採用面接とは?構造化面接がおすすめの理由・実施手順などを解説
公正で効率良く進められる構造化面接の種類・メリット・実施手順などがわかる記事です。優秀人材を採用するために役立つ情報をお届けします。
採用面接は人材採用に欠かせない重要なプロセスの一つで、9種類に分けられます。中でも効率良く選考を進められる、構造化面接がおすすめです。
本記事では、公正に評価できる・面接官の負担軽減につながるなどの魅力がある構造化面接について解説します。
まずは様々な採用面接の種類についてご紹介し、中でも構造化面接のメリットについて詳しく解説します。また、事前準備から実施までの手順もご紹介しますので、より良い採用活動にお役立てください。
採用面接の種類
採用面接の種類は、以下の通りです。
- 通常の面接(非構造化面接)
- グループ面接
- ケース面接
- ストレス面接
- パネル面接
- 行動面接
- 技能面接
- バーチャル面接
- 構造化面接
次の項目から、上記の各採用面接の特徴について詳しく解説していきます。
通常の面接(非構造化面接)
非構造化面接は一般的な自由形式の採用面接で、事前に用意された質問リストはなく、面接官が自由に質問を考えながら面接を進める形式です。このため、面接官から候補者にされる質問や追加質問が異なることがあります。
非構造化面接は、候補者が自分自身をより自由に表現できる可能性があります。また、面接官も候補者の回答をより深く掘り下げられます。しかし、面接官が統一的な評価基準を持たない場合、候補者に対する公平性が失われる可能性があります。
非構造化面接を実施する際には、面接官が事前に十分なトレーニングを受け、候補者に対して一貫性のある評価をすることが重要です。また採用面接時における評価基準の明確化・面接官間での共有も重要です。
グループ面接
グループ面接とは、複数の候補者が同時に面接を受ける形式の採用面接です。一般的には、3〜10名程度の候補者が参加することが多く、同じポジションに応募する競合者たちと一緒に、チームワークや協調性、コミュニケーション能力、リーダーシップなどを評価するために用いられます。
グループ面接では、候補者たちは課題やディスカッションを共に行ったり、競合関係にある他の候補者と協力したりしながら、面接官たちに自分のスキルや性格をアピールする必要があります。このような状況下で面接官は、候補者たちの行動や発言、表情などを評価します。
グループ面接は、一人ひとりの面接時間が短く済む・多数の候補者を比較評価できるという利点があります。また、候補者たちのコミュニケーション能力や協調性を評価できる点が強みです。しかし、競合関係にある候補者たちが互いに妨害し合う場合もあるため、公平性や客観性が保たれるよう、面接官たちは注意深く観察する必要があります。
ケース面接
ケース面接とは、候補者に実際に起こり得る業務上の問題を提示し、その問題に対してどのような解決策を考えるか、またはどのように対応するかを答えるよう求める採用面接のことです。
ケース面接は、候補者が具体的な問題解決力や応用力を持っているかどうかを評価できます。また、問題解決のプロセスやコミュニケーション能力、判断力、クリティカルシンキングなど、候補者の様々な能力を評価できるため、企業側にとっても有用な手法の一つです。
ケース面接では、候補者が実際の業務で遭遇しうる問題に直面して、その解決策を提示するため、事前に備えている知識やスキルが問われます。ケース面接は、1つの問題に対して複数の回答があることが多いため、企業側は、候補者の回答内容だけでなく、回答のプロセスやロジック、考え方を評価することも重要です。
ストレス面接
「ストレス面接」とは候補者にストレスを与え、その状況下でどのように対処するかを見る採用面接です。主に、高ストレスな状況で働く職種で、そのストレスに耐えられる人材を探すために行われます。
例えば、応急処置が必要な医療現場や消防士、警察官、軍隊などの職種で、突然の緊急事態に臨機応変に対処することが求められます。そこでストレス面接では、候補者に対して、突然の出来事や予期せぬ状況に遭遇した場合にどのように対処するかを質問し、実際に模擬状況を設定して行動力や判断力を評価することがあります。
ストレス面接は、候補者に不快感を与える・企業の悪い評判につながるなどの恐れがあるため、あまりおすすめできません。
パネル面接
「パネル面接」とは、複数の面接官が同時に出席する形式の採用面接です。一般的には3人から5人程度のパネルが構成され、各々が質問や評価を行います。候補者は複数の面接官から異なる視点や意見を受けることができ、より客観的かつ多角的な評価が期待されます。
