熱中症と機械学習の共通点

熱中症によって回復できないダメージを追ってしまう脳みそと、データを追加することで忘却してしまう機械学習。似ているような気がします。

ある日の晩、私は得も言われぬ息苦しさに襲われていました。

息を吸おうとするものの、なんだか深く吸えない気がする。

体が固まってしまっていて、とても動かしにくい。

ストレッチしようにも、呼吸が浅すぎて全然伸びない。

体の不調から、なんだかイライラもしてくる。

悪循環です。

 

これは何だ…とGoogle先生に尋ねてみたところ、恐らく熱中症の症状であるようでした。

でもその日の私は、引きこもりを極めていたはずなのです。

最高気温が35度を超えるという予想を見ただけで家の外に出る気力が起きず。

家でできる仕事しかないことをいいことに、一日中自宅警備員をして、エアコンをつけた部屋でPCと向き合っていたはずです。

それなのに熱中症…?

夏の暑さ、恐るべしです。

 

恐らく理由としては、私の“ケチ”なところが出たように思います。

というのも、電気代がもったいないと思ってしまって、あまりエアコンの温度を下げたくないのです。

ついでに言えば、底冷えするから、という健康的な理由ももちろんあります。

そうして、それほど冷えていない部屋と、水分不足のダブルパンチにより熱中症に陥ってしまったのだと分析しております。

お水いっぱい飲まないとですね。

 

ところで熱中症についてネットで調べると、とても恐ろしいことが書いてありました。

曰く、重度の熱中症になった脳みそは、ゆで卵の様である。

そのあと冷やしたとしてももとには戻らず、影響が残る可能性がある。

言われてみれば、卵も脳みそもたんぱく質です。

考えてみると当たり前のことなのですが、そんな恐ろしいことになるとは…。

エアコン、ケチってはいけないと胸に刻みました。

 

一方機械学習でも「元に戻れない」という事象が起こることがあります。

例えば随時データを追加していくオンライン学習という分野で「破滅的忘却」という現象が問題として指摘されています。

破壊的忘却。

とても強い言葉なのですが、どういったものかと言いますと、過去に入力されたデータの情報を一切忘れてしまう、そして思い出すことができない、という状況を指しています。

例えば画像を識別する機械学習モデルを考えたとき。

最初に犬と猫を識別するモデルを学習していたはずなのに、次に猫と鳥を識別するようにデータを追加した結果、犬と猫の識別ができなくなってしまう、と言ったような問題が発生します。

この問題の解決には、例えばあとからデータを追加するときにも犬のデータを入力したり、あるいは知識蒸留と呼ばれる手法を用いて最初に学習した情報を忘れないようにしたり。

いろいろな方法がありますが、一度忘れてしまったものを思い出す、のではなく、最初から忘れないようにする手法がほとんどであるようです。

 

脳みそも、モデルも。

一度変わってしまうと戻れないこと、よくあるのかもしれません。

 

 

P.S.

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Who is writing

大学にてデータサイエンスを学ぶ傍ら、多くの人にデータ分析の面白さを伝えたいと日々奮闘中。