にならない、声が聞こえない
・ストレスを感じない
・集中したのに疲れていない
・楽しい、充実感がある
・成果や手ごたえがある
・目標を達成できた満足感がある
ゲームをする、楽器を演奏する、絵を描く、読書をする、釣りをする、勉強する。日々の暮らしのなかで、きっとみなさんも一度は経験があるのではないかと思います。
このとき、とても満たされた気持ちになりませんでしたか?
もし、この状態を、これから就職する企業で実現できるとしたら、どうですか?ちょっとワクワクしませんか?
ポイント①では、まず、「人が力を最大限に発揮できる可能性」について、心理学をもとにみていきたいと思います。
今回ご紹介するのは、ハンガリー出身のアメリカの心理学者ミハイ・チクセントミハイ氏が提唱した「フロー理論」です。
フローとは、先程のような没頭している状態のことです。
このフロー状態は、日本では、スポーツや芸術の分野において「ゾーン」と呼ばれることが多いです。あの選手はゾーンに入っている、というフレーズ、よく聞きますよね。
例えば、オリンピックでスポーツ選手がゾーンに入ると、驚異的な集中力で本来の能力を発揮し、今までの記録を更新して金メダルを獲る、というようなことが起きます。
競技直後の選手インタビューを聞いていると、共通点がありますよね。
「集中していた、いい緊張だった、冷静だった、良いイメージで臨めた、楽しかった」
このような一定の条件が揃ったときに、人は自分の力を最大限に発揮することができ、幸福感を得ることができる、という考え方になります。
実は、この理論は、スポーツや芸術など何か突出した才能をもっている人にだけ当てはまるものではありません。
これから就職先を選ぼうとしているみなさん一人ひとりにも当てはまります。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
こちらの図は、ミハイ氏が提唱したフロー理論の中で、人がフロー状態に入るまでの、8つの精神状態を表したものです。
縦軸が、挑戦の難易度(低い・普通・高い)、横軸がスキル・能力(低い・普通・高い)になります。
自分の能力レベルに対して、挑戦する課題がどのレベルであるかによって、自分の精神状態が異なってくるということを示しています。
この理論が成立するには、いくつか細かい条件があるので、今回はあくまで概念になりますが、この考え方を仕事に当てはめると、自分の能力レベルが高い状態で、手に届くか届かないかくらいの少し難しい仕事に挑戦するとき、人はフロー状態に入り、最大限の力を発揮し、その過程で成長できる可能性がある、ということです。
新卒入社後、1年目はスキルも経験もないので、あらゆる仕事が、挑戦の難易度が高い状態にあると思います。そのため、自分の能力に比べて、挑戦レベルは高いため、「心配・不安」の精神状態になりやすいです。しかし、自分のレベルを上げていくことで、「覚醒・コントロール」に精神状態を移行していくことができます。
ということは、自分の能力をどんどん伸ばしていける仕事だといいですよね。
「仕事で、自分の能力を伸ばしていく」
みなさんは、自分の何を伸ばしていきたいですか?何を思い浮かべましたか?
きっと、「得意なこと」、「達成したい目的のために必要なこと」ではないですか?
就職後を想像してみてください。配属が決まり、任された仕事に、自分の得意な要素があれば、その能力を活かして、課題をクリアし、成長を実感しやすく、能力は伸びやすいといえます。
さらに、その仕事の目的が、自分の達成したい目的と重なれば、モチベーションは上がります。
先ほどの図を辿っていくと、自分の得意なことを高めていくことができれば、「リラックス」した精神状態で仕事を続けることができ、何とか達成できそうな課題や困難がやってきたときに、自分をうまく「コントロール」して乗り越えることで、またひとつ成長できる、ということです。
反対に、自分の能力がまだまだ発展途上な状況で、とても難易度が高いと感じる仕事を任された場合、「不安」を感じやすくなりますが、その仕事に必要な能力が、自分の得意なことであれば、苦手なことよりもずっと早く、抵抗感なく、自分の力を伸ばしていくことができ、「不安」状態からいち早く抜け出せ、「覚醒」状態に自分を引き上げていくことができるのです。
心と身体は密接につながっています。「心配」や「不安」を長く抱え込むと、身体はSOSを出し、どこかに異常が出てきたり、うつ病の原因になったりします。
また、「無感動」や「退屈」の時間が何年も続くと、何のために仕事をしているのか、やりがいも無いので、生産性も落ちていきます。
だからこそ、スタート時点が大事なのです。就職する企業に自分の達成したい目的と重なる部分があり、担当する仕事が自分の得意なことを活かせるものであればあるほど、精神状態も安定し、仕事に没頭できる、ということです。
明確な目的のために、得意なことで、少しだけ難しい挑戦をする
就職した企業で、これが実現できる環境が整えば、時間を忘れるほど高い集中力を発揮し、自分の力を活かしながら、楽しく仕事ができ、満足感を得られる可能性が高くなります。
ただ、これを実現するためには、どこに配属されるか、どのような仕事を任されるか、どのくらいのスパンで成果が出る仕事なのか、どの頻度で上司からフィードバックをもらえるか、などなど、企業側が握っている要素も多いのです。
例えば、先ほどの図の「リラックス」の精神状態も、あまり長く続くと、怠け心が出てきて、働きやすさはあっても、自分の成長にはつながりません。そのため、新しく挑戦できる課題や、仕事のステップアップ、担当する範囲の拡大等が、企業側でも必要になってきます。