パネル面接のメリットは、候補者の評価がより公正かつ客観的に行われることや、複数の面接官が同時に出席することで効率的な面接運営が可能になることです。また、各面接官が得意な分野や専門性を持っている場合、パネル面接では多岐にわたる質問ができるため、より深い洞察が得られることがあります。
一方で、パネル面接にはデメリットもあります。複数の面接官がいるため、一人ひとりの意見が食い違う場合があり、それによって候補者の評価に一貫性が欠ける可能性があります。また、パネル面接は一般的に候補者の緊張度を高めることが多く、本来の力量を発揮できない場合があることも指摘されています。
行動面接
行動面接(Behavioral Interview)とは、過去の行動や経験に着目し、その人物の能力や性格を推し量るための採用面接手法です。主に職務経験や業務遂行能力を評価するために用いられます。
行動面接では、過去の事例に基づいた質問が行われます。例えば、「過去にあなたが困難を乗り越えた経験を教えてください」といった質問が挙げられます。また、「そのときあなたがどのように行動したのか」「その結果どのような成果を出したのか」といった具体的な追加質問がされることが多いです。
行動面接では、過去の行動に基づいて今後の行動を予測するため、候補者の能力や経験に関する深い洞察を得ることができます。また、過去の行動によって得られた成果や反省点を通じて、候補者の成長潜在性や自己改善能力なども判断することができます。
一方で、行動面接は個人のプライバシーや人格について深く掘り下げるため、候補者にとっては負担になる場合もあります。また、過去の経験に基づいた評価では、将来的な成長や新しい業務に対応する能力を測ることができない場合もあるため、他の面接方法との組み合わせが求められることもあります。
技能面接
技能面接は、応募者が実際に仕事を行うために必要なスキルや知識を持っているかどうかを評価するための採用面接です。一般的に、技能面接では、候補者に実際の業務に関連するタスクを行わせることがあります。例えばプログラマーの場合、実際にプログラミングを行い、スキル力を評価できます。
技能面接は、実技試験と呼ばれることもあります。この種類の面接は、一般的に専門的な職種に向けられており、応募者の能力を正確に評価できるため、非常に有効な採用方法の一つとされています。ただし、技能面接は、実施にあたって特別な設備や施設が必要となるため、コストがかかることが欠点とされています。
バーチャル面接
「バーチャル面接」とはオンライン上で行う採用面接のことです。ビデオ通話やチャットツールを利用して行われることが一般的です。応募者は自宅やカフェなどから参加し、採用担当者とオンライン上でコミュニケーションをとります。ビデオ通話を利用する場合は、Webカメラやマイクなどの機器が必要になることがあります。
バーチャル面接のメリットは、場所や時間に縛られずに面接が受けられることや、移動時間や交通費を節約できることが挙げられます。また、リモートワークを前提とした企業では、バーチャル面接が採用プロセスの一部として導入されていることもあります。
一方で、バーチャル面接では技術的な問題が起こる可能性があるため、事前にテスト通話を行うなどの準備が必要です。また、面接官との信頼関係や相性の確認が難しいというデメリットもあります。
構造化面接
構造化面接は、事前に設定された質問や評価基準に基づいて、候補者を評価する採用面接形式です。質問や評価基準は、すべての候補者に対して同じであり、回答内容に基づいて一定の評価基準に従って点数をつけます。評価基準には、例えば業務経験やスキル、コミュニケーション能力、リーダーシップなどが含まれます。
構造化面接では、面接官が個人的な好みや印象に基づいて判断を下すことを避け、公平な評価を行うことができます。また、質問があらかじめ決められているため、面接官が思いつきで質問をすることを避け、同じ条件で候補者を比較できます。
構造化面接は、大規模採用や専門的な職種など、複数の応募者の選考を行う場合に効果的です。しかし、事前に設定された質問に回答することが求められるため、個人的な経験や想像力を問われる場合には適していない場合があります。
以上の9つの採用面接を解説しましたが、多くの研究者は、構造化面接が最も効果的な手法であると結論付けています。
構造化面接は、一貫性があり、面接官の評価バイアスを減らすことができ、職務に必要なスキルや能力に焦点を当てた質問を用意できるため、採用の正確性が向上するとされています。
そこで次の項目では、最近注目されている構造化面接について、おすすめの理由やメリットを解説します。
構造化採用面接がおすすめの理由・メリット
構造化採用面接がおすすめの理由は以下の通りです。
- 公正な評価ができる
- 面接官の負担が軽減される
- 面接の品質が向上する
