
「AIによって仕事が奪われる」
そこにランクインしていて、実際に奪われた仕事が現時点でどれだけあるのか…は怪しいところですが、いずれにしても色々な仕事が「AIに代替される」と言われています。
その筆頭が、データ入力や集計といった定型化された知的業務。
他にも、事務や単純作業、接客業の一部についても、AIによって代替できるのでは?と言われることが多い業務です。
多岐にわたるように見えるこれらの業務ですが、一つの共通点として、PCで完結する、ということが挙げられます。
データ入力や集計というのはその典型例で、例えばスキャンした画像からデータを抽出する…といった業務も、PCの中で行うことが可能となっています。
集計の方は言わずもがな。Excelでの集計作業は、前職の仕事の中でも多くの時間を占めていました。
大学での仕事を考えてみても、PCで行なっていた論文調査やプログラミングは、実際にAIによって大いに助けられている業務たちです。
文章を書く。
Webを調べる。
コードを書く。
資料を作る。
上記の作業は、生成AIが得意としてきたものの筆頭です。
そしてこれらの多くは、「PCの中」で行われてきました。
さらにはAIエージェントの登場により、複数のソフトウェアを跨いで仕事を任せることすらできるようになっています。
そしてついに、現実世界へ飛び出すAIが現れ始めたのです。
8月27日、Anthropicは「Model Hardware Standard (MHS)」という新しい仕組みを発表しました。
【Previewing the Model Hardware Standard】
https://www.anthropic.com/news/model-hardware-standard-research-preview
AIはPCを飛び出して、現実社会、具体的には、PCの外にある「機械」を取り扱うことができるようになったのです。
上の記事で紹介されているMHSは、AIエージェントが顕微鏡や実験装置、ロボットアームなど、さまざまな物理機器を共通の方法で操作するための規格のことです。
では、なぜ「共通規格」が必要なのでしょうか。
これまで研究機器や製造設備は、それぞれが異なる方法で動いていました。
そのため、AIエージェントで複数の機器を連携させようとしても、専門家が機器ごとに専用のプログラムを作る必要があり、Anthropicによれば、その事前準備だけで少なくとも数週間かかる、と言うことです。
ここでMHSの出番です。
MHSは、機械に「読む」「書く」といった共通の命令体系を用意し、この接続を標準化しようとする試みです。
つまり、AIが各機器の状態を読み取り、条件を変更し、結果を確認しながら次の操作を考える…といった一連の改善プロセスを進めることが容易になる、ということになります。
実際に実験も行われており、例えば量子コンピュータ企業QuEraで行われた実験では、99.3%の確率で不具合を直すことができた、という結果が出ています。
(もちろん、この不具合を直すための難易度によっても、この「99.3%」という数値のインパクトは変わりますが、そもそもこのような研究ができる、ということ自体が驚くべきことだと思います。)
そしてこの実験においては、精度以上に面白い発見がありました。
なんと、人間とは異なる不具合の判断方法を見出したというのです。
これはAIが何百回もの試行を繰り返しながら、判断を重ねていった結果です。
単なる人間の模倣ではない結果を出せること、これは業務の改善において、大きなアイディアを与えてくれるに違いありません。
もちろん、この研究領域はまだまだ、「AIに全てを任せられる」状況にはありません。
実際に、AIの物理・空間的な理解に限界があったため、人間の研究者による助言が必要であった事象もあったようです。
ただ、この技術が進んでいくことによって人間は「どんな実験をするべきか」「結果をどのように解釈できるか」という点に集中することができます。
データ分析などにおいて、人間の役割が変わってきたように、物理機器を扱う仕事においても、その役割分担の変化が徐々にみられてくるのかもしれません。
どうやってAIと人間で仕事を分担するのか。
この議論はこれからもまだまだ続くことになりそうです。
P.S.
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https://48auto.biz/keieijinji/touroku/sp/scenario13.htm
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