だから、“内定すればOK”ではないのです。
あなたも企業も、お互いの目的のために進み続ける必要があります。その目的が実現できそうか、そして最大限に力を発揮できる・発揮してもらえる可能性があるかどうか、お互いに見極めるのが、就職活動・採用活動の本質です。
そのために、少なくとも自分のなかで、今の時点で認識できる範囲で、本当に得意なこと・生まれもった自分の資質を、事前に把握しておくことが、ギャップの少ない就職をするために、欠かせないポイントです。
仮にギャップがあったとしても、原因が何なのか、それは自分自身で解決できるものなのかを、判断できる材料になるはずです。
この視点から、自分と向き合ってみると、企業の探し方・選び方が、また少し変わってくるかもしれません。
ちなみに、大企業よりも中小企業の方が、相対的に最初から任せてもらえる仕事の範囲や種類は多いですよ。
ポイント② 自分の強みと弱みは、自分では決められない
だったら、エントリーシートで自分の強みなんて書けないじゃん。という声が聞こえてきそうな、次の「捉え方」をご紹介します。
結論からお伝えします。
あなたが把握できるのは、あなたの中にあるたくさんの資質です。
あなたの資質を、強みや弱みと決めるのは、あなた以外の人です。
そのため、あなたの資質は、相手によって、強みにも弱みにも捉えられます。
つまり、あなたの資質は、すべて強みでもあり弱みでもあります。
いかがですか? 少し言葉遊びのような部分もあるかもしれませんが、ひとつの「捉え方」です。
極論、世界に自分ひとりしかいなかったら、強みも弱みも存在しないんです。他者がいることで、比較や評価が生まれ、あくまで他者から見たときに、あなたの資質が、強みとして映る。他者がいることで、はじめて自分の強みとして発揮される、ともいえます。
だから、自分では把握が難しいんですね。
強みかどうかは自分で決められるものではないので、自分でコントロールできません。自分がコントロールできることは、いつもの自分を発揮していくことだけ。ただ、それだけです。
そう思うと、少し楽じゃないですか?
例えば、アルバイトをしているときや、グループで何気なく話しているときなど、これは私の強みだ、今から強みを発揮するぞ、と思って、何か行動していますか?たぶん、そんな意識はないと思います。
だから、よく“個性を発揮しよう”という言葉がありますが、個性は自分から発揮しようがなくて、ただ今の自分を発揮するだけで、他者からすると、“強烈な個性”になり得るということです。
このカラクリ、わかりますか?
つまり、強みと弱みは探す必要がなくて、他者が決定するものです。
そのため、就職する場合も、あなたの資質が強みになるか弱みになるかのカギは、最後は企業側が握っています。
自分で認識できるのは、自分にどのような資質があるのか、その資質のうち、よく表面に出てくる資質は何か、という、自分の中での整理までです。
だからこそ、自分の資質を可視化しておくことは、必要なことですね。強みとなり得る、自分がもっているいくつかの資質を正しく知っておくことが、まずは大切です。
この捉え方で、実際の就職活動をみてみると、いくつかの資質の中で、その資質を活かした考え方や行動で乗り越えてきた経験のうち、自分の中で得意なプロセスだと感じていることを書くのが、「ガクチカ」です。
また、今までの経験で、他者とのかかわりを通して、自分の資質がどのように周囲に強みとして発揮されたのかを客観的に知りたい、もしくは、いくつかの資質の中で、何度も成果が出ている資質を知りたい、というものが、「自己PR」です。
そして、その資質を活かして自分が得意だと思っていることを、どの「フィールド」=「他者の集まり」と「仕事」で実践していきたいですか?というフィールド探し=企業探しが、就職活動なのです。
企業は、便宜上「強み・弱み」と表現していますが、あなたの資質が、強みとなって活かされた客観的な出来事をもとに、これからも持続的に自社で強みとなりそうなものを探っているのです。
時として、ベテランの人事は、あなたがもっているいくつかの資質の中で、あなたが強みだと認識しているものとは別の資質を見抜き、仕事で発揮できるあなたの素晴らしい強みとして見出してくれるケースもあります。
内定して就職した場合、配属が希望していた部署と異なることもありますが、違和感なく自分の力を発揮し、活躍することができます。
ただ、残念ながら逆も然りです。
まだまだ新卒採用は、エントリーシートの選考からはじまることが主流です。面接では、エントリーシートの内容を起点に、掘り下げるような質問をされます。
そのため、自己分析であくまで自分が強みだと特定した資質が、そのまま人事の選考・採用の判断指標になるケースも多いので、そこに矛盾があると、就職後にお互い苦労することになります。
その意味では、仮に内定したとしても、想定質問に万全な対策をして理論武装することが、面接官の観察眼によっては、かえって落とし穴になり得ることも、加えておきたいと思います。
就職活動の目的はどこにあるのか。これが、配属ガチャの“ハズレ”を含めた、学生側が就職後に感じるギャップと、企業側が感じるミスマッチの隠れた原因のひとつなのではないかと筆者は考えます。
そのため、自分で把握できる範囲で、いろいろな角度から、自分はどんな人物なのかを理解しておくことが、ギャップの少ない就職につながります。
ポイント③ やりたいことは見つからなくてもいい
最後のポイントです。突然ですが、みなさんは、自分のやりたい仕事が明確ですか?