- 面接プロセスが迅速化する
- 適性検査の結果との相関性が高い
上記5つの「構造化採用面接がおすすめな理由・メリット」について、次の項目から順番に解説していきます。
公正な評価ができる
構造化採用面接をすることで公正な評価ができる理由は、以下の通りです。
・質問の均一性:構造化面接では、応募者に同じ質問をするため、面接官が応募者を均一な基準で評価できます。これにより面接官が応募者に異なる質問をして、偏った評価をする状況を避けやすくなります。
・評価基準の明確化:構造化面接では、評価基準の明確化が可能です。例えば、回答の内容、言葉遣い、態度などを評価基準に設定できます。これにより、面接官が応募者を均一な基準で評価できます。
・評価者間の差異の排除:構造化面接では、同じ質問に対する回答を評価するため、面接官間での評価の差異を減らせます。また、評価基準を明確化すると、面接官間での評価基準のギャップを埋めるのに役立ちます。
・評価結果の客観性の向上:評価基準が明確な構造化面接では、応募者に同じ質問をするため評価結果が客観的になります。また評価基準に沿った評価で、面接官が個人的な好みや偏見で評価する状況を避けやすくなります。
これらの要素が構造化面接による公正な評価を実現するために役立ちます。
面接官の負担が軽減される
構造化採用面接によって、面接官の負担が軽減される理由は以下の通りです。
・質問の準備が容易になる:構造化面接では質問を事前に決められるため、迷ったり考えたりする手間暇を減らし、効率良く準備できます。
・質問の範囲が限定される:構造化面接では、事前に決められた質問を応募者に聞くため、面接官は質問の範囲が限定されます。このため面接官が重要性の低い質問をすることなどによって、面接時間が長引く状況が少なくなります。
・評価の負担が減る:構造化面接では、同じ質問に対する回答を評価するため、面接官が評価する要素が限定されます。また、評価基準も事前に明確化できます。このため、面接官が評価の負担を感じづらくなります。
・評価結果の比較が容易:構造化面接では、応募者に同じ質問をするため、面接官が応募者の回答を比較しやすくなります。また評価基準が明確なため、面接官が評価の基準を共有できます。このため評価結果の比較が容易になり、採用決定に必要な情報を得ることができます。
これらの理由から、構造化面接は面接官の負担を軽減できます。面接官は、応募者との面接に集中でき、より効率的な採用活動ができます。
面接の品質が向上する
なぜ構造化採用面接をすることで面接の品質が向上するのかについては、以下をご覧ください。
・貫性が保たれる:構造化面接では、全ての応募者に同じ質問がされます。そのため、応募者に対する評価基準が一定になり、面接の一貫性が保たれます。一貫性が保たれることで、応募者に対する評価が公正になり、採用決定の正確性が高まります。
・面接官のバイアスが排除される:構造化面接では、面接官が応募者に対して持つバイアスを排除することができます。面接官は、自分の好みや偏見によって応募者を評価することがありますが、構造化面接では、同じ質問に対する回答を比較することで、面接官のバイアスを排除することができます。
・評価の客観性が高まる:構造化面接では、評価基準が明確になっているため、面接官が応募者を客観的に評価することができます。また、同じ質問に対する回答を比較することで、評価の客観性が高まります。応募者に対する評価が客観的になることで、採用決定の正確性が高まります。
・評価が科学的になる:構造化面接では、評価基準が明確になっているため、評価が科学的になります。面接官が応募者を評価する際には、事前に決められた評価基準を元に、客観的な評価を行います。評価が科学的になることで、採用決定の正確性が高まります。
以上の理由から、構造化面接は面接の品質が向上することが期待できます。応募者に対する評価が公正かつ客観的になり、採用決定の正確性が高まります。
面接プロセスが迅速化する
構造化採用面接によって面接プロセスが迅速化する点については、以下をご覧ください。
・質問の準備が容易になる:構造化面接では、事前に応募者に対する質問が決まっているため、面接官は質問の準備が容易になります。質問の準備にかかる時間が短縮されるため、面接官はより多くの面接を短期間に実施することができます。
・評価が迅速に行える:構造化面接では、同じ質問に対する回答を比較することができます。そのため、評価を迅速に行うことができます。また、評価基準が明確になっているため、評価作業がスムーズに進むことが期待できます。
・決定プロセスが迅速化する:構造化面接では、応募者に対する評価が客観的に行われるため、採用決定のプロセスが迅速化することができます。評価作業がスムーズに進むことで、採用決定までの時間が短縮されます。
