現実の試行錯誤とAIの試行錯誤の共通点

最適な方法を見つけるための試行錯誤。そのために事前知識が必要になるのは、データ分析も家事も同じでした。

  

我が家ではいま、2台のロボット掃除機が活躍してくれています。

一つ目が、ごみ取り担当ルンバちゃん。

二つ目が、床拭き担当ブラーバちゃん。

お出かけ中に掃除を終わらせてくれることの、なんと有難いことでしょうか。

二台には本当にお世話になっています。

 

ですがこのロボット掃除機たち。

とても頭が良いのですが、時にはヘルプを要請してくることがあります。

消耗品であるフィルターが汚れている、等であれば適宜対応すればよいので問題ないのですが、一番困るのが「動けなくなってしまった」というエラーです。

例えばキャスター付きの椅子に突っ込んでしまったとき。

キャスターの部分にうまい具合に挟まってしまい「動けないよ~」というヘルプを出してくる時もしばしば。

あるいは、窓のサッシの微妙な段差に足を取られてしまい「動けないよ~」という助けを呼ぶ声が聞こえてきます。

彼らの活動時間のほとんどは人間のいない時間ですので、人間が帰ってくるまでずっとヘルプを求めている…と考えるとちょっと、困ったエラーながらも可愛く思えてきてしまいます。

 

そういった動けなくなってしまうエラーを解決するための方法にはいくつかあります。

まずは、障害物をなくす方法。

とは言え、重たいキャスター付き椅子を毎回動かすことは容易ではありません。

他には、ルンバやブラーバが認識できる赤外線の壁を用意することにより、進入禁止領域を作るという方法もあります。

ただ、こちらのネックは進入禁止区域を四角形で設定しなければいけないことです。

入ってほしくないのはあくまで、特定の椅子の下だけです。

加えて、毎回作動させることを忘れてしまいそう、という人間側の問題もあります。

以上をかんがみ、我が家ではとある施策を試してみることにしました。

その名も、紐大作戦。

入ってほしくない椅子のキャスターに紐をつけ、物理的に通れないようにしてしまおう、という作戦です。

その作戦を始めて2か月。

ついに「紐」は撤退を余儀なくされてしまったのです。

紐をつけて障害物としたのは良かったのですが、むしろ紐に引っかかってしまい「助けて~」という状況になることがとても多くなってしまったためでした。

物は試しにやってみたのですが、なかなか、素晴らしい方法は見つかりません。

 

ところでこのような試行錯誤は他のところでもたくさん出てきます。

例えばデータ分析においても、どの手法が合致するかはやってみないとわからない、という部分が多数あります。

単純な重回帰分析でいいのか。

あるいは、決定木と呼ばれるモデルが合うのか。

ニューラルネットワークのような複雑なモデルが合うのか。

それぞれのモデルで得られる副産物も考慮しながら決めていく必要があります。

ですがここで重要になるのが、あらかじめ持っている知識です。

重回帰分析と決定木では何が違うのか?

ニューラルネットワークを適用するときに何を気を付ければいいのか?

それらをきちんと把握していれば、より効率的な試行錯誤ができます。

 

今回、私の「紐」大作戦が失敗に終わってしまったのも、ロボット掃除機の動きに対する認識の解像度が低かったからである気がしてなりません。

まさか、紐がロボット掃除機の突起に引っかかってしまうとは思いもしませんでした。

試行錯誤は必要不可欠だけれども、どう効率的に最適解を見つけるのか?

それには日々の勉強が欠かせないように思いました。

 

 

P.S.

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Who is writing

大学にてデータサイエンスを学ぶ傍ら、多くの人にデータ分析の面白さを伝えたいと日々奮闘中。