「私は、この仕事をやりたい!」と、はっきり言い切れる人は、とてもラッキーだと思いますし、ぜひ挑戦してほしいと思います。
一方で、何がやりたいのかよく分からない、今まであまり深く考えたことがない、という人も多いのではないでしょうか。新卒の学生のみなさんであれば、尚更だと思います。
それに、本当にやりたいことは、そんなに簡単に見つかるものでもありません。定年近くになっても、やりたいことが結局はっきりしなかった、という人もたくさんいます。
やりたいことが途中で変わることも、とても自然なことです。最初は興味がなくても、結果的にやりたいことになるケースもあります。
だから、やりたいことは、あってもいいし、無くてもいいし、流動的なんですね。
趣味ではなく、成果を出して利益を生み出していく仕事となると、とたんに分からなくなる人もいます。
自己分析で陥りがちな例として、終わりのみえない「やりたいこと探し」をはじめて、エントリーシートから、げんなりしてしまうケースはよくあります。
就職後の状況に当てはめて考えてみましょう。
仕事におけるやりたいこと、「WHAT」は、とても不確定なものです。例えば、大手企業に入社し、同期が何十人もいる場合は、自分の希望するWHATが最初からできるとも限りません。
自分のやりたいことがあっても、適性をみて、別の仕事での成果を期待されることも、企業の規模が大きくなるほど一般的です。
また、テクノロジーの変化とともに、これからの時代のWHATは、数年後にAI の仕事として置き換わっている可能性もあります。
実際に、昨年アメリカの人工知能研究所であるオープンAIが発表した対話型AI「ChatGPT」が、日本でも急速に浸透してきており、仕事でも使われはじめています。
企業においても、今後の仕事の内容や在り方が、ものすごいスピードで変化していく時代になりそうです。
だから、就職活動を通して、今やりたいことがみつからなくても、まったく問題ありません。
やりたいことかと聞かれると、まだよくわからないけれど、楽しく仕事ができているし、成果が出ていてやりがいも感じるという先輩も、たくさんいるのです。
むしろ、自分の資質、資質を活かして得意だと感じること、達成したい目的などを、できるだけ認識しておくことが、これからの時代は、何倍も大切なことです。
自分自身の中にギャップがなければ、WHATの中身が変わったとしても、いくらでも応用でき、磨いていけるからです。
先ほどもお伝えしましたが、この仕事をやってみたい、これが好きだから仕事にしていきたい、専門で学んだ領域をそのまま活かしたい、という強い想いがある場合は、その熱量をぜひ自分のやりたいことで発揮できるよう挑戦してほしいなと思います。
ただ、挑戦した企業にご縁がなくても、まだやりたいことがなくても、焦る必要はないし、それがすべてではないし、これからいくらでも可能性があることをお伝えしておきたいと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
私たちは知らず知らずのうちに、就職活動はこうあるべきだ、という思い込みをしがちです。人気企業ランキングがあったり、この企業はこんな面接だったという口コミがあったり、外からの情報を得ることで、どんどんバイアスがかかっていきます。
しかし、それは他人の視点であって、自分の視点ではないのです。自分の人生は、内定した企業が面倒をみてくれるわけでもありません。
ギャップの少ない就職をするためには、一旦情報をリセットしてスタートしてみること。
できるだけ思い込みをはずして、自分に集中してみることが、結果的に、「自分の働く目的を実現できそうな企業を選び、力を発揮すること」への近道になります。
ところで、今回の記事を読んでいただくと、あるフレーズが何度も出てきたかと思います。
・自分の資質
・資質を活かした得意なこと
・自分の働く目的
就職において、自分の資質を活かすとは、目的とは、具体的にどのようなことを指すのでしょうか。
次回は、「自己理解編」として、具体的にどのようなことを把握し、自分の中に落とし込んでいけばいいのか、大切なポイントをお伝えしていきたいと思います。
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人材採用でこんなお悩みはありませんか?
✓ 採用面接で適切な質問が思いつかず、面接のたびにいつも苦労して考えている。
✓ 評価の基準が明確でなく、一貫性がないと感じる。
✓ 評価の公平性に疑問を感じている。
✓ 優秀な人材を見極めるのが困難である。
✓ 質問を考えることや評価に時間を取られている。
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