・応募者のストレスを軽減する:採用決定までの時間が短縮されることで、応募者にとってもストレスを感じる時間が短くなります。
以上の理由から、構造化面接は面接プロセスが迅速化することが期待できます。面接官はより多くの面接を短期間に実施することができ、採用決定までの時間が短縮されます。また、応募者のストレスを軽減できるため、面接プロセスが円滑に進むことが期待できます。
適性検査の結果との相関性が高い
構造化採用面接が適性検査の結果との相関性が高い理由を把握するため、両者の特徴を解説します。
適性検査は、応募者のスキルやパーソナリティ、その他の能力を評価するための検査です。適性検査は、構造化面接と同様に客観的な評価方法であり、応募者の能力やスキルを測定するための信頼性の高い方法として広く使用されています。
構造化面接は、質問があらかじめ決まっている点から、応募者の回答を客観的に評価することができます。このように構造化面接と適性検査には客観的に評価できるという特徴が共通しており、相関性が高いとされています。
さらに、構造化面接においては、応募者の回答を評価する際に明確な評価基準が定められています。この評価基準は、応募者のスキルやパーソナリティ、その他の能力を測定するための適性検査の評価基準とも一致することが多く、結果の相関性を高める要因となっています。
以上の理由から、構造化面接は適性検査の結果との相関性が高いとされています。構造化面接と適性検査の結果が一致することで、応募者の能力やスキルをより正確に評価することができ、採用決定の正確性を高めることが期待できます。
構造化採用面接の事前準備
構造化採用面接は、従来の自由形式の面接とは異なり、事前に決められた質問項目を使用して面接を行う方法です。以下に、構造化面接の流れと手順を説明します。
- 目的と質問項目の設定
- 評価基準の設定
構造化面接に役立つ準備をしっかりと把握しておけば、採用活動を成功させやすくなります。そこで、上記6点の詳細を次の項目から順に見ていきましょう。
目的と質問項目の設定
構造化採用面接の流れにおける「目的と質問項目の設定」では、採用する職種やポジションなどに応じて、採用面接の目的と質問項目を設定します。
目的とは、採用面接において何を評価するのかを明確にすることです。例えば、営業職について採用する場合、営業経験や営業手法、顧客対応力などを評価することが目的となります。また、個人の性格や行動特性に関する評価も行う場合があります。
質問項目は、目的に基づいて決定されます。応募者の経験やスキル、自己PR、モチベーション、職務適性などに関する内容が含まれます。例えば、営業職について採用する場合、以下のような質問項目が考えられます。
- 過去の営業経験について教えてください。
- 顧客に提案する際に、どのようなアプローチをしていますか?
- 長期的な顧客関係を築くために、どのような工夫をしていますか?
- 新規開拓について、どのような取り組みを行っていますか?
これらの質問項目は、営業職に必要なスキルや経験を評価するために設定されています。
質問項目は、採用面接の評価基準となり、応募者の能力や適性を評価するための重要な要素となります。
構造化採用面接では、質問項目を事前に決めておくことで、採用プロセスが効率化され、客観的な評価ができるようになります。
評価基準の設定
構造化採用面接の流れにおける「評価基準の設定」では、目的と質問項目を決めた後、各質問項目に評価基準を設定します。
評価基準は、質問項目に対する適切な回答や行動の基準を示すものであり、採用面接の評価を一貫性のあるものにするために必要なものです。各質問項目に対して、採点基準や行動特性、必要なスキルや知識などを明確に定義することが求められます。
例えば、営業職における「過去の営業経験について教えてください」という質問項目に対する評価基準を設定する場合、以下のような設定方法が考えられます。
- 具体的な数字や実績を交えた答えがあるかどうか
- 顧客からの評価やフィードバックがあるかどうか
- 自己評価と現場での評価が一致しているかどうか
- 新規開拓や既存顧客のフォローアップなど、営業業務全般についての知識やスキルがあるかどうか
これらの評価基準は、面接官が応募者の回答や行動を評価する際の基準となります。評価基準を明確に設定することで、採用プロセスの透明性が高まり、公正な評価が可能になります。
構造化採用面接を実施する際の手順
構造化採用面接を実施する際の手順は以下の通りです。
- 質問項目の提示
- 回答の記録
- 評価の総合化
- 結果の報告
次の項目から上記4点について、順に解説していきます。
質問項目の提示
面接官が所定の質問をして候補者が答えるステップが、構造化採用面接の流れにおける「質問項目の提示」です。
まず、面接官はあらかじめ設定された質問項目のリストを用意し、それを基に面接を進めます。質問項目は、候補者が持つ必要なスキルや資質、過去の経験や実績などに関することが多いです。例えば、「あなたの最も重要な業績は何ですか?」や「あなたが解決した最も難しい問題は何ですか?」などの質問が含まれます。
面接官は、候補者に対して質問を提示し、候補者がそれに答える時間を与えます。このとき、面接官は候補者の回答内容を評価するために、あらかじめ設定された評価基準に従って評価します。
例えば、回答の的確さ、説明の明瞭さ、語彙や文法の正確さ、相手を尊重する態度などが評価基準の一部となります。
回答の記録
構造化採用面接において回答の記録は、候補者を面接官が評価し、採用するかどうかの判断をするための材料とするためのステップです。
回答の記録には、主に以下の方法があります。
・手書きのメモ:面接官が直接、手書きのメモを取る方法です。質問や回答内容、評価ポイントなどをメモしていきます。面接官によっては、後で評価シートに転記する場合もあります。
・評価シート:あらかじめ設定された評価シートに回答内容を記入する方法です。評価シートは、評価基準や質問項目、回答内容を列挙したシートで、面接官はそれに従って回答内容を記入していきます。
・録音、録画:面接官が録音や録画を行う方法です。候補者の回答を録音・録画し、後で再生して回答内容を確認します。ただし、個人情報保護の観点から、候補者の同意を得てから行う必要があります。
回答の記録は、面接官が採用判断をするために必要な情報を記録できます。また評価基準に従って評価でき、公正な採用判断が可能になります。さらに採用面接の後で候補者の評価を共有する場合や、内定を決定するための議論の場合にも、回答の記録は非常に役立ちます。
評価の総合化
構造化採用面接における「評価の総合化」では最終的な採用判断をするため、面接官が候補者を総合的に評価します。評価の総合化には、以下の方法があります。
・評価シートの集計:面接官が回答内容を評価シートに記入した場合、評価シートの集計を行うことで、各評価ポイントごとに点数を加算し、総合評価を導き出すことができます。
・点数付け:各評価ポイントに対して点数をつけ、それらを総合的に加算して採用判断をする方法です。点数は、評価基準に従って設定されます。
・総合評価の協議:複数の面接官が参加する場合、総合評価を協議することで、より公正な採用判断をすることができます。各面接官が評価シートや点数付けを行った後、総合的な評価を導き出すために協議を行います。
以上のように評価の総合化には様々な方法があり、自社の求める人材を採用するためには調整が重要となります。
結果の報告
構造化採用面接の最後のステップ「結果の報告」では、面接結果をまとめ、採用決定に必要な情報を提供します。構造化採用面接の実施後に結果報告をする際の流れは、以下の例をご覧ください。
・候補者ごとの評価結果のまとめ:面接官が評価した候補者のスコアをまとめ、比較可能な形で示します。このとき、評価項目ごとのスコアや総合評価スコアなど、必要な情報を含めます。
・候補者の適性評価:候補者の適性評価も報告書に含めます。適性検査の結果と採用面接の結果を合わせ、候補者が求めるポジションに適しているかどうかを総合的に判断します。
・推奨、否定の判断:最終的に、候補者について推奨するか否定するかを決定します。これは、適性評価、採用面接の結果、応募者のスキルや経験など、全ての情報を総合的に判断して行います。
・詳細な報告書の作成:最後に、報告書を作成します。この報告書は、採用決定に必要な情報を提供するだけでなく、採用決定の理由や根拠を明確にするためにも利用されます。
報告書は、面接官や人事担当者など、採用に携わる全ての関係者に提供されます。候補者には、採用の可否を伝えるために、選考結果について連絡することも重要です。
より良い採用活動ができるよう、上記手順を参考に構造化採用面接に取り組みましょう。
「採用面接とは」のまとめ
採用面接は、企業にとって非常に重要なプロセスです。
非構造化面接は、自由形式の質問で求職者の能力を評価しますが、主観的な判断が入り公平性に欠ける可能性があります。
構造化面接は一連の質問を統一した基準で評価し、公正性と客観性を確保します。
また、構造化面接には面接官の負担が軽減され、面接の品質が向上し、プロセスが迅速化されるなどのメリットがあります。
構造化面接は、採用面接において公正な評価を行いたい企業にとって、非常に有用な手法となります。
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